二次元裏@ふたば

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116623 B26/09/04(金)19:06:34No.1465117060そうだねx7 20:34頃消えます
※ネタバレ

魔獣退治の帰り道、さぁ取れと言わんばかりに鳴り響くトガゲ電話に出遭ってしまえば眉もひそめるというもので。
「……もしもし」
『明日空いてるわね?十一時に見滝原駅西口で待ってる。……あっAMよ』
言いたいことだけ早口でまくし立てたと思ったらガチャ切り。私そろそろこいつに怒る権利あるよね?と思いながら、一人ため息を吐く。
兎にも角にも悪魔様からのお呼出とあればただならぬ事態に他ならないのだろう、そうじゃなかったら一発げんこつする。
やれやれと思いながら翌日集合場所に来てみれば──
「あら美樹さやか、いらっしゃい。ずいぶんと神妙な顔で来てくれたのね?」
ふわりと良い匂いを振りまきながら、ずいぶんと洒落た格好の悪魔が笑いかけてきた。
「用事は」
「私用よ、タルト・ドゥ・ソレイユはお一人様お断りなの。貴女行きたがってたでしょう?」
それは確かにただならぬ事態だった。この悪魔から食事の、しかもきわめてイイ感じの(趣味に合った)店を提案されるとは。
イエスともノーとも言えないまま、私は「さぁ」とか芝居がかったしぐさで手を差し伸べる悪魔と並んで街を歩き始めた。
126/09/04(金)19:07:13No.1465117256そうだねx6
それにしても今日のこいつ本っ当にいい匂いしてて、なんか逆にムカついてくる。
「シトラス系の新作よ、お気に召したようで何よりだわ。今度貸してあげましょうか?」
テレパシーも使ってないのに思考を読むな、と返せばクスリと上品に嗤う。悪魔め。
「にしても、お店といい香水といいどうしたのアンタ。なんかキャラ違わない?」
本心だった。あまりにも丁寧過ぎるというか、あらゆる要素がさやかちゃん好み過ぎる。
仮に人を誘うにしても、コイツなら「栄養摂取が出来れば十分でしょう?」とかのたまって、良くてファミレス悪けりゃコンビニ飯で済ませそうなもんなのに。
「貴女が知る必要のない事よ」
あーでたでたいつもの。はいはい、もう苛立つことも無くなりましたよっと。
「そーですか。とりあえずタルト食べてからげんこつするか決める」
「……貴女も少しキャラが変わってるんじゃないかしら?」
「慣れだよ、アンタへの」
「慣れ……」
初めて聞いた概念を咀嚼するように、悪魔はこの日初めて真剣な表情をした。本気の想定外が起きた時の顔だ。
こういうところ、ちょっとかわいいと思う。ぜっっったい口には出さないけどね。
226/09/04(金)19:09:18No.1465118020そうだねx6
結論、タルトは美味しかった。そりゃもう天にも昇る心地でございました。
変な借りを作りたくないのでお会計はキッチリ折半。さてお腹も膨れたしこの後は──
「運動ね。ここから西に歩いて666m、貴女好みのバッセンがあるのだけど?」
コイツの口から「バッセン」なんて言葉が出てくることがまず驚きだし、どこまで人の密かな趣味を暴いているのか怖くなってきた。
「で、行くのかしら?やめておく?魔法少女でも余分なカロリーは脂肪に変換されるわよ?」
巴マミのように都合のいい場所ばかりに行くとも限らないのだし、とか追い打ちをかけてくる悪魔に誑かされてさやかちゃんはみすみすバッセンへ直行。
100kmくらいの打ちごろ球をカッキーンと景気よく跳ね飛ばしていく私。
美酢を吸いながらベンチでそれを眺め続けている悪魔。
「アンタもさー!」フルスイング。一、二塁間への弾丸ライナー。
「一打席くらい打ったらー!?せっかく来てるんだしー!」フルスイング。左中間へホームラン性の打球。
本気で誘ったつもりはなかった、だから返事も期待していなかった。
なの、だが。
「そうね。じゃあ、打ち方教えてもらえるかしら」
見逃し三振。
326/09/04(金)19:10:33No.1465118540そうだねx6
楽しかった。ちょっと悔しいくらい楽しかった。
油差してない機械みたいな動きをする悪魔の手を取って、イチからスイングを教え込む。
腕の位置、腰の位置、脚の位置。ぴったりとくっついて理解させる。
無様に空振りすれば二人で大笑し、運よく当たればサヨナラ満塁打のごとく騒ぎ立てて盛り上がる。
こいつと行くバッティングセンターがこんなにも楽しいとは思わなくて、汗ばんだ髪をかき上げる悪魔の横顔から目を逸らすタイミングが遅れてしまった。
「……どうしたの?」
「アンタが知る必要のない事だよっ!」
そう、と含み笑うその顔さえ夕焼けに照らされて、今のあたしにはたいそう目の毒で。
だから、大満足の帰り道に待ち構えていた"おあつらえ向きの建物"に誘い込まれてしまったのは、きっと蜥蜴の毒気にやられてしまったのだろう。

交互にシャワーを浴びる。女子中学生一人には大きすぎるベッドでその時を待つ。
不意に回転した記憶と思考が唐突に全ての真相を耳打ちしてきて、それに驚愕する間もなく組み敷かれた私は昂る瞳を覗き返す。
「アンタさ」
「私の記憶消したでしょ」
悪魔の顔から、微笑みが消えた。
426/09/04(金)19:12:14No.1465119185そうだねx6
「何の事かしら」
「理想的過ぎるんだよ。駅で会ってから今の今まで、今日のアンタは本当に本当に完璧だった。いっそ気付きたくなかったくらいにはね」
「言っている意味が……」
「ここからは勝手な推理だから間違ってたら突っ込んで。
 まず前提、アンタは何かしらの事情でものすっごい桃色気分になった。で、私を使おうとした。
 一回目、アンタは出会ってすぐにここへ連れ込もうとした。で、当然拒否されて失敗した。恥ずかしくなって記憶を消した。
 二回目、まず私をその気にさせるために食事を計画した。ファミレスで駄弁ってそのまま解散。記憶を消した。
 三回目、タルト・ドゥ・ソレイユを予約した。美味しくスイーツタイムして機嫌がよくなった。じゃあいいでしょうとか勘違いして真っ昼間から連れ込もうとしてまた失敗した」
さっきまで少なからず魅了されていたはずの悪魔に、親の仇のように睨まれている。それが何よりもこの推理の真正性を保証してしまっていた。
「四回目、夜まで時間を潰すためにバッティングセンターに目を付けた。汗臭くならないよう眺めているだけだったから距離を感じて失敗。
 五回目……」
526/09/04(金)19:14:19No.1465120115そうだねx6
「で、今回が計七回目の初デートってのが探偵さやかちゃんの名推理。反論ある?」
「……」
おいこら、全裸で他人の身体に跨っておいて沈痛な面持ちで俯いてんじゃない。てか全部図星かマジか、後半カマかけのつもりだったのに。
「はぁ……」
重いため息がこぼれ落ちる。
しょうもない。本当にしょうもない。悪魔の権能と相当の試行錯誤を重ねて練り上げた計画がヤリモク100%のナンパプランでしかも行為直前に露呈しきるとか。
また記憶消せばそれで済むのにバレたのがショック受けすぎて何も考えられずに唇噛んでるだけなのとか。
コイツがそういう顔してたらどうしても放っておけなくなる私自身とか。
全部全部、しょうもないと思う。
「あのね、別に責めてないから。アンタがそういう奴だってことはもう知ってるし」
「…………いい、の?」
「まぁ、いい。わかったところでどうしようもないし、アンタが私のために頑張ってくれたのは本当だし。……ただし!次コレに関する記憶消したら本気で絶交するから!記憶消されてもするからね!?わかった!?」
返事は聞こえなかった。私の口もふさがれたから、文句も言えず仕舞いだった。
悪魔め。
626/09/04(金)19:19:04No.1465121952そうだねx5
待ってくれないか青ほむの洪水を一気に浴びせかけるのは
726/09/04(金)19:19:43No.1465122215+
続けろ
826/09/04(金)19:19:48No.1465122242+
ほむらちゃん…?
926/09/04(金)19:21:42No.1465122945そうだねx7
>悪魔め。
まで読んだ
1026/09/04(金)19:22:11No.1465123152+
>続けろ
一応ここまでです
青ほむいいよね!
1126/09/04(金)19:23:25No.1465123641+
>ほむらちゃん…?
身体だけの関係だから
終わったら記憶消すから
1226/09/04(金)19:23:44No.1465123757そうだねx5
>アンタが私のために頑張ってくれたのは本当だし。
天然タラシの台詞すぎる
1326/09/04(金)19:24:14No.1465123933+
>>ほむらちゃん…?
>身体だけの関係だから
>終わったら記憶消すから
このあと廻天本編へ
1426/09/04(金)19:24:30No.1465124036+
悪 悪     悪 
魔  魔   魔    悪
め   め め    魔
        悪 め
  悪     魔
  魔    め
  め
1526/09/04(金)19:28:05No.1465125423そうだねx2
青ほむ怪文書?を書くと人の役に立てるんだって!
1626/09/04(金)19:36:17No.1465128521そうだねx1
悪魔情けなさすぎる…
このあと腰ヘコヘコするんだろうな
1726/09/04(金)19:43:16No.1465131013+
続きはまだかい?
1826/09/04(金)19:54:28No.1465134895+
ヘタレ悪魔いいよね…


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