このお話に出てくる人 〇ヒロイン 香城 綾音(こうじょう あやね) 186cm/102kg 124(M)-81-116 好きな音楽 ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」 好きな食べ物 チョコレートカヌレ 好きな映画 サウンド・オブ・ミュージック 経歴 全国大学女子相撲選手権大会無差別級の優勝者。 由緒ある裕福な家庭に生まれ、幼い頃から学業、運動、音楽、芸術の各分野で高い能力を発揮してきたが、何となく物足りない思いを抱えていた中で相撲と出会い、のめり込む。 相撲にはあくまで肉体と精神の鍛錬のつもりで打ち込んでいたものの、男子相手に稽古を行ったことを契機に己の内奥に潜んでいた嗜虐性と獣欲を呼び覚ますことになる。 〇顧問 学生相撲界では定評ある指導者。 妻子持ち。 最近ちんちんの毛に白いのが混じっているのを発見し、ショックを受けている。 〇男子相撲部主将 全国男子相撲選手権大会100kg超級のベスト4。 童貞。 他の部員がヒロインを性的な目で見ていることを苦々しく思っているが、当の本人がヒロインで一番シコッている。 (以下本編) 「お願いします、先生。どうか男子部員の『申し合い』への参加をお許しください。」 凛と張り詰めた声が、広い稽古場に響き渡る。 相撲部顧問は微かに眉を潜めた。その面持ちには困惑の色があった。 長年学生相撲の指導に携わってきた彼にとっても、女子から男子の「申し合い」―勝ち抜き形式で行われる模擬戦―への参加を申し出られることなど想像だにしない事態であった。 しかも彼女の申し出が極めて真摯なもので、決して無碍にはできないものであることが彼を悩ませた。 香城綾音。全国大学女子相撲選手権大会無差別級の優勝者。 その大会では、180㎝を超える長身と柔軟かつ安定した下半身の動きを活かした豪快な投げ技で全試合を圧勝。 特に決勝戦では、身長178cm、体重140kgという超重量級の体格と規格外の筋力を誇り、既に複数の実業団から声が掛かっている優勝候補の選手相手に危うげなく勝利。 開始から僅か数秒のはたき込みで相手を地面に沈め落とす、文字通りの横綱相撲だった。 それほどの実力を持つ彼女にとって、女子部員同士の稽古では手合い違いであることは間違いない。 「より強い相手と取り組みたい」と考えるのも無理がないことだった。 そして、彼女の誠実な性格はよく知っている。 相撲部では稽古の準備から片付けまで手を抜くことなく周囲に率先して取り組み、他の部員への指導や助言も懇切かつ丁寧に行っている。 その上で、学業も決して疎かにすることなく、大会優勝の際には学業成績の優秀さも併せて学内で表彰されていた。 文武両道を地で行く存在でありながら、己の強さと才能に驕ることなく、自分を律し、他人への敬意と感謝を常に心に留めている―― その彼女が顧問に直訴しているのだから、並みならぬ覚悟とそれを裏付けるだけの自信があることは間違いない。 確かに、彼の目から見ても、彼女は男子部員とも遜色なく張り合えるだろうという感覚はあった。 しかし―― 彼の懸念は、相撲の実力とは異なるところにあった。 ――香城綾音は……彼女の容姿は、男に対して、「女」を意識させずにはいられない。 香城綾音は女性として美しかった。端正で人目を惹く顔立ち。見る者の心を奪うような切れ長の目……その顔貌は非常に魅力的である。 だが、それだけではない。 何よりも彼女の肉体は、過剰なまでに「女性的」であった。 女子の相撲選手はレスリングウェアの上に廻しを着用する。普通であれば、その姿は色気やエロティシズムといったものとは程遠い。 しかし、彼女の場合、あまりに豊満に発育した乳房が生地を限界まで引っ張り、長く深い胸の谷間が襟から覗き見えてしまう。 綾音の乳房は大き過ぎて、背中越しにすら円状の輪郭線がはっきり見えるほどだった。 その度に、「巨乳」「爆乳」といった低俗な写真週刊誌の表紙を飾る単語や、「一体何カップのブラジャーを着けているのだろう?」という下卑た疑問が頭によぎってしまう。 また、彼女の下半身に目を落とせば、腰から太腿にかけてのラインが大きな曲線を描き、レスリングウェアの上からも股間や尻に食い込んだ廻しの布がむっちりとした肉感を強調している。 彼女が蹲踞の姿勢を取れば、その大きく丸い尻の形や股間の肉付きがこれでもかというほど露わになる。 そして、彼女はそうした自分の肉体が男たちの欲情を掻き立てることを知ってか知らずか、重たげに実った乳房を揺らし、瑞々しい 尻肉を弾ませている。 もうお世辞にも若いとはいえない年齢に差し掛かった顧問でさえ、彼女の胸元や尻にちらちらと目を泳がせずにはいられない。 それを血気盛んな年頃の男子部員たちとぶつかり合わせたらどうなるか―― だが、彼はそれを彼女に伝える術を持ち合わせていなかった。 彼の口から「君は男子から性的な目で見られているから、男子相手の稽古はやめなさい」と率直に告げるわけにもいかない。 たとえ本人は相手への配慮のつもりであっても、相手の容姿を理由に「異性から性的に見られている」ということは、今日び女性の指導者ですらセクシュアル・ハラスメントと受け取られるリスクがある。 まして、男性である彼が言えば、彼女に「自分は顧問から性的に見られていたのだ」という印象を与えてしまうことは間違いないだろう。 そもそも、レスリングや柔道などの格闘技では、上位の女子選手が男子選手を相手にスパーリングを行うのは一般的な練習方法である。それが彼女にとって女子同士の練習よりも有効であることは疑いない。 相撲の指導者として、能力も意欲もある選手を伸ばす機会をみすみす失わせるわけにはいかない。 「……分かった。参加を認めよう。男子部員には私から伝えておく。」 悩んだ挙句、彼は首を縦に振った。 「……ッ!先生、ありがとうございます!」 綾音の明るい声が稽古場の天井まで弾んだ。 綾音は顧問の前で深く一礼した。 彼女が上体を下げると、彼女の巨大な乳房に自然と重力が掛かり、ずっしりと詰まった乳肉が「ぶるんっ。」あるいは「どぷんっ」という音を立てんばかりの勢いで下を向く。 すると、綾音のレスリングウェアの襟から長く白い乳房が溢れそうに揺れ、一瞬、乳輪と思われる肌の色の濃い部分が顧問の目にちらりと映った。 顧問は思わず息を呑んだが、ふと我に返り、何も見なかったように、手元の書類に目を落とすふりをした。 綾音は踵を返し、道場を後にした。 その後ろ姿は、レスリングウェアと廻しの締め込みから溢れ出た尻肉がぷるぷると揺れていた。 顧問は綾音の姿が見えなくなるまで、手元の書類と綾音の尻の間で視線を何度も往復させた。 男子部員の「申し合い」稽古の当日。 顧問は基礎練習を済ませた部員達を整列させた。 「先日も話した伝えたように、今日の『申し合い』稽古には女子部員の香城にも参加してもらう。香城の実力は皆もよく知っていると思う。いつも以上に気合を入れて臨むように。……では香城。」 「はい。女子相撲部の香城綾音です。本日は、先生のご厚意で、男子部員の稽古に参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。」 この日の稽古場は異様な興奮に包まれていた。 男子部員のうち少なからぬ者が、綾音の乳房、尻、太腿、股間を目にして、不覚にも勃起してしまった経験が一度ならずあった。 その中には、練習の参考と称して、綾音の試合を密かに撮影し、それを己の性欲処理の手段として常用している不届者すらいた。 (実戦形式の稽古ということは、あの巨乳に合法的に触れるチャンスじゃないか。) (あわよくば相手を組み伏せて、全身であのムチムチ感を味わえるかもしれない。) (この稽古で自分の強さを見せつけられたら、もしかすると付き合ってもらえるかもしれない。もしそうなれば……) 盗撮まがいの悪行を犯す不逞の輩のみならず、綾音の体に勃起してしまったことを恥じている生真面目な部員ですら、そうした欲望と妄想に駆られずにはいられなかった。 当の綾音本人は、そうした男子部員らの欲情など知らない面持ちで、顧問に促されるまま土俵までに歩みを進めた。 綾音がその長く肉厚な脚を動かすたびに、乳と尻の肉が男たちを無自覚に挑発するかのように小刻みに揺れ動く。 部員達の視線は、綾音の肢体に釘付けになっていた。 顧問は顔の筋肉を強張らせて出来るだけ硬い表情を作り、土俵の中央に立った。これは彼が「申し合い」で行事を務めるためである。 「申し合い」は、相撲における一種の練習試合で、勝った者が次の対戦相手を指名するという伝統的な稽古の方法である。 実戦形式の稽古であるため、相応の実力がある者でなければ参加することはできない。 この部活では、顧問が最初に試合を行う部員を指名し、その試合で勝った者が次の対戦相手を指名するという方法を採っていた。 顧問が綾音の対戦相手として選んだのは、直近の個人戦では地区大会ベスト4で全国大会にも出場、団体戦では1年生ながらレギュラーメンバーに入っている1年生だった。 瞬発力と機動力が持ち味で、稽古への真摯な姿勢から技術と体力の両面で急成長を遂げており、将来が期待される選手だった。 (香城がいかに強くとも、男子相手ではこれくらいが丁度よい相手だろう。) それが顧問の目算だった。 綾音と1年生部員は土俵の上で睨み合った。 綾音は初めての男子との対戦とあって、やや緊張した面持ちである。 対する1年生部員は、他の部員とは異なって浮ついたところがまるでなく、奇妙なまでに落ち着いた表情だった。 というのも、彼は、綾音と対戦することを事前に顧問から知らされていたので、廻しに着替える直前にトイレで己の手で一度処理していたのだった。 顧問はその事情を知らなかったが、冷静沈着な彼の表情を頼もしく見つめていた。 彼は綾音の存在がもたらす異様な興奮に、気まずさ、苦々しさ、息苦しさがない交ぜになった複雑な感情を抱いていた。 (この一戦で男子部員が勝てば、香城の出番は終わる。この浮ついた空気も鎮まる。香城も諦めて今後は男子の練習に参加しようとは思わないだろう。) それが彼の率直な思いだった。 二人は静かに土俵に両手の拳を突き、戦闘態勢に入っていた。 顧問は内心男子部員の勝利を願いながら、邪念を振り払うように声を上げた。 ――八卦良い、残った! ……勝敗は一瞬で決した。 決まり手は押し倒し。 綾音は相手が立ち上がるや否や、片手で事もなく相手を土俵に沈めていたのだった。 男子部員は自分が敗れたことすら分からないといった表情で土俵上に手と尻をついていた。 稽古場の壁際で観戦していた男子部員から、どよめきが起こった。 当初その場を包んでいた軽躁は、一気に混沌とした空気に変わった。 当の綾音は自分の手のひらをじっと見つめていた。 初めて戦った男子の力――それは率直に言って拍子抜けだった。 確かに女子よりは強い。だが、とても自分の相手になるほどではない。 それでも、綾音の胸の中には不思議な充実感と、何か全身がぞくぞくと震えるような、そして腹の奥が熱くなるような感覚があった。 もっと男と戦いたい。 戦って、男を打ちのめしたい。 男を辱めたい。 男を喰らい尽くしたい。 ……いや、それだけではない。 もっと、男を、オスを…… それは、生物としての根源的な欲求に近い、言語化不可能な衝動だった。 綾音はそのまま団体戦レギュラー部員を次々と指名し、軽々と破っていった。 小兵ながら技量と機動力を活かして団体戦レギュラーに上り詰めた部員は、あっさり上手を取られて土俵の外に転がされた。 身長190cm台を誇る部員は、綾音に掴みかかったところを軽く外から足を掛けられて後ろに倒された。 ベンチプレスと砲丸投げ経験で圧倒的な筋肉量を誇る部員は、立ち上がりに脇の甘さを突かれて一気に崩れ落ちた。 彼女に指名された男子部員は、まるで捕食者に追い詰められて捨て鉢の突進をする小動物のように彼女に挑み、あっけなく打ち倒されていった。 男子部員を一人、一人と負かすごとに、綾音の顔には笑みと瞳の輝きが増していった。 その笑みは勝利の喜びというにはあまりに獰猛で、獣が牙を剥くような攻撃性が滲んでいた。 残る団体戦レギュラーは、主将一人となった。 彼は夢でも見ているかのような感覚に陥っていた。 彼は綾音に密かな恋慕を抱いていた。 それ故に、彼は男子相撲部員の中で誰よりも数多く綾音を夢想して己の性欲を処理していたが、他の部員が綾音に向ける性的な視線には苦々しく感じていた。 「君は俺が守る。」 彼は直近の全国大会では惜しくも準決勝で敗退していたが、もし来年の大会で優勝できた暁には、彼女にそう告白するつもりでいた。 その、彼が守ろうとした綾音が、目の前で、これまで共に切磋琢磨を重ねてきた男子部員達を造作もなく蹂躙している。 彼の中の現実が脆く音を立てて崩れようとしていた。 (彼女を守る?誰から?どうやって?) 綾音の挑発的な笑みは、今や彼に向けられている。 そこに立っている綾音は、彼が恋焦がれていた女性の姿とは全く異なっていた。 ――だが、奇妙なことに、その時の綾音の姿は、それまで彼が見てきたものよりも遥かに美しく、魅惑的なものとして彼の目に映った。 彼は綾音に魅せられるままに、土俵へと吸い寄せられていった。 綾音と主将との取組は、顧問のやや調子外れの掛け声で始まった。 顧問は行事として稽古に立ち会ううちに、綾音の全身から発せられる熱と汗と蒸気と臭いに酔わされていた。 最初の取組で期待の男子部員が綾音に無惨に打ち負かされるのを見た時は少なからぬ衝撃を覚えたが、今は一人の男、一匹のオスとして、綾音の肉体とその力にただ陶酔していた。 綾音と主将は四つに組んだ。 綾音が組ませたというのが正しいかもしれない。 綾音が上手を取ってじわじわとプレッシャーを掛け、主将は綾音の廻しにしがみ付くことで辛うじて態勢を保っているという状況だった。 形勢は明らかに綾音の勝勢だった。 しかし、彼女はなかなか勝負を仕掛けようとはせず、じりじりと土俵際まで彼を追い込んでいく。 そうすることで、主将の――オスの体をじっくりと味わおうとしているようだった。 稽古場で観戦していた部員達には、綾音と主将の取組がセックスに見えた。 彼らは全員童貞で、実際の性経験を持つ者はいなかった。 しかし、土俵上で綾音が主将に絡みつく様子は、彼らが性的興奮と快楽を得るためにインターネットの動画等で見るものよりも、ずっと生々しく迫真的な男女の交合として感じられた。 稽古場で唯一性経験を有する顧問の目にも、それはセックスのように映った。 しかし、それは彼自身が経験したことのあるセックスとは異なっていた。 綾音が主将を追い詰める様子は、人間の男女のセックスというより、メスが交接しながらオスの体を喰らうカマキリの交尾を連想させた。 当の主将の全身は熱く激しく脈打ち、ガチガチに硬直していた。 この時、彼のペニスは勃起していたが、彼の体全体が勃起したペニスと化しているかのようだった。 綾音の牝牛のような乳房が胸板にぎゅっと押し当てられ、鍛え抜かれた大臀筋の上にたっぷり乗った柔肉がまわしを取る指を吸いつけていた。 彼に残された僅かな理性はそれでも勝負を続けようと努めていたが、それが完全に蒸発するのも最早時間の問題に思われた。 主将は残された力を込めて、腰を前に押し出した。 敗勢から立て直すための最後の踏ん張りだったが、しかし、それはメスに交尾をせがんで腰を振るオス猿のような滑稽な動作にも見えた。 綾音は主将の底力に一瞬身構えたが、主将の足腰から抵抗する力が最早抜けきったことを察すると、主将の廻しの両脇をガッと引き上げ、主将の開いた足の間に己の太腿を差し入れて、両手と太腿の3点を力点として主将の体を宙に高く持ち上げた。 「~~~~~~~~ッッッ!」 主将は声にならない叫びを漏らし、痙攣したように身震いを始めた。 その痙攣は綾音の腿の上に乗せられた廻しの下の部分が最も強く、主将の下腹部は身を捩らんばかりに激しく脈打っていた。 すると、にわかに青臭い異臭が綾音の鼻腔を突いた。 鮮魚売り場に並ぶ生のイカを嗅いだ時のような……。 あるいは、ちょうど梅雨に入るか入らないかという時期に山歩きをしていて、栗の木の前を通りかかった時のような……。 綾音はそれが主将の廻しの下から発せられたオスの臭いであることを本能的に察知した。 そして胸いっぱいになるまで雄臭を含んだ空気を吸い込み、息を吐き出すのと同時に、主将の体を土俵の外へ軽く投げ棄てた。 決まり手は「やぐら投げ」。 大相撲でも滅多に見られない、大技中の大技である。 しかし、稽古場には歓声もどよめきもなかった。 部員達は目の前の光景にただ圧倒され、呆けたように口を開けて、ただその場に立ち竦んでいた。 それは豊富な人生経験と年齢相応の性体験を持つ顧問でも同じだった。 彼は行司を務める立場でありながら勝ち呼出しをすることすらできず、綾音の背後に呆然と立ち尽くしていた。 主将の背中がべたりと地面に付くと、綾音は顧問の方を振り向いた。 その二つの瞳は爛爛と妖しい輝きを放っていた。 「……先生……。もしよろしければ……次は先生から直接ご指導いただいても………?」 綾音は相手の半身をどろりと嘗め回すような声で言った。 「……えっ、ああ……勿論………」 顧問は喉の奥から声を振り絞るように言った。 綾音の眼差しの先には顧問の下半身があった。 彼は男性機能の衰えを感じつつある年齢に差し掛かっていたが、この時ばかりは20歳の頃の硬さと力強さを取り戻していた。