元始にテオスありき。 テオス、光と闇を分かち、昼と夜を分けぬ。 天と地とを分かち、陸と海を分けぬ。 世界の創られしはこなり。 テオス次にエルを創り、マラークを創りぬ。 マラークをかたどりて動物を創り、己をかたどりて人間を創りぬ。 世界は楽園なりき。 やがて人間増え、地に満ちれり。 人間のいわく、 「我らテオスの形なり。されば、我らエルやマラークに勝るべし。 マラークの形なる動物ども、我ら家畜としし従えん」 マラークらのいわく、 「見よ、人間の動物どもを家畜とし従えしを。 我ら人間を家畜とし、従えん。さもなくば殺すべし」と。 ここにマラークと人間の戦い始まれり。 その数各々二億にして、戦い40年に及べり。 7人のエルの一人プロメス、人間を助けんと地にくだりて人間と交われり。 プロメスと人間の間に生まれし子供、これネフェリムなり。 戦いの挙げ句プロメスは殺され、マラーク勝利せり。 エルらのいわく、 「我ら大洪水を起こし、プロメスの子らも、彼らの従えし動物らも全て滅ぼし尽くさん」と。 即ち欺くなりて、水が地の表を40日に渡りて覆いたりき。 テオス深く悲しみ、人間と動物の1対ずつを方舟に乗せ、洪水を生き延びさせたまいけり。 40日を経てのち、水の枯れ、人間の生き残れるを見て、エルら怒りて言いけるは 「テオスよ、人間は汝に逆らう者。ならばすべて殺すべし。 彼ら、すでに汝の創りたまいし人間ならずして、ネフェリムなれば」 テオスの言いたまいけるは、 「エルどもよ、我が言葉に逆らいしは汝らもひとしからん。 人間の再び増え、地に満ちる日まで、 我は我と、汝らを封印せん而して、 人間が果たして我に逆らう者らなりや確かめるべし」 即ち欺くなりぬ。