二次元裏@ふたば

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162749 B26/08/02(日)19:00:41No.1454836471そうだねx2 20:20頃消えます
「もし、生まれ変われるなら何になりたい?」
「えっ?」
トレーナーさんが唐突に尋ねたのは、夜風が心地よいある秋の日の休日のことでした。
問いの答えが浮かぶより先に、すぐに答えられないもどかしさを覚えてしまいましたが、それはどうしてそのようなことを訊くのだろう、という疑問が頭の半分を支配していたからです。こういう空想に耽るのは、いつも私の役回りでしたから。
「あ、ごめんごめん、急に変なこと訊いて。
テレビでちょうどいろんな動物の特集をやっててさ。もし他の動物になれるなら何がいいかなって、何となく思ったんだ」
黙ってしまった私を見て、トレーナーさんは私に話しかけるために消したテレビをもう一度点けて、その理由を説明してくださいました。
「なるほど、そういうことでしたか。
改めて見ると、いろいろな動物がいますね。少し迷ってしまいそうになるくらい」
テレビには犬猫など私たちがよく知る動物から、滅多に人の目には触れない希少な動物まで、大小さまざまな動物の生態が映し出されていました。
126/08/02(日)19:01:03No.1454836595+
益のない空想に浸ることはよくありますが、私は決して想像力が豊かな質ではありません。ですから、こういうときは普段思っていることをそのまま言う他に、選択肢を持ち得ないのです。
「具体的にどんな動物、というのは思い浮かびませんが、小鳥や小魚のような小さいものになれたらな、と思うことはあります」
「…理由を聞いてもいい?」
画面の中では、手の指や足の角質を食べてくれる小魚たちと戯れる人が、くすぐったそうに笑う姿が映し出されていました。
「…姿形もそうですが、仕草が愛らしいものになってみたいのです。
私は、いつも誰かを怖がらせてばかりでしたから」

そう答えた私の手を、トレーナーさんは優しく握ってくれました。
我ながら浅ましいと思います。こういうことを言えば、このひとはありったけの優しさをくれるとわかっていて、ずっとそれに甘えているのですから。
226/08/02(日)19:01:18No.1454836679+
私が肩に頭を寄せると、トレーナーさんはそっとテレビを消して、私の髪に指を通してくれました。
夢を見ているというにはその瞳から、私は目を離せないままでした。
「俺は、一度でいいからウマ娘になってみたいな。
そうしたら、スティルと一緒に走れるからさ」
「…走っている私は、近くで見るともっと不気味に見えると思います。
そんな私を見ても、幻滅しませんか」
「わかんない。でも、やっぱり憧れはあるよ。同じウマ娘だからわかることって、良くも悪くもいっぱいあると思うし」
私の本性に触れてなお、真っ直ぐな瞳でためらいなくそう口にできるひとを、私は他に知りません。
「スティルは併走トレーニングのとき、いつも寂しそうだったじゃん。君と走れて楽しかったって、言ってあげられるウマ娘になりたい」
あの日魅入られたのは、きっと私の方だったのでしょう。
326/08/02(日)19:01:33No.1454836760+
こんなに想っていただいているのにまだわがままを言うのは憚られるのですが、トレーナーさんのその願いを、私はできれば変えてほしいと思いました。
「…とても素敵なことだと思います。
でも、私が走ることを怖がらないでいられるようになったのは、トレーナーさんが笑って待っていてくださるからですよ」
何度生まれ変わっても、あなたにはあなたのままでいてほしいのです。
私が私でいることを許してくれたあなたの優しさをたよりに、私は今まで生きてきたのですから。
「…だから、トレーナーさんにはトレーナーさんのままでいてほしい。できるなら、いつまでも。
私は必ず、そんなトレーナーさんを好きでいますから」
426/08/02(日)19:01:47No.1454836858+
あなたの瞳の色が好き。私の血のような赤とは違う、どこまでも優しい琥珀のような色。
その瞳のままで、ずっと私を見ていてほしい。他の誰かの色に染まるのは怖いけれど、あなたがあなたのままでいることが、私には何よりも幸せです。
「…スティル、大胆になったよね」
「…ぁ…ごめんなさい、私ったら…」
ああ、でも。
瞳ではなく頬の色なら、もっと赤く染め上げてしまいたい。

トレーナーさんが黙って広げた腕の中に、私の身体がぴったり収まることがうれしい。私の居場所はここなのだと、心から実感するからです。
「スティル」
「…はい。なんでしょう」
「…ありがとう」
何に、とは言わなかったけれど、それでいいのだと思います。
伝えたい想いは、言い尽くせないくらいたくさんありますから。
526/08/02(日)19:01:59No.1454836921+
私は自分が嫌いでした。
でも、私が自分を嫌うよりもっと、あなたは私を好きだと言ってくれた。だから私も、ありのままのあなたを好きでいたい。
たとえ、何度生まれ変わっても。
私はまた、あなたに恋をするでしょう。
626/08/02(日)19:02:27No.1454837086そうだねx2
おわり
とにかくスティルとスティトレを幸せにしたかった
726/08/02(日)19:05:52No.1454838292+
ほどよいしっとり感と甘味がいいですね
826/08/02(日)19:11:47No.1454840469+
いつまで経ってもただ一緒にいるだけでうれしいふたりいいよね
926/08/02(日)19:18:07No.1454842836+
日付が変わるまでしっとり抱き合っているふたり
1026/08/02(日)19:19:32No.1454843300+
自分で感想書かなくていいから…
1126/08/02(日)19:28:57No.1454846743+
今日は何故かスティルじゃなくてスティトレが離れたがらない日であってほしい
1226/08/02(日)19:38:04No.1454850231そうだねx1
育成ではそれどころじゃなくなっちゃったけど感情の大きさに対して意外と関係の進み方はゆっくりそうだよね
デート中に指が触れ合ったり花を見ていると思ったら隣にいる自分を見ていることに気づいたりみたいなもどかしい思い出を丁寧に積み上げていってほしい
1326/08/02(日)19:40:09No.1454851060+
甘い
1426/08/02(日)19:42:55No.1454852245+
ドロドロ
1526/08/02(日)19:44:30No.1454852912+
『愛』だね…
1626/08/02(日)19:55:41No.1454857553+
伝えたいことがたくさんありすぎて言葉にできないから何も言わずに手を繋ぐみたいな時間の過ごし方をしてるといい
1726/08/02(日)20:00:46No.1454859656+
お互いに自分はどうなってもいいからと思ってるふたりいいよね
お互いにそう思ってるのがわかって相手のために自分を大事にすることを覚えてそう
1826/08/02(日)20:03:12No.1454860740+
良かった…象やウミウシになりたいとでも言うかと


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