「アリーナ主催夏祭り、参加者各位に通達します。まもなく、1日目の花火大会を開始します。観覧を希望する者は、北側特設会場に移動するように。全く、なぜ企業である私がこのようなことを……」 出し物の屋台の賑わいと、煌々と咲き誇る提灯の灯りに包まれた夜空に、神経質そうな声の放送が響き渡る。 エージェントKが運営するテイマー支援施設『アリーナ』は今、彼女が突如発案した夏祭りにより、普段以上の賑わいを見せていた。屋外会場には様々な屋台が軒を連ね、食欲を刺激するソースの匂いや鉄板を爆ぜる油の音が会場の至るところから漂っている。 まだ暑さの残る夜の会場は、たまたまアリーナを訪れていたテイマーや、祭りと聞いてアリーナを訪れるデジモンたちでごった返していた。 放送が切れる直前に乗ったぼやきを聞き流しながら、自身のチュロスを食べきった神田颯乃が、隣でかき氷を頬張る霜桐雪奈に声をかける。 「花火か。やはり祭りには欠かせないな。ここから会場まで距離も近いし、早めに行って席を確保しておくか?」 「うん!颯乃ちゃんと見る花火楽しみ!」 颯乃の提案に勢いよく頷く雪奈。 二人もまた、アリーナで祭りが行われるということで仲間たちと共に訪れていた。 ブルコモンたちが気を利かせて初日は二人きりで回ることになり、貸し出された浴衣に身を包んで屋台の食べ物に舌鼓を打ち、出し物を見て回りと夏祭りを堪能していた。 「よかった。私も楽しみだ。それでは混む前に行くとしよう」 「あ、ちょっと待って。落とすと大変だから……」 雪奈は頭に付けていたお面を手に取る。屋台でその場でオーダーメイドしてもらえるのが売りの、ジャッジメンター製のものであり、彼女のパートナーの幼年期のものだ。 祭りが終わったらお土産にブルコモンにあげようと買ったものであり、この混雑でなくさないようデジヴァイスに仕舞ったちょうどその瞬間。 「早く早く!花火始まっちゃうよ!って……うわっ!」 「え?きゃ!」 花火大会の会場に急いでいたのか、よそ見をしながら走っていた、山羊のような下半身と角を生やした少年のようなデジモンが雪奈とぶつかる。 少年は寸でのところで踏みとどまりブレーキをかけたが、それでも勢いを殺しきれず、ぶつかった衝撃で手にしていたかき氷が雪奈の浴衣を濡らした。 不意の冷たさにたたらを踏む雪奈。いつもの恰好なら踏ん張ることができたのだろうが、生憎今は動きづらい浴衣でバランスを取ることができず、後ずさったその背後には、ソフトクリームを手にした二人組の少女がいたことに気づけなかった。 「きゃあ!」 「冷たっ!」 今度は少女とぶつかり、ソフトクリームがべったりと背中を汚す。 背中にも冷たいものが広がる感触を受けながら、せめて巻き込まないように何とか身体を捩って倒れそうになったところを、とっさに駆け寄った颯乃が抱きとめた。 二人組の少女といえば、ぶつかられた少女が無残な姿となったアイスを呆然と眺め、もう一人の少女がそれを慰めていた。 そこに騒動の発端となったデジモンのテイマーと思しき高校生くらいの少女と、何かのアニメのコスプレのような恰好をした女性が駆け寄ってくる。 花火会場に向けて駆け出した少年を追ってきたようだが、繰り広げられる光景に溜息をついた。 「待って!走ると危ないよ!って、あぁもう……言ったそばから……」 「 ←◎他人に迷惑をかけてはいけない→   ケガはないか?  そんなことより肉巻きおにぎりが食べたい」 「大丈夫か雪奈!?」 「あぁ、うん……ありがとう颯乃ちゃん……それよりも浴衣が……」 「真理愛ちゃん大丈夫!?怪我してない!?」 「うう、お姉ちゃん……アイス……」 「あぅ……ごめんなさい……」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー かき氷とソフトクリームの弁償代を高校生の少女から(断ったのだが半ば強引に)渡された二人は、ひとまず汚れた浴衣を着替えるために浴衣レンタルの会場を訪れる。するとそこは、まさに戦場とでもいうべき有り様だった。 「モチモン、対処を……モチモン……」 「クソッ、どうしてこの時間にこんなに押し寄せてきやがる……おい、てめぇで着付けできるやつはこっちに並べ!」 「臨時バイトの浮橋です……ここまで忙しいのは想定外です……追加報酬としてジャンボフランクを所望します……」 すし詰め状態の会場では小回りが利かないためか、マインドデルタと名付けたメカノリモンを降りたエージェントKが会場内を所狭しと東奔西走している。いつも浮かべている軽薄そうな笑みが今日はどこか引きつっているように見え、時折うわ言のようにモチモンに助けを求めていた。 会場内は浴衣を求めた人間や、人間に近い体形のデジモンたちが大挙していた。その一人一人にエージェントKたちが浴衣の柄の希望を聞き、着方がわからない客を補助している。 浴衣の柄自体はテクスチャの張替えで済むとはいえ、ベースとなる浴衣自体は自分で着なければならない。また、せっかく浴衣を着れる機会ということで柄にこだわるのも年頃の子供たちならよくあることで、なかなか決められない客も大勢いた。 ダメ押しとばかりに、花火会場に浴衣で来るといい席に優先的に案内されるという真偽不明の噂が流れ、客が大挙して押し寄せてきた結果、レンタル会場は身動き一つ取れないほどの人だかりの山となってしまったのだ。当然ながら更衣室は一つも空いてない。 「今から並ぶのはやめておけ。花火大会どころか今日の祭りが終わってしまうぞ」 設置されたスピーカーからブロッサモンのアナウンスが無情に響き渡る。 この分だと祭りが終わるまで浴衣の返却や交換も受け付けていないようだ。 「うぅ、どうしよう……このままじゃ花火大会に行けないよ……」 「とにかく身体を拭けるところを探さないとだな。どこかに人目につかない所があればいいのだが……」 表面的には拭いておいたとはいえ、アイスやかき氷の汚れは浴衣の中にまで染み込んできており、胸や背中に不快感を与え続けている。 そのうえ張り付いた布は身体のラインを浮き上がらせ、このまま人混みを歩くには些か刺激的な格好だった。 二人は近くにあった会場案内図に目を通す。ここ浴衣レンタルの会場、屋台、様々なイベントを行っているステージなど、案内図には様々な場所が書いてあるが、探しているとある場所が目についた。 「うーん……仕方ないかぁ……」 「背に腹は代えられないな……」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 二人が訪れたのは会場のはずれにある小さな神社だった。 ここはエージェントKが祭りには神社が付きものというどこから仕入れたのか不明な情報を元に設置されたもので、実態は何の所縁もないただのオブジェだ。そのためか誰も訪れることなく、明かりも遠くの祭り会場からわずかに届くもののみである。 あくまでオブジェのため建物の中は作られておらず、そうでなくてもこういった神社は鍵がかけられて中に入れないのが普通である。 二人は設置してある賽銭箱に一応小銭を投げ込み、形ばかりのお参りをすると、神社の裏手の林へと歩を進めた。 「流石にここなら人も来ないかな。ごめんね颯乃ちゃん……せっかくの花火なのに……」 「気にするな。花火ならどこからでも見えるだろう」 颯乃は万が一誰か来ないか見張るために、雪奈を背に目隠しとなり、周囲を警戒する。 いつも着替えられる場所を確保できるわけではないこれまでの旅は、屋外で着替えることへの抵抗を昔より薄れさせていた。 (とはいえ、どうするか……) 雪奈を背に、颯乃はこれからのことについて考える。 ひとまず身なりを整えたとして、今から会場に行っても花火大会には間に合わないだろう。 雪奈の不幸は今に始まったことではないし、あのクリスマス以来、以前より自信がついたとはいえ、それでも自分の不幸を気に病むことは度々あった。 ここに来るまでにも、今日一日祭りを楽しんでいたテンションはどこへやら、文字通り冷水を浴びせられて消沈していた。 (花火は諦めて他を回るか?しかし誘ったのはこちらからだし、自分のせいで花火を見れなかったとますます気落ちさせてしまわないだろうか?) いっそ花火を忘れさせるような何かはないだろうか。そんなことを考えていた颯乃の耳に、しゅるりと衣擦れの音が響く。 雪奈が浴衣の帯を緩め、軽くはだけさせた音だ。 「うへぇ、中までぐっしょり……かき氷早く食べきっちゃえばよかった……んしょ……」 そんな雪奈のぼやきとともに、あらかじめ濡らしておいたハンカチで身体を拭く。 その音が颯乃の脳裏に否応なくとある光景を想起させた。 これまで見慣れた、何度も身体を重ねた雪奈の艶姿。 名前の通り雪を思わせるような色白の肌と、鍛えている自分とは違う、少女らしい柔らかさを保った身体。 イメージしたその肢体に俄かに胸の鼓動が高鳴る。 (いや、何を想像しているのだ私は……) 頭を振って妄想を払おうとする颯乃。そんな時に雪奈から声がかけられた。 「うんしょ……あれ、届かないなぁ。ごめん颯乃ちゃん、ちょっと背中拭いてもらっていい?」 「あ、あぁ。わかった……」 颯乃が振り返ると、浴衣をずり下げ、背中についたソフトクリームを拭こうと手をまわしている雪奈が目に入った。 まず目についたのは華奢な肩だった。自分の鍛錬に付き合ってもらっているとはいえ、そのなだらかさは少女らしい非力さを感じさせる。背中から肩甲骨にかけては、溶けたソフトクリームがわずかに届く光を反射しているのか、微かにぬるりと光っていた。そして普段は肩下まで伸びた髪に隠れたうなじが、今日は纏め上げられてその姿を晒している。 「…………」 知らず、ごくりと喉がなった。 和装など家族のそれで見慣れている。しかしそれを着ている雪奈は、見慣れたはずの和装をいつもと違うものに感じさせた。 彼女をイメージした白藍色に蝶が舞う浴衣が、普段とは違うたおやかな雰囲気を纏わせ、普段とは違う別の魅力を漂わせている。 胸の鼓動が一層高鳴る。このたおやかな花を愛でたいと、そんな風に思った。 「颯乃ちゃん?」 なかなか背中を拭こうとしない颯乃を訝しみ、きょとんと首を傾げる雪奈。 颯乃はといえば、どこか頬が紅潮し、息が乱れているように見えたが、この暗がりではよく見えない。 (そうだ……花火を見れないのなら……雪奈もこれなら喜ぶだろう。そもそもこの状況、もしや雪奈が言外に誘っているのではないか?うん、きっとそうだ……) 先ほど過った思考が再び顔を出す。花火を見に行けないのなら、それを忘れるようなことをすればいい。 そんな言い訳じみたことを口に出すことなく呟いた颯乃は、ずいっと一歩距離を詰めた。 「雪奈……その、浴衣、よく似合っている。だから……いいか……?」 「え?颯乃ちゃ……んっ!?」 突然の颯乃の言葉に何かを言う間もなく、顔に手を添えられ唇が重ねられた。 柔らかい感触と唾液が弾ける音が脳を支配する。何故颯乃が急にこんなことをするのかという疑問を抱く暇もなく、不意の感覚に身をゆだねた。 「ちゅ、ん……んっ……」 「ん、ちゅ、んん……」 颯乃は舌で雪奈の唇をノックする。来訪者の訪れを告げるその催促に、雪奈は抵抗することなく己の口内へと招き入れた。 「あっ……んんっ、じゅる……」 口いっぱいにさっきまで食べていたかき氷の味が広がる。そういえば雪奈に食べさせてもらったが、あの時さりげなく間接キスとなっていたことを思い出した。雪奈のことだから、あれもきっと故意だったのだろう。 かき氷の名残をすべて拾いつくすように、舌が口内を舐めまわす。雪奈の舌も、それをまるで我が家を訪れた客人をもてなすように、その舌を絡めた。 「はぅっ……じゅる……ちゅる……」 「ちゅ……ん……あぅ……んっ……」 肺の中の空気を使いつくし、苦しくなった二人は名残惜しそうに唇を離す。 ちゅぱっと唾液の音が淫らに夜の空に溶け込んだ。 「はぁ……はぁ……急にどうしたの颯乃ちゃん……?」 「ふぅ……ふぅ……言っただろう?雪奈の浴衣がよく似合っていると……嫌だったか?」 「むぅ……ずるいよ、そんな言い方。嫌なわけないのに……」 「そうか。よかった……」 そう言って颯乃は、雪奈の肩を掴み背中を向けさせ、背後の木に手を付けさせる。 慣れた手つきで帯を解くと、はらりと浴衣の前が開き、裸身を隠すという衣服としての機能を失った。 柔らかな、それでいて手に収まりきらないほどの大きな胸が露になる。 暗闇でもわかるほどに雪奈の耳が赤く染まり、これからされることに期待と不安で呼吸が早くなった。 夏の夜の生温い風が汗ばんだ肌を撫でる。 「んっ…………」 夜風という筆で身体をくすぐられたような感じがして、乳頭が少し硬くなった。 颯乃は自身の浴衣をはだけて雪奈にも負けない大きさのそれを晒すと、背中に寄り添い普段隠されたうなじに顔を埋めた。汗の少し据えた匂いと、髪から漂う甘い香りが鼻孔をくすぐる。 胸いっぱいにその匂いを吸い込むと、その首筋に舌を這わせた。 「すぅー……ん。れろ」 「んんっ。颯乃ちゃん、今、汗かいてるからぁ……」 「ちゅ……構わないさ。私はこの匂いも好きだ」 「そうじゃなくて……恥ずかしいよぉ……」 羞恥心でもじもじと身じろぎする雪奈。颯乃は逃がさないように抱きしめ、背骨の隆起を舌でなぞった。 吸いつくような滑らかな肌と、柔らかい肉と、その奥の硬い骨のコントラストを舌で楽しむ。 白い肌に吸いつき、一歩一歩赤いマーキングを残す。一面に積もった新雪に足跡を残していくような感覚だった。 「ふっ、んんっ……」 「んっ……れろ……ちゅっ……ちゅ……」 そのまま下っていくと、背中についたソフトクリームの汚れを舐め取る。汗とミルクの微かな甘味が混ざって、直接脳を揺さぶられたような衝撃を受けた。 まるで中毒にでも陥ったように一心不乱にその箇所を舐める。背中を奔る舌の柔らかな感触に、雪奈は見悶えた。 「んっ!颯乃ちゃん、くすぐったいよぉ……」 「ふっ……んっ、れろ、ぺろ……ふぅ、きれいになった」 ソフトクリームをすっかり舐め落とした颯乃は、雪奈の浴衣の裾をめくりあげる。 その下にあるずっしりと重量を感じさせる臀部は、いつもと様子が違っていた。 普段は年相応の少女らしい下着を身に着けているはずが、今日は尻肉を丸出しにし、わずかな三角形の布と渓谷を通る一本の紐のみで、おおよそ下着の役割を果たしているとは思えない。それは世間一般で紐パンと呼ばれるものであった。 雪奈らしくない下着を目にした颯乃はいたずらっぽく問いただす。 「雪奈、何故こんな下着を?」 「あぅ……だって、浴衣だとパンツのラインが浮いちゃうから……」 「とか言って、本当は祭りの後に私をえっちに誘うつもりだったのだろう?」 「………………(こくり)」 颯乃の問いに、雪奈は恥ずかしさでこれ以上ないほどに紅潮しながら無言で首肯する。 その様子が何だか微笑ましく感じると同時に、今こうしていることは雪奈も望んだことだと、花火のことから意識をそらすという建前を正当化された気分だった。 「ふふっ。仕方のないやつだ。それならたっぷり楽しませてやろう」 気分が乗った颯乃はそのしなやかな指を下着の紐にかけると、それに沿うようにして腰をなぞり、股まで滑らせる。その到着点で、指の腹にいつもと違う、さわさわと筆で撫でられるような触り心地を感じた。 辛うじて摘まめる長さのそれは糸よりも細く、ふわふわと柔らかい。 引っ張ってみると雪奈が小さな嬌声を上げた。 「んひっ!」 「……もしかして、少し生えてきたのか?」 「うぅ……うん。なかなか生えてこないなぁって悩んでたけど、颯乃ちゃんと付き合ってちょっと大人になったみたい……」 「そうか。雪奈が成長しているようで私も嬉しいぞ」 えへへと少し照れたように笑う雪奈に、颯乃も微笑みかえす。 芽生え始めた大人の証をある程度愛でると、大事な部分を隠しているのみの下着を股の割れ目へと食い込ませた。 ぷるぷるとした恥肉が顕わとなり、その布が隠しているものはもはや割れ目の間にある陰核のみである。 布によって敏感なそれを圧迫されたことで、下半身から生じた刺激が脊椎を奔り脳へと快楽を伝達する。 「んんっ!」 刺激に雪奈がびくりと跳ねる。 颯乃は己の指を雪奈の口元へ運ぶと、半開きになっている口内へと滑り込ませた。 そのまま前後に手を動かすと、唾液がかき混ぜる淫らな音と、雪奈の荒い息遣いが協奏する。 「んっ、ふっ、んん、んぁ……んっ、んぐっ、んっ、んっ、んぶっ、んっ、んんっ!!」 じゅぷじゅぷとした音を鳴らしながら一心不乱に指に吸いつく。 颯乃は空いたもう片方の手を胸の谷間からみぞおち、臍へとゆっくりと沿わせる。 愛しい人からもたらされるぞくぞくとした感触が全身を駆け巡り、無意識のうちに身じろぎする。 やがてその指は下腹部の少し下まで下りると、そこにある女性のみがもつ器官を少し強く押しこんだ。 「んんんんっっっんっ!!!」 ひと際激しい刺激に腰が引け、雪奈を包み込んでいる颯乃の腰を打ち付ける。 肉厚の尻肉がもたらす衝撃が颯乃の下腹部を揺らし、それに共鳴した股間がきゅんと絞られた。 直接的な刺激という意味では膣内をいじられたほうが感じるのだろうが、上と下から同時に攻められる状況というのは雪奈の興奮を昂らせた。 口を塞がれて声を上げられない雪奈は、一心不乱に口内の指に吸いつく。 (んっ!お口も、子宮も、颯乃ちゃんにいじられてっ、んんっ!!) 「んっ、ふっ!これっ、結構っ、いいなっ!」 颯乃は己の乳頭を雪奈の肩甲骨に押し付ける。乳首が押しつぶされる感触と下半身からもたらされる興奮が互いのボルテージを高め、腰を前後に動かして何度もぶつけ合った。 その間にも下腹部にあてた指はぐりぐりと雪奈を攻めたてる。 「んっ!んぶっ!!んっ、んんっ、もがっ、んぶっ!んっ、んんっ!!」 「はっ、はっ、はっ!くっ、んっ!はっ、はっ、はっ……どうだ、雪奈!気持ちいいか!?」 「んっ!ふぁやのひゃ、わひゃひ、ほひゃひくなっひゃ……んんっっ!!」 言葉にならない声を上げた雪奈に、颯乃はより強く女性の証を圧迫して応える。 口を塞がれたことによる酸素不足と全身を渦のようにかき回す快楽で、もはや意識はぐちゃぐちゃだった。 割れ目からは絶えず愛液が滴り落ち、地面に水たまりを作っている。 颯乃は下腹部からさらに手を下に下ろし、絶え間なく流れ続ける汁をその指に絡めると、割れ目の狭間に鎮座している陰核を布越し擦った。 「ん”ん”っっ!!ん”っ!!!」 ばちりと稲妻が脳裏に落ちる。 水分を含んだ布は、その繊維のすべての摩擦を使って陰核を刺激する。 結果として、直接触られる以上の快楽が雪奈の全身を廻った。 もはやどちらの物ともつかない息づかいと水音が辺りを支配する。 腰を打ち付ける音が二人だけの楽曲を奏で、やがて最終楽章へと至る。 「ひゃやのひゃん、わひゃひ、もう!!」 「ああ!んっ、いつでもイってくれ!私も、あまり長くもたないっ!!」 颯乃の腰の動きがさらに激しくなる。擦りつけられた乳首からくる刺激と、腰を打ち付ける振動と、密着したことにより直接伝わる雪奈の熱で颯乃の方も限界寸前だった。 ラストスパートとばかりに颯乃の腰はこれまでにないほど打ち付ける速度を上げ、雪奈の口は指を離すまいと力強く吸いつく。 「はぁ、はぁ、はぁっ!んっ!はぁ、ふぅ、はぁっ!!」 「んっ!んん!!んぼっ!!うんっ!んぁ!んっ、んんっ!!んんっっ!!んんんっっ!!!」 「あれ?花火大会ってこっちでいいんだっけ?」 「そんなわけないだろ。絶対道に迷ったって」 突然聞こえたきた声に二人はとっさに木陰に身を隠した。 見ると、どこかから迷い込んだのか1人の人間と1体のデジモンが辺りをきょろきょろと見まわしている。 (なんでぇ……もう少しでイきそうだったのに……) 息をひそめながら、雪奈は中途半端に燻る感覚にもじもじと身体を震わせる。 未だに愛液が滴る股間に手を伸ばそうとするのを必死に堪えながら、突然の来訪者がこの場を去るのを願った。 (お願い、早くどこかに行って……!) その時、颯乃の指が食い込ませていたパンツをずらし、遮るものがなくなった割れ目へと添えられる。 驚いて声を上げそうになる口を手で抑えると、颯乃がひそひそと耳打ちしてきた。 (は、颯乃ちゃん!?) (まだイけてないんだろう?) (だからって、聞こえちゃうよ!?) (ああ。声を出すと見つかってしまうな……) 颯乃の声が少し悪戯心を含んでいるようにも思えた。 中途半端なところで止められ、悶えているのを見ていられなかった故の善意なのか、それとも見つかってもいいというそういう嗜好なのか、あるいはいつもの天然なのか。ともあれ添えられていた指は、つぷりと愛液の漏れ出す股間の谷へと侵入する。 (〜〜ッッ!!) 気持ちよさに声を上げそうになるのを必死に堪える。 颯乃はあくまで音を立てないようにゆっくりと、それでいて雪奈の感じやすいところに指を擦りつけた。 (んんっ!!ダメ、そこっ……!) (我慢して……) 下を刺激しながら、耳には小さく吐息で攻めたてる。 こそばゆさと刺激に加え、声を出せないという状況は雪奈の膣内をかき回す指に否応なく意識を向けさせ、いつもよりゆっくりとした動きですら余すことなく快楽を拾い上げる。 (んっ!声、出したいのにぃ……) さざ波のように穏やかに、それでいてねちっこい指の動きで腰が痙攣する。 破裂することなく引いていくはずだった快楽の波が再び押し寄せてきた。 雪奈は声が漏れださないよう唇を強く結ぶ。それでも溢れ出す快感は水漏れのように染み出す。 (ふっー、ふっー……んんっ!んっ!ふっー!んぅ!んくっ!んっ!) (ふぅ、ふぅ……まだイくな。雪奈なら我慢できるだろう……?) ちらちらと乱入者の様子を見ながらも、颯乃はその手を止めようとしない。 わずかに吹く風による木々のざわめきで声は聞かれてないとはいえ、本格的に喘げば見つかってしまうというのに。 (ダメぇっ!我慢すればするほど、あそこが感じちゃう……!) 無意識のうちに全身に力が入り、身体が強張る。自然と腰が浮き、自分の中で前後するそれを堪能する。 もはや我慢の限界だった。今すぐこの快感に身をゆだね、何もかもを投げ出してしまいたくなった。 雪奈の様子を察した颯乃が小さく耳打ちする。今の雪奈には耳に吹きかかる吐息すら、見悶えしそうなほどに敏感になっていた。 (イキそうか?) 颯乃の言葉にコクコクと頷くことしかできなかった。口を開くと声を抑えられそうにない。 颯乃がちらりと様子を伺うと、雪奈の懇願に同意した。 (……そうか。わかった) 股間の穴を攻める手が速くなる。ぐちゅぐちゅとした水音が鳴り響くのも構わず、颯乃の指は雪奈の膣内の弱いところを容赦なく突いてきた。 限界まで高まった快感は最後の理性を奪い、もはや我慢することはできなかった。 もう見つかってもいい。それよりもこの快楽に身をゆだねたい。雪奈にはそれしか考えられなかった。 (んんっ!!んぅ!!あぅ!んんんっ!!あっ!あっ!!イクっ!はやのちゃん!!わたし、イっちゃ、うっ!!) (はぁ、はぁ、はぁ……雪奈、愛してるぞ……) そんな言葉と共に、そっと口づけをする。それが最後の一押しとなった。 「んっ!んんっっ!!んんんんんんんんんんんんん!!!!!!」 夏の夜空と、二人しかいない林で、同時に大きな花火が上がった。 「はぁ……はあ……はぁ……花火、始まっちゃったね……」 余韻に身体を痙攣させながら、呼吸を整え言葉を絞り出す。 木々の隙間から漏れた花火によって照らされた恋人の顔は、やっぱりきれいだと思った。 「なに、花火なら明日もあるさ。今度はみんなで見に行こう」 「本当?やったぁ……そういえばあの子たちは?」 達したときに大きな声を出したが、誰も二人を見つけた様子はない。 恐らく颯乃がスパートをかけたときにはどこかに行っていたのだろう。 「とっくにどこかに行ったぞ。大丈夫だ。ここには私たちしかいない」 「そっかぁ……それと、ありがとう、颯乃ちゃん……わたしが花火大会に行けなくて気に病むんじゃないかって心配してくれてたんでしょ?」 「……見抜かれていたか。まあそれもあるが……でも雪奈の浴衣が似合ってるのは本当だぞ!」 「……えへへ。どんな理由でも、颯乃ちゃんから求めてくれて嬉しい……颯乃ちゃんの浴衣も素敵だよ。それじゃあ……わたしばっかり気持ちよくなるのもずるいし、続き、しよ?」 「ちょ、雪奈!?」 そう言って、二つの影が重なり合った。 二人の夏はまだこれからだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 翌日、ぶつかってきた少年のデジモンたちを見かけた雪奈は、一行に声をかけていた。 少年は昨夜の件を気にしていたのか、雪奈を見てしょぼくれてしまう。 「あ、昨日のお姉さん!あの、ぶつかっちゃってごめんなさい……」 「いいのいいの。おかげでいいことあったから。これ、お礼のベビーカステラ。みんなで食べてね。でも今度から周りを見て歩かないとだめだよ?」 「おーい、雪奈!行くぞ!」 「あ、待って颯乃ちゃん!それじゃあ、お祭り楽しんでね!」 一行に手を振り、颯乃に駆け寄る雪奈。その顔は昨日のことなどまるで気にしてないかのように笑みに溢れ、心なしかどことなくツヤツヤとしていた。 その後ろを、何とも言えない表情のブルコモンが「まあ気にしないでくれ。縁があればまた会おう」と会釈をして追いかけていくのを、少年たちは呆然と見送っていた。 「何か、もらっちゃったね……」 「なんだったんだろう……」 「 ←◎気にしても仕方ないか……→    これもアノマリー事象か?  そんなことより焼きそばが食べたい」