二次元裏@ふたば

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121111 B25/10/02(木)19:33:54No.1359009644そうだねx2 21:08頃消えます
おばんですお時間飽きましたがイモゲンチャーの怪文書書きました。続きを忘れたことなんてございませんとも。

本文
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お借りしました2人
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125/10/02(木)19:34:33No.1359009872+
 何事もないとは言わないが、少なくとも誰1人掛けずに目的地に着くことができたのならば上々だ、と千治は思った。
 アスカシティに入る前には検問がる。市街地にを守る巨大な門の前に巨大な橋、見れば石造りで荘厳な物だった、デザインは中世?なのだろうか、あるいは近代?勉学に励んではいないから時代はよく分からない、しかしテレビかネットで見たヨーロッパあたりの橋に似ている。橋の下は巨大な堀になっているが、水が流れているなどはなかった。ヘタに水を流せばきっと水棲のデジモンなどが攻めてくる可能性もある、ならば入れない方が防衛上は良いのだろう。
225/10/02(木)19:34:45No.1359009933+
踵で石畳を踏んでみる、硬い感触が来た。デジタルワールドはデータだからそれは見かけだけだとしても実際に触れていると感触は本物のように思えた。
「押さないおさなーいっ!順番にお願いしますー!」
 案内の声のままに動く。前を行く雪花に千治はついて行く。
 幅の広い道を行くのはデジモン達で人間の姿は見えない、進化の度合いは分からないが大半は成長期から成熟期に見える。ただしデジモンは大きさで計り知れないものはあるから思わぬレベルの存在がいる可能性はあった。
325/10/02(木)19:35:01No.1359010048+
明らかに目を引いていた、人という存在は明らかに異質な存在なのだと分かる。雪花は好奇心と居心地の悪さを感じた動きをしていた、注目に慣れていない様だった。ちら、と雪花の視線がこちらに向く。
「千治は堂々としてるね」
 自分の態度が気になっていたらしい。堂々と、と言われればそうなのかもしれない。ただ気にしていないだけだった。喧嘩をするようになり人から煙たがられるようになり奇異の視線にさらされた、良くも悪くも、あるいは大半が悪い注目を浴びるのは慣れたものだ。
425/10/02(木)19:35:15No.1359010124+
「空気と変わらねぇよ」
 結局のところ自分は自分、他人は他人でしかない。あるいは他人と言うものを認識するのが喧嘩、戦い、闘争、力によるぶつかり合いが唯一の係わりともいえる。哲学と言えばきっとそうだ。心情の発露、生き様の結実。
 そう言った意味では今雪花と居るのは例外中の例外と言える。これほどまでに穏やかな他人とのかかわりは。自分の周りに親を除いた何人も数日と平穏に一緒の時間を過ごせなかったというのにデジタルワールドという世界においては例外の人間2人だから意識の外で何かをセーブしているのか。自分にはそんな細かい分別を出来るなどとは思っていないが、しかし出来ている以上、それは行えていることに他ならない。
525/10/02(木)19:35:27No.1359010202+
「それより前行かねぇと、つっかえるんじゃねぇの」
 後ろを振り向く形になっていたから、自然と足が止まっている。気配があった、後ろに多数生命がいる。
「…って、そうだね、ココに突っ立ってたら邪魔になっちゃうか!」
 そう言って笑ってまた歩き始める、時間にしたならば十数分程度で自分たちの番がくる。門の前で受け付けていたデジモンは小さい丸型で、桃色の毛?に背中には羽が付いている。
625/10/02(木)19:35:39No.1359010266+
「……人間っ!?」
 一瞬こちらに目を向けてから、視線を下に逸らして何かデータを用意してから、再度こちらを向いて驚きを示した。
「そ、そんなに人が珍しい?」
 頬をかきつつ雪花が苦笑していた、道中でここまであからさまに反応されることはなかったからだ。単体での接触である事と、集団の中の異物としての出会いの違いが余計に差異を生んでいるのだろう。
725/10/02(木)19:35:55No.1359010356+
「うん、見たこと無いよ」
 デジモンが笑いながら言い、その間にもせわしなく短い腕を動かしながら中空に浮いているクリアカラーのウィンドウを操作していた。サイバー物のSFに出てきそうだな、と思った。少しだけ笑い噴き出す。そもそもデジモンと言う存在がサイバーの塊のような存在なのにSF感は感じない。明らかに人間とは違う偉業はSFと言うよりもファンタジーを感じてしまうからかもしれない。
825/10/02(木)19:36:06No.1359010418+
「千治?どうかした?」
 今の笑いを聞かれていたらしい。
「なんでもねーよ」
 そっぽを向くように顔をそむけた、油断している。明らかに。あるいは段々と他者の前に引いていた境界線がすこしばかり揺らいでいた、それが嫌とは思っていない、しかしそれを表に出すのは少しばかり気恥ずかしく感じている。恥ずかしいなどという感情を自分が抱くとは欠片も思っていなかった、縁遠いものと思っていた。今は身近にある。
925/10/02(木)19:36:17No.1359010491+
「あ、お話してるみたいだけど良いかな〜?」
 会話が途切れたのは受付のデジモンが割って入ってきたからだった。丁度いいタイミングだった、あと少し時間がたてば雪花にからかわれるのは目に見えていて、そうなれば後はされるがままだった、肉体的な物ならばいくらでも上回れる自信はあるが口の回りあるいは脳の血のめぐりでは永遠に勝てそうにない。
「仲いいんだねぇ〜」
 ほほえましそうにそんなことを言われる。端からはそう見えるのだな、とうっすらと思う。途中で道を違えていない以上関係性が破綻しいないことくらいは分かっていた、しかし良いものかは分からなかった。仲の良し悪しは自覚的に分かるものと、他から見て分かるものがある、ただいるという事象だけでそれは仲が良いのかと千治は思うが、十分仲が良いのだと自分と雪花を初めて見る手合いからも思われるならば、良いのだろう。
1025/10/02(木)19:36:33No.1359010589+
 雪花の顔を見る。どこか照れたような表情をしていた、それが何を意味するのか読み取れるほど勘定に機敏ではない、だが悪しきようには思われていないようだ。
 この関係性を何と称するのか理解ができていない、恋愛感情ではない、ならば性愛か、友愛か、もっと別の何かか、表す言葉を見つけられない、あるいはこの微妙な関係に名前など存在しないのかもしれない。
「あ、そうだ、受付終わったからこれね、入場パスだよ」
 デジモンがそう言いながら手渡してきたのは首から下げるタグの様なものが2つ、雪花と自分に。受けったものをポケットに押し込む、雪花は律儀に首から下げていた。
「それじゃアスカシティにようこそ!問題は起こしちゃダメだからね!」
 先に進むように促される、門は開かない。
1125/10/02(木)19:37:37No.1359010949+
冒頭10レス頂きました。
間が空いて申し訳ない。
この感じだと後3〜4回だと思います、もうちょっとかかりますがよろしくお願いいたします。


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