しとしとと降ってくる雨音と共に歩く音が二つ、一つの傘の下から聞こえてくる 「雨の散歩も、楽しいね」 傘を持っている僕は言った 「うん…帆高と一緒に歩けてうれし♪」 休日の夜、僕と陽菜さんは外に出て軽い散歩をすることにしたのだ 「もうすぐだけど、なんだか逆にもう少し歩きたくなってきちゃったね」 「でしょ?傘も降ろしちゃいたいぐらい」 周りの雨も不思議と弱まってるように感じる 「いっそのことさ陽菜さん…」 「ん?」 「傘も降ろしちゃおうか?」 「うーん…」 「?」 「だってもっと帆高と一緒の傘に居たいもん」 「それならそうしよっか」 「うん!」 彼女はすぐに笑顔になる、僕はそれだけで晴れやかな気持ちになる… もう一周してそろそろ戻ろうか、となった時… 「帆高、疲れたでしょ?」 「え?」 「傘、差さずに帰らない?さっき帆高が言ったみたいに」 「いいけど…」 僕は傘を下し畳む、その途端に僕たちの身体は雨に晒された 「あっ!」 「つめたーい!!♪」 雨の勢いは確実にさっきよりも弱まっていたが、やはり冷たい 「ほだかー♪」 「陽菜さん!?」 陽菜さんが僕の腕を組んできた、二人ならんであたる雨は、正直に言うと…心地よかった 「雨に打たれて帰るのも悪くないでしょ?」 「うん、そうだね」 傘を差さずに歩く帰り道、それも悪くないなと思いながら僕はアパートの入り口をくぐった