二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1779545189475.jpg-(820732 B)
820732 B26/05/23(土)23:06:29No.1432782905そうだねx3 00:33頃消えます
※注意
ボス主役の怪文書
長い、冗長(9000字)
タイトル詐欺
覚悟のある人はどうぞ
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
126/05/23(土)23:06:56No.1432783044+
ボスと鋼田一豊大 〜ときどきドッピオ 二人だけど三人ぐらし〜

ヤク中に刺された
意識あるまま解剖された
犬に吠えられて車に轢かれた
クソガキに…
自分はあと何度死ねば終わるのか。そもそもこの苦しみに終わりはあるのか。
いつ、どこで、だれがこの命を狙ってくるのか。
頭を割られようが腹に大穴を空けられようが鉄柵に串刺しになろうが輪切りにされようが、苦痛の末に意識が途絶えるとまた別の苦痛に至るまでの一日が始まる。
もういっそ、このままどんな苦痛が訪れようとも目を瞑ったままでいればいいのではないか?
路傍の石のように草木のように何も考えず、何も叫ばずただ静かに…

「ちょっと〜そこのお兄さ〜ん。そこで寝てると危ないよ〜」
226/05/23(土)23:07:25No.1432783233+
うるさい、寝かせれてくれ。殺す気ならばそのままやってくれ。
プシャー
ん…?
「くっ臭いぞ!なんだこの液体はーーーーッ!」
これまで直接命を狙われては来たが匂い…悪臭で脅かされる経験などなかったため、目を瞑ったまま思わず転げ回る。
泥濘んだ土と堆肥の匂いを感じると共に顔も身体も泥にまみれ、当初の臭気を放つ液体から逃れる以上に惨めな姿になった。
「なんなのだ…いったいどうなっているのだ」
「お兄さん大丈夫ですかー。あー、さっきの叫び声的に日本人じゃない…と言うかイタリアの方かな」
頭上からそんな声が聞こえてくる。これは確か…日本語か。ならば、ここは日本なのか?
ローマを中心に繰り返された無限地獄がなぜ突然こんな場所に?
「まだイタリア語は勉強中だからなぁ…あ〜、日本語か英語は話せますかー?」
「…問題ない、日本語ならばある程度は理解もできるし話すこともできる」
326/05/23(土)23:07:48No.1432783381+
汚泥に塗れた視界が少しずつ鮮明になり、自分が土の上にいることと声の主は何やら入り組んだ高い建造物からこちらを見下ろしているのが確認できる。あれならばその気になればこちらをいつでも殺すことなど容易だろう。だからこそ諦め気味に会話に応じた。
「お、日本語が上手ですね。この町の本場のイタリアンのシェフよりも発音が自然…なんて世間話はいいか。よろしけりゃ足元を踏み荒らさないようにゆっくりと出てきてもらえますか。そこ、オレの貴重な畑なので」
「はた…け?」
足元の土、堆肥の香り、ならば先ほどの臭い液体は液体肥料かなにかか?
言われた通りに足元の野菜をこれ以上踏まないように畑と思わしき部分から出て建造物側に近付いていく。
見れば、ここはいわゆるアンテナ鉄塔と呼ばれる物の内部のようだ。
426/05/23(土)23:08:10No.1432783523+
なぜ自分がこんな場所にいるのかという疑問は当然として今度はなぜこんな場所に畑があり、男は鉄塔のフレームの上にいるのかという疑問が湧いてくる。これではまるでこんな場所で生活しているようではないか。まずここはどこなのか、貴様は何者なのか質問しようと口を開けたその時。
ドガシャン
「ひぃ!?」
背後で衝突音が鳴り思わず悲鳴が出てしまう。振り返ると鉄塔を支える外側の主柱に車が激突している。主柱がなければ恐らく自分を轢き殺していたであろうその車はまだ自走可能なのか、止まったエンジンを掛け直そうとしているようだったが…
「おうゴラァ!杜王町一番の取り立て人様から逃げ切れると思ってんのかクルァ!」
窓から顔を乗り出させてここまで聴こえる怒声をあげる男が運転する別の車に追い掛けられているのか、事故を起こした運転手は車から降りて走り去っていく。
526/05/23(土)23:08:36No.1432783684+
「玉美さんはまた無茶なお仕事してるなぁ」
鉄塔の男がなにやら呟いていたがそれ以上に自分への殺意が阻まれたことへの違和感と、先ほど車が衝突した際の残響にしては奇妙な音が鉄塔を駆け巡っていることに気付いて怯えていた。そして…
ドグシャア
「!?」
乗り捨てられた車が鉄塔の衝突された部分から飛び出たエネルギーに叩きつけられ、潰れた部分がさらに深く潰れる。これは…スタンドか?ならば本体は鉄塔の男なのか?
「お兄さん怪我はないですか?まぁ鉄塔の内側にいるなら外から何かあっても大丈夫だと思いますが」
内側と外側…?それはどういう…
ギギィン
「ひぃぃぃ!?」
今度は空気を裂く音と金属音が鳴り響き鋭利な何かが自分を掠めて鉄塔に突き刺さる。
「これは…トニオさんの店のナイフとフォークか。仗助くん辺りが何か店内でやったか、もしくは料理を食べたアクションの余波でこっちまで飛んできたのかな?」
今度皆が来た時にでも返してもらうようにお願いしよう、などと鉄塔に突き刺さったナイフどもを抜き取りながら呑気そうにする男を尻目に、立っているのがやっととばかりにオレはほぼ腰を抜かしていた。
626/05/23(土)23:09:36No.1432784051+
あの小僧がオレに与えた呪わしき運命は、やはりこのディアボロを殺そうとしている。だが、その殺意に溢れたなんらかの攻撃が外れることなど今までなかったのだ。
「一応確認しますけど今のでも怪我ないですよねー?あ、でも取り敢えずその場から動かないかしゃがむなりしていて貰えますか。この刺さったところから出てくるんで」
出る、とはまさか?鉄塔の男が言った部分から予想通りナイフとフォークが鉄塔に与えた破壊そのものとでも言うべきエネルギーが飛び出し、飛んできた方向へ向かっていく。このスタンドの能力が読めてきた。そして今、脅威からこのディアボロが守られているかのような状況も。
「…貴様、スタンド能力者だな。能力は恐らく鉄塔への破壊エネルギーをそっくりそのまま外へと逃がすか跳ね返す」
「ああ、やっぱりお兄さんもスタンド能力持ちでしたか。突然鉄塔の中に現れたから変だと思いましたよ」
スタンド能力者がお互いに素性を明かしたならばその次に訪れるのは命の奪い合いだ。少なくとも組織はそうやって別のギャングを潰し、組織内を淘汰してきた。
726/05/23(土)23:10:20No.1432784296+
だからこそいつ豹変して殺しに掛かってきてもいいように身構えたが、鉄塔の男はただこちらとの会話を続けるつもりのようだった。
「確認するがここは日本なのだな?ローマ近郊…いや、イタリアではないのだな?」
「オレはここから出られないんで証明は少し難しいけど間違いなく日本ですよ。M県S市杜王町…あー、県って外国の人に分かりますかね。由来はヨーロッパ方面って聞きますけど」
「モリオーチョー…」
わざわざ町の名前まで捏造する手間を掛ける意味もあるまい。ここは恐らく本当にイタリアから遠く離れた日本なのだ。ならば、先ほどから死なずに済んでいるのはゴールド・エクスペリエンス・レクイエムにも射程があり、攻撃の精度を欠いているとでも言うのか?
もう死なずに済むかもしれない…。だが、そんな甘い考えを打ち砕くように…
グシャア
「ひぃぃぃぃ!?」
「…ハヤブサが急降下に失敗してこの鉄塔に激突するなんて珍しいな。ま、肉とかはありがたく後で頂くとして、だ。お兄さん…あなた、誰か…いや何かに攻撃され続けているんじゃないですか?」
826/05/23(土)23:11:00No.1432784547+
やはり当たりはしなかったものの、自分を狙ってくる止まない攻撃に怯えるオレに、救いのような死刑宣告のような…自己認識以外での第三者による絶望的な状況把握の言葉が投げかけられる。
「…」
答えられなかった。あるいは未だに最低最悪な悪夢を見続けているのかもしれないという残りカスのような希望を捨てたくなかったのかもしれない。
「答えたくないならそのままで。ただ、この鉄塔暮らしをしていて車が突っ込んで来るわ食器が飛んでくるわ脳天に刺さったら死ぬような鳥が墜落してくるわなんてアクシデントが短時間に起こるのなんて始めてなんでね。どう考えてもおかしい」
一番ヤバかったのは不良二人と自称宇宙人が乗り込んで来た時だけど…と付け加えて鉄塔の男は当然のことを指摘する。この男が言いたいのはきっと『狙われているのはお前なのだから迷惑なので出ていけ』という尤もなことだろう。
だが、恐らく、この鉄塔のスタンドに護られているからこそ死を免れているオレは一歩でもその庇護から離れてしまえば一秒と生きていられまい。
926/05/23(土)23:11:43No.1432784802そうだねx5
怪文書って自称するの痛過ぎる
1026/05/23(土)23:12:05No.1432784937+
こいつを脅してこのディアボロを死の運命から遠ざけるためにこの鉄塔の中にいることを承諾させようか。そんな無茶苦茶な思考が渦巻くオレに続けられた言葉は意外にも…
「何があったのか、話してみませんか?」
敵意でも侮蔑でもない。どこか優しげな言葉と視線だった。
お互いの位置はそのままに。鉄塔の男は鉄骨の上からそれ以上近付くこともなく上のまま、オレは畑からは離れたものの依然変わりなく下のまま。もはやヤケクソになっていたのか見ず知らずの相手に身の上話を続けた。
他人に自身の正体を知られたくない性分と隠匿の日々。それでいて人生の絶頂であり続けたいという矛盾した理想。組織を立ち上げイタリアを裏から支配する絶頂の日々にあったが、とある幹部と新人の謀反によって打ち倒され、謎のスタンドの力で繰り返し死に続けては生き返っている地獄を味わっているということ。
どこまで信じているのか分からないが、話し続けてもその男は何も言わずに聞き続けた。
「…こんなところだ。貴様が出ていけというのならばオレは大人しくここを去ろう」
1126/05/23(土)23:12:22No.1432785057そうだねx1
スーパーフライって中の人間を守る効果なんて持ってたっけ
1226/05/23(土)23:13:51No.1432785581+
他人に打ち明けるなどこのディアボロの人生で最もあってはいけないことだろう。そうなってしまった以上、再び死に続ける無間地獄に戻るのも仮にここで安全に暮らせたとしても惨めさはそう変わらない。
「なるほど…オレ自身なぜかあなたを気に掛けているのか自分で分からなかったんですが、ようやく理解しましたよ」
そう言うと鉄塔の男は鉄塔からロープを使ってスルスルと降りてこちらに歩み寄った。
「オレたちはきっと似た者同士だ」
1326/05/23(土)23:14:58No.1432785995+
「似ている?オレと貴様が?」
「この鉄塔を見てくださいよ。なんでこんな場所で生活していると思います?人間関係が煩わしいんです。いや、単に格好つけてるだけで恥ずかしがりやなのかもしれないですけどね」
だが、貴様は先ほどから知り合いの名前を口に出し他人との交流を持っているではないか、という矛盾を指摘する。
「そこが似ていると思ったんですよ。オレは人間嫌いだなんて言っても結局は他人がほどほどにいた方が生活が豊かになるし、話し相手だってたまには欲しい。あなたも誰にも正体は知られたくないなんて言っておきながら人間を集めて組織を作ってそのボスになった。結局のところ、人間なんて孤独にはずっといられないんでしょうね」
人は孤独ではいられない。その言葉に失ってしまった半身を思い出す。
「持論だったんですけど、人生はババ抜きでババは他人が持っていればいいなんて思っていたんです。でもババが自分に回ってこない人生って、成長も面白みもないんだってたまに訪ねてくれる友人達との日々で思い知りましたよ」
1426/05/23(土)23:16:47No.1432786594+
文字数調整がずれていく…
1526/05/23(土)23:17:29No.1432786835+
予知による自分に都合の悪い未来という落とし穴を消し飛ばし、最適な未来のみを掴み取ることで絶頂を維持し続けた日々。遠ざけ続けたジョーカーは遂にオレを表舞台に引きずり出し、破滅させた。
「だからどこかオレに似ていて心身がボロボロのあなたがなんとなく放っておけなくなったんでしょうね。あなたは悪い人かもしれないが、やり直しのチャンスぐらい与えられてもいいじゃないですか」
1626/05/23(土)23:18:20No.1432787140+
それは同情であり、情けをかけられるという帝王の人生には決してあってはならないものだったかもしれない。だが、自身の半身にすら最後の最後まで全てを打ち明けずに別離した後悔と弱りきった精神には、目の前の理解者は
輝かしく見えた。
「…なぜ、近づいた。私の性分を知った貴様を殺して安全なここの主に成り替わる可能性を考えなかったのか」
「不安がないと言えば嘘にはなる。でも当初あなたに近づかなかったのはオレ自身の性格もあるけど、あなた自身が人と距離を取りたかったように感じたから。それにあなたは気付いていないかもしれないがオレはあなたの顔すら実は知らないから殺す必要もない」
そう言って男は手鏡を取り出して私に突き付けた。
「これは!?」
ここに来て転げ回った時のせいか、オレの顔は濃い泥にコーティングされて目と口だけが露出しているような状態だった。
「少なくとも、オレはあなたの秘密を教えられはしたが顔も名前すらも知らない状態です。ちょっと無理があるかもしれないけど、俺たちはまだ知らない赤の他人だからあなたが嫌がる正体を知る行為には踏み込んでいない。だから性分に従ってオレを殺す必要はないし」
1726/05/23(土)23:19:04No.1432787389+
やめろ、その先は言うな。
「イヤじゃなければここにいていい」
侮られる、情けをかけられる。娘に激昂して逃げるのをやめてしまったように、それはこのディアボロの人生にあってはいけないものだった。以前の自分だったならば目の前の男に襲い掛かっていただろう。だが、半身を失い幾度もの死に打ちのめされた心にそれを跳ね除けるだけの力はなかった。
「…ここにいていいだと?貴様はオレと自分が似ていると言ったな?ならば泥濡れのオレはともかく貴様の素顔をオレは見ている!この不都合をどう片付けるつもりなのだ」
もっとも信頼すると言っておきながら私とドッピオは一方的に正体を知る関係だった。やがて破滅へと繋がったそれが繰り返されるのならば、一時の同情を受けての安らぎなどなんの価値もない。
「…ああ、これ?」
そう言うと男は自分の顔の端を掴み引っ張り上げてゴムのように伸び縮みさせてみせる。スタンド能力…ではない。ゴムかシリコン製のマスクを装着しているのか?常日頃から?
1826/05/23(土)23:20:00No.1432787718+
「ご覧の通りオレは常に誰にも素顔を晒さないで生活しているんです。ある意味、あなたの人生よりも神経質かもしれない。だからこんな狭い鉄塔内でも、お互いに本当の顔は見合わさせずに暮らすことだって不可能じゃない」

日の下でマスクを被り
絶対安全のスタンド鉄塔内で
そこそこに他人と付き合いながら
自給自足の生活をする

裏社会のボスとして君臨しつつも
他人を常に恐れ続け
無敵と信じたスタンドを頼りに
暗闇の中に生きる

羨ましい。そんなことを思ってしまった。きっと自分がわだかまりさえ捨てたのならば、この男はそんなささやかな日々を分け与えるのだろう。
だが、帝王のプライドとそこでは決して手にはいらない物への未練が踏み止まらせる。
1926/05/23(土)23:20:24No.1432787861+
「…貴様の人生は確かに眩しい。だが、オレが求めるものはここでは絶対に望めないだろう」
「それは?」
「絶頂だ…」
まともな感性の人間ならばドン底生活にいる奴が何を言っているかと切り捨てるに違いない。だが、こればかりは自身の本性を他人に見せないのと同じぐらいに譲れないものなのだ。
「…絶頂ですか」
男は少し悩む素振りを見せると何か思い付いたのか手をポンと叩いて降りてくる時に使ったケーブルを手に取りこちらを向く。
「ついてきてください。こんなところでもその絶頂はあるかもしれない」
2026/05/23(土)23:21:07No.1432788092+
男の真似をしてケーブルを伝うのも考えたが慣れないことはしない方がいい。キング・クリムゾンを頼りに太い鉄骨のフレームを登っていく。
どこまで登るつもりなのか、少しずつ細まっていく鉄骨の横幅でかなりの高さまで上がってきたところで男が声を掛ける。
「この辺でいいでしょう」
そう言うとケーブルに反動をつけてこちらの鉄骨に軽く飛び移ってくる。こんな場所で連れてきて何をしようというのか。
「あなたが言う絶頂がなんなのか、他人であるオレには本当のところまでは理解が及ばないかもしれない。だから自分の生活の中でそれに一番近いものがあるとしたら、ここしかない」
「ここに何があると言うのだ」
「本当はもっといい時間帯があるんですけどね。後ろの方です」
鉄骨に多少の余裕こそあるものの、そう言われてゆっくりと指差された方を見る。街、か?
「あれがオレ達の住んでいる杜王町。ここから朝日が登る時や夕焼けをこうやって眺めるのが、この日々でのささやかな楽しみのひとつなんです。物好きな知り合いはわざわざここに来て一緒に眺めたりしますよ」
2126/05/23(土)23:21:45No.1432788318+
脱出リスクの高さから拠点にこそしなかったが、裏社会の頂点として成り上がってから何度か高層ビルから下を見下ろした覚えはある。その時はムシケラが住む下界程度に思うのをくだらない愉悦だと自ら戒めていたが…。
「あそこにはオレの知っている人も知らない人も、良い人も悪い人も、それぞれの人生があって生きている。少し前に大変なことが起きたけど、それも住んでいる人々の勇気で乗り越えた。ここから出られない身ではあるけれど、毎日なにかしら良くも悪くも事件が起きる町だから今度の土産話はどんなのだろう…なんて考えながら眺めるのも悪くないんですよ」
そうは言われても目の前に広がるのは縁もゆかりも無い町だ。観光に来た人間が高所から見る絶景を楽しむような感想こそ生まれても、この男と同質の感情にまでは到れないだろう。その筈だった。
知らぬ町を見下ろして涙が流れた。故郷と呼べる場所すら自分で焼いた悪魔が、今さら郷愁に誘われたというのか。
「…あなたが求めるものは完全にはここにはないかもしれない。それでも、これが俺にとっての絶頂と呼べるものです」
2226/05/23(土)23:22:22No.1432788559+
こちらの涙を知ってか知らずか、ただ静かにそう言って男は共に町並みを眺め続けた。

「…貴様の言うところの絶頂は分かった。随分と安っぽいものではあったがな」
泣き顔を他人に見られたであろうという減らず口を叩かれ、男は困ったように頭をいてはあと相づちを打つ。
「だが言っていたようにお前にも知人がいるのだろう?オレはそいつらからコソコソ生きねばならないのか。それとも今のように泥を顔に塗って生活しろとでも言うのか」
もはやここで生きることを受け入れたような言葉だったが、それを受けて一瞬考えた男はちょっと待っていてくださいと言うと登ってきた時とは大違いのスピードで鉄塔を滑り降りていく。
そして数分もしないうちにまた登ってきた。不慣れなオレと一緒に登る時はこちらにかなり気を遣っていたようだ。
「これ、受け取ってもらえますか」
手には何やら薄っぺらい物を持っている。
「オレの予備のマスクです。ちゃんと洗っているから多分汚くないですよ」
それをオレに被って生きろというのか。
2326/05/23(土)23:23:00No.1432788797+
「マスクマンがもう一人増えたところで、訪ねてくる知人も観光客もそんなに気にはしないでしょう。オレが人と距離を置きたくてこんな生活を始めたのは有名ですからね。その仲間が増えても、酷い詮索をする人はいませんよ」

揃いのマスクを被り
日の光の下で
自給自足の生活をし
そこそこに他人と関わりながら
たまに鉄塔の上から絶頂を眺める
そんな理解者との共同生活。それをこのディアボロが与えられようというのか。
すぐに手を出して受け取らないオレを、侮蔑するでもなくただ男は見つめる。マスクの奥のその瞳は、相手を見下す同情ではなく、他人から受けた情けや優しさを自分も分け与えようとする者の目だ。
ゆっくりと立ち上がり力なくマスクに触れる。高所ということもありオレがしっかりと受け取る意思を見せるまで、その手は離されることはないのだろう。
「…お互いに名乗ってすらいなかったな、我々は」
「オレも人には偽名しか明かさないですけど、それでもよければ」
「いや、オレはせめて本名を名乗らせてくれ。それがせめてもの礼儀だろう」
マスクを強く握りしめて明日という希望も同時に掴み取ろうとする。
2426/05/23(土)23:23:48No.1432789075+
「オレの名はディ」
ずるり、と視界が頭一つ分ほど下がる。
「あ」
「え」
わずかに濡れていた鉄塔に足を取られて宙へと投げ出される。濡れている?なぜ?涙か?
マスクから手を離すタイミングに気を取られていたのか男も手を飛ばしたのは見えたが届かず、鉄塔の外側へと落下していく。だが、この程度ならばキング・クリムゾンで鉄塔に手を伸ばせばまだ間に合う!
グシャ
墜落した音ではない。何か重い物が落下するオレに直撃した。見れば鉄塔の何かしらの部品のようだったが、それによってオレの身体はさらに鉄塔の外側へと押しやられてしまった。嫌というほど体験したから分かる。これは運命がオレを殺そうとしている!
だが、諦めきれるか。墜落するまでまだ猶予はある。鉄塔だ。鉄塔の内側にさえ戻れば助かる筈なのだ!ズボンを脱いでベルトを抜き取りベルト留めに輪を作って連結させ、リーチを長くして即席の『ムチ』を作る。これをキング・クリムゾンに振るわせれば!
2526/05/23(土)23:25:24No.1432789621+
ビシィッ!目論見通り鉄骨のフレームに勢いよく巻き付き、あとはムチよりも下の位置に落ちてターザンのように少しでもぶら下がって鉄塔の内部に入ればいい。キング・クリムゾンのパワーならば、ぶら下がるのも落下中に鉄骨を掴み取るのも問題ないはずだ。
そう、キング・クリムゾンのパワー。それを失念していた。
振り子の原理が始まろうとしたその瞬間、鉄塔から噴き出たムチのエネルギーはオレをさらに数メートル外側に弾き出した。焦りのあまり加減せずに振るったパワーは鉄塔を傷付け攻撃と認識されたのだ。
嫌だ。死にたくない。あと少しで、理解者を得て平穏が得られたのに…。

本体名ディアボロ
パンイチのまま次の死へ
2626/05/23(土)23:31:34No.1432791631そうだねx2
おわり
>怪文書って自称するの痛過ぎる
ss未満なので自称怪文書
>スーパーフライって中の人間を守る効果なんて持ってたっけ
たまたまボスと攻撃の間に鉄塔があってセーフしていただけの前フリ

鋼田一豊大の生き方ってある意味ボスの理想形かもねって思って書いたので後悔はしていない
2726/05/23(土)23:42:30 ID:.0r73nvQNo.1432795526+
スレッドを立てた人によって削除されました
他人に打ち明けるなどこのディアボロの人生で最もあってはいけないことだろう。そうなってしまった以上、再び死に続ける無間地獄に戻るのも仮にここで安全に暮らせたとしても惨めさはそう変わらない。
「なるほど…オレ自身なぜかあなたを気に掛けているのか自分で分からなかったんですが、ようやく理解しましたよ」
そう言うと鉄塔の男は鉄塔からロープを使ってスルスルと降りてこちらに歩み寄った。
「オレたちはきっと似た者同士だ」
2826/05/24(日)00:11:19 ID:.0r73nvQNo.1432805714+
スレッドを立てた人によって削除されました
>おわり
>>怪文書って自称するの痛過ぎる
>ss未満なので自称怪文書
>>スーパーフライって中の人間を守る効果なんて持ってたっけ
>たまたまボスと攻撃の間に鉄塔があってセーフしていただけの前フリ
>
>鋼田一豊大の生き方ってある意味ボスの理想形かもねって思って書いたので後悔はしていない
んもー
予知による自分に都合の悪い未来という落とし穴を消し飛ばし、最適な未来のみを掴み取ることで絶頂を維持し続けた日々。遠ざけ続けたジョーカーは遂にオレを表舞台に引きずり出し、破滅させた。
「だからどこかオレに似ていて心身がボロボロのあなたがなんとなく放っておけなくなったんでしょうね。あなたは悪い人かもしれないが、やり直しのチャンスぐらい与えられてもいいじゃないですか」
2926/05/24(日)00:13:29No.1432806418+
うん…まあ…おつかれ
3026/05/24(日)00:14:39No.1432806768+
pixivにあげた方がよかったのでは?
3126/05/24(日)00:15:02 ID:.0r73nvQNo.1432806889+
スレッドを立てた人によって削除されました
予知による自分に都合の悪い未来という落とし穴を消し飛ばし、最適な未来のみを掴み取ることで絶頂を維持し続けた日々。遠ざけ続けたジョーカーは遂にオレを表舞台に引きずり出し、破滅させた。
「だからどこかオレに似ていて心身がボロボロのあなたがなんとなく放っておけなくなったんでしょうね。あなたは悪い人かもしれないが、やり直しのチャンスぐらい与えられてもいいじゃないですか」
3226/05/24(日)00:16:03 ID:.0r73nvQNo.1432807224+
スレッドを立てた人によって削除されました
他人に打ち明けるなどこのディアボロの人生で最もあってはいけないことだろう。そうなってしまった以上、再び死に続ける無間地獄に戻るのも仮にここで安全に暮らせたとしても惨めさはそう変わらない。
「なるほど…オレ自身なぜかあなたを気に掛けているのか自分で分からなかったんですが、ようやく理解しましたよ」
そう言うと鉄塔の男は鉄塔からロープを使ってスルスルと降りてこちらに歩み寄った。
「オレたちはきっと似た者同士だ」
3326/05/24(日)00:17:17 ID:.0r73nvQNo.1432807601+
スレッドを立てた人によって削除されました
スーパーフライって中の人間を守る効果なんて持ってたっけ
3426/05/24(日)00:18:18No.1432807927+
>pixivにあげた方がよかったのでは?
向こうじゃここよりレスつかないからね
じゃあこの手のがここでレスつくかってえとご覧のとおりだから投げる場所間違ってるのはそう
3526/05/24(日)00:18:25 ID:.0r73nvQNo.1432807968+
スレッドを立てた人によって削除されました
他人に打ち明けるなどこのディアボロの人生で最もあってはいけないことだろう。そうなってしまった以上、再び死に続ける無間地獄に戻るのも仮にここで安全に暮らせたとしても惨めさはそう変わらない。
「なるほど...オレ自身なぜかあなたを気に掛けているのか自分で分からなかったんですが、ようやく理解しましたよ」
そう言うと鉄塔の男は鉄塔からロープを使ってスルスルと降りてこちらに歩み寄った。
「オレたちはきっと似た者同士だ」
3626/05/24(日)00:19:34 ID:.0r73nvQNo.1432808327+
スレッドを立てた人によって削除されました
>>pixivにあげた方がよかったのでは?
>向こうじゃここよりレスつかないからね
>じゃあこの手のがここでレスつくかってえとご覧のとおりだから投げる場所間違ってるのはそう
いやいや
予知による自分に都合の悪い未来という落とし穴は消し飛ばし、最適な未来のみを掴み取ることで絶頂を維持し続けた日々。遠ざけ続けたジョーカーに遂にオレを表舞台に引きずり出し、破滅させた。
「だからどこかオレに似ていて心身がボロボロのあなたがなんとなく放っておけなくなったんでしょうね。あなたは悪い人かもしれないが、やり直しのチャンスぐらい与えられてもいいじゃないですか」
3726/05/24(日)00:20:34 ID:.0r73nvQNo.1432808635+
スレッドを立てた人によって削除されました
>>pixivにあげた方がよかったのでは?
>向こうじゃここよりレスつかないからね
>じゃあこの手のがここでレスつくかってえとご覧のとおりだから投げる場所間違ってるのはそう
>文字数調整がずれていく…
3826/05/24(日)00:22:47 ID:.0r73nvQNo.1432809317+
スレッドを立てた人によって削除されました
>>>pixivにあげた方がよかったのでは?
>>向こうじゃここよりレスつかないからね
>>じゃあこの手のがここでレスつくかってえとご覧のとおりだから投げる場所間違ってるのはそう
>いやいや
>予知による自分に都合の悪い未来という落とし穴は消し飛ばし、最適な未来のみを掴み取ることで絶頂を維持し続けた日々。遠ざけ続けたジョーカーに遂にオレを表舞台に引きずり出し、破滅させた。
>「だからどこかオレに似ていて心身がボロボロのあなたがなんとなく放っておけなくなったんでしょうね。あなたは悪い人かもしれないが、やり直しのチャンスぐらい与えられてもいいじゃないですか」
スーパーフライって中の人間を守る効果なんて持ってたっけ
3926/05/24(日)00:23:00 ID:.0r73nvQNo.1432809390+
スレッドを立てた人によって削除されました
>他人に打ち明けるなどこのディアボロの人生で最もあってはいけないことだろう。そうなってしまった以上、再び死に続ける無間地獄に戻るのも仮にここで安全に暮らせたとしても惨めさはそう変わらない。
>「なるほど...オレ自身なぜかあなたを気に掛けているのか自分で分からなかったんですが、ようやく理解しましたよ」
>そう言うと鉄塔の男は鉄塔からロープを使ってスルスルと降りてこちらに歩み寄った。
>「オレたちはきっと似た者同士だ」
しらないんですか?文字数調整がずれていく…
4026/05/24(日)00:23:09No.1432809440+
おつ
俺は割と楽しめたからまた気が向いたら投げてくれよな
まあこんなコピペ荒らしが湧く様な所でわざわざやらんでもと思わなくもないが…いい加減どうにかならんものか
4126/05/24(日)00:26:16No.1432810359+
>おつ
>俺は割と楽しめたからまた気が向いたら投げてくれよな
>まあこんなコピペ荒らしが湧く様な所でわざわざやらんでもと思わなくもないが…いい加減どうにかならんものか
そういう人が一人でもいるだけで満足
これすらジョジョスレ判定されてコピペ湧くのはちょっと笑った


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