[main]
GM :
──C大学病院。
一件すると普通の大学病院だが、ここは時間外の『特別診療』が密かに行われていた。
[main] 水田 恭子 : 「あら、またですか……御堂さん」
[main] GM : 本来ならば、とっくに通常の外来は終わっている夜の時間帯である。
[main] 御堂晃成 : 「ええ……度々すみません……どうしても眠れなくて……」
[main] GM : 御堂晃成は、或る日から不眠症に苛まれ続けていた。
[main] 御堂晃成 : 目をぎらつかせたまま進められる前に椅子に座る。その姿は薬物を求める薬物中毒者のようにも見える
[main] 水田 恭子 : 「もしよろしければ、聞かせてくれませんか? その──あなたの見る”悪夢”について。こちらも医者ですので、ある程度のカルテは必要になるんですよ。処方するにしても」
[main]
御堂晃成 :
「は……」
思わず言葉に詰まる。俺の見ている悪夢はあまりにも……
[main] 御堂晃成 : 「……必要でしたらお話しますが、その、決しておかしな風に捉えないでいただけると……」
[main] 御堂晃成 : 「あくまで夢の話ですから……ね」
[main] 御堂晃成 : そう前置きして、ぽつりぽつりと言葉を絞り出すように語り始める
[main] GM : そして、男は狂気の眼で静かに語り出した──。
[main] 御堂晃成 : 『夢の中で目が醒めると、俺はいつもおかしな空間にいるのです。建物の中にいるようですが、周囲の壁は肉の塊のでできているようで、まるで、巨大な生き物の消化器官に呑み込まれているようで……』
[main] 御堂晃成 : 『恐れ慄いていると、ブゥン……ブゥン……と気味の悪い虫の羽音が続くのです。耳を塞いでもその音は頭の中に直接響いているようで……』
[main] 御堂晃成 : 無意識のうちに膝が震え出していた
[main] 御堂晃成 : 『はぁ……はぁ……理由はわかりませんが……海老にも似た虫のような生き物は……その羽音で俺と"友達"になりたいと……伝えようとしてるようで』
[main] 御堂晃成 : 『様々なものを見せて……来るのです……地上をおぞましい生き物が徘徊する光景や……かつては人間だったと思われる部族が……堕落して怪物のような姿に退化していく過程……を……』
[main] 御堂晃成 : うっ、と思わず吐き出しそうになるのをこらえて持参してきた水を飲む
[main] 水田 恭子 : 「み、御堂……さん?」
[main] 御堂晃成 : 「だ……大丈夫です……」
[main] 御堂晃成 : 呼吸を整え、心の中で己を鼓舞しながら再び続ける
[main] 御堂晃成 : 『生き物は、まるで俺に知識を与えているつもりのようでした。ただ、その内容はあまりに冒涜的で……』
[main] 御堂晃成 : ふとくぐもったフルートとオーボエの音色が響いてきた。それに野蛮な太鼓に合わせて理解の及ばない存在が狂ったように踊り続ける光景が続く
[main] 御堂晃成 : おぞましい宴の中心で鎮座するそれは──
[main] 御堂晃成 : 「ひっ……うわあああああ……!!!」
[main]
水田 恭子 :
「御堂さん、御堂さん……!」
慌てて近づき、背中を摩る。
[main] 御堂晃成 : 泡を吹いて椅子から転がり落ちる
[main] 御堂晃成 : 「は……はやく……薬を……!こ、これ以上は……!!」
[main] 水田 恭子 : 「その前に、1つだけ……答えてください」
[main] GM : 女医はわずかな瞬間だが、冷徹な目つきで、彼を哀れむように覗いてくる。
[main] 御堂晃成 : 意識を失わないのは俺の中にいる"友人"が善意で真実を見せてくれるからなのだろう。クソったれめ、普通の人間ならとっくに意識を失えていただろうに
[main]
御堂晃成 :
「な……なにを……」
憐れむような視線に思わず凍りつく。やはり話すべきではなかったのだろうか
[main] 水田 恭子 : 「御堂さんの夢ですが、それは……どのような場所だと感じますか? ここではないどこかの場合、多くは地球の果て、地底世界、宇宙の深淵、異世界、現実の変異のいずれだと思い込みます。あなたの夢は、どこにありますか?」
[main] 御堂晃成 : 「わから……ない……ただ……」
[main] 御堂晃成 : 「現在なのか遥かな未来なのか……現実の地球の……現実の話のように感じられるのが……」
[main] 御堂晃成 : 「とても……おそろしい……」
[main] 御堂晃成 : 友人が語る物語が、友人が見せて来る光景が、いずれも真実だとしたのなら
[main] 御堂晃成 : この世界の、いや、この宇宙の全ては───
[main] 水田 恭子 : 「わかりました。では、利き腕と反対の腕を出してください。これから、ラボナールを打ちます」
[main]
GM :
それは、バルビツール酸系の麻酔薬の一つ。静脈注射により、鎮静・催眠効果を示す。
アメリカでは死刑執行時に意識を無くす薬物として知られいた。
[main] 御堂晃成 : 「……!」
[main] 御堂晃成 : その言葉に瞬時に反応して左腕を差し出す
[main]
GM :
しめやかに注射の針がキミの腕に侵入する。
本来ならば、侵蝕率を数%は下げてくれそうな代物だが……キミの”悪夢”を一時的に遮断するくらいしか効果はないだろう。
[main] 御堂晃成 : (悪夢から逃れるために夢に逃げ込む……まったくバカみたいな話だが)
[main] 御堂晃成 : (こうするほか……ない……からな……)
[main] 水田 恭子 : 「それと、ラボナ錠を出しておきますね。これ、あまり在庫ないですから……」
[main] 御堂晃成 : 「助かります……」
[main] GM : すらすらと女医はカルテに筆を運び、鍵つきの金庫から錠剤のブリスターを取り出してくる。
[main] 御堂晃成 : 意識がぼんやりとしてきた。そう、これでいいのだ
[main] 水田 恭子 : 「では、お会計は──」
[main] GM : 医師のタブレットに表示された金額は、診察・投薬・処方にしては異常なまでの金額が示されている。
[main] 御堂晃成 : 「……桁が2つほどおかしくないです?」
[main]
水田 恭子 :
「あら、御堂さん。こちらも、相応のリスクは承知の上で特別診療を行っているんですよ」
優し気な声色をしているが、冷たい微笑を湛えたような顔をしていた。
[main]
御堂晃成 :
「……カードで」
とはいえ背に腹は代えられない。苦虫を噛み潰したような顔でそう絞り出した
[main]
水田 恭子 :
「いえ、現金でお願いします。審査会社は通したくありませんので」
どこか、彼女の口角が上がっているような気がした。
[main] 御堂晃成 : 渋々と財布の中身を確認する
[main]
GM :
裏社会の情報屋であるキミならば、時に現金しか融通か利かない局面があることは知っている。
その甲斐あり、どうにかギリギリで足りていただろう。
[main] 御堂晃成 : (そうか……さっきのクスリはそういうシロモノってことか……)
[main] 御堂晃成 : 鞄の中から緊急時のための現金袋を取り出して渡す
[main]
水田 恭子 :
「はい、お大事に。それと、効き目が薄いからとODしたら死にますからね。それ」
札巻きを長い指で数え、机の中にしまい込む。
[main] 御堂晃成 : 「ええ、気を付けます」
[main] GM : そして、女医から教わった”裏口”を使用して警備員に遭遇せずにC大学病院を後にした。
[main] 御堂晃成 : 何気ない様子で大学病院から出て雑踏へ
[main]
GM :
この街の夜は、騒がしい。
雑踏の中を多くの人が行き交い、猥雑な様はまるで香港の九龍砦めいていた。
[main] 御堂晃成 : いつもより冷たい夜風が今日はやけに心地よかった
[main] 御堂晃成 : (とはいえ財布の方はお寒くなっちまったな。どこかで仕事を探さないと)
[main] GM : 酒も食事も雑多に氾濫している夜の街を素通りしていく、素寒貧な男。
[main] GM : 空腹を凌ぎながら小走りにしていたキミは、ふと……不思議な匂いをその鼻に捉える。
[main] 御堂晃成 : 「……ん?」
[main] GM : 飢えたキミは、その甘露のような香りに誘い込まれるように裏路地の方に向かって歩を進めてしまうことだろう。
[main] 御堂晃成 : 匂いに引き寄せられるようにふらふらと路地裏へと向かう
[main] GM : そして、無意識の中で路地の奥へ奥へと進むと……気が付けば、周囲の景色はキミがたびたび垣間見る”悪夢”そのものが広がっていた。
[main] 御堂晃成 : 「…………?!?!」
[main] 路地裏の怪物 : 『くぁwせdrftgyふじこlp──』
[main] 御堂晃成 : 頭部を何かで強打されたような衝撃を感じた。さきほどまでのまどろみは瞬時に消え去りいつもの思考力が戻って来る
[main] GM : 名状しがたい何かが、凡そ人間の発する音程ではない声を上げていた。
[main] 御堂晃成 : 「待て……待て待て待て待て……俺はまだ寝てないはずだぞ」
[main] GM : ここで、御堂は衝動判定を。難易度は9
[main] 御堂晃成 : 2dx+1 メンタルはよわい (2DX10+1) > 8[3,8]+1 > 9
[main] 御堂晃成 : お、成功しましたね
[main] GM : 侵蝕率が+2D10してしまう。
[main] 御堂晃成 : 2d10+36 侵蝕率上昇 (2D10+36) > 8[6,2]+36 > 44
[main] system : [ 御堂晃成 ] 侵蝕率 : 36 → 44
[main] GM : 脂汗を額から垂れ流しても、どうにかキミは正気を保てている。
[main] GM : そして、キミは眼をごしごしと拭う。
[main] 御堂晃成 : 「クソッ……マジかよ……!」
[main] GM : すると、君の目の前には──。
[main] GM : 可憐な少女が、独り居た。
[main] GM : そして、いつしか周囲の風景もただの路地裏になっている。
[main] 御堂晃成 : 「あ……?」
[main] GM : さらは登場をどうぞ
[main] 御堂晃成 : クスリが効きすぎて寝ぼけていたのだろうか?ほっと胸を撫でおろす
[main]
愛蔵 さら :
「とぅれりり♪ とぅれりり♪ …………んう?」
路地裏から見える僅かな空を仰ぎ見ながら、調子はずれの音を響かせ歌っている。
そして、ようやっとといった様子で、近づいてきた男性に気付き振り返る。
[main] GM : その少女は、ようやく……見つけることができた。
[main] GM : 失踪した”父親”以外に、己が近づいても逃げたり、叫んだりしない人間を。
[main]
愛蔵 さら :
「……!」
ぱぁっと顔を輝かせ、素足でそのまま御堂に近づく。
下から、顔を見上げるように覗き込む。じぃっと覚えるかのように。
[main] 御堂晃成 : 「……こんなところで何やってるんだ?夜も遅いしこのあたりは物騒だから一人でいると危ないぞ」
[main]
愛蔵 さら :
「にげない、きえない、さけばない……。ねぇ、あなたが」
質問が聞こえていないかのように呟き、じぃと見上げたまま、嬉しそうな輝く笑顔で。
[main] 御堂晃成 : 「お、おい……聞いてるのか?」
[main]
愛蔵 さら :
「わたしと、“あいしあう”をしてくれる……ひと?」
純粋に、混じり気のない喜ぶ色だけを乗せて、少女はただ、まばゆいほどの笑顔を浮かべる。
[main] 御堂晃成 : 「あ……?」言葉の意味が一瞬わからず硬直する
[main] 御堂晃成 : 「"あいしあう"って……まさか、パパ活か?」
[main]
愛蔵 さら :
「んっ、ふふ……あはは♪」
嬉しそうに、その返事ともつかない声を返答と受け取り、嬉しそうに抱き着く。
薄い布一枚だけしか纏っていない少女の身体の柔らかさが、ダイレクトに御堂に触れる。
[main]
愛蔵 さら :
「ぱぱ……かつ?」
不思議そうな顔を。
[main]
愛蔵 さら :
「ぱぱ……おとうさんはね、いないの……。いなくなっちゃった。あなた、しってる?」
首を傾げて、少しだけ悩むような顔で。
[main]
御堂晃成 :
「……そうか、それは悪いことを聞いてしまったな」
わずかな時間でしかないがこの不思議な少女の反応から推測するに……
[main] 御堂晃成 : 「ところで、キミは何処から来たんだ?」
[main]
愛蔵 さら :
「ん……? んー…………あっち?」
なんと返事をしていいか迷い、暫し唸ってから狭い路地の人が通れぬような隙間を指して、小首を傾げる。
[main] 御堂晃成 : あまりに純粋で……無知な様子の彼女に潜入捜査したカルト教団の子供達を思い出す。閉鎖的な空間で育てられ、外の世界を知ることもなく、無知で残酷なまでに純粋で──
[main] 愛蔵 さら : その答えは曖昧で、少女自身もよく分かっていなさそうなのが、はっきりと見て取れる。
[main] 御堂晃成 : 「はぁ……仕方ない……そりゃ困っただろう」
[main]
愛蔵 さら :
「……ん? あは!」
まじまじと見られているのに気付けば、嬉しそうに笑みを溢し。
ぎゅうと、再び抱き着き、そこに御堂がちゃんといると確かめるかのように顔をうずめる。
[main] 御堂晃成 : 閉鎖的な環境で育てられ、両親が死に、親戚が引き取るのを嫌がって一人でいるのかもしれない。そう思うとほおってもおけなくなってくる
[main] 御堂晃成 : 「こら、誰かに見られるとまずい。少し離れるんだ」
[main] 御堂晃成 : 「そうだな……キミの名前は?」
[main] 愛蔵 さら : 「ん、はぁい……。ねぇ……にげないあなた。わたしと“あいしあう”をしてくれるあなた? ……あなたのおなまえは?」
[main]
愛蔵 さら :
「……あは♪ さら……あいぞう、さら」
同じ質問を、同じようなタイミングでしたことに、嬉しそうに微笑み。
少しだけ身を離してから、名前を告げる。
[main] 御堂晃成 : 「俺か?俺は御堂晃成(みどうこうせい)。晃成でいい」
[main]
愛蔵 さら :
「みどう……こーせー? ……こーせー? ……こーせー!」
名前を何度も繰り返し、舌になじませるように何度も呟き、明るい声と共に名前を呼ぶ。
[main]
御堂晃成 :
「よしよし、わかってくれたか」
少女の子供のような反応に戸惑う。きっと満足な教育も与えられてこなかったのだろう
[main] 御堂晃成 : 「それじゃあさら、ひとまずここを離れよう。さっきも言ったようにこのあたりは物騒で危ない」
[main]
愛蔵 さら :
「ん! んー……♪ ふふ、いっしょ……いっしょ!」
褒められると嬉しそうに笑みを溢し。
こくりと頷いてから、御堂の袖をそっとつまむ。
[main] GM : そうして、男は──少女と出会った。
[main] 御堂晃成 : 「どこか安全な場所に行こう。それからキミのことを教えてくれ」
[main] GM : ──それは、セカイを犯す愛とも知らず。
[main]
愛蔵 さら :
「わたしのこと? えーと、えーとね……」
なにを話したらいいだろうかと、首を捻って必死に考えながら、御堂について歩いていく。
[main] GM :
[main]
GM :
OP 夏目 街輔
夏目は登場を
[main] 夏目 街輔 : 1d10+38 登場 (1D10+38) > 10[10]+38 > 48
[main] system : [ 夏目 街輔 ] 侵蝕率 : 38 → 48
[main] GM : ──C県立S高校。
[main] GM : 夏目 街輔が三年生として所属している県立高校だ。
[main] GM : 不良学生として知られるキミの登校時間は、どうだろうか。
[main]
夏目 街輔 :
「だり……」
周囲から"そういう"目で見られていることは、もうそういうものと諦めている。
[main]
夏目 街輔 :
喧嘩を買っているのは事実ではあるし、何より、目つきの悪さは本人である俺が一番よくわかっている。
だからこそ、というわけではないが、できる限り無遅刻無欠席を貫いている。わざわざ自分から評判落とす意味もない。
[main] GM : そうして、重たい足取りでクラスに向かう。
[main]
夏目 街輔 :
「…………」
無言でドアを引き、大きなあくびと共に自分の席へ向かう。
[main] GM : 札付きのキミには、誰も話しかけてこない。
[main] GM : はずだった──。そう、彼女を覗いて。
[main] 夏目 街輔 : 周囲から注目されるのをなんとなく察したが、空気を悪くしても意味ないから無視。
[main] GM : 銀色の髪をした、外国人のような顔つきの彼女だけは、キミに臆面もなくコミュニケーションを取ってくる。
[main] カノン : 「――相変わらず、不機嫌そうですね。夏目くん」
[main]
夏目 街輔 :
「んだよ、今日の授業の予習すんだから話しかけんな」
しっしと追い払おうとする。
[main]
カノン :
「ふふ、不良顔に似合わず勤勉ですね。良き事です。主は仰いました、怠惰は罪……勤勉は善、と」
何やら適当なことを言いながら、当たり前の顔をして前の席の椅子を借りて座り、その様子を眺める。
[main]
夏目 街輔 :
「…………」
目の前の銀髪の女を務めて無視する。兎にも角にも胡散臭く、話を聞いて後悔した記憶は少なくない。
[main]
夏目 街輔 :
カバンから筆記用具と教科書を引きずり出し、黄色の付箋の貼ってある頁を開く。
蛍光マーカーで昨日やったことを思い出しながら文字列をなぞっていく。
[main]
カノン :
「…………いけずですね。やれやれ、夏目くんはもう少し愛嬌というものを身に着けた方が良いですよ。後輩たちを見習って下さい」
無視されれば、少しつまらなそうにつぶやきながら、前髪を弄りつつ、聞こえるように愚痴をこぼす。
[main] 夏目 街輔 : 「身につけたらどうなるんだよ、なんかくれんのか?」
[main]
カノン :
「おや、ナニか欲しいんですか?」
揶揄うネタが出来たとでも言わんばかりに、声もなく笑みを作り、ニィッと片頬を吊り上げる。
[main]
夏目 街輔 :
「個人的な希望としては木製バットなんかが好みだ、夜な夜な徘徊しながら素振りをするのが趣味なんだ。ああ、安心してくれ、将来の夢がアメリカンベースボーラーなだけの善良な市民だ」
脳のリソースを使わない適当なジョークを垂れ流す。
[main] 夏目 街輔 : 「最近は近所でだいぶ有名になってきてて練習の甲斐があったと感じるよ。昨日もお兄さんお話いいですか?っておまわりさんに話しかけられた」
[main]
カノン :
「はぁー……やれやれ、何故そう暴力に走りたがるのですか。年頃の男子生徒ともあろうものが不健全な。もう少し色を求めても良い年頃でしょうに……。おまわりさんもそれは呼び止めますとも」
大げな仕草でやれやれと肩を竦めて首を振る。
[main]
夏目 街輔 :
「おいおい俺は将来の夢が野球選手な善良な市民だぜ?お前はうちの野球部の連中も不健全と称するのか、ああ、そういう人間なんだなお前は」
シャープペンシルに持ち替え、教科書に直接細く説明を書き込んでいく。
[main] カノン : 「ふむ……。私としては健全な野球部員の何人か程度ならば、不健全な道を歩ませられるかやってやれないこともない気がしますが……。もしや夏目くんは、私にそのチャレンジをしろと仰っていますか?」
[main] カノン : 「なるほど、そういう趣味の持ち主でしたか……」
[main]
夏目 街輔 :
「5点だ」
これだからこいつは嫌なんだ。ジョークがまともに通じない、ツッコミのキレもない。もっと世の人間はアメリカンコメディを嗜むべきだ。フルハウスとかな。
[main]
カノン :
「5点満点中でしょうか?」
小首を傾げ
[main] 夏目 街輔 : 「ああ、5点満点のうち5点だ。おめでとう、免許皆伝だ、もう俺が教えることは何もない、あとは1人で道を歩んでくれ」
[main] カノン : 「師匠を置いてなどいけませんね。私は常に貴方と共に歩みますとも。主も仰いました。赤信号……みんなで渡れば怖くない、と」
[main] 夏目 街輔 : 「お、100点。さっきのはやっぱ100点満点中の5点だった」
[main]
カノン :
「不出来な弟子が師の下を離れるなど言語道断ですね。まだまだ研鑽を積ませて頂きます、師よ」
ニコリと笑みを作り
[main] GM : こうして、数少ないクラスメイトと戯れていると、担任教諭が教室にあっという間に入ってくるのだ。
[main]
カノン :
「おっと……それでは、師よ。私はこれで……ふむ、重ねて言うようですが。笑顔……少しは浮かべた方が健康に良いですよ?」
片頬に指を当て、笑みの形を作ってから、自分の席へと戻ります。
[main]
夏目 街輔 :
「笑えるようなことがあれば笑ってるよ」
筆記用具をしまい、腕を組み、担任を見据える。
[main] GM : 規律、礼──。こうして、なんでもない学園の日常がまた始まっていくのだった。
[main] GM : そうして、気が付くと夏目は屋上にいた。
[main] 石上 建 : 「……だから、……で。あ、先輩……起きてます?」
[main] GM : キミの目の前には、2人の後輩生徒がいる。
[main] 瀧本 美浪 : 「おや?お疲れですかい」
[main]
夏目 街輔 :
「…………すまん、宇宙人と交信してた。アルファケントゥリの知識を授かれたよ」
目を覚まし、ゆっくりと伸びをする。
[main] GM : 2年生の石上 建と、1年生の瀧本 美浪。本来ならば、交流を持ちえないだろう後輩たちなのだが。
[main] 瀧本 美浪 : 「それはすごい。次のテストは先輩がぶっちぎりですかね。お零れに預かりたいもんですが」
[main] GM : キミは、”刺青”をその身に宿してから”同類”との邂逅が増えている。彼らもそう、同じく異能を操る超越者(オーヴァード)らしい。
[main]
石上 建 :
「乳酸菌、足りてますか?」
ポット型の弁当箱で、揚げパン入りの中華粥を口にしている。
[main]
夏目 街輔 :
「一緒にチャネリングしてもいいが、宇宙人たちの機嫌次第だな……乳酸菌?」
立ち上がり、ラジオ体操を始める。
[main]
石上 建 :
「人間ってここじゃなくて、腸の方で幸せだとか図るらしいですよ。だから、腸内環境を整えるのがいいんだとか」
コンコンと自分の頭を突いてから、下腹部の方を指す。
[main] 瀧本 美浪 : 「実際先輩は朝早くて夜もお忙しいから、無理が来てるんじゃあ?そりゃあ我々は……無茶が出来る体ですけども」大量の菓子パンをビニール袋パンパンに持ち込んで、大口を開けて齧って消化していく
[main] 夏目 街輔 : 「受験生に無茶言うんじゃねえよ、勉強勉強勉強だ。飯食う暇ありゃ知識を詰め込んで寝る暇あったら記憶する。あと2〜3年後にはお前らもこうなんだぜ」
[main]
石上 建 :
「そんなに苦労して大学にいって、それからどうするんです? まさか、先輩が会社勤めするようには」
ずずず……と残りの粥を啜る。
[main] 瀧本 美浪 : 「健康に悪いですよそれ絶対」
[main] 夏目 街輔 : 「バカお前、良い大学入れば良い会社に行けるんだよ。俺はしっかり社会人になるの」
[main]
石上 建 :
「でも、身体検査でひっかかりません? それ」
彼の背後の方を指差す。
[main] 夏目 街輔 : 「最悪消す手術すっから良いんだよ。てか普通の企業に身体検査って項目は無いだろ」
[main] 瀧本 美浪 : 「無理して背伸びしても良い目は無いと思いますが……まぁチャンとした身分ってのは大事ですな」
[main] 夏目 街輔 : 「俺は普通に生きて普通に働いて普通に死ぬんだ。オーヴァードなんかにゃ関わらねえでな」
[main] 石上 建 : 「普通──か。お嬢、普通って何だろうね」
[main] 瀧本 美浪 : 「それが一番なのは確かですがねぇ……」
[main] 瀧本 美浪 : 「普通ってのも難しいでしょうよ。平均って訳でも無いんですから」
[main] 夏目 街輔 : 「はん、んな難しく考える必要もねえよ。バケモンじゃなくて人間として生きて人間として働いて人間として死ぬってこった」
[main] 石上 建 : 「僕にとって、山で生きていくことは普通だった。でも、その山を師に追い出されてしまって此処にいる。そうなると、僕は普通じゃないんだな。こうして、S高にいるのが」
[main] 瀧本 美浪 : 「ウチも生まれも育ちも一般的って訳じゃあないんでなんともですな。使わないのも勿体ないですが、そう決心されてるなら大したもんだ」
[main] GM : オーヴァードとしての年季の違いか、彼らはキミとは主張を異にしている。
[main] 夏目 街輔 : 「は、お前らとの価値観の違いなんか関係ねえよ。俺は俺だからな……」
[main] 瀧本 美浪 : 「まぁ……凄腕オーエルってのも居るみたいですからね。先輩の夢もそう無理じゃないでしょう」
[main] 夏目 街輔 : 「なんだよ凄腕OLって……バリキャリなだけじゃねえか」
[main]
石上 建 :
「それもそうですね。先輩、今日も昼食抜きで大丈夫です? よかったら、芒果プリン。いいですよ」
使い捨てのプラカップを取り出し、差し出す。
[main] 瀧本 美浪 : 「残業こなしつつ夜の街でも大活躍らしいですよ。……勉強するにも糖分は必要でしょうに」
[main]
夏目 街輔 :
「お、サンキュ、もらっとく。一応言うけど、俺食ってねえわけでもねえんだわ」
プリンを受け取る。
[main]
石上 建 :
「そうなると……経済的な?」
もう2つ同じものがあるようで、瀧本にも1つ配る。
[main]
夏目 街輔 :
「んにゃ、1日7食くらいになってっから、飯食う時間が合わねえの」
<超人的代謝>のせいだ。
[main] 瀧本 美浪 : 「あー……」わかるーという顔
[main] 夏目 街輔 : 「バイト代やらなんやらも飯代に消えるのは辛え、世の中金金金だ」
[main] 石上 建 : 「先輩まで、お嬢みたいな早弁を……なるほど。S高は空前絶後の早弁ブーム、と」
[main] 瀧本 美浪 : 「急にカロリーが必要になっても……周りの理解も難しいですからねぇ。それは確かに……大変ですね」
[main] 夏目 街輔 : 「親父が農家継げ大学は行くなっつうしよ、今のうちに家出て行く金貯めてえってのに……」
[main] 石上 建 : 「カロリー取りたいなら、スニッカーズとかいいですよ。確か、登山食としても勧められているとか」
[main] 夏目 街輔 : 「世の中金じゃねえって言ったやつ出てこいよ、金じゃねえか結局」
[main] 瀧本 美浪 : 「今の世は資本主義ですからね。金がパワーです」
[main]
夏目 街輔 :
「甘えの苦手」
プリンを頬張る。
[main] 石上 建 : 「なのに食べてくれてるんですね。すみません、まかないに付き合わせて」
[main] 瀧本 美浪 : 「真っ向勝負する気概の先輩はカッコいいですね。……何かあれば、相談には乗りますから」と言いつつ、(ヤクザには)頼らないだろうなという信頼感のある言葉
[main] 夏目 街輔 : 「ちょっと食うくらいは好きなんだがな、ショートケーキで胸焼けするレベル」
[main] 石上 建 : 「なるほど、憶えておきます。甘さ控えめのデザートの需要あり、と」
[main] 夏目 街輔 : 「は、晩飯何食うか困ったら相談するよ」
[main]
石上 建 :
「はい。熊猫軒、ちょっとくらいは遅くまでやってますので」
営業スマイルで返す。
[main]
瀧本 美浪 :
「たまにはウチで食っててもいいですよ」
にやりと悪い笑顔で返す
[main] 夏目 街輔 : 「俺は菜食主義者だからな、人で出汁取ってそうだから遠慮させてもらう」
[main] 瀧本 美浪 : 「ははは。そんなそんな、ははは」
[main] 石上 建 : 「そういえば、猿の肉って意外とコリコリしてるんだ。蜜柑とか主食にしていると仄かなハーブ感もあって悪くなかったのを思い出したよ。なんとなく」
[main]
夏目 街輔 :
「おいおいおい、じゃあ今度菜食主義者で出汁取ってくれよ、そうなりゃ俺でも食える。俺の信じてる神様だって許してくださるだろうよ。おお神よ」
プリンのカップをぐしゃりと握りつぶす。
[main] 瀧本 美浪 : 「機会あったら試してみますよ」
[main] 瀧本 美浪 : 「先輩がコッチと違う道に挑戦してるのは重々承知なので……応援することしか出来ませんが、御武運を」
[main] 夏目 街輔 : 「これ俺殺人教唆になるのかしら、法律も勉強してみるわ」
[main] 夏目 街輔 : 「どうでも良いけど、俺に厄介事持ち込むんじゃねえぞ。全身全霊で拒否してやるからな」
[main] 石上 建 : 「先輩から厄介ごとを持ち込まれたときは、またあの時みたいに力になりますよ」
[main] 瀧本 美浪 : 「ははは、がんばってみます」
[main]
GM :
後輩と他愛もないランチタイムを過ごす。
会話はやや物騒だが──これも、キミの学校での日常の一幕だ。
[main] GM : そんな日々が続くと思っていた──夜までは。
[main] GM : 夏目の一日は長い。
[main] GM : 学校に登校し、勉強し、少しだけ仮眠を取ってから、夜の街に繰り出す。
[main] GM : 今夜も、”あの店”に向かおうとしていた。
[main] GM : その道中、キミは昨夜のことを思い浮かべていた。
[main] 蘇芳 綾音 : 「お、ガイじゃん。どうしたの?」
[main] GM : タトゥーショップ「cold glycerin」。そこは、未成年であっても施術を行う違法店舗。
[main] GM : ちょっと背伸びしたかったはずのキミが、非日常(オーヴァード)となってしまった因縁ある場所だ。
[main]
GM :
キミを出迎えたのは、下腹部にバラのタトゥがある露出の多いパンクファッションの女。この店の店員の蘇芳 綾音だ。
彼女もこの店で施術を受け、オーヴァードへ覚醒してしまった先輩とも呼ぶべき人物である。
[main]
夏目 街輔 :
「どうしたもこうしたもねえよ、色々教わりにきたんだよ」
ため息を吐き、腕を組む。
[main]
蘇芳 綾音 :
「へぇ~へぇ~。アンタ、見かけによらずウブなんだ♪」
にやりと笑い、己の顎に親指と人差し指をかける。
[main] 夏目 街輔 : 「ああ、隠してたが実はウブなんだ。生まれがキャベツ畑でお医者様が言うにはコウノトリに埋められてたらしい。だからか性的なコンテンツの情報を全く知らないんだ。話変わるがドラッグストアでコンドーム買う時紙袋入れてくれるけど、あれって一種の羞恥プレイじゃねえかな、どう思う?」
[main]
蘇芳 綾音 :
「アタシ、使わないからわかんなーい♪」
舌をぴっと出して、棚からテキーラの瓶を手にし、雑に並べたショットグラスへ、これまた雑に注いでいく。
[main]
夏目 街輔 :
「この身体になって得したことはねえ、今じゃ二日酔いだって恋しい」
グラスを奪い、一息で飲み干す。
[main]
蘇芳 綾音 :
「そう? プラシーボでも、飲んだ方がアガると思うけどなぁ」
同じく一気に飲み干す
[main] 夏目 街輔 : 「とにかく身体が矢継ぎ早に分解しやがる。酔えない酒に何の意味があんだ、ただの苦い水だ。コーラでも飲んでた方がマシだよ」
[main] 夏目 街輔 : ショットグラスを所在なさげに手元で弄る。
[main]
蘇芳 綾音 :
「んじゃ、分解されないくらいキッツいの……する?」
十徳指のイージーエフェクトで、彼女の左手がまるで凶悪な玩具に化していた。
[main]
夏目 街輔 :
「おぉい、店内で火遊びのお誘いか?奥から怖いお兄さん達が出て来ねえなら乗ってやっても良いが……今日は気分じゃねえ」
ヘラヘラと両手を上げ、降参の構え。
[main] 夏目 街輔 : 「店長は?いねえの?」
[main] 蘇芳 綾音 : 「え~ケチ。あ、アンタ……やっぱ、ああいうのが好みなの? わかるー」
[main] 夏目 街輔 : 「んなわけねえだろ、俺は胸の小さくてケツのでかい女が好みだ。巨乳はダメだ、老後を想像して萎える」
[main]
蘇芳 綾音 :
「アタシもさ、店長と何回か寝たけど……あれで結構攻められるの好きだったり──え、違う?」
空いたグラスに、雑にお替りを注いでは、飲み干す。
[main] 夏目 街輔 : 「店長さんにこのタトゥのこと聞きてえんだが……毎度毎度躱される」
[main] 蘇芳 綾音 : 「そっか。今日は出掛けてていないよ。また、明日きなよ」
[main] 夏目 街輔 : 「は?マジ?無駄足じゃん」
[main]
蘇芳 綾音 :
「だから、しようってのに。ガイ、いい男の癖にチキンなんだから♪」
指先で彼の胸元をなぞる。
[main]
夏目 街輔 :
「…………」
言い表せない倦怠感とか怒りとかが溜まって、爆発しそうになるけども、大きなため息にすることで抑える。
[main] 夏目 街輔 : 「お前はもうちょいケツデカくしろよ、そしたら抱いてやる」
[main]
蘇芳 綾音 :
「いったな、こいつ。生意気じゃん、クソガキ~♪」
分厚いソールで、彼の股座を悪戯に軽く蹴りつける。
[main]
夏目 街輔 :
「痛いもんは痛いからやめろっ……あとケツに筋肉がうっすら乗ってるとより良い。最近の日本の女はダメだ、椅子に座りすぎてて潰れちまってる。嘆かわしいことこのうえない」
膝から崩れ落ちながらも口を止めることはない。
[main]
蘇芳 綾音 :
「アンタさ、ブラジルにでも行って来たら?」
机の上の匣から煙草を1本口に咥え、夏目にライターを投げつける。
[main]
夏目 街輔 :
「ブラジルぅ?何があんの?」
胸の前で受け取る。
[main]
蘇芳 綾音 :
「アンタ好みのデカケツ女が、ふりふりしながらサンバしてんじゃね?」
顎を突き出して、着火を促す。
[main] 夏目 街輔 : 「ワビサビがわかってねえな……日本人だからエロいんだろが。あと1本寄越せ」
[main]
蘇芳 綾音 :
「アンタ、甘いの嫌いじゃないっけ?」
火を灯してやった彼女の吸い口からは、甘ったるい香が立ち込めている。煙草の匣に目をやると、小さな悪魔が描かれていた。
[main]
夏目 街輔 :
「ああ……あんた趣味悪いのな……」
げんなりした。
[main] 蘇芳 綾音 : 「なによ、アタシが何吸おうがいいじゃない。だいたい、アンタが前に吸ってたバチバチ音が鳴ってたアレこそ、公害よ公害」
[main] 夏目 街輔 : 「あれずっと残ってんだけど、明日持ってきてやるから、受け取ってくれ」
[main] 蘇芳 綾音 : 「やーだよっ。でも、ま……タダなら受け取ってあげてもいいか」
[main] 夏目 街輔 : 「お、マジか……多分10本くらいあるわ」
[main]
蘇芳 綾音 :
「アンタさぁ。向こう見ずな人?」
呆れながら、引き出しの中にある、メンソール系のたばこを1本手渡してくる。
[main] 夏目 街輔 : 「は、この店の客だぞ?そんくらい分かんだろ」
[main]
蘇芳 綾音 :
「これ、店長のだから。ちゃんと新品買って来いよ、後輩クン♪」
近寄り、彼の煙草に向かってシガーキス。
[main]
夏目 街輔 :
「……吸うけどさぁ」
なんとも言い難い表情をしながら、タバコを咥える。
[main]
夏目 街輔 :
「トコトン趣味合わねえなぁ……」
スースーする感覚に顔を顰めながら、ぼはぁと息を吐いた。
[main]
GM :
気だるげな、それでいてどこか居心地が悪くはない夜をキミは過ごす。
そして、それは今夜も繰り返されると──信じていた。
[main] GM : ──店に向かう途中、キミは馴染のある、厭な匂いを感じた。
[main] GM : 噎せ返る酸っぱい錆鉄のようなそれは、喧嘩のときによく嗅いでいる。
[main] GM : 血、だ。
[main]
夏目 街輔 :
「…………」
あの店で何かトラブルがあったのか、はたまた"普通"の殺人事件か。
兎にも角にも、巻き込まれたくはないが、前者だった場合いやが応にも当事者になる。
[main] 夏目 街輔 : 嫌だけど、すっげえ嫌だけど、匂いのする方へ向かう。
[main] GM : 一つ奥の路地に踏み込むと、キミの視界がチカチカと点滅する。
[main] 蘇芳 綾音 : 「──。」
[main] GM : どこかでよくみたことのある形をした残骸が、壁にバラの花を咲かせていた。
[main] GM : その隣には、見知らぬ男だったものが辺り一面に転がっている。
[main]
夏目 街輔 :
舌打ち。
顔見知りの肉片やら内臓やら、気分は良くない。
[main]
夏目 街輔 :
「"店長"さんは何やってんだ……」
がりがり頭を掻く。
[main] GM : 異常な死体を目の当たりにした夏目は衝動判定。難易度は6
[main] 夏目 街輔 : 2dx+1 うーん雑魚メンタル (2DX10+1) > 3[1,3]+1 > 4
[main] GM : 1D10をどうぞ。そして侵蝕率が+2D10されます
[main] 夏目 街輔 : 1d10 (1D10) > 2
[main] 夏目 街輔 : 2d10 侵蝕率 (2D10) > 19[9,10] > 19
[main] system : [ 夏目 街輔 ] 侵蝕率 : 48 → 67
[main]
GM :
思わず、キミは凄惨な現場から逃げ出そうとする。
が、上手く足が動かない。
[main]
夏目 街輔 :
「…………」
店へ行こうとするが、足が思ったように動かない。思っていたよりも衝撃は大きかったらしい。
[main] GM : せり上がる胃液をどうにかしていると、キミの視界に1つの人影が映し出される。
[main] 夏目 街輔 : 「あー……」
[main] 神城 長月 : 「なんて──綺麗」
[main] GM : 彼女は言葉を発している。だから、生者であるのは間違いないだろう。
[main] 夏目 街輔 : 「状況証拠的に───あ?」
[main]
夏目 街輔 :
「なんだあんた、これの知り合いか?」
肉片を指す。
[main] 神城 長月 : 「いえ、特に存じ上げませんのよ」
[main] 夏目 街輔 : 「あ、そう……悪いな、こう見えても内心は大恐慌でな」
[main] 夏目 街輔 : 「あんたはどうしてこんなとこに?」
[main]
神城 長月 :
「まぁ、貴方……同胞なんですの」
壁を眺めていた彼女は、シャフ度で振り返り、キミに鋭い視線を投げかける。
[main] 夏目 街輔 : 「あ?」
[main] 神城 長月 : 「だって、この”ワーディング”の中で意識を保てているということは、そうではなくって?」
[main] 夏目 街輔 : 「ああ、そうなの?そういうのもあんのか」
[main]
GM :
ワーディング、確か屋上で後輩達から聞いたことがあるような気がする単語だ。
そうであれば、オーヴァード用語なのだろうとキミは納得するかもしれない。
[main] 夏目 街輔 : 「ニュービーなんだ、これから学んでいこうと思ってる。バブちゃんと言っても良いな」
[main]
神城 長月 :
「まぁ、そうでしたの。なら、このわたくしと出会えたのはきっと運命かもしれませんわ」
つかつかと、ヒールを鳴らして近づいてくる。
[main] 夏目 街輔 : 「なんだ、その筋では有名な人だったのか?」
[main] 神城 長月 : 「ええ。神城グループの娘でしてよ」
[main]
GM :
世界有数のコングロマリットとして、それは名を馳せている。
C県S市には、傘下たる神城化学工業の施設がある事は市民にとって有名な話しである。
[main] 夏目 街輔 : 「神城ォ!?大企業じゃん」
[main] 神城 長月 : 「うふふ……そして、わたくしも貴方と同じく飢えた獣。これから、お見知りおきを」
[main] 夏目 街輔 : 「……よくわかんねえが、大企業とコネが出来んのは良いことだな」
[main]
神城 長月 :
「今夜は、もう満ち足りましたから……また近いうちに。それまでに、強くなることですわ」
キミの唇に人差し指を当てて。
[main] 夏目 街輔 : 「……そうですか」
[main] 神城 長月 : 「ええ。またお会いしましょう……バブちゃんさん」
[main] 夏目 街輔 : 「ああ、じゃあな」
[main] GM : 彼女は夜の街に溶け込むように、去っていった。
[main] GM : その整った、いい尻に視線を奪われそうになったのだが──。
[main] GM : 彼女の足元に向かって、壁から血が河のように流れて行ったのを、キミは見逃さなかった。
[main] 夏目 街輔 : 「もぉ〜……なんか絶対面倒なやつじゃ〜ん……」
[main] 夏目 街輔 : 頭を抱えて、その場にしゃがみ込んだ。
[main] GM : ──蘇芳綾音の下手人は誰なのか?
[main] GM : キミは、その謎を解き明かす必要があるように感じていた。
[main] 夏目 街輔 : 「……"店長"んとこ行くか」
[main]
GM :
ダブルクロス The 3rd Edition
魍魎跋扈
Monster A GoGo
[main] GM :