ヘルノブレスは正直気が重かった。 魔王軍の兵士である(勝手に居付いたという説もある)魔法剣士ピーターが 自分に何の断りもなくヘルノブレスの複製を作ったというのだ 流石に捨て置ける話ではない、勝手にそのような事をしたことに対する罰や、 その動機、その複製をどうするかについて話さねばならないが、正直会いたくはない。 ピーターはセクハラの塊のような男で、口を開けば卑猥な嫌がらせ的な会話しかしないという…実際女性魔族からの苦情は多い 謁見室にて部下を2名程配置しピーターが来るのを待つと、 時間通りにピーターが現れた 「お呼び下さり有難う御座います、ヘルノブレス様。」 「何故呼ばれたか分かっておりますの?」 「はい、僕がヘルノブレス様のクローンを作った事ですよね。複製体の魔法を使う方はそれなりに居られるのですが、 僕には少々難しかったので、チクチーン魔法の応用で肉体の一部からお陰茎を作り、 それを元に心臓や脳に再構築させて培養するという方式をとってみました。勿論クローンさんにはお陰茎は付いてませんよ、ヘルノブレス様そのものです あ!お陰茎とはおペニスやおちんちんの事ですね、僕にも付いてますがご覧になられますか? 。」 「不敬な!」 部下たちが憤慨するのを制しヘルノブレスは少し震えながらこう言った 「け…結構ですわ、何故勝手にそのような事を…」 「はい、急に思い付いたのです。丁度ヘルノブレスさんのお陰毛を所持しておりましたので、 これは今しかないと思い至ったのです。以前にエゴブレイン様とお話した時にも、(発明の閃きが降りた時はその思いが消えないうちに即行動すべきだと)言われましたので、許可は得ております」 「い!陰毛…!?何を考えておりますの!!それにそんな会話で許可を得たなんて」 「僕の考えですか、ヘルノブレス様のクローン、ヘルクローンさんを今後どうするかという事ですね。魔王城の方々にも聞いてみましたが、 兵士の皆様の慰安用にする案が多かったですね。後はそういう案件には関わりたく無いという意見も多かったです。」 「いいい慰安用!却下!却下ですわ!!そんな事をされるなら処分です!破棄ですわ!」 自分の複製を兵士の慰み者にされるなんて堪ったものじゃない、そもそも何処から自分の陰毛を手に入れてきたのだろうか?気持ち悪い、 勝手な発明を推奨するエゴブレインは何を考ているのだろう?いやそういう性格ではあったが… 「処分ですか…」 ピーターは静かにそう言い少し沈黙した後こう言った 「ヘルノブレス様、僕は今とても怒っています。貴女は同族の命を何だと思っているのですか?命とは慈しむものですよ。 しかもヘルクローンさんは貴女の一部から生まれた方です、いわばヘルノブレス様の妹ではありませんか?どうして家族を殺害する様な残酷な事が言えるのです。」 思考が遠のく。 何を言っているのだろう 自分の陰毛を持ち出し 命をもて遊ぶ様に自分の複製を勝手に作り、あろうことか慰安用にすることを検討してくるような奴が命の何を語るのだろう… 「ヘルノブレス様!」部下の声も遠くに聞こえる ピーターはヘルノブレスの顔を見ながらこう言った 「ヘルノブレス様、貴女はきっと疲れているのでしょう。亡きお兄様の意志を継ぎ、四天王の仕事をこなす日々…僕には想像も付かない激務だと思います誰かに甘えることも出来ないのですから。」 「で、どうでしょう?僕が貴女のお兄様になって差し上げましょう。どうぞ好きなだけ甘えてください」 「は?」 「そうですね、ピーターお兄様と呼んでもいいのですよ?まずは一緒にお風呂で洗いっこなど如何でしょう?」 「う…うわあああああああん!もう嫌ですわ!!何なんですの!何でこんな目に合わなければいけないんですの!?ああああ!」 ヘルノブレスは泣き出した、散々侮辱された挙句に兄まで持ち出され侮辱してきたのだ 「もう泣かなくてもいいのです…僕が抱っこしてあげましy」「ピーターちゃああああああん!」 謁見室に乱入してきたのは表向きは偵察隊だが裏でピーターの監視をしているハーピーのガフォーだ 今日の謁見がきっと碌でも無い事になるのを予測し待機していたのだ 「何やってんすかピーターちゃん!旦那の行きたがってた美魔女うっふん巨乳祭りの抽選日は今日までっスよ!?」 「これは大変です、すぐ行かなくてはいけませんね。しかし今は大事なお話の最中なのです…ヘルノブレスさん、お兄さまはどうしたら宜しいでしょうか?」 「もう知りませんわ!勝手になされば宜しいでしょう!私にもう関わらないで下さいまし!!!」 「そうですか、ではお兄様は行ってきます」 「何なんですの!あの狂人は!もう嫌!!!」 何もかもが滅茶苦茶で終わった謁見の場には、疲れた顔でしゃくりを上げるヘルノブレスと困惑した部下だけが残された ・・・抽選会場に急ぐピーターにガフォーが言った 「ピーターちゃん…一つ聞いてもいいっすか?」 「なんでしょう?ガフォーさんがいつもおっぱいを丸出しな所には好感しかありませんよ。」 「そりゃどーもって、いやいやピーターちゃんはどこまで本気で言ってるんすかね?」 「僕はいつも本気ですよ?僕いつでも愛に生きています。」 「あ~そーっすかヘルノブレスさんのクローンはどうなるんスかね…」 「ヘルクローンさんですか、勝手にして良い、関わる気はないと快いお返事を頂けたので、彼女は僕の後継者にする事にしました。とても楽しみですね」 「すっごい都合のいい解釈っすね~ もしやこういう結果にするつもりであんな事を言っ・・・いや、何でもないっす。」 いつの日か、ヘルノブレスの姿と魔力を持ったピーターが誕生するだろう事にガフォーは不安を感じつつ美魔女うっふん巨乳祭りの抽選場に向かうのだった。