よく昔のヨーロッパを舞台にした映画とかファンタジーものの漫画でやってる
「泥棒だー！」「誰か捕まえろ！」
「俺に任せろ！」「いいやあたしが捕まえてやるよ！」ってやつね

しかしこんなしんどい仕事やりたくない金持ちはその辺の貧乏人に金払って代役をしてもらう
金持ってない奴は当然プロ意識なんてないし簡単に犯罪者に賄賂貰って懐柔される
こうして役に立たなくなっていった

そこで出てきた新しい存在がシーフテイカー
盗みの被害が起きた時にはこのシーフテイカーに相談だ
代金と引き換えに盗品をどこかから探してくれてくれる頼れるプロだ
しかしその正体は裏社会の盗賊達の顔役で
盗みをやらせる→盗まれた住民から代金をもらう→盗んだものを返してやる
これを繰り返すことで、シーフテイカーの頭目ジョナサン・ワイルドは巨万の富を築いたという
イギリス国民たちが盗みの被害に遭い
傷ついた日々の向こうに何が待つのか？

「暴力を誰に委託すべきなのか？」て問題はだいたいどこの国どこの文化でも同じものに帰結する
そうだね警察や軍隊です

マンコ国家

>イギリス国民たちが盗みの被害に遭い
>傷ついた日々の向こうに何が待つのか？
何言ってんだお前
恥ずかしくない？

警察や軍隊も腐敗は付き纏うし悩ましいね

んで>何言ってんだお前
>恥ずかしくない？
https://www.youtube.com/watch?v=hzWqb4mS0Mg

>>イギリス国民たちが盗みの被害に遭い
>>傷ついた日々の向こうに何が待つのか？
>何言ってんだお前
>恥ずかしくない？
知らない言い回しを見て調べる前にこういうこと言っちゃう方が恥ずかしいと思います

江戸時代だと武士の同心がいて下請の岡っ引きがいて
ってなってたけど
岡っ引きは権力嵩にきてめちゃくちゃやってたから
庶民に死ぬほど嫌われてたんだよな

んでこれじゃいかんということで出てきたのがヘンリー・フィールディングさん
治安判事という犯人を裁判所に引き渡すか釈放するお仕事に就くが
これも汚職当たり前の役職だったが真面目に働いた
治安維持にも改革を進める
「もう都市部では住民が他人に無関心でヒューアンドクライが成立しない」という問題点と
そもそもシーフテイカーなんてゴロつきに治安任せるのってどうよ？ということで
一部の信頼できるシーフテイカーをプロとして雇って巡察隊を結成した
これがロンドン初のプロの警察ボウ・ストリート・ランナーズ
とはいえ人員は足りないのでこの頃はまだ警察というより探偵みたいな仕事だったと言われている

岡っ引きも結局ヤクザと大して変わらなかったって言うしな

>んでこれじゃいかんということで出てきたのがヘンリー・フィールディングさん
守備が上手そうな名前してんな

ただ巡察隊作ってすぐにヘンリーさんは病死してしまう
盲目の弟ジョンさんが引き継ぐわけだが
この当時はまだまだ警察への反発が強く
「俺たち住民が治安を守ってるのに役所から来た余所者が勝手に引っ掻き回して俺たちを監視している」
という意識からあまり人気はなかった

そうこうしてる内に18世紀末アメリカ独立戦争でイギリスは敗戦
敗戦した元兵士達は失業して治安は悪化した
あとこの当時のイギリスの刑務所は一度入ったら基本出られないところでどんどん囚人が増えて
その増え過ぎた囚人はアメリカ送りにしていた
…のだがもうアメリカに送り込めなくなった
あと刑務所の看守も無給です
こうしてイギリスの治安はさらに悪化した

ここで現れたロバート・ピールさんが警察と刑務所両方を改革する
刑務所は看守に給料を出すし
警察は税金で給料出すことにした
こうして巡察隊時代は6人しかいなかった警察官は3000人に増員され
やっとロンドンに近代的な治安維持組織ができました

やっぱり治安維持組織は国が運営して国が金出すのって大事だよね！

>江戸時代だと武士の同心がいて下請の岡っ引きがいて
>ってなってたけど
>岡っ引きは権力嵩にきてめちゃくちゃやってたから
>庶民に死ぬほど嫌われてたんだよな
結局これは同じ頃のイギリスでも変わらなかったんだね

アメリカに送られた囚人のみなさんはどうなるんです？

>アメリカに送られた囚人のみなさんはどうなるんです？
開拓とか…

>江戸時代だと武士の同心がいて下請の岡っ引きがいて
>ってなってたけど
>岡っ引きは権力嵩にきてめちゃくちゃやってたから
>庶民に死ぬほど嫌われてたんだよな
給料がクソ低いから強請りや恐喝で荒稼ぎしてて同心たちも黙認してたっていうね

>給料がクソ低いから強請りや恐喝で荒稼ぎしてて同心たちも黙認してたっていうね
やっぱり金貰ってない治安維持組織ってどこもそうなるんだな

近代の独裁政権だって金貰ってるから独裁者守ってやってるだけで権力弱って金もらえなくなった途端ノータッチになる例は複数あるもんな

正義の為には金がいる、というのが伝わる話だ

>そうこうしてる内に18世紀末アメリカ独立戦争でイギリスは敗戦
>敗戦した元兵士達は失業して治安は悪化した
>あとこの当時のイギリスの刑務所は一度入ったら基本出られないところでどんどん囚人が増えて
>その増え過ぎた囚人はアメリカ送りにしていた
>…のだがもうアメリカに送り込めなくなった
>あと刑務所の看守も無給です
>こうしてイギリスの治安はさらに悪化した
結構最近の話だなあ

こうして考えると
近代的な警察が生まれる経緯にアメリカも結構関わってるんだね
アメリカ自体にできたのではなく

軍隊と警察が別れたのって結構最近なのね

>軍隊と警察が別れたのって結構最近なのね
騎士や岡っ引きでなく「お巡りさん」が出てくるのは日本でも海外のお話でも結構後の方だよね

公的な市警とギルドが持ち回りで治安維持してなかったか

伝統的に憲兵が治安維持してる地域欧州にまだあるよね

>公的な市警とギルドが持ち回りで治安維持してなかったか
黒博物館とかはその時代になるのかな
スコットランドヤード出てきたよね

>伝統的に憲兵が治安維持してる地域欧州にまだあるよね
イタリアか

切り裂きジャックのあたりはまだ警察カスだったとは聞く

無給で働かせすぎだろ

旧東側の内務省軍とかはアレなんなんだろうね…

>無給で働かせすぎだろ
今でも結構あるだろう
「立派な仕事なんだから就けること自体が名誉だ」とか
「金とかじゃねえんだよ心意気でやってんだよ」とか
「ありがとうの言葉があれば働ける」とか

>…のだがもうアメリカに送り込めなくなった
オーストラリアに送ろう！

>>伝統的に憲兵が治安維持してる地域欧州にまだあるよね
>イタリアか
フランスとかオーストリアとかオランダにもある

野望を蹴散らす魂の叫び
気高く吠えろシーフテイカー

突然興奮する被疑者

あと当時のイギリスではブラッディ・コードという
「盗んだら死刑」という法律があった
とにかく盗みがバレたら死刑なのでコップ盗んだ7歳児も容赦なく死刑になった
こんな調子なので泥棒は絶対に捕まるわけにはいかないわけで
悪徳シーフテイカーにゆすられたら盗品返すし金も巻き上げられてたわけだ
こうしてシーフテイカー大勝利
大手シーフテイカー同士の抗争が勃発したりした

治安維持組織ってのは古今東西嫌われるもんだなぁ

>あと当時のイギリスではブラッディ・コードという
>「盗んだら死刑」という法律があった
>こうしてシーフテイカー大勝利
>大手シーフテイカー同士の抗争が勃発したりした
どうして今現代まさに各国で叫ばれ望まれてる超厳罰化を実践してるのに治安が悪くなってるんだ…？

>大手シーフテイカー同士の抗争が勃発したりした
なんちゅう仁義なき戦い…

>どうして今現代まさに各国で叫ばれ望まれてる超厳罰化を実践してるのに治安が悪くなってるんだ…？
引用元から省略した行がヒント

>あと当時のイギリスではブラッディ・コードという
>「盗んだら死刑」という法律があった
>とにかく盗みがバレたら死刑なのでコップ盗んだ7歳児も容赦なく死刑になった
>こんな調子なので泥棒は絶対に捕まるわけにはいかないわけで
>悪徳シーフテイカーにゆすられたら盗品返すし金も巻き上げられてたわけだ
>こうしてシーフテイカー大勝利
>大手シーフテイカー同士の抗争が勃発したりした
厳罰化って得てしてこうなるよな…
あと犯人側の「捕まったら終わりだからその前にやるだけやる」みたいな
いわゆる「毒食わば皿まで」が起きる

>どうして今現代まさに各国で叫ばれ望まれてる超厳罰化を実践してるのに治安が悪くなってるんだ…？
例えば盗みがバレたら死刑だと自分を見つけた奴を殺すようになる…

>例えば盗みがバレたら死刑だと自分を見つけた奴を殺すようになる…
殺人も死刑にすればいい！
いや犯罪は全て死刑だ！

まぁ今度の厳罰化は同じことやっても上手くいくかもしれないから

スコットランドヤードにロンドン警視庁が出来たのはいつの話なんだ？

そして盗みを働くのは基本的に貧しい人たちだったので
「貧乏人を苦しめ金持ちを守るだけの法律」とブラッディ・コードは民衆から思われていた
この画像みたいにね
fu5675535.jpg
そんな中でまた一人処刑されたのが大盗賊ジャック・シェパード
いけ好かない金持ちからだけ盗みを働く義賊的な人気があったんだが
シーフテイカーの懐柔に従わず処刑となった
ここで最大手シーフテイカーのジョナサン・ワイルドは民衆からの人気がガタ落ちして
後の巡察隊設立に繋がる（こちらも民衆からの人気は低かったのだが）

何処だっけ車で人を引いたら殺すより罪が重いのでそのまま轢き殺そうとする国…

警察の裏に歴史あり…

治安判事なんかは地主階級だから金のために仕事をするわけでは無いとなるけど
労働者階級なのに無給で働かされたらたまったもんじゃないな

まあ上で書いたように刑務所もいっぱいなのでね
敗戦する前から独立戦争中のアメリカに囚人送るわけにもいかなかったので
めんどくさいから死刑！
余計に悪化する治安！

治安維持って大変だなあ…

産業革命による都市化と人口の集中が起こるまではなあなあで回せたって事でもあるんですかね、これ

ちなみにコンスタブルの他にもう一つあった民間警備職が夜警
よくものの喩えとかに出るあれだが
当時の意味は「夜に巡回する警察官」ではない
夜中に街を見て回り異変が起きたら対応していたわけだが
基本的に引退した高齢者がこの仕事をしていた
今で言うおじいちゃん警備員みたいなものなので強制力はとても弱かった

中世モノの一ネタに使えそう…
というかもう既に使われまくってたりしそう

>スコットランドヤードにロンドン警視庁が出来たのはいつの話なんだ？
上で書いたフィールディング兄弟の後にロンドン警察を改革したロバート・ピールが
内務大臣兼庶民院院内総務在任中の1829年首都警察法が成立してやっとロンドン警察庁ができた

>中世モノの一ネタに使えそう…
>というかもう既に使われまくってたりしそう
このスレ立てる為のスレ画探した時点で大変だったけど
当時のコンスタブルやシーフテイカーの画像資料がネットに転がってないから
書くとしたら結構大変だと思うよ！

下層民の当たり前ってわりと情報遺失するよね
特に画としての情報は消え失せてわけわからなくなる

>>中世モノの一ネタに使えそう…
>>というかもう既に使われまくってたりしそう
>このスレ立てる為のスレ画探した時点で大変だったけど
>当時のコンスタブルやシーフテイカーの画像資料がネットに転がってないから
>書くとしたら結構大変だと思うよ！
なるほど苦労の末だったか…
資料少ないのは中々きつそうだなー

>下層民の当たり前ってわりと情報遺失するよね
>特に画としての情報は消え失せてわけわからなくなる
浮世絵なんて当時海外に輸出する陶磁器の包み紙にされてたぐらいだしね
見出す人が見出して保存しないとなくなる
ネットですらそう

こんな文化だからジャッジドレッドが生れたのは十分理解出来る

>産業革命による都市化と人口の集中が起こるまではなあなあで回せたって事でもあるんですかね、これ
どちらかというと中央集権による首都の肥大化が原因かな…
日本もそうだけど首都の警察組織だけ他の警察と別ルーツだったりするし

まさにレンブラントに夜警って絵があってキング・クリムゾンの曲かなんかがそれをモチーフにしてたと思うが
あれも夜警ってタイトルだが夜の景色ではないんだったかな
そういう話を聞いたことがある

こないだも昔vipが人気だったぐらいの時代にこんなスレあったよねってのが
ねえよ嘘つくな死ねとレスが応酬があった後に
これじゃね？って発掘されてたりしたな
何せ「当時誹謗中傷目的で書かれて話題になったデマのスレ」だったから

イギリスって法や行政が割と独特だしweb小説ならフランスドイツのイメージの方が近いんじゃないか

意外と「国のお巡りさんに任せる」って意識が根付いたのが思ったより最近のことなんだよね

治安組織自体がある程度信頼されないと難しいしね

>どちらかというと中央集権による首都の肥大化が原因かな…
>日本もそうだけど首都の警察組織だけ他の警察と別ルーツだったりするし
イギリスの首都警察も翻訳が「警視庁」なのは言い得て妙なのかも知れない

俺の知らない世界だったので面白く読ませてもらったが
そんな真面目に資料あたる根気あるならその成果をここで披露すんのもったいねえよ！
もっとなんか…こんなとこじゃないとこでやれよ！

看守が無給って
大の大人が給料もらわずにどうやって生活できてたんだ？

>治安組織自体がある程度信頼されないと難しいしね
中国でも良い鉄は釘にはならない良い人間は兵にはならない（好鉄不当釘、好人不当兵）っていう位だしな

>俺の知らない世界だったので面白く読ませてもらったが
>そんな真面目に資料あたる根気あるならその成果をここで披露すんのもったいねえよ！
>もっとなんか…こんなとこじゃないとこでやれよ！
こうやって語ることで未完成な情報を整理しているので
許せ…

>>治安組織自体がある程度信頼されないと難しいしね
>中国でも良い鉄は釘にはならない良い人間は兵にはならない（好鉄不当釘、好人不当兵）っていう位だしな
「神奈川県の有望な警察志望者はみんな警視庁に行っちゃって残りカスしか残らない」みたいな話だ
※ちゃんとした神奈川県警も居ます

>中世モノの一ネタに使えそう…
>というかもう既に使われまくってたりしそう
>このスレ立てる為のスレ画探した時点で大変だったけど
>当時のコンスタブルやシーフテイカーの画像資料がネットに転がってないから
>書くとしたら結構大変だと思うよ！
今頃スレに気づいたので今さら言うけど
既に使われまくってるネタなので画像資料けっこうネットに転がってるよ！
がんばって探して！

>何処だっけ車で人を引いたら殺すより罪が重いのでそのまま轢き殺そうとする国…
昭和の中頃くらいには日本すら半端に轢いて障害残ったら面倒だから轢いたらちゃんと殺せなんてのが運送業では囁かれて居たとか…

>今頃スレに気づいたので今さら言うけど
>既に使われまくってるネタなので画像資料けっこうネットに転がってるよ！
>がんばって探して！
コンスタブルから話が始まるからコンスタブルで探したら
画家のコンスタブルさんの絵しか出ないし警察を付けると今のイギリス警察が出ちゃって困ってたんだ
探し方が悪かったかも…

>>無給で働かせすぎだろ
>今でも結構あるだろう
>「立派な仕事なんだから就けること自体が名誉だ」とか
>「金とかじゃねえんだよ心意気でやってんだよ」とか
>「ありがとうの言葉があれば働ける」とか
それはそれとしてどうやって食べていくんだよ

>それはそれとしてどうやって食べていくんだよ
まあほらその…ね…
善良な市民からの寄付…とかかな…

>>それはそれとしてどうやって食べていくんだよ
>まあほらその…ね…
>善良な市民からの寄付…とかかな…
寄付（恐喝）

>ここで最大手シーフテイカーのジョナサン・ワイルドは民衆からの人気がガタ落ちして
>後の巡察隊設立に繋がる（こちらも民衆からの人気は低かったのだが）
人気落ちたら後は崖を転がり落ちるように地位を失っていって
あれよあれよと言う間に絞首台に立つハメになって
その直前にアヘンオーバードーズで自殺しようとするも死にきれずきっちり首を吊られて
その処刑場にヘンリーも居合わせたってのがなんかいい
一つの物語が終わると同時に別の物語が始まった感じがする

>>>それはそれとしてどうやって食べていくんだよ
>>まあほらその…ね…
>>善良な市民からの寄付…とかかな…
>寄付（恐喝）
寄付（賄賂）

>コンスタブルから話が始まるからコンスタブルで探したら
>画家のコンスタブルさんの絵しか出ないし警察を付けると今のイギリス警察が出ちゃって困ってたんだ
>探し方が悪かったかも…
ウィキペディアでたとえばヘンリー・フィールディングとかの日本語記事から英語版に移動して
そこからリンクをたどるんだ

>>寄付（恐喝）
>寄付（賄賂）
お察しの通りの腐敗すぎる…

>>何処だっけ車で人を引いたら殺すより罪が重いのでそのまま轢き殺そうとする国…
>昭和の中頃くらいには日本すら半端に轢いて障害残ったら面倒だから轢いたらちゃんと殺せなんてのが運送業では囁かれて居たとか…
似たような話で
昔の消防署は民営で「全焼」か「半焼」かで消火代が変わった
ここからその代金を補填することから始まった火災保険会社は
「柱が一本残ってるでしょ？これは半焼ですね半焼の分しか保険金払いません」という言い逃れが起きた
こういう習慣から日本ではだいぶ最近まで「火災保険は柱一本でも残したら安くなる」
「保険会社が大して払ってくれないのなら大工はこの仕事請けない」という習慣というか俗信が広まり
「火事だけどまだ燃え残ってるから全焼するまで消火待って！」と家主が言ったりした