二次元裏@ふたば

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107108 B25/12/15(月)19:31:46No.1382824535そうだねx9 20:44頃消えます
ああ、と口から溢れてしまいそうになる。
ぐるぐると昨日のことが頭を巡る。
もっと他に言うことがあった。絶対。間違いなく。でも言えなかった。
渦巻いた気持ちがどんどん溜まって、私は結局溜息混じりに呟いてしまう。

「……ウス!って…」

鮮明に失態を思い出して、私は腕で目を覆うように隠す。
寝転がって眼前に広がる、のんびりとした青空が恨めしかった。

頭の中を占めるのは、昨夜のこと。
Afterglowさんのライブに招待され、不本意ながら愛音と出掛けて。
ライブ終わり、Afterglowさんに挨拶させてもらえるという機会まで用意してもらって。
なのに私は、全然気の利いたことが言えなかった…今も頭を抱えたくなる。
ずっと頭から離れてくれなくて、授業も全然集中できなかった。
125/12/15(月)19:31:59No.1382824630そうだねx1
一人になりたくて、昼食を中庭のベンチで食べた。
私のどんよりした気持ちとは裏腹に、秋めいて温かい日差しが恨めしい。
教室へ戻るのも億劫になって、こうしてベンチに寝転がって昨日のことを思い出しては苦しむ。
気の利いたことをたった一言でも言えてれば、こんな気持ちになってなかったんだろう。

「はぁ…」

昨日から何度目になるか分からない溜め息を吐いて、私はまぶたを閉じた。
225/12/15(月)19:32:11No.1382824717そうだねx1
🐼
なうん、と猫の鳴き声が聞こえた気がした。
ついで、嗅ぎ慣れない独特な匂いが漂ってくる。
正直あんまり、いい匂いじゃない。
なのにどこか落ち着くような。日光とは違う温もりを感じる。
目を瞑ってる間に、いつの間にか寝てしまっていたらしい。ぼんやりとした頭で理解する。
私の眠気をくすぐるなにかに引っ張られるみたいに、私はゆっくりと目を開けた。

「──…」

すぐ目の前、左右の色が違う瞳。
真ん丸の瞳。吐息がかかるんじゃないかって、すぐ近くに人の顔。
のんびりとした青空はそこになくて。
ちくりと鼻先に、髪がかかる…
325/12/15(月)19:32:24No.1382824809そうだねx1
「目がさめた?」
「……!?」

驚いて身を起こす。
私の顔を至近距離で覗き込んでいた瞳──楽奈がひょいと避けた。

「おまっ、お前なにして…!」
「ねてたから、見てた」
「はぁ!?」

なうん、と猫が鳴いて走り去っていった。
夢じゃなくて、どうやら本当に居たらしい。
猫の小さなおしりを見送って、さっきまで私の頭があったベンチの端でちょこんと屈んでいる楽奈へ顔を向ける。
何を考えているか分からない瞳が、ただ私を見つめ返してきた。
425/12/15(月)19:32:38No.1382824915そうだねx1
「…野良猫、なにしてんの」
「ひるね」
「寝てるようには見えないけど」
「ねようとしてたら、りっきーがいた」

どうやらこのベンチはいくつかある昼寝ポイントだったらしい。
縄張りに入っていたのはこっちの方とでも言うような。
とりあえず、非難しているわけではないらしい。
寝顔を見られていた恥ずかしさを悟られたくなくて、私はスマホを取り出して時間を確認した。

「はぁ…」

午後の授業はもう始まっていた。
今更気にするような優等生でもないけど、慣れてるわけでもないからソワソワする。
525/12/15(月)19:32:52No.1382825018+
ちらりと横目で楽奈を見る。
いつもなら勝手にどこかへ行くのに、まだ同じ場所に居て私を見ていた。

「…なに」
「ねないの?」
「別に寝たかったわけじゃない」

本当に昼寝がしたかったわけじゃない。ただ横になっていただけ。
後悔なのか自己嫌悪なのか分からないモヤモヤでいっぱいで、少し頭が重かっただけ。
まあ、侵入者が居なければまだ寝ていただろうけど。

「りっきー」
「なに」
「ねこ。どうだった?」
625/12/15(月)19:33:04No.1382825124+
猫。確かにさっき居たけど。
楽奈はただ私をじっと見てくる。
私の答えを待っているらしかったけど、なにを聞かれているのかまるで分からない。

「ねこにさわると、癒されるんだって。ゆきなが言ってた」
「はぁ?」
「元気でた?」

言葉に詰まった。
楽奈が私に、なんて、まさかそんなわけ。

「…一応聞くけど、猫でなにしたわけ」
「ん。ねこ、のせた」
「……」
725/12/15(月)19:33:16No.1382825210+
制服に猫の毛が付いていた。
鳴き声と匂い。目が覚める直前に触れたあれは、やっぱり猫で間違いなかった。
まさか、なに考えてるか分かんないヤツに元気付けられるだなんて。
私はベンチに座ったままうなだれた。
昨日の失態はまだ忘れられそうにない。もっと上手く伝えられたらって悔しく思う。

「ほんっと、調子狂う…」
「なにが?」
「なんでもない」

だけど、次の授業には教室に戻ろう。
このままサボってたら、ただ拗ねてるみたいでダサいだけだ。
そんなダサい姿を楽奈にずっと見られているのも癪だし。
顔を上げて、隣で屈んでいる楽奈を見た。
825/12/15(月)19:33:29No.1382825302+
「野良猫、お前も次の授業出たら?」
「ねむいから、やだ」
「…ああそう」

お前みたいに好き勝手出来たらって思うときもあるけど、私はそんな生き方出来そうもない。
ただ、まあ。
今の授業が終わるまでくらいなら、楽奈みたいに寝転がってみるのもいいか、なんて。

「りっきー」
「なに」
「ねるからどいて」
「はぁ〜〜〜!?」
925/12/15(月)19:39:40No.1382827956+
ひるね
1025/12/15(月)19:45:37No.1382830507+
良いらなたきだ
1125/12/15(月)19:49:33No.1382832022+
感涙しました!
1225/12/15(月)19:50:42No.1382832451そうだねx1
>感涙しました!
本当に読んだ?
それでいいの海鈴ちゃん…
1325/12/15(月)19:53:05No.1382833406+
そうはならんやろ
1425/12/15(月)19:55:00No.1382834171+
信じてる
1525/12/15(月)20:01:44No.1382836779+
慰めようとねこ乗せたのはいいけど
おしりの方がりっきーの顔に向いてたんじゃないだろうな…
1625/12/15(月)20:09:11No.1382839736+
サボりですか?…とメッセージを送っておきましょう


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