二次元裏@ふたば

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178516 B26/08/28(金)22:48:46No.1463037429+ 29日00:01頃消えます
ある日の休日。キングヘイローとスペシャルウィークは遊びに出かけていた。
「んー、さっきのクレープなまら美味しかったべ〜!」
「そうね。だからって5枚も食べたのはちょっと驚きよ」
「私にしては抑えた方だよ?この後も食べたいものがあるし…」
「まだ食べる気!?…あ、そうだ。ちょっと本屋に寄ってもいいかしら?」
「いいよ。何買うの?」
「小説。今度映画化されるの。良かったら一緒に観に行かないかしら?」
「本当はトレーナーさんを誘いたかったり〜?」
「もう、からかわないの。すぐ戻るから」
そう言って、本屋の入口をくぐろうとしたキング。自動ドアが開き、真っ先に目に入って来たものとは。
“今、売れてます!”“今週の売れ筋ランキングNo.1”
“奥手な殿方も一発差し切り!恋のレースの極意”
店員の手描きポップで彩られ、売れ行きの本棚に鎮座した自分の母親の著書だった。
😊→😐→😭(キングの表情変遷)
泣き崩れた彼女はそのまま入口で蹲った。
126/08/28(金)22:49:34No.1463037719+
「キングちゃん!」
「何で…何でなのよぉ…何で今更こんなに売れてるのよぉ…」
「夏で海水浴とかお祭とかイベント目白押しだったからその後を狙った娘が多かったんじゃないかな?」
「あ、あぁーっ!なるほど!………って納得した自分が嫌だわ…」
キングの母。偉大な競走ウマ娘にして、現役中に自身のトレーナーの子を身篭り、そのままレースに出走した困ったさん。しかもその経験談を本やラジオで発信するおバカさん。byキング
「エルちゃんから聞いた話だけどね、グラスちゃんが合宿の一週間前から必死に読み込んでたって」
「余計な情報を付け加えないでちょうだい」
親しい友人のそういう側面は知りたくないのが人の性。否、ウマの性。とはいえそこは一流ウマ娘。ゲンナリした顔のままよっこらせと立ち上がった。
「回復早いね?」
「親のそういう話を参考にして友人が恋愛成就させようとしてるのは嫌だけどね、それで報われるのなら私は何も言わない。黙って泣くわ」
「泣きはするんだ…」
226/08/28(金)22:50:15No.1463037988+
「さて、気を取り直して小説買うわよ。気分が優れない時は面白いものを読むに限るわ。映画になるから話題書のコーナーにあるはずよね。えーっと…あ、あった」
お目当ての本に手を伸ばす。ふと、その隣に目をやる。
“話題の恋愛指南書!”“著者──さんの半生、映画化決定!”
“奥手な殿方も一発差し切り!恋のレースの極意”
😭
「キングちゃん!」
「ハウツー本の映画化って何よ…」
「うーんと…あ、よく見たら違うね。半生が映画化されるから、話題に乗っかって書いた本も宣伝してるみたい」
「紛らわしいのよ。というか忘れかけていたけどあの人競走ウマ娘としては超一流だったわ。それこそ映画の題材にされるくらい」
「まあ半生を描くってことはキングちゃんのお父ちゃんとの馴れ初めやらアプローチやら逆ぴょいやらの描写もあるかもね」
「余計な一言を加えて心を折らないでちょうだい」
わざわざ二箇所に陳列するんじゃないわよ。そんな悪態を飲み込んで、こんなトコに長居出来るかと目当ての本を抱えて会計に急ぐ。ところが。
「あら、キング?それにスペシャルウィークさんも」
「げっ」
「キングちゃんのお母ちゃん!?」
326/08/28(金)22:50:43No.1463038212+
まさかのご本人登場。3年間のレース生活を経て、それなりに自身の親へ歩み寄ったキングだったが、未だに若干の苦手意識がある。というか最近は変な本を書くせいで別方向への苦手意識が芽生えてきた。思わず数歩後ずさる。
「そ、そんな避けようとしなくてもいいじゃない…」
「ごめんなさい、つい…」
「…まあ仕方ないわよね。いつか貴方がもう一度心を開いてくれるまで頑張るわ」
「いや、そういうわけじゃ…」
頑張らなくていいからその変な本を書かないでほしい。そう言いたい所であったが、友人達が救われるのならと言った手前打ち明けることは叶わなかった。
「それでも嬉しいわ。サイン会の様子を見に来てくれるなんて。貴方なりに歩み寄ろうとしてくれてるのかしら?」
「は?サイン会?」
「キングちゃんキングちゃん」
スペが指差す方に目をやると、確かに“話題の恋愛指南書著者サイン会!”と、堂々宣伝されていた。日付は本日。なるほどとキングは頷いて。
「たまたまよ」
426/08/28(金)22:51:02No.1463038367+
「貴方にレースは向いてないわ。今すぐ帰ってきなさい」
「分かりやすく拗ねないでちょうだい」
「キングちゃん、今のはちょっと酷いかも…お母ちゃんが喜んでくれるなら嘘でもそう言った方がいいんじゃない?せめてサインだけでも…」
「貴方が母親の話すると反論し難いのよ。嫌よ、家に帰ったらいつでも会える人のサインなんてわざわざ貰わないわ」
「帰ってきてくれないじゃない…」
「もー!何なのよ!」
「うふふ、冗談よ。とはいえせっかくだから見学していってくれると嬉しいのだけれど」
そう言われると嫌と言えないのが一流ウマ娘。仕方なくすみっこの方で見学をすることにした。
数分後、サイン会開始前だと言うのに結構な人数が並び出した。中には、見知った顔もチラホラ。
「わぁ、すごいね!これ皆あの本のファン!?」
「いえ、お母様は名の知れた競走ウマ娘。きっと現役時代の走りのファンもいるはずよ。いると言ってちょうだい!」
「迫真だね」
今にも掴みかかって来そうなキングを宥めながら会場に目を戻す。見知った顔の中でも特別見知った顔が目に入った。
526/08/28(金)22:51:39No.1463038678+
「グラスちゃん?」
「ギクッ」
「何やってるのよ貴方…」
「ち…違いますよ?よく似てると言われますが私は妹のワンダーアゲ…」
「いいわよ。誤魔化さなくて。大方お母様に直接のご利益を貰いに来たとか、そんな所でしょう?大和撫子が聞いて呆れるなんて責めたりしないわ」
「それ思ってないと出てこない台詞じゃないでしょうか…?」
「まあまあ、キングちゃん」
恥ずかしそうに蹲るグラスにジト目を送るキングを宥めつつ、スペは再び会場に目を戻す。また特別見知った顔を見つけた。
「エルちゃん?」
「スペちゃーん!キングー!奇遇デース!ところでグラス見ませんでした?この店に入る所までは見てたんデスけどこの人混みで見失っちゃって…」
「そこよ」
言われるまま足元に目をやると丸くなったグラスがいた。
626/08/28(金)22:52:06No.1463038898+
「何やってるんデース?」
「エルこそ…私を探してたんですよね?何の用ですか?」
「ケ!?いや、別に!?コソコソ部屋を出て行ったからこっそり尾行して揶揄うネタを見つけてやろうとか、そんなこと全然考えてないデース!」
「なるほど、お仕置です」
「まあまあ、グラスちゃん」
エルにアイアンクローを食らわせるグラスを宥めつつ、スペは三度会場に目を戻す。またまた特別見知った顔を見つけた。
「セイちゃん?」
「ん、スペちゃん。皆もお揃いで」
「あー…スカイさん。貴方はいると思った。特別驚きもしないわ」
「何か失礼じゃない?」
「娘の友人だからって特別扱いはしてもらえないわよ。大人しく列に並びなさい。最後尾はあっちよ。それじゃあね」
「何か失礼じゃない!?」
「まあまあ、キングちゃん」
分かりやすく拗ねているキングを宥めつつ、スペは四度会場に目を戻す。またまたまた特別見知った顔を見つけた。
726/08/28(金)22:52:27No.1463039190+
「ツルちゃん?」
「あー、もう!この流れなら絶対いると思った!ツルマルさんもなの!?」
「あ゛ぇへ゛ぇっ!ずべぇっぢゃっげぇほっごほっ!ぎんぐぢゃっ……うぇぼぉえっへぇっ!」
「「なんて?」」
「いやぁ…ごめんねぇ…私もこの本のファンでねぇ…色々試してるんだけど中々上手くいかないからもう書いた人に直接アドバイスとか貰えたらなぁって思ってサイン会に並んでみたんだけど思いの外列長くて疲れちゃってぇ…」
「もういいわツルマルさん!喋らないで安静にして!お母様には私から後でサインでも相談でも出来るように話を通しておくから!」
「あれぇ?私の時と対応が違うぞぉ?」
「まあまあ、セイちゃん……って、私宥めてばっかり」
スペ、溜息一つ。そんな騒がしい所へ…
「ふふふ、楽しそうねキング」
「お母様、サイン会始まるわよ。こんな所で油を売ってていいのかしら?」
「ご心配ありがとう。大丈夫よ、長居はしないから。ただ…」
母はキングと、取り巻くウマ娘達の顔を見回す。
826/08/28(金)22:53:15No.1463039596+
「貴方の選んだ道を改めて見定めたかっただけ。良い友達を持ったわね」
「……ええ、一流の友人達よ。貴方に言われたまま逃げていたら、きっと得られなかった」
「そうね。皆さん、いつも娘がお世話になっています。ちょっと正直じゃない所もあるけれど、末永く仲良くしてやってくださいね?」
「ちょっと、お母様!恥ずかしいから…」
「これ、お近付きの印に私の書いてる本です。よろしければ是非」
「ちょっとお母様!?恥ずかしいから!!」
「わぁ、ありがとうございます!サインも貰ってもいいデスか?」
「直接貰えるといつもの本よりご利益ありそうだね〜」
「げぇっほっ…あの…よろしければ後で相談に乗っていただきたく…」
926/08/28(金)22:53:25No.1463039676+
「図々しいのは百も承知でお願いなんですが、キングちゃんとツーショット撮らせてもらってもいいですか?実際に現役中にトレーナーをオトしたウマ娘と、その愛の結晶の写真ってご利益ありそうで…」
「貴方達!?いい話でまとまりそうだったのに何言ってるのよーーっ!!?」
キングの絶叫が響いた。
後日、グラスの部屋に遊びに行くと自分と母のツーショットが神棚に飾ってあり複雑な気持ちになったキング。とはいえせっかくのツーショットなので、自分も額に入れて机に飾ったのは秘密のお話。
1026/08/28(金)22:54:34No.1463040120+
長くなりすぎるのとどういう娘かほとんど分からないのでファレノプシスちゃんは書きませんでした
1126/08/28(金)23:03:33No.1463043415+
いい感じに締まりそうだったのに最後で台無し!
1226/08/28(金)23:25:36No.1463051032+
愛の結晶キングヘイロー可愛い
1326/08/28(金)23:29:22No.1463052281+
スペちゃんのツッコミが素朴


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