二次元裏@ふたば

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2586311 B25/11/20(木)23:05:39No.1374565084そうだねx2 00:44頃消えます
「皆見て見て、新しい仲間をゲットしたんだ!」
そう言ってキョウヤは嬉しそうに懐からモンスターボールを取り出す。飛び出したのはあざむきポケモンのクチート。てか、あれって……
「わぁ、可愛いクチート。よろしくねえ」
「何か…捕まえたばかりにしてはキミによく懐いてますね?」
ボールから飛び出したクチートはキョウヤの足元までぽてぽてと歩み寄ると嬉しそうにズボンの裾を引っ張った。
「そうなんだよ。何か巷で噂になっててさ。絶対に捕まらないクチートって聞いてたんだけど、普通のモンスターボールで捕まえられたし、捕まえた後も何か懐いてくれてるし、何でだろ?」
本気で分からないといった感じで、首を傾げる彼。どうやら本当に気付いてないみたい。あのクチート、以前暴走メガシンカしてた子だ。恐らくだけど、あの時助けてくれたキョウヤのことを気に入って、彼がゲットしてくれるまで待っていたのだろう。
「まあ俺のトレーナーとしての才能が凄すぎるってことかな!」
125/11/20(木)23:06:11No.1374565276+
肝心のキョウヤは何も気付いてないみたいで調子乗ってる。ふと、このクチートに親近感を覚えた。自己評価が高いのか低いのか、自分が好かれてることにも気付かない鈍ちん。当然乙女心にも疎くて、あたしのことなんてきっと何とも思っていないのだろう。そんなボンクラに寄せた想いをスルーされて、やきもきしたのは1度や2度じゃない。きっと、このクチートも同じ想いをするに違いない。そんな気持ちから、クチートを励ましたくなった。屈んでクチートの耳元でこっそりと。
「貴女も大変だね」
キョトンと、クチートが不思議そうな顔で首を傾げる。少しして、合点がいったように頷くと一言。
「あざw」
……その顔は明らかにお礼とか親近感とかそういうのじゃないよね?完全に小馬鹿にしてるよね?『アンタとは違うのよ』的な優越感を滲ませてるよね?
「……ゲットされたくらいで調子に乗るなし」
「タウニー?何か言った?」
「ううん、別に。ねぇ、この子どうするの?」
「どうするのってそりゃまあ取り敢えず育てるけど」
「ボックス送りでいいんじゃない?」
「……何で?」
225/11/20(木)23:06:40No.1374565442+
「ほら、キョウヤの手持ちには既にクレッフィいるし。同じタイプのポケモンに枠割くのはもったいないし」
「なるほど…一理ありますね」
「あざ!?」
「そうかなあ。クレッフィもクチートも可愛いからどっちも手持ちに入れといて良いと思うけど。というか…」
どうかした?とデウロが耳打ちしてきた。
「別に」
突き放したが、こういう時のデウロは案外食い下がってくる。
「嘘、他人の手持ちにとやかく言うのなんてタウニーらしくないよ。絶対何かあるよねえ?あたしが思うに、あのクチートにヤキモチ妬いてる?」
「…………」
「情けないよう」
「ほっといて」
睨んでやるがデウロはニヤニヤと楽しそう。
「キョウヤ〜、どう思う?」
「同じタイプは育てちゃいけないってこともないし、俺はこの子を育てるよ」
325/11/20(木)23:07:12No.1374565618+
「そうじゃなくて、タウニーのこと」
「……?」
「もう、鈍いよう。タウニーはね、クチートに妬いてるんだよ」
「デウロ!!」
慌てて口を塞いだけど、時すでに遅し。キョウヤはポカンとしているし、ピュールは面倒事になりそうだと顔を顰めている。
「え、あ、え?……ふぅ〜ん。よく分からないけどタウニーはこの子に妬いてるんだぁ…」
「何で嬉しそうなんですかキミ…」
「べ、別に嬉しくないよ?ただタウニーにもそういう感情があるんだなぁって思って。ね、ねぇ、どの辺を羨ましいと思ったの?」
「うるさい。黙って」
「ごめん…」
「何でそこから畳み掛けずに退いちゃうんですか。さっきまでの元気は何処行ったんです?」
横になるキョウヤを見て、冷たく突き放し過ぎた申し訳なさ半分、しょんぼりする姿が可愛いという気持ち半分。ところが。
425/11/20(木)23:07:42No.1374565805+
「あざ!」
「……クチート、慰めてくれるのか?」
「あざ!」
「ありがとう、お前は可愛いなぁ」
「は?」
「タ、タウニー?お顔が怖いよう…?」
「仮にも好きな人に向けちゃいけない顔してますよ」
「好きじゃないし」
調子に乗ってたデウロが怯えるような、そんな顔を今の私はしているらしい。でも、知ったことじゃない。ここまでコケにされては黙ってはいられない。
「キョウヤを突き放したのはタウニーですし、この状況を作ったのはキミ自身ですよ。やつあたり以外の何物でもないですよね」
「横になるし」
「さっきまでの元気は何処行ったんです?」
正論をぶつけられて意気消沈。そう、ポケモンにやつあたりしようとしてた。最低だあたしって…
「元気出してタウニー…そ、そうだ、キョウヤ!タウニーやっぱりクチートにヤキモチ妬いてるって!」
525/11/20(木)23:08:16No.1374566005+
「何で追撃するようなマネをするんです…?」
「え、あ、え?……ふぅ〜ん、やっぱりタウニー妬いてるんだぁ…」
「こっちは元気になりましたね」
「ほら、チャンスだよタウニー!キョウヤに素直になるチャンス!何処に妬いてるのか伝えて伝えて!」
グイグイとデウロに無理矢理起こされる。もうどうにでもなれといった感じ。
「……ドラゴンタイプとどくタイプを無効に出来るところ」
「まさかの点に妬いてますね」
「可愛いくないよう」
「だって…2つも無効に出来るならキョウヤを守れるし…あたしじゃ頑張ってもどくタイプは耐えられないし…」
「ドラゴンタイプは耐える気なんですか?」
「タウニーにそんな危ないことさせられるわけないだろ!」
「あざぁ!?」
「自分にさせるのはいいのかって顔してますよ」
「タウニーにポケモンの技が当たるくらいなら俺がタウニーの盾になる!」
625/11/20(木)23:08:27No.1374566070+
「守ろうとする意味が分からない。あたしはキョウヤを守りたいの」
「いや、俺だってタウニーを守りたい!」
「あたしだって!」
「俺が!」
「あたしが!」
「キミ達二人に無茶をされて気が気じゃないボク達もいることを忘れないでくださいね」
「ごめんねえ…こんな二人だから、危なくなったら守ってあげてねえ…」
「あざ…」
斯くして、自慢の耐性でキョウヤだけでなくタウニーも守ることになってしまったクチートだったとさ。
725/11/20(木)23:09:05No.1374566284そうだねx3
こんな感じで両片想いのアホ2人と振り回される友人2人の日常が見たい
825/11/20(木)23:11:36No.1374567175+
こいつら横になりすぎだろ
925/11/20(木)23:18:53No.1374569392+
>こいつら横になりすぎだろ
ホテルZで横になれそうなのって床か暖炉前のソファーしかないのによくやるよ
1025/11/20(木)23:24:24No.1374570998そうだねx2
>斯くして、自慢の耐性でキョウヤだけでなくタウニーも守ることになってしまったクチートだったとさ。
期待が重い
エアームドにかけられてるそれ並に重い
1125/11/20(木)23:25:41No.1374571346+
なるほどよく分かった
続きをまたよろしく頼むぞクチートくん
1225/11/20(木)23:38:16No.1374575171+
いつか子供も託されるんだろうなこのクチート…
1325/11/20(木)23:39:47No.1374575595+
クチートがんばりやすぎる…
1425/11/20(木)23:48:07No.1374578000+
>いつか子供も託されるんだろうなこのクチート…
この2人の子供とかとんでもない向こう見ずに育ちそうだからクチートの耐性でも守り切れるかどうか…
1525/11/20(木)23:49:25No.1374578399+
両片想いどころか告白の2歩前くらいなのにこんなノリされたら友達2人ともいなくなっちゃうよ
1625/11/21(金)00:03:04No.1374582105+
このキョウヤ初めからメガストーン持ったラルトス手持ちにいない?
1725/11/21(金)00:15:44No.1374585434+
煽ったクチートも悪いみたいなところがあると思います
1825/11/21(金)00:17:17No.1374585908+
>煽ったクチートも悪いみたいなところがあると思います
煽って予想外の地雷が連鎖爆発するのいいよね


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