ニャアン人妻概念前史、エグザべくんとのなれそめ概念のお話するね。 「シュウちゃん!わたしと一緒に逃げよう―――」叶う夢ではなかった。シュウジと離れ離れになってしまったニャアン そこに現れたのは白く陶磁器めいた人型殺戮ロボット「ギャン(ハクジ仕様)」とエグザべ少尉であった。 そのままチベ級宇宙戦艦「パープルウィドウ」へ誘われ。キシリア・ザビ公の救護を受ける。 ニャアンその時、妊娠5ヶ月だった―――。父親はわからない。 ニャアンという不安定なゆりかごに小さな命はしがみついていた。 キシリア様の庇護欲をそそるに十二分であった。これはエグニャアが愛の巣へたどり着く。助走のお話である。 前回のあらすじ:)ニャアンは無事保護されパープルウィドウの艦内で保護される事となった。 士官室で一夜を迎えた、エグザべくんと共に過ごす夜。なにもない訳もなく…怯えながらニャアンはエグザべくんを身体で誘おうとした 生きる為の彼女なりの処世術だった。悲しい処世術だった。エグザべくんは誇り高きジオン軍人だから誘いには乗らなかった。 ニャアンはそんなエグザべくんを信頼した。そして眠りについた 目が覚めると見知らぬ世界が広がっていた。金属に囲まれたような空間。狭い、とても狭い。 「ここはどこ?」とニャアンの心は不思議でいっぱいだった。おとうさんやおかあさんがいない…ここはおうちじゃない。 「どこ!?どこ!?」と士官室から出ようとする所を寝起きのエグザべくんが制止した 「ここは戦艦パープルウィドウだよ、ニャアン少尉」とエグザべくん 「あなた…だれ?わたしおうちに帰りたいの」と誓願するニャアン 「ニャアン、気は正気かね?」とエグザべくん 「どうしてわたしの名前を知っているの…お兄ちゃん!」ニャアンの瞳は疑いの目から期待の目へ変わる 「おにいちゃん!おにいちゃんだ!」 ついさっきまで震えていた身体はどこか元気が湧き出す様であった。幼子のような仕草が見える 「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」ニャアンはエグザべくんにベタベタする 「どうしたんだいニャアン少尉」エグザべくん困惑するばかり 様子が変なニャアンを前に内線。「こちら医務室」と相手は答える 「エグザべ少尉です、ニャアン少尉の様子がおかしいのです」 医務室に送られるニャアン。瞳孔の確認や、聴診などを行う。 「おむねの音を聞くんでしょ、はい」と素直に乳を顕わにするニャアン。 「先生、これは」困惑するパープルウィドウクルーとエグザべくん 「精神科は専門外ですが、一時的な幼児退行でしょう。ショッキングな出来事が多かったと聞きますが」と先生 「ええ、かなり昨日は、彼女にとってハードな一日だったと思います。」エグザべくん 「鎮静剤を投与してグラナダまで大人しくする事もできますが?」と軍医の先生 「そこまで手荒な事はしたくない」とエグザべくん 紫のマスク姿が医務室のニャアンを見る。全員敬礼 「『夢』から覚めれば現実世界に戻ってくるのだろう?」キシリア公であった。 「今はステキな時間を与えてあげようじゃないか。夢から醒めた時の対応が問題だな」とキシリア様 こうして、幼児退行ニャアンはとりあえそのままというのが診断結果であった。「経過観察」とう名目であった 「ここ、どこ?」と怯えるニャアンに寄り添うのは目付け役のエグザべ君であった。 強襲揚陸艦「ソドン」からの来賓である彼は艦内勤務は無いので。うってつけのお目付けという名の遊び相手だった。 「おにいちゃん♪おにいちゃん♪」何か現実から逃げるように懐いてくるニャアン そんなニャアンに優しく接するエグザべくん、自然と子ども相手には慣れていた。今は消し炭になった郷里に妹か弟がいたのかもしれない。 ご飯も一緒、お風呂も一緒(!?)。ステキな一日が流れていた。もう寝る時間だった。地球圏標準時間は21時を指していた。 (火星や木星などでは独自の周期があるのでその限りではありません。地球と火星の公転速度に違いがあるのは映画「オデッセイ」などで有名ですよね) 士官室でも洗面台は共有だ。廊下に一つ。しかも狭い。コップと歯ブラシと「うがい受け」(ブクブクした物を吐き出す専用のトレーみたいなもの)を持って口腔ケア 「じょうずに歯磨きできるかな?」エグザべくん「できるもん!」とニャアン。ちゃんと歯磨きできたかチェックするのもエグザべおにいちゃんの仕事だった これ本当に仕事かなぁ? 「もう寝ようニャアン」「うん、おにいちゃんいっしょにねよう」 エグザべくんの前で下着姿になり寝間着に着替える姿にエグザべくんはビビらなかった。彼女の鼠径部にある刻印がはっきりと見える 「おやすみなさいニャアン」といいかけた時にニャアンは士官室から見える小さい窓から宇宙をみた。地平線なき宇宙の中、月面が近づいている 「おうちにかえらないと」とニャアン、ワナワナしはじめる。記憶が戻ってきたのだ!曖昧だった感情が統一化される 「おうちにかえらえないと!おにいちゃんおうちにかえらせて…おうちに帰らないとおかあさんとおとうさんがしんぱいしてる」 「ニャアン…おうちはね、ずっと遠いんだよ。ぼく達は今月面のグラナダを目指してる。」 「いやだ!おうちかえらないと!おうちにかえして!おうちにかえりたい!」 グズりだすニャアン。幼きニャアンの心の奥から呼び起こされる黒い渦のような記憶 崩壊するサイド2。電流がプラズマ化してオゾンめいた香りのする酸素。燃える建築物。連邦軍とジオン軍。 燃えるおうち、おかあさん。おとうさん。みんな燃えています 「いやだ!いやだ!おうちなくなっちゃう!おうちなくなっちゃうサイド2にかえして!」 サイド2―――。その言葉にエグザべくんは魂を重ねる。この子もサイド2出身なんだ。そして戦禍に焼かれたのだ。 「おかあさん!おかあさん!いやだ!しんじゃいやだ!」 ニャアンの泣き声がパープルウィドウに木霊する。宇宙戦艦といえども薄い構造材で囲われた全長200mほどの箱庭である。音は全艦内へ響く。 「目覚めてしまったのか。しのびない」キシリア様勤務室にもその悲しい叫びは響いた。 しかし彼女の訴えに何かニュータイプめいた能力を感じずにはいられなかった。 「あの無垢たる叫びも―――才能なのか?」訝しむ。 「おかあさん」宙を見つめているニャアン。その瞳はどこを見ているの定かではない。 「おかあさんおとうさん…もういない…いないんだ…しんじゃった」 ニャアンの心は徐々に我へと帰っていく。ぬくもりを感じる。見知らぬ男の肌触り。 「嗚呼、また私、抱かれているんだ。知らない男に組み敷かれている」と記憶の深さはさらに深くなっていく。難民時代の悲しい過去も掘りだろうとしていた。 「ニャアン少尉!もういい!もういいんだ」とエグザべくんは涙を浮かべて抱きしめていた。 ニャアンの焦点は次第に元通りになっていく、記憶が鮮明になっていく。 「わたし…わたしは…」幼児退行していたニャアンが元のニャアンに戻っていきます。 お腹に手をやります。命が蠢いています。現実である事を知ります 「気にしなくて良い、今日はもう遅いから寝なさい」とエグザべくん 消灯しようとするエグザべくん 「エグザべ少尉、ありがとうございました。やさしいひとなんですね」とニャアン 断片的な記憶ですがエグザべくんに可愛がられていたのを思い出したみたいですね 「いいんだ、キミはこれからが大変なんだ、おやすみ『ニャアン』」 『少尉』の二文字は消えていました。二人の間に階級は関係ありませんでした。 幼きニャアンとの触れ合いでそういう仲になってしまった。なってしまったのです。 「おやすみなさい」とニャアンも一礼し、ベットへ就く。 「産んであげる、ぜったいうんであげるからね」とお腹をさすりながら眠りにつくニャアン ニャアン妊娠5ヶ月の出来事だった。 以上がニャアン幼児退行概念の全容です 次回のジークアクスの内容次第で話足りない所が出てくると思いますので、続きはまた後日。