| … | 1325/10/21(火)20:55:47No.1365054928+「遠く離れた海、FGOからやって参りました」とその娘は提督室でポインと静かに頭を下げた。 褐色の肌に紫色の髪、そして鼓笛隊の格好をしている。ポイマー型一番艦、艦名は「静謐」だという。 俺は秘書艦の香取に目線をちらと送った。香取は困惑した顔で首を横に振った。 誰もこんな艦は知らない。図鑑にも載っていない不思議な艦娘であった。そもそもポイマーとは何なのか皆目見当もつかない。 「得意な戦法は…」と尋ねてみると「料理が得意です♡」と朗らかに笑った。 そういえば俺も香取も昼をまだ食っていない。「では一つ腕を振るってもらおう」 静謐が頷いて音もなくスススと食堂へ小走りに向かって行った。 しばらくすると廊下からバタバタと騒々しい足音が響いてきた。ドアを開けて覗いてみると鹿島だった。 顔面が蒼白になり片手で腹を、もう片方の手で尻を押さえながら、 「あの野郎ッ何が味見して下さいだッ」と呻いて便所の方へ走っていく。 そして間もなく静謐が提督室に料理の乗った盆を片手に戻ってきた。 「提督様、こちらがザバーニーヤ定食です♡」 ちなみにFGOとはF(腹痛)、G(下痢)、O(嘔吐)の略である。 俺はその事を便所の中で知った。 |