いつもの様にデスクに腰掛け割り振られている仕事を……その前に

「今日もお疲れですね……私コーヒー淹れてきましょうか」

申し訳なさそうに、先生がお願いねと言ってくれたのでコーヒーメーカーの場所へと進む
ちらとカップの位置を探るフリをして周囲の設備に視線を送る
やはりオフィス内は監視カメラの死角がない

「お待たせしました」

湯気を立てるコーヒーを側に置けば先生はありがとうと言ってカップに口をつけた
その仕草から普段よりも疲労の色が濃いことがわかる
まだ短い期間でしかないけれど特に週末になればやはり疲労困憊になることが多い様です

どれも貴重な情報だ

仕事を手伝っていく中で雑談を重ねて信頼を得る
当番の予定表を確認しつつ普段はそれとなく顔を覗かせてくる他の当番常連の生徒たちと情報を集める
仕事の波がひと段落するのはいつなのか
取材を重ねて少しずつ、作品に活かしていく

「もしお疲れでしたら……仮眠を取ってはどうでしょう
1時間だけでも頭はスッキリするはずですよ」

そう提案すると、だいぶ悩みながらも先生はその提案を飲んだ
ふらつく足取りをさりげなく支えながら休憩室へと案内し、パーテーションで分けられた区画のベッドにその体を横たわらせる

……死角を見つけた

ぐっすりと眠りについた先生を横目にアラームをセットする
きっかり1時間以内に怪しまれない様に必要な情報を全て集めておきたい
場合によってはカメラの映像等も残さない処置を加えなければならない
そしていつの間にか数が増えてる盗聴器…は、まごうことなき善意で取り除いておく。

必要な情報は、集まった
あとはこれらを活かしてプロットを立てて伏線を重ねて、作品へと仕上げるだけ
先生が特に疲労で前後深くになるケースが多い週末ごろ、邪魔が入らないタイミング、証拠が残らない場所で。

その日はそのまま先生を起こしてから、いつもの様に当番の仕事を終えて何事もなく帰宅する

焦らなくても大丈夫、出来上がった作品は時間をおいて推敲を重ねることがとても大切だ
書いている最中は気が付かなかったアラがあるかもしれない
自分の作品は責任を持ってきっちり仕上げてあげるべきだ

「私、恋愛小説が好きなんです」

それを1番に体験して欲しいのは、先生だから。
私の作った作品をもう直ぐに見せてさしあげます。
今から先生がどんな反応をしてくれるのか、とでも楽しみですね。

そして一週間後。
作品は見事に完成して、二人の恋焦がれる男女は結ばれましたとさ

めでたしめでたし

ミヨはいざ手に入れるとなったら時間をかけて準備を重ねて絶対に逃げられない様にしてから満更でもないくらいにまで絆して心まで絡めとると思ったので失礼する

さっそくミヨ文書が出来てて恐れ慄く

>そしていつの間にか数が増えてる盗聴器…は、まごうことなき善意で取り除いておく。
チヒロの仕事が減るね…

このあとエッチなことをするんですか？

イチャイチャするの良いよね…