使い魔は本をめくる、次は虎の番だ 「…オレ達のお話の最後、メルを救えなかった、オレの世界で終わらせる」 使い魔は本を開いたまま地面に置き、本棚にもたれかかる 「待っててね…」 使い魔は次のステージを始めた ひとけがない万々歳の店内で二人は目を覚ました 「…ん……うん、万々歳だね!」 「ふぁぁぁぁぁぁ……ほしのんおはよー」 「おはよう……僕と三乃ちゃんがここに居るって事は、また琥珀ちゃんの世界?」 二人が辺りを見渡しながら何か違いが無いか探し始める 「…なにこれー……手紙だ!!」 三乃が机の上に手紙が置いているのに気が付いた 「ほしのん!ほしのん!!手紙あった!!」 「手紙?何やらミステリアスなよか…」 ガン!! 「ーいったーッ!!」 「大丈夫!?」 「椅子に足をぶつけて蚊を潰せたからラッキー!!」 三乃がそのまま椅子に足をぶつけた星乃に近づき手紙を開ける 「えっと…」 「星乃おねーちゃん、三乃おねーちゃん、二人を呼んだと思われる魔女を見つけたので場所を記しておきます 出来る限り早く来てください…今までの魔女より強そうです 琥珀より」 手紙は琥珀が別世界の由比姉妹あてに書いたものだった 「早く行かないと!!」 「うん!うち達を待ってるんだ!!」 二人は手紙が記す港に向かって走り出していった 「…早く来てよね、おねーちゃん」 その後ろ姿を、使い魔のような琥珀が眺めていた 三乃と星乃は南凪区の海を目指して走っている (おかしい…) 走りながら星乃は考える (全然人が居ない…お姉ちゃんややちよさん、それ以外の魔法少女どころか、人自体を全然見かけない…何で?) 「ここ左!!」 指定されていた場所に三乃が一番乗りで突っ込むと同時に [縺翫?繝シ縺。繧?s縺輔h縺?↑繧?!] 銀の虎のような魔女が海から現れ三乃に爪を振り下ろす 「…三乃ちゃん!!」 星乃が変身し虎に向かって弾丸を放つが、弾は明後日の方向に飛んでいき 「あ……」 よけることも叶わず、三乃は目を閉じ、そのまま命を落と… 「祝いなさい」 そう誰かが言い放つとともに金色の扉が盾となり三乃を守る 「ー…?……え?」 そこには環いろはに似た魔法少女服の知らない魔法少女が居た 「逃げるわよ!!」 金色の魔法少女は三乃と星乃を抱えそのまま金の扉の中に入りその場から撤退した ------------------------------------ 「逃げられたわね…」 金色の魔法少女が扉を閉めながら辺りを確認しそう呟き、由比姉妹の方を向く 「アタシの名前はレイ、最前最高の魔王よ!」 「最前最高の…」 「まおう…?」 星乃と三乃が首をかしげている間にレイは話を続ける 「アンタ達、GSを取られたりしてないわよね」 「…大丈夫だけど」 「なら良いわ、世界を繋げてあげるからさっさと帰りなさい」 レイはそう言い放ち扉を設置する 「まって!!琥珀ちゃんとまだ会えてないの!」 「そうだよ!琥珀ちゃん探さないと!!」 由比姉妹は琥珀を探しに行こうとするが 「その必要は無いよ、おねーちゃん」 琥珀が目の前に出現し、二人にそう言った 「琥珀ちゃん!?今何処から!?」 星乃が尋ねるが、琥珀は答えない 「琥珀ちゃん!!レイちゃんが出口作ってくれるから一旦帰ろ!!」 三乃が帰ろうというが、琥珀は答えない 「…はぁー、二人はさっさと帰りなさい」 そう言いながらレイは琥珀と二人の間に立ち 「こいつはアタシが倒しとくから」 そう二人に言い放つ」 「……へぇー、どこで知ったの?」 「教えるわけ無いでしょ!!」 レイは琥珀に向かって魔力で出来た金色の炎を放つ 「……あは!」 琥珀は回避をせずそのまま笑いながら焼き尽くされ、何も残らなかった 「琥珀ちゃん…何でぇ……」 琥珀が居た場所に三乃は駆け寄り泣きそうになっており 「…魔王だか何だか知らないけど、琥珀ちゃんを殺す必要は無いはずだよ!!!」 星乃はレイに怒りながら質問する 「使い魔を倒しただけよ、答えたからさっさと帰りなさい!!」 「琥珀ちゃんが使い魔なわけ無いよ!!」 レイの言葉に星乃は反抗し、そのまま戦いにでもなりそうな中 「魔王の言ってる事は本当だよ、星乃おねーちゃん」 「…琥珀ちゃん?」 「何で!?」 琥珀が笑顔で二人の前に表れる 「もう引き継ぎが終わったのね」 「うん!そろそろ本体もやって来るよ!」 琥珀がそう言い、三乃が本体?と首をかしげていると ドシーン…ドシーン… 「………来たわね」 銀色の虎が、ビルの隙間から三乃達を見つめていた 「さっきの魔女!!」 「オレの本体だよ!」「そうだよ」「包囲しろー!」「ころせー!!」 魔女に気を取られている間に琥珀似の使い魔たちが逃げ道を塞いでくる (囲まれてる!?) (ウチらが逃げれそうなところ!!……無い!?) 使い魔の壁はどんどん狭まっていき、逃げ道は無くなっていく 逃げる場所など何処にもな 「クレプスコロ・フィーネ!!」 辺り一帯の琥珀達が吹き飛ぶ、金色の炎が魔女の視界を塞ぎ、炎が無くなったころには魔法少女達は居なくなっていた [まぁいいや、使い魔で地道に探すだけだからね!] ----------------------------------------------- 「これでもアタシの話を嘘だと言う?」 みかづき荘の居間でレイは二人に尋ねる 「…琥珀ちゃん、本当に魔女なの?」 「魔女よ」 「何であんな…」 「琥珀はメルを助けるのに、自己犠牲を選んだのよ…だけど、あの琥珀は助けられなかった」 レイは語り始める 「琥珀は魔法でメルの穢れを肩代わりして魔女となった、メルを助けるため、だけど…」 「だけど?」 星乃は尋ねる 答えはすぐに出た 「メルは琥珀…好きな人が魔女となった反動でその場で魔女になってしまったのよ」 答えは簡単だった、好きな人が自殺したら、追うものが居るのだ 「…じゃあ、琥珀ちゃんの世界にメルは」 「居るわよ…」 「居るの!?」「何で!?」 星乃と三乃が驚きながら訪ねるが 「それは言えないわ、あれは二人の世界に有ってはならない技術の産物よ」 マレフィカファルスの事は話されることは無かった 「………琥珀はフェントホープの方に向かったみたいね」 「分かるの!?」 「えぇ、アタシの魔法は未来予知よ、今なら安全に帰れるわ、さっさと帰りなさい」 レイは魔法の説明をしながら帰るよう急かす…が 「何でさっきから帰そうとするの…レイちゃんは強いと思うけど流石に一人じゃ」 星乃が説明を求めだした 「……はぁ、一回しか言わないわよ……アンタらの持ってるGS琥珀がそれを狙っているのよ」 「これ?」 三乃がGSを取り出して 「それだよ、三乃おねーちゃん!」 肩代わりの魔法により取られてしまった 「何で!?さっき未来視した時はフェントホープに…」 「オレはずっとここに居た個体だよ!残りのGSも貰ってあげる!!」 琥珀が再び肩代わりを使おうとするが バァン!! 「--ッ!?……星乃おねーちゃ…」 星乃の弾丸が琥珀を貫き、星乃の名を言いながら穢れは雲散する 「……はぁ!……はぁ!……本当に…使い魔…!!」 星乃の体が震え、視界がぼやける 「だい…ょ……!?」「か……わり…れたわ…」 何を言っているのか理解できず、星乃はその場に倒れこむ 「こっちー!!」「一人やられた!!」「こはー!!」 「これはバレたわね…三乃!」 「うちの事は三乃センパイって呼んで!!」 「………三乃センパイ!鏡屋敷まで逃げるわよ!!」 レイが罪悪感で動けない星乃を担ぎ三乃と共に鏡屋敷に向かうのだった 「ねぇ!聞きたいことが」 「後にして!!」 鏡屋敷に向かっている間に人が居ない理由を聞こうとしたが断られてしまい 「むぅー!!」 頬を膨らませながら三乃はレイに付いていく 「……合流する予定の人と出会えたら話すわ、それまで我慢してて!」 「人が居るの!?」 「居ないわよ」 そんな事を言いながら鏡屋敷にたどり着き 「……あれ、僕……」 星乃が目を覚ました 「ミラーズに入るけど…三乃センパイ、手鏡は持ってるわよね?」 「持ってるよ!」 三乃が手鏡用のカバンから奇麗に手入れされてる手鏡を出して二人に見せつけ 「だったらいいわ、行くわよ!」 レイを先頭に星乃と三乃が並んでミラーズに入っていく 「わぁ!?」 それと同時に手鏡が三乃の手から手鏡が飛び出し [縺。繧?¥縺、縺?〒] 何かを唱えると、鏡の魔女への直通の扉が出現し、手鏡はその扉に飛び込んだ 「…はぁ、気が進まないけど行くわよ…」 鏡の魔女を知っているレイが先陣を切り 「手鏡さん追いかけないと!!」 三乃が手鏡を追いかけて飛び込み 「……味方が増えるらしいから多分ラッキー!!」 ラッキーと叫びながら星乃が続き、扉が閉じられ琥珀達が追いつけなくなった 「手鏡さーん!!まってー!!」 三乃が途中でレイを追い越し走り回っている鏡を追いかける 「走ると危ないわよー」 「……レイさん、この先に誰かいるんだよね?」 「えぇ、人じゃないけどね、後呼び捨てで良いわよ、アタシの方が年下だし」 他愛もない話をしているうちに 「捕まえたー!!…わわ!?暴れないでー!!」 三乃が手鏡に追いつき捕まえたが 「…うちごと引っ張られてるー!?」 三乃が持っててもお構いなしに手鏡は最奥を目指し 「一旦話はここまでね、三乃センパイを見失わない様にね!!」 「わかった!!」 レイと星乃が三乃を追いかけるために走り出し 追いついたのは最奥 「魔女!?」 「手鏡さん、魔女に用?」 鏡の魔女が魂が来るのを待っている場所 「起きなさい瀬奈、人間を自分の手で滅ぼせない世界に居てもしょうがないでしょ!」 魔王が手鏡にそう叫び、鏡の魔女にぶん投げる 「手鏡さーん!?」 手鏡は鏡の魔女に刺さり [いったー!?え?何この身体!!私の身体なのにすっごく気持ち悪い!!] 慌ただしく鏡が動き始める 「鏡さん魔女だったの!?」 「ミラーズは僕と三乃ちゃんの世界にもあったけど…最奥にこんな魔女が居るの!?」 「瀬奈、協力してもらうわよ」 [オーマが使えないレイちゃん何て怖くないよー…オーマって何!?何で私はオーマを知ってるの!?] 「その辺りも説明するから落ち着きなさい…由比二人も聴いときなさい」 ----------------------------------------------------------------- 「まず、この世界は詰んでるわ…琥珀の本体を撃破しない限り滅びるわ」 レイは口を開きそう言い放つ 「……琥珀ちゃんを倒さないと駄目なの?」 三乃が聞くが、駄目よと切り捨てられる 「琥珀の魔法、肩代わりで全人類が琥珀に肩代わりされてて、人類は使い魔琥珀となったの…」 「そんな事出来るの!?」 「出来てしまったのよ…ワルプルギスの夜と欺瞞の魔女…ともこって奴が変異した魔女を食べた結果ね」 [何で私はレイちゃんのこと知ってるの?] 「このレコードは世界を定める目印を失ったのよ、その結果、別レコードから来たアタシ達の情報が混線してるのよ」 レイはそのまま説明を続ける 「このレコードで見つけないといけないモノが二つあるわ、蝙蝠本棚のウワサと、メルよ」 星乃世界のウワサと三女達のキーパーソンがこの世界に有る事を告げるレイ 「蝙蝠本棚!?何でこの世界に有るの!!」 「分からないわ」 「メルが居るの!?」 「居るはずよ、あのレコードでメルは人間じゃないから…というか居なかったら終りよ」 由比三女が質問を知るが、ある、居るという事しか分からず […ねぇ、私の仕事って、琥珀ちゃんの足止め?] 「そうよ、そのでっかい体と使い魔で全盛期のアンタより強い琥珀達を足止めしといて、後アタシ達の偽物を出して攪乱もお願いね」 [やることが多い!!] レイが作戦と言えないお粗末な計画を三人に伝え 「蝙蝠本棚はアタシに任せなさい」 「じゃあ僕達は」「メルちゃんを見つけるぞー!!」 [三乃おねーちゃん達がうまく動けるようにがんばるぞー!!] 各々が動き出し… 「おねーちゃん?」 「うち、おねーちゃんだったの!?」 「瀬奈相手にそんな呼ばれ名をつけるかもなのね…」 締まらないが、作戦開始だ 星乃と三乃は取り合えずみかづき荘内に入りメルが居そうな場所を探す 「メルメルが居そうな場所!」 「もしかしたら大凶で引きこもってるかも!!」 メルの部屋、リビング、二階の部屋、トイレ、何故かある地下室 探し回ったが 「メルメルのタロットカードが有った!!よっしゃラッキー!!」 見つかったのは机の下に置かれていた、愚者のタロットカード一枚だけだった 二人はみかづき荘の扉を開け次の候補へ向かうのだった --------------------------------- 「メルが居そうな場所その2!」 「万々歳!!」 メルが偶に手伝いに来ていた二人の実家内を探し始める 「厨房でご飯食べてたり!…してないかぁ」 「鶴乃ちゃんとうちの部屋ー!!…あ!!これメルのカード!!」 三乃は死神を引き、そのまま一階へ戻っていく 「メルメル…いったい何処に居るんだろう…」 「うち…メルが居そうな場所思いつかない…」 二人は次の候補が見つからない 見つけられない 本がそう決めている そう言う物語なのだ 「見つけたわよ蝙蝠本棚!!」 下水道の奥地、別の世界と同じ位置に鎮座する蝙蝠本棚を見つけたレイ 「…なんでバレたの、本は絶対バレないって記してるのに!!」 使い魔は持ってる本のページを進めようとするが この先にページは無かった 「悪いけどページは切らせてもらったわ…宇宙の意思でも切れる剣を舐めるんじゃないわよ!!」 切っ先に金色の炎を宿しながらそう言い放ち炎を放ったが 「…へぇ」 使い魔は銀色の炎で金色の炎を打ち消し青龍刀を出現させる 「…由比琥珀、参上!」 「とっさに本体に交代するとはやるわね!!」 レイも剣を構えなおし戦いが始まった ------------------------------ 「銀炎斬舞!!」 「クレプスコロ・フィーネ!!」 二人のマギアがぶつかり合う ぶつかっては爆発し 「ーッ!!」 カァン!! 爆風に紛れて近接してきた琥珀の青龍刀をレイは剣で受け止め 「はぁ!!」 琥珀の腹部に蹴りを入れ琥珀の姿勢を崩す 「こはッ!?」 「今よ偽物!!」 「あっは!!」 近くに潜んでいた紫色の偽魔法少女が蝙蝠本棚に攻撃し撃破した 「あぁ!?ウワサが!!」 「これで未来決定能力は無くなったわね…帆奈!」 「はいはーい、肩代わりっと」 琥珀の魔法を上書きで使用しGSをレイに渡し 「じゃ、足止め頼んだわよ!!」 そのまま琥珀の足止めを始める偽物だった 「…うち、一つだけ思い浮かんだ!」 「僕も!…だけど、何で急に……ッ!!、蝙蝠本棚のウワサ!!」 蝙蝠本棚のウワサが撃破されたため由比の二人はメルが居そうな場所が思いついた 二人は万々歳を飛び出し走る 目指す場所は、ラッキーデイと言ったメルを救った場所 運命を否定し、一つの可能性を生み出した場所 その場所に 「……星乃ちゃんと、三乃センパイ…です?」 力なく横たわる、人でなくなったメルが居た 「メル!!」「メルメル!!」 二人は名前を叫びながらメルに駆け寄る 「メル、大丈夫!?」 「ボクは大丈夫です……多分」 三乃の質問にあいまいな回答をするメル、何かあるのかと星乃がメルを詳しく見ると、足を怪我していた 「メルメル、怪我して…痛!?」 星乃が瓦礫に躓き倒れメルの足の前に顔が来る、よく見れば傷口から穢れが漏れていた 「メルメル…これって」 「…ボクは、魔女になって、その後……人モドキになったんです」 見られてしまったメルはマレフィカファルスの名を出さずに話した 「うん、うちとほしのんもレイちゃんから聞いたよ…」 「聞いていたんです?……製造法も聞いたんです!?」 「メルメルが人じゃないってくらいしか聞いてないよ!!」 それを聞いてメルよかったですと呟きほっとし、タロットカードを一枚取り出す 「…こんな時だからこそ占いたいですけど、一枚しか残ってない……」 力のタロットカードを道路に置き、力なく笑う 「あるよ!タロットカード!!」 三乃が死神のタロットカードを勢いよく地面にたたきつけ叫ぶ 「僕も持ってるよ!!」 星乃が続けて愚者のカードを地面に置いた 「これなら占えるです!!」 メルは水を得た魚のように占いを始めた 場のカードは 正位置の愚者 逆位置の死神 正位置の力 「ふっふっふっ…結果は出たです!!」 「流石メルメル!!」 占いの結果は単純だった 変化を恐れず過去との決別を受け入れれば、新しい道を切り開ける。 「過去との決別?」 「…ねぇ、それって」 星乃が何かを言おうとしたその時 [のわぁー!?] 鏡の魔女が大きく吹き飛ばされ銀虎の魔女と一緒に星乃達の後ろに落ちてきた […おねーちゃん達も居るのは都合がいいね…まとめて死んじゃえ!!] 銀虎の魔女は大きく口を開き穢れを溜め始める …ドッペルのないこの世界で当たれば魔女になるのは確実だろう だが 彼女たちは逃げるという選択をしなかった 「「コネクト!!」」 由比の二人は手を合わせぎゅっと握る 互いの魔力が混ざりあい、より強力な武器へと変わる [無駄だぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!] 銀虎の魔女は溜まりきった穢れを放ち 「「いっけぇぇぇぇええええええええ!!!!!!!!!!!!」」 由比の二人も全力でコネクトマギアを放ち互いの全力がぶつかり合う 「ーッ!?」「…まだまだぁ!!!!」 由比達の放ったマギアが徐々に押されていき パキィン… 「あ…」 「……あはは」 負荷に耐え切れず武器が壊れ 穢れに飲ま 「炎扇斬舞スペシャルバージョン!!!!!!!!!」 虹色の炎が穢れを払った 否、穢れを魔力へと変換した 炎が晴れ立っていたのは 「お姉ちゃん!?」「鶴乃ちゃん!!」 「万々歳の最強魔法少女、由比鶴乃だよ!!」 ------------------------------------------ [何で!!この世界に人は来れないはず!!] 困惑する銀虎の魔女に 「正解を教えてあげるわ!」 オーマが解を示す 「魔王の力が復活した今なら、可能性を手繰り寄せれるのよ…鏡の力も借りれる今なら」 「オレも呼び出せるんだよ!!」 レイの後ろから琥珀が飛び出してきた 「えぇ!?琥珀ちゃん!?」 「えっと…会ったことある琥珀ちゃん…だよね?」 三乃は驚き、星乃が確認を取る 「初めまして!由比五姉妹の末っ子!超最強の由比琥珀だよ!」 「そして私は由比五姉妹の次女の由比鶴乃∞バージョン!!」 由比五姉妹レコードの二人が自己紹介し魔女に向き合い 「ここからは万々歳の最強姉妹が相手だよ!!」 炎を纏い最強宣言するのだった 「ちゃー!!!!」 鶴乃が扇子を振るい穢れは魔力になり メルの傷を癒す 「おまけよ!」 レイがGSを由比妹たちに投げ [三乃!万々歳の朱雀として力を貸すよ!!] 「うん!最強炎姉妹の力で!!」 [ほしのーん!!蒼龍の万々歳と言われたあたしも手を貸すよ!!] 「魔女の力を借りれるなんてラッキー!!」 [琥珀ー!!万々歳長女のお姉ちゃんの固さを貸すよ!!] 「…恩恵が少ない!!!」 三神の魔女 万々歳の姉妹だった者たちの力を受け継ぎ 「祝いなさい!由比姉妹の全力全開を!!」 進化し穢れを克服する [うぉぉぉおーーー!!!維持結構疲れるー!!] 「…僕も手伝えるです?」 [無理だから防衛してー!!] 「そうだよ!こっちで一緒に戦おう!…由比メルなんだし!」 「え!?結婚したの!!」 「うち!うちとだよね!!」 「……ふふ」 「琥珀ちゃん!?」 さあ決戦だというのに空気が緩くなってきてしまい… [隙だらけだねぇぇええ!!!!!!!!!!1] 銀虎の魔女が前足を振り下ろすが 「ちゃあ!!」「ほし!!」「みつ!!」「こは!!」 姉妹達の息の合った防御ではじかれ 「悪いけど混ぜてもらうわよ…メル!」 「はいです!!」 三枚だけのタロットカードとオーマの剣のマギアで逃げ場を無くし、生成してた使い魔を消し飛ばし 「さあ決めなさい!」「任されたよ!!」 由比姉妹へバトンは託された 「「「「コネクト!!!!」」」」 最強姉妹は手をつなぐ そのまま飛翔し、虹色の炎が最強姉妹を包み込み 「「「「虹炎斬舞!!!!!!!!!!」」」」 そのまま銀虎の魔女に麒麟となり突撃する [舐めるなぁ!!] 銀虎の魔女の穢れのブレスを放ち、先ほどと同じように互いの全力がぶつかり合う 「「「「ぐぬぬぬぬぬぬぬ………」」」」 [はぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!!!] 最強姉妹達が押され始めるが… 「皆ー!!がんばれですー!!!!」 メルの声援を受け虹の麒麟は力を増す [なんで!!どうしてまだ戦えるの!!] 「うちらが!」「僕達が!」「オレ達が!」「私達が!!」 「「「「最強だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」」」」 虹の麒麟は穢れを打ち払い、虎の正面から突撃し穢れを払う [あぁ…オレは、こん な……ところ、で…] 銀虎は崩壊していき、中に残った琥珀も消えていく 「終わらないよ!」 残った銀虎の琥珀に別世界の琥珀が手を伸ばす 「オレが肩代わりしてオレを持って行くから!!」 [……強情だね] 「オレだからね!」 辺りが光に包まれ何も見えなくなり音も聞く得なくなる中… ありがとう、おねーちゃん達 そう聞こえた気がした由比姉妹達だった 「…琥珀ちゃん」 「琥珀ちゃんは琥珀ちゃんの中に行ったんだよね」 「うん!オレは俺と一つになって今も生きてるよ!!」 三乃と星乃がほっ…、と一息ついた中 レイが魔王門を設置し扉を開く 「この門を通れば元の世界に帰れるわ…だけど」 「だけど?」 「……今まで有ったこと、別世界の由比三女と過ごした記憶も因果も消えてなくなってしまうわ」 「えぇ!?」「うちらの思い出が無くなっちゃうの!?」 「ちゃー…何とかならないの?」 妹たちが落ち込んでいる中鶴乃がレイに尋ねるが 「どうにもならないわ…このレコードと蝙蝠本棚のウワサを維持している魔女が消えて、このレコード自体が消えてなくなってしまうからすべては無かったことになるのよ…残念だけど、これはアタシでもどうしようもないのよ」 「…じゃあ、この世界のメルはどうなるの!?」 「その点は安心して欲しいわ、マレフィカファルスだろうと受け入れてくれる場所に責任もって届けるから!」 レイはえっへん!と無い胸を張りながらそう言った 「最後の別れを済ませたら門をくぐりなさい……長居しすぎるんじゃないわよ!!」 そう言ってレイはその場を後に… 「忘れてたわ、三乃センパイ!これ!!」 レイは一仕事終えて疲れ切っている手鏡を三乃に向かって投げ 「わわわっ!?」 「ナイスキャッチ!!」 [づがれだー] そのまま少し離れた場所で待ち始めるのだった 「……お別れかぁー…」 星乃がそう呟いた横で 「ううん、お別れじゃ無いよ!」 三乃が力強く否定する 「元の世界に戻ったら何も覚えてないかもだけど……うちはみんなとまた会えると思う!!」 「三乃ちゃん…」 「オレもそう思うよ、魔女のオレも二人と過ごすのは意外と楽しんでみたいだし、意外とさっさと会えたりしてね!」 「琥珀ちゃんまで!?……あぁーもう!一人だけ沈んでたのがバカみたいじゃん!!」 「ちゃー!私を忘れてないよね!!」 「僕も居るです!!」 由比五人がそんな事を言い合いながら思い出を話したりして 「…じゃあ、また約束しよ!」 三乃は初めて出会った時と同じく小指を出し 「うん!」「です!」「ふんふん!!」「こは!」 五人の小指が絡み合い、約束をする また会おうね!! そう約束した五人は、それ以上言葉を交わすことなく門へ飛び込んでいった ----------------------------- 人が一人も居なくなったレコードは自壊し…かかわった者たちの記憶に残ることは無い 「だけど、絵と記録は残るわ…」 ポートレイト"最強の姉妹達"がプレゼントボックスに送られました。