二次元裏@ふたば

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186578 B26/01/31(土)22:04:30No.1397661649そうだねx2 23:28頃消えます
「嫉妬力ダービー」
学園が企画した謎ランキングでグラスワンダーは思いがけず掲示板入りした。
「表では平気な顔してるけど裏では嫉妬の炎に焼かれてそう」
「浮気したら笑顔で薙刀を振るってきそう」
「女の香水を嗅ぎつけて指摘することもできずに一人もやもやしてそう」
私はスマホの電源を切り、座布団の上で正座して瞑想に戻った。
みな、他人事だと思って好き勝手に言ってくれる。
……だが、一つ、思い当たる節がある。
126/01/31(土)22:04:55No.1397661832+
「え!? グラスワンダーのトレーナー? 本物?」
二人なごやかにデートをしている最中、呼び止められたことを思い出す。
トレーナーさんは結構存在感がある。なぜかというと、常に和装をしているからだ。
冬でも着物に羽織というゆったりとした出で立ちで、鼻緒の付いた草履を履いている。
頭も蓬髪で整っていない。そのせいか、明治時代から飛び出してきた文豪のように見える。
「わ、わぁ〜! あの、ファンなんです! 一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」
……私は、トレーナーさんの美醜について意見をする立場にない。
しかし、なにやら人を引きつける雰囲気があるらしく、一定のフォロワーがついている。
「あの、連絡先も交換してもらっていいですか? これ、LANEのアカウントで……」
トレーナーさんは涼しい顔をして頷き、QRコードを読み取っていた。
たったそれだけのことなのに、私の心は、チクリと棘が刺さったように落ち着かなかった。
226/01/31(土)22:05:22No.1397662033+
それからトレーナーさんとファンの子は何度もやり取りをしているようだった。
LANEの長いトークを見せられるたびに、かっと胸が熱くなる気がした。
この女の人は、トレーナーさんの何を知っているというのだろう?
大型犬に吠えられて、びっくりして私の陰に隠れたことも。
散歩中に気分がよくなって調子外れの鼻歌を歌ったことも。
公園で子供たちに誘われて鬼ごっこの鬼をやったことも。
私の髪についた桜の花びらを、微笑みながらとってくれたことも。
全部、私だけが知っているというのに。
小さな熾火だったものが激しく燃え上がっていた。
しかし、そこは大和撫子の矜持が勝り、あえて何も口に出すことはなかった。
326/01/31(土)22:05:47No.1397662182+
事態が大きく変わったのは、スペちゃんに誘われて外部のカフェに行った時だった。
「ちょろいんだから、結局、ファンを装えば一瞬でコロリよ」
「うわー、やっば、悪女じゃん、悪女」
隣のブースから不穏な会話が聞こえてきたので、顔を突き出してそれとなく様子を伺ってみた。
するとどうしたことだろう。あの時、遭遇したファンがいるではないか。
かつては殊勝な態度だったのに、今は派手なメイクをして、耳が痛くなるような笑い声をあげている。
話題の中心はトレーナーさんに関することのようだった。
「トレーナーとか言って、有象無象の変人集団なんよね、要するに」
「忍者の末裔とか、甲子園投手とか、苫小牧異常愛者とかいるんでしょ? やっば!」
「でも世渡りは下手みたいでさ、年収聞いてみたら知らないって」
「いや知ってろよ、そこは一番大事なところだろーが」
426/01/31(土)22:06:12No.1397662334+
ぎゃはははという笑い声を聞いて、すっと全身から血の気が引いていくのがわかった。
「馬鹿じゃねーの、着物とか着て京極夏彦かっつーの」
「グラスワンダーのトレーナーだから持ち上げられているだけなのにね」
「勘違い男のナルシストが、キモいんだよ。キモキモキモ。あー本人の前で言いてえわ」
「絶対セックス下手だよ、とりあえずキープしとこ。ぶはははは!」
ぶつん、と頭の中で何かが切れる音がした。
私は努めて冷静に立ち上がり、隣のブースの前に無表情に立ちふさがった。
「訂正してください」
526/01/31(土)22:06:42No.1397662529+
「は? なに?」
「ねえ、ちょっと! グラスワンダーじゃん! やばいよ……!」
「謝罪も懺悔もいりません、ただ、訂正してください。トレーナーさんに関すること」
女は突然の闖入者に驚いたようだったが、引っ込みがつかなくなったか気勢を緩めなかった。
「は? 何を訂正する必要があんの? セックス下手なこと? あ、もしかして図星だった?」
「ちょっとやめなって……! マジでキレてるよこれ」
多勢に無勢だから失礼を働こうがお構いなしといった様子だった。
私は握りこぶしに力を込めて一人ひとりを見渡した。悪びれもせず反省するそぶりもない。
「あなたたちは……あなたたちという人は……!」
ぶおんと拳を振りかぶってテーブルに叩きつけようとした、が、その腕を何者かに掴まれた。
振り返ると、トレーナーさんが立っていた。
626/01/31(土)22:07:06No.1397662685+
後で聞いたところ、そのカフェはトレーナーさんの行きつけらしい。
言い合いをしている声が聞こえたので、とっさに駆けつけてきたということだ。
「失礼、先日のファンの方ですね。うちのグラスに何かありましたか?」
トレーナーさんは柔和な表情を崩さなかった。内心の感情は、読み取れない。
私に加えてトレーナーさんまで出てきたことで女は明らかに戸惑っているようだった。
「……はー、さむ。なんかダリいわ。みんな、出よ」
顎で連れに合図して、ぞろぞろとレジに向かっていく。
「お待ちください」
私は呼び止めた。
「今後一切、"私の"トレーナーさんに関わらないと、約束してください」
726/01/31(土)22:07:33No.1397662862+
月が出ていた。
二人、無言で国道の帰り道を歩いた。自動車のテールランプが赤い軌跡を描いていた。
彼は見たところショックを受けている風ではなかった。ただ寂しそうに遠い目をしていた。
ぱぱーとクラクションが鳴って、プリウスが走り去っていった。
「ありがとう、グラス」
「……ありがとう?」
私は足を止めた。トレーナーさんは気付かずに二、三歩進んで振り返った。
826/01/31(土)22:07:59No.1397663049+
「俺だったら、多分面と向かって侮辱されても、苦笑いするだけだったと思う」
自動車が通り過ぎていくたびに、トレーナーさんの顔の半分が照らし出される。
「俺のために怒ってくれたことが、嬉しかった」
違う。義憤に駆られてではない。
私は嫉妬のために相手を蹴落とそうとした。
トレーナーさんを取り戻すための口実を手に入れて、内心浮き立っていたのだ。
礼など言ってほしくなかった。それもこれも、トレーナーさんが悪いのだ。
トレーナーさんが優しすぎるから、私がこのような嫌な役を買って出なくてはならなくなるのだ。
「グラス」
そうだ、トレーナーさんが――。
「なぜ泣く?」
926/01/31(土)22:08:36No.1397663240+
無意識の情動がぶわっと溢れてきて、するすると涙が伝ってきた。
「トレーナーさん、もし私が悪い男の人に騙されて、ひどいことをされていたらどうしますか?」
「え?」
「私を、助けに来てくれますか?」
私は卑怯なことをした。これはまったく対等な問いかけではない。
私がしたことは嫉妬だ。対してトレーナーさんには、正義を問うている。
私は二、三歩の距離を一気に詰めて、トレーナーさんの胸の中にそっと身を委ねた。
「……そいつの顔面にグーパンチを入れて、ぎったぎたにするよ」
普段の行いからは考えられないような不穏なワードが飛び出してきて笑ってしまった。
きっとトレーナーさんはそんなことはしないだろう。
だけど、その言葉を引き出せただけでも、私にとっては確かな収穫だった。
1026/01/31(土)22:09:07No.1397663454そうだねx1
それから、あの女がトレーナーさんに接触したという話は聞かない。
私は、普段着で着物を着るようになった。
一つには、単に着物が好きだから。もう一つは、いい牽制になると考えたから。
トレーナーさんと二人連れで歩いていると、和の空間ができあがり他を威圧する。
話しかけようとして、雰囲気の異様さに躊躇する人が何人もいた。
「え〜! グラスワンダーのトレーナーじゃん、やばすぎ〜!」
もちろん、それを貫いてあえて火中に身を投じようとする者もいる。
バーナーが点火される。橙色のゆらめく火が幽鬼のごとく立ち上がる。
「失礼、"私の"トレーナーさんに、何か御用ですか?」
やがて炎は透明感のある青に変わる。
1126/01/31(土)22:10:14No.1397663870+
1226/01/31(土)22:12:10No.1397664615そうだねx1
スレッドを立てた人によって削除されました
これでも掲示板かぁ…
1326/01/31(土)22:12:43No.1397664817そうだねx1
独占力だけで今でも仕事のある奴が嫉妬深いのは必然
1426/01/31(土)22:19:54No.1397667502+
指輪そこに嵌めてるの嫌だな
1526/01/31(土)22:30:04No.1397671363+
これ思い当たる節があるどころじゃなくないか?
1626/01/31(土)22:30:25No.1397671496そうだねx2
>「忍者の末裔とか、甲子園投手とか、苫小牧異常愛者とかいるんでしょ? やっば!」
やっば
1726/01/31(土)22:32:52No.1397672433そうだねx1
>>「忍者の末裔とか、甲子園投手とか、苫小牧異常愛者とかいるんでしょ? やっば!」
>やっば
目が真っ赤なバケモノカップルよりはマシだろ
1826/01/31(土)22:33:32No.1397672664+
スレッドを立てた人によって削除されました
これで掲示板入りレベルとか怖
1926/01/31(土)22:39:34No.1397674794+
ウマ娘に喧嘩を売る一般ファンの度胸がヤバい
2026/01/31(土)22:42:37No.1397675916+
>ウマ娘に喧嘩を売る一般ファンの度胸がヤバい
アプリでも稀に出てくるやつ
2126/01/31(土)22:46:44No.1397677370そうだねx1
>目が真っ赤なバケモノカップルよりはマシだろ
ファンでもキープでもいいからその二人の連絡先確保しろ
2226/01/31(土)22:57:03No.1397681104+
>>ウマ娘に喧嘩を売る一般ファンの度胸がヤバい
>アプリでも稀に出てくるやつ
こんなのいるわけないから後でお金もらってるんじゃないかと疑ってる
2326/01/31(土)22:57:38No.1397681309+
ドンちゃんやボーノにすら喧嘩売るからな…命知らずすぎるだろ
2426/01/31(土)23:05:55No.1397684374+
他に誰が上がってたんだろう嫉妬力ダービー


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