ソード・ワールド2.5『ジオガッチャー』プレイレポート
とある村の近辺で、小規模な天変地異が発生している。
晴天なのに落雷が発生したり、突然分厚い雲が空を覆ったり、人間や動物がさまざまな不定愁訴を覚えるなど。
異変が発生する範囲はおよそ直径1km程度だが、不規則に移動し、村が直接被害を被ることも数回あった。
雷に撃たれて怪我をする人や家畜も多数おり、幸いまだ死者は出ていないものの、住人や動物たちは非常に怯えている。
しかも時を同じくして蛮族の出没も確認されているのだ。
この異常現象を調査し、可能なら解決せよ。
これは、TRPG『ソード・ワールド2.5』のオリジナルシナリオによるセッションのプレイレポートになります。
読みやすさの都合で一部の誤字脱字や話の流れを修正してあります。
再配布、再掲載はご自由に。でも自作発言はご遠慮ください。
朝の冒険者ギルドにて…
――ここは、とある地域のとある街にある冒険者ギルド。街は守りの剣に護られており、冒険者の活動も活発なほう。
しかし現在(朝8時すぎ)、ギルドの食堂には冒険者は4人しかいないようだ。彼ら彼女らはこの時点では深く知り合った仲でもない。
ローダンセ
ローダンセ
種族: ウィークリング(ガルーダ) 冒険者レベル: 5 ランク:レイピア
性別: 女 年齢: 18
器用: 13(+2) 敏捷: 19(+3) 筋力: 16(+2) 生命: 24(+4) 知力: 15(+2) 精神: 16(+2)
技能: フェアリーテイマー5(全属性) ライダー5 アルケミスト2 ジオマンサー2 バード1
一般技能: エクスプローラー5 カートグラファー5
戦闘特技: 《魔法拡大/数》《魔法拡大すべて》《マリオネット》
呪歌: 【モラル】
騎芸: 【遠隔指示】【探索指令】【騎獣強化】【HP強化】【HP超強化】
賦術: 【パラライズミスト】【ヒールスプレー】
相域: 【天相:見えない傘】【天相:天を欺く】
複数の対の翼を持つガルーダのウィークリング。翼同士が干渉するために飛行ができない。
「空を飛べるもの」を強く憎んでいる。口調も荒っぽく、常にムスッとしている。
物言わぬ動物などが好きで、ドンダウレスを連れて歩き、戦闘においては妖精も呼び出す。
ローダンセ: 「……銭が出るなら文句はねえよ」
キリエ・フォルバルタ
“ヒゲ殺しの” キリエ・フォルバリタ
種族: ドワーフ 冒険者レベル: 5 ランク:なし(放浪者)
性別: 女 年齢: 19
器用: 22(+3) 敏捷: 5(+0) 筋力: 24(+4) 生命: 18(+3) 知力: 7(+1) 精神: 24(+4)
技能: ファイター5 レンジャー4 エンハンサー3 アルケミスト2 マギテック1
戦闘特技: 《露払い》《武器習熟A/ウォーハンマー》《頑強》
練技: 【キャッツアイ】【マッスルベアー】【ビートルスキン】
賦術: 【パラライズミスト】【ヒールスプレー】
主武器: 〈マナを吸うベク・ド・コルバン〉/命中+7/威力45[9]+10/専用武器
身長よりも長い戦槌を振り回すドワーフの女戦士。
普段は素直で冷静な少女だが、何故かこの世のヒゲというヒゲを憎んでおり、生物・非生物を問わずヒゲを生やしているものを見ると目が血走りはじめる。
ヒゲが無ければいいのかというとそういうわけでもなく、軽薄なもの・約束を違えたものに対しては「心に醜いヒゲが生えている」という無茶苦茶な理屈で手を出す、大変危険な女。
キリエ: 「……"ヒゲ殺し"、ですか? はい、そう呼ばれることもありますね」
キリエ: 「別に、ヒゲのある方だけを狙って殺……倒しているわけではありませんから、ご安心くださいね? たぶん、きっと、おそらく」
キリエ: 「ところで──皆さまの中には、人の信頼を裏切るようなヒゲはおりません、よね?」
ラッシュ・アルストロメリア
ラッシュ・アルストロメリア
種族: エルフ 冒険者レベル: 5 ランク:ブロードソード
性別: 男 年齢: 15
器用: 21(+3) 敏捷: 24(+4) 筋力: 7(+1) 生命: 12(+2) 知力: 21(+3) 精神: 19(+3)
技能: スカウト5 セージ5 コンジャラー3 レンジャー1 アルケミスト1 ダークハンター1
戦闘特技: 《魔法拡大/数》《スローイングⅡ》《ターゲッティング》《トレジャーハント》《鋭い目》
賦術: 【バークメイル】
繰気: 【気防陣】
田舎生まれのエルフ。少し年上の友人がおり、自然の知識が豊富で色々と美味しいものを教えてもらった。
戦うことが得意でなくとも冒険者にはなれると学び、先に冒険者となった友人に再会するために彼自身も冒険者となる。
探索系技能に特化した珍しいスタイル。
ラッシュ: 「(なんかやべえ人いるな……)……あ、えーと、何か仕事っすか?」
ラッシュ: 「斥候や知見が必要なら、ある程度はお役に立てると思うすよ」
ラッシュ: 「まあ、その分戦闘はからきしすけど……」
アノン・リバース
アノン・リバース
種族: 人間 冒険者レベル: 5 ランク:ブロードソード
性別: 男 年齢: 20
器用: 21(+3) 敏捷: 18(+3) 筋力: 18(+3) 生命: 20(+3) 知力: 16(+2) 精神: 12(+2)
技能: ファイター5 ライダー5 マギテック2 レンジャー1 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能: クレリック2 オーサー3 ノーブル3 バトラー2
戦闘特技: 《武器習熟A/ソード》《薙ぎ払いⅠ》《頑強》
練技: 【キャッツアイ】
騎芸: 【騎獣強化】【攻撃阻害】【HP強化】【探索指令】【人馬一体】
賦術: 【ヴォーパルウェポン】
主武器: 〈ファルシオン+1〉/命中+9/威力28[10]+10/魔法の武器
高名な空中騎兵の家の次男として生まれた黒髪茶目の青年で、優秀な騎手。お人好しで酒に弱く真面目な魔動機文明時代の小説オタ。
国から家に下賜された可変機動外骨格を使いこなそうと奮起したが、事故で半壊させたことを理由に家を放逐されてしまう。
しかしまだその魔動機を乗りこなすことを諦めていない。現在はドンダウレスに騎乗しつつ、冒険で腕を磨いている。
アノン: 「仕事ですか? 問題ありません。突っ込んで薙ぎ払って蹂躙する。これが騎兵のお仕事です」
アノン: 「うちの愛竜は優秀なので偵察もこなせますよ」
GM: うーんすでに頭数が多い……(PC4人と騎獣2騎)
異常現象発生
突然、冒険者ギルドの急使とおぼしき人物がバタンと扉を開けて入ってくる。
スノウエルフの受付嬢になにやら早口で話しかけ、受付嬢も真剣な面持ちでそれに聞き入りつつ、手元の羊皮紙にメモを取っている。
受付嬢: 「……うん……うん。わかりました。奥で休んでいてください」
受付嬢は息を切らせる使いの者を気遣って背中をさすりつつ、スタッフオンリーの扉を開く。
冒険者向きの仕事が舞い込んできたことが、待機中の4人には察せられるであろう。
使いの者が奥の部屋に引っ込んだ後も、受付嬢はいくつかの紙や資料を取り出し、さらさらと書き物をしている。ときおり冒険者たちの様子をちらちらと見つつ……。
受付嬢: 「……今いる方々でなんとかできそうね。費用もギルドからこのくらいの供出で大丈夫なはず。よし」
受付嬢: 「すみません、そこの冒険者4名。急ぎのご依頼があります」 声がかかります
ローダンセ: 「……」周囲を見渡して「4人しかいねえ」仕方なく立ち上がる
ラッシュ: 「もちろん、そのつもりで待ってましたからね。どんな内容すか?」 呼ばれたのでカウンターの方まで歩み寄る
キリエ: 「では、お話だけでも……」
アノン: 「詳細をお聞かせください」お人好しで酒に弱く真面目な魔動機文明時代の小説オタメガネはメガネを調整しながらスチャらせ眼鏡を光らせた
受付嬢いわく。ここから徒歩1日半(1日8時間歩くとして12時間)の場所にある小村の周辺で、1週間前から異常な現象が発生しているとのこと。
快晴にもかかわらず突然雷が落ちたり、突然雲が空を覆ったと思ったら数分でまた晴れたり……。
不規則に移動する異常現象は散発的に村に到来し、住人や家畜に落雷の被害が発生。人間の死者こそまだないものの、住人を恐怖に陥れている。
しかもそれと時を同じくして、見慣れない蛮族の出没も確認されているようだ。
ラッシュ: 「へえ、異常気象すか。幻獣の仕業……にしちゃ規則性がねえすね」
キリエ: 「お天気の話となると…あまり心当りはありませんね」
アノン: 「そういうのはティダン神官の領分な気はしますが…」
ローダンセ: 「……落雷に雲、ねえ」耳に付けているジオグラフを弄る
『見慣れない蛮族』の詳細について問われるが、ギルドの使いも『見慣れない』以上の情報はわからないとのこと。
村の住民も大変混乱しており、現時点で得られている情報は大変にあいまいなものなのだ。
冒険者ギルドは冒険者たちに対し、この事件についての調査、可能ならば解決を依頼する。
報酬は、調査が十分なら1人頭1000ガメル、解決できたなら代わりに4000ガメルの支払いを提示した。
ラッシュ: 「俺は構わねえすよ。色々調査する必要がありそうですしね、そういった仕事は得意分野す」
キリエ: 「ええ、報酬にも文句はありませんし」
ローダンセ: 「わーったよ」
アノン: 「何か準備しときます?」面々に聞く
受付嬢: 「村までの距離は徒歩で12時間、いまから出発すると途中で夜になるでしょう。野営の準備をおすすめします」
キリエ: 「《アルケミーキット》を……。先日、聞き分けのない酔っぱらいを捻……落ち着かせる時に壊してしまって……」
ローダンセ: 「テントならある。一組だけだがな。それとキリエつったな。ある。使え」 アルケミーキットとスマルティエの宗匠の腕輪を投げます
キリエ: 「まぁ! とても助かります!」では丁重に受け取ります
アノン: (準備がいいな…)
さらに、受付嬢はギルドの使いからの報告を元に即興で描いた手書きの地図を見せ、概ねの地理と被害範囲を示す。
実体の伴わない異常現象が不規則に村の周りをうろうろしているようだ。野営することになる位置はその被害範囲にはぎりぎり入っていない。
これを聞いてか、ラッシュは報酬1000ガメルを前借りし、望遠鏡を購入。
ラッシュ: 「あー……そういう事すか。…………」 何かを考えるように腕を組み
キリエ: 「何か心当たりでもあるのですか?」とラッシュさんに顔を向ける
ラッシュ: 「いや、無軌道に動いてるように見える……ってなら、何かを探してるんじゃねえか? と思って」
アノン: 「なかなかおもしろい視点ですね」
ローダンセ: 「兎に角、行こうぜ。目で見なきゃ情報足んねえよ」 さっさと歩き始める
受付嬢: 「吉報をお待ちしております」
野営 - 団欒のひととき
準備を整え、さっそく被害地点に向けて出発するPCたち。ライダー2人は各々のドンダウレスに跨って。
しかし受付嬢の忠告した通り、途中で日が暮れてしまう。暗視種族は2人いるが、強行軍はリスクが高い。
まばらに森や木立があるが、おおむねなだらかな平原である。それでも街道沿いなら、遮蔽物や川の近い、野営に適した地形は見つけられる。
ラッシュ: 「そろそろ日没っすね。野営の準備、始めた方が良さそうす」
ローダンセ: 「テントの組み立てはあたしがやる。後の仕事は任せた」
アノン: 「じゃあ薪と水集めてきます」
キリエ: 「では夜目の効くわたしが見張りをさせていただいても…」と手を挙げる
各々野営の準備や食料集め、周辺調査に向かう。今のところ天気は極めておだやかで、不穏な気配は一切ない。
アノン: 「見張りのシフトどうします?」お湯沸かしてる
ローダンセ: 「あたしとアノンは分けた方がいいだろ。キリエとアッシュじゃ前線が薄い」
ラッシュ: 「俺も夜目効きますんでキリエ姉さんとは別々のがいいすね」
キリエ: 「姉さん……いい響きですね……」
夕食の準備をし始める冒険者たち。
周辺調査のキリエとアッシュが集めたキノコや野草に保存食の干し肉を使用したスープ。そしてアノンの淹れたお茶。
見張りの組分けはキリエ+アノン、ラッシュ+ローダンセとなる。当直の前半後半はジャンケンで決めることとなった。
ローダンセ: 「ラッシュ、ジャンケンお前やれ」
ラッシュ: 「え? いいすけど……ローの姉さん、ジャンケン弱いんすか?」
ローダンセ: 「ルール知らねえ」
キリエ: 「まあ! では今からお教えしますよ! まずこれがグーでして……」
ラッシュ: 「グーとチョキとパーがあって……それを全部破壊するのが銃っす」
アノン: 「嘘教えるんじゃありません」 ラッシュにぺしとつっこみ
ローダンセ: 「へえ。まあ銃は強えか。人族の叡智だしな……あ?」
ラッシュ: 「え、なんすか!? 俺の地元だとこういうルールだったんすけど……んで銃に唯一勝てるのが……」
アノン: 「不採用! 今はゴールデンルールを教える時間です」 三すくみについて教える
ラッシュ: 「……なるほど、本来はそれだけしか使わねえんすね。バリアとかねえんだ……」
訳わかんなんくなってきた……と頭を押さえるローダンセ。その様子に、負けるのがコワイんです?と挑発するアノン。
ローダンセ: 「負けるのが怖くないやつなんかいるのかよ」
アノン: 「たまにいますね。まあそれはそれとして勝負しましょう!」とローダンセに構える!
ローダンセ: 「……話聞かねえやつの面だ」
お互いchoiceコマンドで出した手は、ローダンセがパー、アノンがグー。「負けたぁ!!」「もう一回!!」…と騒ぎ立てるアノン(最年長)。
ジャンケンやったことないローダンセにわざとオーバーリアクションしたり悔しがって体験させようとしてるんですよ…と雑談タブで言ってましたが、本当かなぁ…?
ともあれ、ラッシュ+ローダンセ組が先に寝る運びとなった。
アノン: 「じゃあコーヒー作りますね。ヒッコリー拾ってきたんで焙煎します。眠気覚ましにはぴったりですよ」
ラッシュ: 「んじゃ、寝起きにいただくす。作り方、教えて貰ってもいいすか?」
キリエ: 「苦手な方はミルクなどを入れたりするそうです…アレンジの幅が広いんですよ」
ローダンセ: 「……ミルク入れて。……ないなら、いいけど」
野営 - 突然の落雷!
夜も更け、2人ずつ睡眠を取る時間。
ローダンセは自分のテントに入り、ラッシュはあえて外で寝袋で寝ることにした。ドンダウレス2騎も彫像化はせず、テントの外。
よく晴れ、満点の星空の夜。何も起こる気配はない。
アノン: 「今のところなにもないですね」
キリエ: 「ええ……静かな夜ですね。天候の変動も見られませんし、この辺りはまだ異常気象の影響の外なのでしょうか?」
アノン: 「そうなりますね。それか異常気象自体が寝てるかもですね」
キリエ: 「お天気が寝ている、ですか?」 可愛い発想ですね、と笑おうとして
アノン: 「天候操作魔法自体はあるじゃないですか」
キリエ: 「だとすると、むしろ怖いのは夜明けからでしょうか……。何事もなければよいのですけどね」 それじゃあ仕事になりませんけど、とコーヒーを飲もう
やがて交代の時間となる。入れ替わりにアノンとキリエがテントの中へ。
ローダンセ: 「くぁ~~」欠伸 ドンダウレス起こして顎置きにしている
ラッシュ: 「どうぞ。さっきアノン兄さんに教えて貰ったんで淹れてみましたよ、コーヒー」 カップを差し出し
ローダンセ: 寝ぼけ眼を擦って「ありがと……」受け取る
ラッシュ: 「んで、ミルクはなかったすけど、ハチミツならあったんで。甘みが足りねえなら使ってください」
ローダンセ: 「うん……」2スプーンくらい入れてから飲む「おいし……」
ラッシュ: 「さ~てと、何事もなけりゃ重畳っすね。……ローの姉さん、もし眠いならまだ寝てて貰ってもいいすよ?」
……起きてる、と眠たげに言うローダンセ。
しばらくは静かで晴れ渡った夜のままだったが……突然「ごろごろごろ」と遠雷のような音が聞こえてくる。
そして……。
[危機感知判定]スカウトorレンジャー + 知力
難易度:12 判定者:2人(GMが選ぶ) 所要時間:一瞬(反応)
※睡眠中の者は-4ペナルティを受ける
失敗すると何かよくないことが起こりそう。
成功するととっさに「危険を回避する方法」がわかり、それを行なうことができる(睡眠中であれば偶然寝返りをうった等で睡眠継続してもよい)。
ローダンセとその騎獣は嫌な予感を覚える。騎芸【探索指示】があるため、両者ともライダー技能により上記判定を行ない、成功。
機敏な動きでテントへと駆け込み、その一瞬後、彼女たちがいた場所にぴしゃん!と雷が落ちた。
同時にローダンセは『足元がぐにゃりと歪む感覚』『発生源不明のなにかに対する言いしれぬ不安』を覚える。
さらには、ローダンセの周辺にぼんやりと赤い幻影が纏わりつくという現象も。
ローダンセ: 「ダウレスッ!」吼える。その瞬間ダウレスの尻尾がローダンセを捉え、そのまま走ってテントの中に逃げ込んだ
ラッシュ: 「うぉわっ!!」
ローダンセ: 雷が落ちたあとテントから出て空を見る「……ここまで来たか」
[見識判定]セージorバードorアルケミスト + 知力
難易度:15 判定者:任意 所要時間:一瞬(反応)
※ジオマンサー技能を1レベル以上持つ者はこの判定に自動成功する(今回は自動成功)
たった今起こった現象の正体を見抜く。
直接目にしていなくても、目にしていた者から証言を聞いたならばこの判定を行える。
天地使いの生まれであるローダンセは一瞬で見抜く。これはジオマンサーの『相域』だ!
いま彼女を襲ったのは、【天相:降雷】【地相:泥濘に沈む】【人相:恐慌】そして【地相:蜃気楼】(炎)。
テントに避難したため睡眠中の2人も起きてしまうが、睡眠時間は十分であるとした。
アノン: 「んんん…」頭を振って、寝ぼけ顔でアーマー着てます
ラッシュ: 「……落雷! ありゃ明らかにヒトに向かって落ちてやがる……間違いねえ、人為的なモンだ」
ローダンセ: 「確定だ。天地使いがいる。あと一瞬、地面がぬかるんだ。複数使ってやがるな」
キリエ: 「……つまり、異変ですか?」目を擦りながら起き出す
ラッシュ: 「……なるほど、それなら“うろついてる”ってのも納得が行くっすね。相域を広げながら、何かを目的に練り歩いてると」
キリエ: 「……確か、相域には効果範囲がありましたよね。今、その範囲内に敵がいると考えてよいのでしょうか?」
しかし、先程の遠雷の音も、相域による落雷その他も、1回きりで以降続く気配はない。もとの静けさを取り戻す。
ローダンセ: 「……多分、もういねえな」
アノン: 「派手な目覚ましでしたね」
キリエ: 「ローの姐さんも天地使いだったんすか? ……同じ天地使いが言うなら、もうこの付近からは離脱しちまってるのは間違いなさそうすね」
ローダンセ: 「間違いなく天地使いの仕業だが、普通の手段じゃねえ。報告されてる範囲が広すぎる」
アノン: 「特殊なジオマンサーであることを前提に動いたほうがいいですね」
いまの現象について、不可解なほど広い活動範囲について議論するPCたち。
【コンシール・セルフ】のような隠匿呪文で隠れながら動いているのか、それとも犯人はまったく動かず相域だけを動かしているのか。
異変の中心である村に犯人が潜んでいる可能性も否定できないため、急いで村に向かうことにした。
アノン: 「まだ夜は明けてませんが撤収して村に行きましょうか」
ローダンセ: 「ああ。一方的に攻撃され続ける趣味はねえ」
ラッシュ: 「了解す! (途中で起こされた)アノン兄さんとキリエ姐さんには悪いすけど、進行しちまいましょう」
キリエ: 「こちらは問題ありません。これもお仕事ですからね」
ここでおもむろに魔晶石2個を取り出し、妖精語を唱え始めるローダンセ。
【サモン・フェアリーⅡ】から妖精『ドゥナエー』を2回召喚し、月の舞を披露させる。
これによりPC4人と騎獣2騎は1日の間に1回、ダイスの出目の1を2に変更することが可能だ。強い……。消費したMPはキリエの焚いた魔香草で全回復。
村 - 情報収集フェイズ
テントを畳み、夜明け前の街道を進むPCたち。道中も異常事態は観測されない。
無事、日が昇ったころに目的の村へと到着した。なおGMは特にこの村の名前とか考えてなかった。
人口30人程度の小さな村で、牧畜と畑作を主に行なっており、宿を含めて商業施設は一切ない。
居住区の周囲は簡素な木柵で覆われているが、日が昇っているため門は開放されており、見張りの類はない。住人も仕事を始めている。
アノン: 「普通の農村ですね」
ローダンセ: 「……こんな所に件の天地使いがいるようには見えねえが」
村人たち: 「おお、あれはもしや冒険者様がた?」「来てくださった!」「助けておくれ…」「もう私たち不安で不安で……!」
GM: PCたちを目にした人々が興味を示しています。同時にすごい不安そうで、やつれてもいます
キリエ: 「……皆さん、ひどい被害に遭われているようです」
ローダンセ: 「降雷は命を奪うほどの威力はねえが。一般人にゃ辛えだろうな」
アノン: 「我々は派遣された冒険者です! 村長さんはどこにいらっしゃいますか? 現状を聞かせてください」
村長が顔を見せるものの、不可解な異常事態に対して皆混乱しており、現状を語ろうにも要領を得ない。
皆の証言から正しい現状を導き出すのはまあまあ手間がかかる。
[聞き込み判定]任意の技能 + 知力
難易度:4/8/12/16 判定者:任意 所要時間:1時間
※RPで説得力を持たせられるなら一般技能を使用してもよい
村人に聞き込みをしよう。高い達成値によってより多くの情報を得られるだろう。
各々が冒険者としての度量を見せ、聞き込みをして回る。
ファイター技能を活用したキリエが高い達成値を収め、聞き出せるすべての情報をまとめることに成功した。
村人への聞き込みの成果
- 達成値4以上
-
異常現象はここ一週間前から突如発生し始めた。
突然の落雷は狙いすましたかのように人間や動物に直撃してとても痛いが、いまのところ人間に死者はいない。 - 達成値8以上
- 異常現象が村の中で発生する時、落雷以外にも「突然足元が不安定になる」「えも言われぬ恐怖心が沸き起こる」といった不調があった。
- 達成値12以上
-
異常現象が村の中で発生する時、村の近辺で不思議な姿の人型生物を複数体見かけた者がいた。全身に目のような模様があった。
またそいつらは巨大な石の塊を運んでいた。 - 達成値16以上
-
異常現象に見舞われた者の中には、落雷や不定愁訴以外の不可思議な現象を体験するものもいた。
数秒だけ身体が半透明になったり、不吉な予感がしたり、幸運な予感がしたり。
雷が直撃したにもかかわらず無傷で、逆に体調が良くなる者もいた。
さらに、『不思議な姿の人型生物』の目撃証言を元に魔物知識判定もできる。巨大な石の塊についてはまだわからない。
[魔物知識判定×2]セージorライダー + 知力
難易度:9および14 判定者:任意 所要時間:一瞬(反応)
村人から聞き出せた不審人物についての推測。
これにより弱点を看破することはできず、実際に遭遇したときにまた判定する必要がある。
これをラッシュは5ゾロ→6ゾロというすさまじい出目で見抜く。
これらの人影の正体は、メリアによく似た植物系蛮族『アルボル』と『アルボルソルジャー』だ。ステータスは後述。
ただ、こいつらは何か妙な装置を背負っているようである。
ラッシュ: 「…………なるほど。犯人の正体、バッチリ分かったすよ。あまり人前に姿を表さず、森を拠点にして、目玉みてえな模様……と来たら」
ローダンセ: 「アルボルか」
ラッシュ: 「御名答す。おまけに、何やら秘密兵器も持ってるみたいすね」
ローダンセ: 「恐らく……巨大な石とやらも魔動機だろうな」
キリエ: 「どうやら、目標は定まったようですね」
ラッシュ: 「……にしても、なんでそんなもん担いでうろついてるんすかね?」
アノン: 「何らかの実験かもしれませんが」
村人たち: 「よくわからんが、あいつらが元凶に違いねぇ!」「あいつらが姿を見せた時、必ず雷が降っていた」「どうか……やっつけてくだせぇ……」
ローダンセ: 「そのために来た。頼まれるまでもねえ」
村人たち: 「さすがだ…!」「綺麗な羽根の冒険者様、お願いします!」
ローダンセ: 「…………チッ」ちょっと赤面
アノン: 「ふふっ。英雄になりに行きましょうか」とローダンセの肩を軽く叩く
村人たち: 「そういえば……」「羽根の生えてる人間、宗教画くらいでしか見たことねぇ」「おめぇ学あるなー」
ローの姉さん羽根生えてるのなんでなんすか? …と、今更ながらに問いかけるラッシュ。
それに対し「蛮族だからだよ」とこともなげに答えるローダンセ。ざわつく村人たち。
アノン: 「ええ、とても強そうな頼もしい天使ですよ」
ローダンセ: 「ふん」先に歩いて行く
ラッシュ: 「え、マジすか!? 初めて見たすよ!」 と言いつつついていく
村人たち: 「……冒険者ギルドが派遣してくれた冒険者様たちだ。信じよう」
平原 - 異常気象を追え!
アルボル達は、巨大な相域とともに平原をうろついている。これを捜索するには空を見る必要がある。
[天候予測判定]スカウトorレンジャーorジオマンサー + 知力
難易度:17 15 判定者:任意 所要時間:1時間
※異常現象の正体(相域)を見抜いているため、難易度が2下がった
移動しながら空の様子を伺う特殊な天候予測。複数人で並行して行なえ、成功すると異常現象の現場に到達できる。
失敗しても再度挑戦できるが、あまり時間をかけすぎると……。
GM: 望遠鏡買ってたよね。使うなら+2ボーナスつけていいよ!
ラッシュ: マジすか!
ローダンセ: サンキュー1000G
出目も奮い、ラッシュは21という驚異の達成値をおさめる。
望遠鏡を覗くと、青空の中に異常な雰囲気の雲が見つかった!
ラッシュ: 「あ! めっちゃ目立つ! あっちすよあっち!」
アノン: 「行きましょうか」
キリエ: 「ええ……いよいよ、ですね」
ラッシュ: 「俺が先行します! こっちす!」 と言って森の中を駆けていく
ローダンセ: 「キリエ!着くまで私のタウレスにしがみついとけ!」
キリエ: 「はっ、はいいぃぃ~!」 必死にしがみつく。そのままだとたぶんおいてかれる速度!
近づくにつれ、のしかかるように重く固まった雲が浮かんでいるのが見えてくる。直径1kmほどだろうか。
ラッシュ: 「そろそろ相域の影響下す! 皆さん気を付けてください!」
[危険地帯突破判定]冒険者レベル + 敏捷力
難易度:下記参照 判定者:全員 所要時間:3分
※ジオマンサー技能かレンジャー技能を1レベル以上持つ者は達成値に+2を得る
※ライダー技能を持ち、かつ騎乗している者は達成値に+2を得る(上と重複しない)
異常現象を避けながらその中心へと向かえ!
向かおうとするPC全員が判定を行ない、もっとも低かった達成値に従って、PC達が異常現象(相域)に見舞われる回数が決まる。
ちなみに1つ前の天候予測判定で3時間を費やしてもなお失敗のままの場合、強制的に相域範囲に呑まれてしまい、この回数が+1される。
- 7以下:3回
- 8~11:2回
- 12~15:1回
- 16以上:0回
付きやすい+2ボーナスもあるが、PC達全員の出目がここでも奮い、なんと最低達成値17で無傷の突破!
雷が来ると思った瞬間、空から隠れるに足る木陰や岩陰などを巧みに見つけるなどして、回避しながら進んで行く。
……せめて1回くらいは相域の対象にしたかった!!
ラッシュ: 「落雷! 来るす! 散開してください!」 後方に叫びつつ木陰に飛び込んだり
アノン: 「乱数回避!」
ローダンセ: 「夜に1度手の内を見せたのは失敗だったなあ!」軽やかに躱す
キリエ: 「はっ、早い! 早いですこの騎獣さん~っ!!」振りまわされつつも咄嗟に隠れるなどした!
ラッシュ: 「そして───見えました! 連中が、例のアルボルで間違いねえす!」
超巨大相域の中心には、3つの人影と1つの巨大な岩塊が佇んでいた。
戦闘 - ランドセルを背負ったアルボル達
強そうなアルボルが1体、巨大な剣を手にしたアルボルが2体。巨大な緑の石を守っている。
アルボル: 「……むっ! この嵐の中を一直線に来るやつは……」
キリエ: 「あれが宿敵……」 後からよろよろと辿りつく
ラッシュ: 「いや、ヒゲは生えてなさそうすけど……」
キリエ: 「いえ……心に醜いヒゲが生えているのですよ……」
アノン: 「こいつらが…アルボル…」
アルボル (蛮族、魔物レベル6)×1体
「モンストラスロア」P75を参照のこと。習得している魔法系統は妖精魔法(炎/土)。
〈剣のかけら〉を5個有し、後述の〈消脈のマギスフィア〉を背負っている。
メリアの近似種とされる蛮族。花はついておらず、全身に目のような模様を有する。ドワーフと魔動機師を憎む。
妖精魔法と《マルチアクション》による武器攻撃を駆使し、また《怒れる炎の武器》能力で仲間の武器をエンチャントファイアすることも可能。
それにもかかわらず自身の弱点もまた炎である。
アルボルソルジャー (蛮族、魔物レベル4)×2体
「ルール1」P442「モンストラスロア」P70掲載の「ボルグハイランダー」のデータのうち、知能・知覚・言語・生息地・弱点をアルボルと同じに変更したもの。
それぞれ〈剣のかけら〉を1個ずつ有し、後述の〈消脈のマギスフィア〉を背負っている。
魔術のたしなみはないが、武器の扱いに長けたアルボル。《斬り返しⅠ》と《痛恨撃》で着実に痛手を与えてくるぞ。
〈消脈のマギスフィア〉(魔法のアイテム)
知名度:14 形状:ランドセル型のマギスフィア(大) 基本取引価格:非売品
カテゴリ:装飾品(背中) 製作時期:魔動機文明
これはマギスフィア(大)としての機能を持つ。
またこのアイテムは、1時間程度の作業によって特定のジオグラフと『同期』することができる。これが魔動機術等で形状が変化していない場合、『同期』しているジオグラフから発生する相域について、装備者の全部位は対象から除外される。
このマギスフィアはあまりに大きいため、装備者の1部位として扱われる。ただし、乱戦エリアにて人数差を考慮する際や、〈投げ〉や【スネア】呪文など部位数に応じて効果が変わるデータについては、部位として数えない。
部位としての攻撃能力はなく、回避力や抵抗力は装備者と同じ値を用い、防護点6、HP20、MPなし。この部位のみ「種別:魔動機」として扱う。
部位が破壊されれば装備品としての効果も失い、装備者からの戦利品に自動で「マギスフィアの欠片(200G/黒白A)」を追加する。また装備者が戦闘不能になってもこれは破壊される。
アルボル: 「冒険者だな! しかも我らアルボルの宿敵、ドワーフや魔動機術師もいるな!!」
アルボル: 「人間の村に正体不明の被害を与え、冒険者をおびき出すという我が策がようやくハマった!!」
ラッシュ: 「回りくどくねえすか? いやまあ、村のヒトに被害が出てねえからこっちとしては重畳なんすけど……」
アノン: 「宿敵の装置背負ってるのに?」
アルボル: 「ライバルの技術でライバルどもの鼻をあかす、スカッとするだろう?」
ローダンセ: 「へえ。良かったな。だが……そこからの先の策が、ねえようだが」
アルボルソルジャー: 「僕たちの剣術と……」
アルボル: 「我が魔術、そしてこの『ジオガッチャー』が、貴様らを消し炭にしてやるのだ!」
ローダンセ: 「夢見たまま死んでいけ」
アノン: 「敵の目論見通りというのは割とまずいかもですけどね」
ローダンセ: 「踏み潰しゃいいんだよ。何のための騎兵だ」
ラッシュ: 「問題ねえすよ。目論見ってのは、大抵外れるもんすから」
キリエ: 「ええ、その通り……特に今、わたし達がここにいるわけですからね……叶うはずがない」 じりじりと近寄ろう
ラッシュ: 「そのとーり! アドリブでどうにかするのが、俺ら冒険者す!」
アルボルソルジャー: 「アドリブが策に勝てるはずはないっ!!」
戦闘開始処理
戦闘準備行動として、ラッシュはアノンに対し賦術【バークメイル】をカードAにて発動。
アノンはドンダウレスに騎乗状態のまま、ローダンセは降りている。
[魔物知識判定:アルボルソルジャー]セージ + 知力
難易度:9/14 判定者:任意 所要時間:一瞬(戦闘開始処理)
※すでにデータは判別済みのため、弱点看破のみを目的とする
[魔物知識判定:アルボル]セージ + 知力
難易度:14/17 判定者:任意 所要時間:一瞬(戦闘開始処理)
※すでにデータは判別済みのため、弱点看破のみを目的とする
[魔物知識判定:?巨大な石]セージorライダーorジオマンサー + 知力
難易度:13/16 判定者:任意 所要時間:一瞬(戦闘開始処理)
※ライダー技能による判定では弱点看破は行えない
※これは例外的にジオマンサー技能でも魔物知識判定を行え、かつその際に達成値が+2される
[先制判定]スカウトorウォーリーダー + 敏捷力
難易度:14 判定者:任意 所要時間:一瞬(戦闘開始処理)
※6ゾロによる自動成功なし
上記のまもちき判定に対し、ラッシュはすさまじい出目(全部10以上!)を出し、弱点まで看破する。
他方でアルボルの同判定も成功し、ドンダウレスとローダンセの弱点も見抜かれる。
災厄のジオグラフ (魔法生物、魔物レベル6)×1体
知能:命令を聞く 知覚:魔法 反応:命令による
言語:なし 生息地:山岳、洞窟、遺跡
知名度/弱点値:13/16 弱点:衝撃属性ダメージ+3点
先制値:9 移動速度:-/- 生命抵抗力:7(14) 精神抵抗力:9(16)
| 部位名/攻撃方法 | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
| 本体/なし | - | - | 0(7) | 8 | 42 | - |
- [常]正体露見の可能性=ジオマンサー技能(+2)
- ジオマンサー技能を持つものは、例外的にこの魔物に対して「ジオマンサー技能レベル+知力ボーナス」を用い、さらに+2の修正を受けたうえで魔物知識判定を行なうことができる。それにより弱点を知ることもできる。
- [常]鉱石の身体
- 刃武器からクリティカルをうけない。
- [常]相克適正
- 常時特技《相克の標的》を有する。また、これ自身が相域の対象になったときに限り、《相克の別離》と同様に、自身に対しては望んだ効果のみをキャンセルできる。
- [常]自力移動不可能
- 誰かに押してもらわないと移動できない。1人で押すならその者の移動速度の半分で、2人で押すなら押す者の移動速度のうち低い方の速度で移動する。戦闘中は押すことはできない。
- [常]不可測相域
-
これが相域を1つ以上使用している場合、手番終了時にさらに追加で以下の相域の効果がランダムで発生する。どの相域が発生するかは2d6で決定し、カッコ内の値の命脈点を消費したかのように効果量を算出する(実際には消費しない)。出目9以上の相域は他の相域効果よりも先に適用され、【地相:蜃気楼】は軽減する属性を「炎」「水・氷」「風」「土」「雷」「純エネルギー」からランダムに1つ決定する。
- 2~3:【地相:大いなる蛇の目】(2)
- 4~5:【天相:因果】(2)
- 6:【人相:魂の別離】(2)
- 7:【天相:七星流れ】(4)
- 8:【人相:存在の消失】(1)
- 9~10:【地相:蜃気楼】(3)
- 11~12:【天相:空を欺く】【地相:地脈の吸収】(4)【人相:活】(4)
- [補]相域
-
各命脈点の最大値3、相域効果範囲は全エリア(半径50m)のジオグラフを有しているかのように振る舞う。ただし戦闘中でない場合、相域効果範囲は半径500mまで拡大し、相域の発動間隔が1分ごとになり、開けた空の下にいる者のみが対象となる。また、対象を選んだ後に自身以外への相域適用をキャンセルすることがない。
【天相:降雷】【地相:泥濘に沈む】【人相:恐慌】を有している。
敵対的な遭遇の戦闘においては常に、上記3つの相域を命脈点3点を支払ったかのように使用している。
- 戦利品
-
- 自動:ジオグラフの欠片(20G/白B)
- 2~7:なし
- 8~:傷の少ないジオグラフの欠片(500G/緑白A、地脈のジオグラフとしても使える)
不確定名:「?巨大な石」。アルボルはこれを『ジオガッチャー』と呼んでいた。
何らかの原因で暴走し、尽きることなく相域を展開し続ける恐るべき巨大ジオグラフ。
いずこかの遺跡に眠っていたものを蛮族が持ち出したようだ。
先制判定もラッシュが成功させ、冒険者たちが機先を制する。
| 自軍後方 | 前線 | 敵軍後方 |
|---|---|---|
| PC陣営全員 | アルボル アルボルソルジャーA アルボルソルジャーB |
災厄のジオグラフ |
1ラウンド目先攻 ラッシュ
探索とバフが専門のラッシュが先に行動。
補助行動で、物理ダメージを出すキリエ・アノン・騎獣2騎に繰気【気防陣】、加えてキリエに賦術【バークメイルA】。
しかし繰気のHPコスト4d6で18点もHPを削ってしまう。
ラッシュ: 「ゲッホ!! やべ、やりすぎたかも!! まあいいや!!」
ローダンセ: 「ラッシュ!?」悲鳴に近いような、そんな声
ラッシュ: 「気にしねえでください! 倒れるならやることやってから倒れますんで!」
ローダンセ: 「倒れるなよ!?」
主行動は4倍拡大【ファイア・ウェポン】を同じ4名に。炎属性はアルボルの弱点だ。
ラッシュ: 「操、第三階位の付。火炎、増強――炎撃!!」 ナイフを鞘から引き抜き、中空に魔法陣を書き出して火炎を二人と二匹に纏わせる
キリエ: 「なるほど……脅威は焼却しろ、ということですね……」
アルボル: 「(ドワーフでもマギテックでもない)エルフだけは敵認定しないでおこうと思ったが……やべーぞ!」
ラッシュ: 「アンタ達には同情するとこもありますけど、それとこれとは話は別す! 観念してくださいよ!」
1ラウンド目先攻 ローダンセ
手始めに賦術【パラライズミストA】をアルボルに。問答無用で1ラウンド回避-1だ。
続く主行動で【サモンフェアリーⅡ】、火の妖精「フランメ」を召喚する。
ローダンセ: 「フランメ、目の前の植物を燃やせえ!」
フランメは3倍拡大【フレイムアロー】でアルボル3体を焼こうとする。
ソルジャー2体の抵抗は抜いたものの、ボス格アルボルは抵抗のダイスを振り、高い出目にて抵抗に成功。
しかも威力表でアルボルへのダメージが1ゾロとなってしまう。ともあれソルジャー2体にはまあまあの痛手だ。
アルボル: 「ふん! 妖精術師としても僕のほうが上のようだな!」
ローダンセ: 「悪いな、私は二足の草鞋だ。行け」
間髪入れず、ローダンセの騎獣ドンダウレスが前進。
【ファイア・ウェポン】で炎を纏った尾で《テイルスイープ》、ソルジャーAの装備品以外の5部位を同時攻撃!
全弾命中し、バフと弱点特効の乗ったダメージを容赦なく叩き込む。これでソルジャーAは倒れる。
アルボルソルジャー: 「あちちちちっち!!」 戦闘不能!
ローダンセ: 「まず1体。何匹残るか賭けるか?」
キリエ: 「賭けになりませんから……」
1ラウンド目先攻 アノン
アノン: 「蹂躙します!」 イクゾー
ラッシュ: 「(物騒だなこのヒト達……)」
騎乗したまま前進し、アルボルとソルジャーBに《薙ぎ払い》。炎を纏ったファルシオンで、ソルジャーBも倒れる。
追い打ちのドンダウレスの蹴りはアルボルの6ゾロにより回避された。
アルボルソルジャー: 「うわーん!!」 戦闘不能!
アルボル: 「そんなっ……僕の部下がこうも容易く!」 蹴りを避けつつ
アノン: 「しぶとい!」
1ラウンド目先攻 キリエ
キリエもまた前進しつつ自己バフ。練技【ビートルスキン】【マッスルベアー】【キャッツアイ】および【ターゲットサイト】。
……いま気づいたけどターゲットサイトのみ魔法だから通常移動後には使えなかったね!
またアビスカース「マナを吸う」のついた武器を持っているため、練技1つ1つの消耗もでかい。
ラッシュ: 「すげえ……暴れ散らかしてる……」
主行動は《露払い》を宣言したうえで〈マナを吸うベク・ド・コルバン〉による打撃攻撃。
命中するもクリティカルはせず。しかしこれで〈剣のかけら〉5個を持つボス格アルボルのHPも半分を下回る痛手だ。
1ラウンド目後攻 災厄のジオグラフ
災厄のジオグラフは移動も主行動もできないが、行動終了時に大量の相域を戦場にばらまく。
選ばれた対象はローダンセと彼女の騎獣。奇しくも野営のときと同じだが、今回は回避不可能だ。
《不可測相域》で今回選ばれたのは【人相:存在の消失】、範囲攻撃の対象から1回除外される効果。あまり影響なさそうだね。
さらに6点の雷属性確定ダメージ、足元の不安定化による移動不可および回避-2、ジオグラフへの与ダメージ-6のデバフを被る。
ローダンセ: なんじゃあこりゃあ
1ラウンド目後攻 アルボル
数拡大火力呪文と迷ったが、ロマンを求めて《マルチアクション》を宣言。
アノンの着用する〈スプリントアーマー〉に向けて非人道呪文【ヒートメタル】を行使。
しかし行使判定の出目が良くなかったため、抵抗消滅により効果は出ず。威力30がぁ……。
アルボル: 「我慢比べだッ!」
アノン: 「あちちちちっ!」
アルボル: 「……効いてない…」
泥濘相域に捕らわれたドンダウレス(ローダンセ)に武器攻撃。
命中するも、素の防護点の高さに加え【気防陣】もあるため全然痛そうに見えない。
| 自軍後方 | 前線 | 敵軍後方 |
|---|---|---|
| ローダンセ フランメ ラッシュ |
アルボル ドンダウレス(ロ) キリエ アノン(騎乗) |
災厄のジオグラフ |
2ラウンド目先攻 ラッシュ
ローダンセ: 「あたしとダウレスは(恐慌で)あの石殴るの良くねえな。先に動くぜ。ラッシュ!お前どうする」
ラッシュ: 「そうすね、この場合は……押せ押せ、すかね! 残りのマナ、全部火力に突っ込むす! 皆さん、頼みますよ!」
残り12のMPを惜しみなく消費し、4倍拡大【エンチャント・ウェポン】を物理攻撃の4人に。
ラッシュ: 「ダメ押しす! 『操、第一階位の付。威力、強靭――強刃!!』」 再びナイフで空を斬るように魔法陣を描き、魔法を受けた者の武器が光を帯びる
アルボル: 「なんだその武器!!その尻尾!!光りすぎだろ!!」
アノン: 「光る!唸る!お前を倒せと轟き叫ぶ!」
ラッシュ: 「ほとんど出し切ったす! あとポーション投げるぐらいしか出来ねえすから、期待しないでください!」
2ラウンド目先攻 ローダンセ
ドンダウレス: アルボルは不満よな。ドンタウレス、動きます
ローダンセのドンダウレスはアルボルに通常攻撃。命中させ、打撃点の出目1に惜しみなく「月の舞」バフを使用してダメージ。
残りHPは7、ほとんど瀕死なれどローダンセ本人の[切り裂く風]では倒しきれるか微妙なライン。
よって先にフランメの【フレイムアロー】で落としにかかる。抵抗されるも威力表の出目がよく、焼却されてしまう。
アルボル: 「こ、こんな強い奴らがこんな早く来るなんて……想定外……ッ!」 戦闘不能!
ローダンセ: 「あとは……あのデカブツか」
前衛乱戦の遮蔽がなくなったため、ローダンセは[切り裂く風]を災厄のジオグラフに放つ。
抵抗と恐慌に阻まれるも2点のダメージは入る。しかしMP4点消費の対価としてはやはり寂しい。
ローダンセ: 「こ、のっ……役に立たねえ羽がっ!」
アノン: 「そんなこと言うんじゃないですよ」
2ラウンド目先攻 アノン
自身のドンダウレスに【ヴォーパルウェポンA】をかけた上で前進、まずはアノン自身が〈ファルシオン+1〉でジオグラフに斬りかかる。
威力表の出目自体は2回転するも、ジオグラフの《鉱石の身体》に阻まれ、クリティカルは夢と消えた。それでもかなりの痛手だ。
続くドンダウレスもバフ盛り盛りのため、防護点8の上からでも良い感じのダメージを加えていく。
アノン: 「ええい、手応えがあったと思ったのに!」
ラッシュ: 「でもすげえヒビ入ったすよ! あともうちょいす!」
2ラウンド目先攻 キリエ
キリエ: 「では仕留めてしまいましょう……!」うおー!
ふたたび《露払い》宣言にて〈マナを吸うベク・ド・コルバン〉による近接攻撃。
この武器は打撃・斬撃の複合のためクリティカルはありえる……が、残念ながら回らず。それでも致命の一打となった!
災厄のジオグラフ: ピシ……ピシ……
キリエ: 「そのつるつるとしたヒゲッ!! この世に存在してはいけないものですっ!!」 ピックではなくハンマー部を当てるようにして叩き割る!
アノン: 「矛盾してません???????」
ラッシュ: 「(つるつるしてんのはヒゲじゃねえんじゃ……)」
巨大なジオグラフは粉々に砕け散った!
石からは急速に光が失われていく。そして、空を覆っていた重々しい雲も嘘みたいにパッと消えてしまった。
キリエ: 「ええ。矛盾している存在ですから……この世から消しさりました。うふふ、空も祝福していますね……」
ラッシュ: 「ま、まあ……何にせよこれで解決はしたすね」
戦闘後処理
アノン: 「ふぅ…あとは残骸回収して撤退ですかね」
ラッシュ: 「来世は平和に暮らすんすよ」 南無南無しつつ剥ぎ取る
《鋭い目》《トレジャーハント》を持つラッシュが1人で剥ぎ取りを請け負う。
しかしこれまでのすさまじい出目の反動が来てしまったのか、イマイチな成果となってしまう……。
エンディング - 英雄の帰還
PCたちは無事、異常現象の謎を解明し、そして解決した。
被害に遭っていた村の人々からも大いに感謝され、拠点の冒険者ギルドへと帰還したのであった。
手に入れた〈剣のかけら〉7個をギルドに納め、名誉点22を獲得。
アノン: 「終わりましたね」
ローダンセ: 「……お疲れ」
ラッシュ: 「いやー、しかし相域をああいう形で操作すんのは中々面白いアプローチだったすね。これもうちょい改良したらもっと天地使いのヒト増えるんじゃないすか?」
キリエ: 「そうなったら……もう少しお天気の日を増やしたりできるのでしょうか?」
アノン: 「でもまあ、流行らなかったんでしょう」
ローダンセ: 「……軽量化できりゃあな。都市防衛に設置するならいいと思うけどな。あたしらみたいな冒険者にゃ、不便だろ」
ラッシュ: 「ま、あれだけでけえジオグラフがないといけねえわけですからね。でも、個人的には割と興味深かったすよ」
過去に例を見ない報告だ、と感心するギルドの受付嬢。
ともあれ報酬も獲得し、仕事はおしまい。食事に行こうとする面々。ローダンセは一足先に去ろうとするが、皆に止められる。
ローダンセ: 「……村人連中の反応、覚えてるだろ。いいよ、あたしは」
ラッシュ: 「珍しいもん見たならあんなもんじゃないすか? 俺も変なキノコ見たらあんな感じになるすよ」
ローダンセ: 「皆、蛮族は嫌いだよ。あたしだってそうだ」
アノン: 「仲間と食べるご飯は美味しいです。だからきっとローダンゼさんと食べるご飯も美味しいですよ」
キリエ: 「ええ! ここにいる3人は皆、ローダンセさんが好きなのですよ」
ラッシュ: 「まあ、俺も別に蛮族は好きじゃねえすけど。個人を嫌いになる理由にはならねえすよ。俺の友達も、全体じゃなくて個々を見た方が見識を広められるつってましたからね」
ローダンセ: 好きって言われて赤面「……るせえ」
アノン: 「ふふ、可愛いですよ」
ラッシュ: 「でもまあ、ローの姉さんがイヤだってなら無理にとは言わねえす。イヤじゃねえなら、打ち上げ代わりになんか食いましょうよ」
ローダンセ: 「~~~~~~っ! ああ、もう!嫌じゃねえよ!行くよ!」
キリエ: 「うふふ、では決まりですね!」
ラッシュお気に入りの小さな店へと向かっていく4人。おすすめはパスタだそうな。
アノン: 「デザートはプリンです?」
ラッシュ: 「プリンは……あったっけな。でもありそうな気はするす。手広くやってるんで、甘味も種類ありましたよ」
キリエ: 「ではコーヒーもつけさせてもらいますね」
ローダンセ: 「……はちみつ、入れて」
ラッシュ: 「あ、もしかして気に入ったんすか? ハチミツ入りコーヒー。意外と美味かったすよね、あれ」
ローダンセ: 「………………うん」
ラッシュ: 「アノン兄さんとキリエ姐さんも試してみてくださいよ、割と合うって聞いてたんすけど砂糖いれるよりも……」
楽しげに談笑しながら、街の中へ消えていく冒険者4人であった。
GMの感想
2025年1月よりSW2.5をはじめた新参者です。TRPGをはじめたきっかけ自体はSW1(完全版)ですけどね。
数々の単発セッションに参加させていただいた後、同年9月末にようやく初GMに踏み切りました。
まあ……できそうですね。うん。
ジオマンサーの、一見地味で不安定だけど刺さる時には刺さる能力に惹かれ、結構な数の単発キャラに手癖でジオマンサーを持たせてました。
高レベルの相域がどんなふうに戦場に影響するかも見てみたかったため、このシナリオを自作するに至りました。
ただ……今回の参加PCがあまりにもこのシナリオと相性が良すぎました。ライダーやフェアテによる頭数確保に、高い探索能力。
ラッシュさんのコンジャラー3による【ファイア・ウェポン】が一番の大打撃だったと思います。
後衛にいた災厄のジオグラフがレベル6だったのでボス格も6にしましたが、7の魔物から選んでも良かったかもしれません。難しいね。
それでも相域突入時の敏捷判定で2~3回は相域ガチャを回すことを想定してたのに、まさかの0回とは……。
やっぱダイスには勝てねぇ。
他の単発セッションでも常々思ってるのですが、やはり野営の描写は味わいがありますね。
各々の食事へのこだわりや休息の仕方、はじめての人・顔なじみの人に対する距離感の機微などをとても細かく描写できる機会だと思ってます。
今回みたいに野営中にイベントが挟まるのが確定してる場合、いつ挟めばいいかGMが迷う点は課題ですけれど。
ガサツでツンツンなれど根は親切なローダンセさんと、そんな彼女を仲間として信頼する3人の関係性や掛け合いは見ててとても楽しかったです。
PLの皆様にも楽しんでいただけたのでしたら幸いです。あらためまして、お付き合いありがとうございました!
――ソード・ワールド2.5『ジオガッチャー』 fin