怪文書もゾンビィの様に復活した

未だぎゃあぎゃあと抗議するギャグ担当を舞台袖に追いやり、主演たる二人のやりとりは続く。
「駄目ね」
「あぁ。ぜんっぜんダメじゃい」
言葉に出すまでもなく二人の意見は一致していた。このままでは大根おろしである、と。
演技とは演じる技であって読む技ではない。どれだけ求められる通りの感情を込めて諳んじたとしても、登場人物には見えないはずの台本を引用している時点で日常からかけ離れたものになっている。
演じるからには心から、心底から感情を湧き上がらせて、その結果として台本と一致しなければならない。
相手が毛虫だろうがゾンビィだろうが毎日喧しいヘタレプロデューサーだろうが、本当の本気で好きにならねばならない。
演者とはそういう至難極まる芸の能う存在であり、だからこそ価値を認められる──
……という趣旨で、天才子役たる星川リリィの演技指導が行われた後のテイクツー。
愛は幸太郎に背を向けて腕を組み、二本のゾンビィ脚でまっすぐ大地に立ってみせる。

「……いつも、やり過ぎなのよ」
そんなセリフは台本にない。
「大失敗する直前まで抱え込んで抱え込んで抱え込んで……それで結局全員で尻拭いする羽目になる事だって、もう何回あった？」
演じるべきは、こんな愚痴をぶつけるようなキャラではない。巽幸太郎は言葉を返さない。
「でも、あんたのそういうとこ」
「キャパ超えて無理だって分かってるのにやっちゃうとこ。転がってのたうち回って負け通して……それでもやり通しちゃうとこ」
「すごいって思う。立派だって思う。……ありがとうって、思う」
愛は振り向く。呆れたような、困ったような、それでもどうしようもなく幸福な笑顔に、見守るリリィが膝を打つ。
「だから………………これからも、よろしく」
「…………おう」

数日経って、収録はつつがなく終了した。
愛は自分で満足できる演技を出し切り、ご当地ドラマは大好評のうちにソフト化され、ゾンビィ達の宝箱の中へとしまい込まれる事になるのであった。

余談となるが、ゾンビィ達の間で「振り向きざまこれからもよろしく」ごっこが一大ムーブメントとなった事を付記しておく。

令和にゾンサガの怪文書！？

夜中に読み漁ってたのを思い出すわ

愛ちゃんやーらしか！

>令和にゾンサガの怪文書！？
7年前だから元年？または平成30年？

幸愛が好きですが純幸やら純愛やら純幸愛やら他なんでも見たいので「」はんも書きなんし！！！！！！

怪文書復活してまず書かれるのが幸愛なのが「」らしくて好き

・・・演技ではなくただの素では？

抱きなんし！！！！！！！！！！！