二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1758768750314.jpg-(188078 B)
188078 B25/09/25(木)11:52:30No.1356597746そうだねx4 13:37頃消えます
イモゲンチャーの怪文書書いたよ!ライジンモンとは今回で決着!
今回出るやつ
867片桐篤人
868犬童三幸
891鳥谷部晶子
fu5629062.txt
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/09/25(木)11:52:58No.1356597853+
何かが聞こえ、犬童三幸の背に薄ら寒いものが走った。ソレは眼前にいるクリスペイルドラモンの冷気ではなく、もっと力のある何かによるもの。眼前の敵は爪も翼も破損してはいるが、決定的な一撃は与えられなかった。
ヘルガルモンは氷の爪で切り裂かれ、ハウリングバーストは吹雪で掻き消されを繰り返し、少し陰った氷の中で身に纏う獄炎が小さく揺らめいている。
「ミユキ……まだ……やれるか……?」
「……これで多分、本当の意味で限界!」
凍てつきながらも闘志という炎は消えていないパートナーに応え、三幸は自分の奥底にある全てをデジヴァイスに注ぎ込む。
だがその直後、身体からは炎ではなく透き通った氷が体を突き破り、獄炎ごとヘルガルモンの体を貫いた。魔狼の絶叫を聞き、三幸は驚愕の声を堪えて力を送ることを中止した。
やがて、全身を氷で穿たれたヘルガルモンはその場で膝を着き、ガジモンまで退化した。
225/09/25(木)11:53:12No.1356597909+
「ヘルガルモン……お前!何をしたぁ!!」
「教えない。でも、止めたのは賢明よ三幸さん」
額から僅かに流れた汗を拭ってから、鳥谷部が穏やか顔で答えた。三幸は、身動きの取れないガジモンの体を抱き起こす。
息はある。それだけを確認するとガジモンを背負い、クリスペイルドラモンを睨みつけた。
「その目が出来るのは褒める所だが……策は尽きたであろう、犬童三幸」
「心配しないで。殺さないから……目的が終わるまで牢屋にでも入っててもらうけど!」
クリスペイルドラモンが少しずつ、三幸に歩み寄る。土を踏む音と漂う冷気が自分の身に近づく度に、出来ることを探す自分と恐怖を感じる自分がせめぎ合う。
目の前まできた氷の竜人が、腕を伸ばす。その直後に虚空から突然現れた獣の牙が、クリスペイルドラモンの腕を噛み千切った。
325/09/25(木)11:53:29No.1356597977+
「クリスペイルドラモン!?一体どこから……」
「心配なさるな母上……この程度!」
一瞬のことで少し狼狽えた鳥谷部を宥め、クリスペイルドラモンは食いちぎられた腕から冷気を発生させ、瞬く間に氷の腕を作り出す。
その一瞬のことを考えたのは三幸もだったが、答えはすぐに現れた。空中に真っ黒な大穴が開き、そこからアヌビモンが姿を現した。
「アヌビモン!」
「ここからは我に任せよ、犬童三幸」
助かった。真っ先にそう感じて安心した三幸に、アヌビモンは一瞬視線をやると、何らかのデータを三幸のデジヴァイスに送り込んだ。
「お主のデジヴァイスに回復ディスクを入れた…ここは我に任せ、篤人の元へ行け」
「っ……お願いしますわアヌビモン!」
三幸はそのまま、ガジモンを背負って走り出した。
425/09/25(木)11:53:46No.1356598033+
「……よくも私の息子の腕を!!」
「息子」を傷つけた張本人を見つけ、細目をつり上げ激昂する鳥谷部を、アヌビモンは無言で、それでも怒りを滲ませながら口を開いた。
「ひと屋の者よ。貴様らに主文は不要ぞ。今すぐ死をもって償うが良い」
アヌビモンが鳥谷部を睨みつけ右手を上げると、黒く巨大な輪が地に現れ、そこから光も通さない闇の色をした鰐や獅子に河馬の群れ。そして一際巨大な、それらを合わせた魔獣が現れた。
「母上……如何なさいますか?」
「……最悪の予定通り、時間を稼ぐわよ」
闇色の魔獣の唸りを聞きながら、激昂していた鳥谷部は冷静さを取り戻し、クリスペイルドラモンへ力を流し込む。アヌビモンはただ、怒りを滲ませた目を「親子」に向けると、そのまま腕を下ろし、冷たい声で二人を指さす。
「アメミット。欠片も残すな」
アヌビモンの号令の元、地獄の魔獣達は一斉にクリスペイルドラモンへ飛びかかった。
525/09/25(木)11:54:06No.1356598125+
デストロモンが咆哮を終えると、山のような巨体から金の大爪をライジンモン目掛け振り下ろしたが、それを難なく回避する。
地面が突き抉られた音に、思わず視線を向けたくなったがそれを堪え、眼前に迫る尾を拳で殴りつけ相殺を図るが、力負けして吹き飛ばされる。
「ワシが押し負けるじゃと!?パワーは下手すりゃスイジンモン並……!」
世代が違う相手に押し負けたことに衝撃を受けたライジンモンに構うことなく、デストロモンは左腕の三連装砲を撃ち込む。轟音と放たれた閃光をライジンモンは回避しようとしたが、時間差で逃げ道に置くように放たれた右腕の砲撃見て、回避ではなく全て雷撃で相殺する。
「くそっ……手こずらすな死に損ないが!!」
「お前が殺し損ねただけだろ」
冷淡に、それでも強い殺意を滲ませた片桐篤人が短く答えると、今度は背負った三連装砲を放った。
625/09/25(木)11:54:22No.1356598188+
ライジンモンが吹き飛んだ瞬間を見た篤人の胸中には、陶酔で浸された。雨垂れ石を穿つなどという真似をした結果、タンクドラモンが穿たれた。だが、破壊の紫竜へと進化した途端、形勢は変わった。
腕や背の三連装砲から放たれる光弾から逃げ回るライジンモンを見ると、僕は、こんな奴に。そんな思いすら湧いてくる。
砲弾を走って避け、雷撃で相殺し、防戦に回ったライジンモンに向けて、先端に刃を取り付けられた尾を、思いっきり振るわせる。
しなり、風切り音を鳴らす鞭ではない。風を砕きながら迫る巨大な尾からライジンモンは、踏ん張りながら身を守る。
725/09/25(木)11:54:41No.1356598265+
装甲とぶつかったとは思えない鈍く重い音が響いた後、ライジンモンの左腕を刃が貫いた。短く堪えた声を聞くと、篤人は胸がすく気持ちになった。
「……腕ぶっ刺して満足か!?あぁ!?」
直後に、苦悶を漏らしたライジンモンからは落雷のような怒号が発され、デストロモンの尾に雷撃を纏わせた手刀を叩き込む。尾はスパーク音と共にバターのように切り落とされると、デストロモンの激痛を堪えた叫びが、平原に響き渡る。
ライジンモンは左腕に突き刺さった刃を引き抜くと、篤人に向かって投げつけた。刃は突き刺さることなく、篤人を庇ったデストロモンの赤金の装甲にあたると、甲高い音を鳴らし力なく地に落ちた。
825/09/25(木)11:54:57No.1356598320+
左腕を抑え声を荒げるライジンモンを、篤人は憎悪と侮蔑を込めて見据える。確かにまだ、腕を刺しただけ。そして尾は切り落とされもう使えない。
だが付け入る隙を作れた。左腕を使おうとしたら、それだけでも消耗する。
次は右腕だ。爪で引き千切るか、三連装砲で吹き飛ばしてやる。その次は足だ。最後にはバラバラにして、踏み潰す。それで仲間は少し報われる。
力への陶酔で浸された腹の底に、加虐の意思が加わると、甘露のようなソレは瞬く間に篤人の脳に届いた。そこに憎悪と怒りが乗っかり、篤人は呑み込まれ溺れるほどに、満たされそうだった。
「アツ……ト……」
「デストロモン!?君喋れ……」
「……ノマ……レルナ……」
925/09/25(木)11:55:14No.1356598376+
それでも篤人は、発されないとすら思っていたパートナーのしわがれた声で、止まった。
自分を呑み込もうとする甘露の代わりに、まだ血の混ざった唾を地面に向けて吐き出す。少し、浸していたものが乾く。だがきっと、また滲み出る。
篤人はそこで考えを止め、自分の頬を両手で叩いてから、遥か高くのデストロモンの顔を、謝意を込めた目で一瞬見る。そしてライジンモンには、憎悪と怒りは少し薄れた目を向けた。
「ありがとう、デストロモン……よし!僕も最後まで気を抜かずにやるよ!!」
デストロモンが篤人に応えるようにあげた咆哮は、姿が変われどいつものように、篤人がこの世で最も頼もしいと思えるものと、何一つ変わらなかった。
1025/09/25(木)11:55:54No.1356598536+
残りはtxtで!大体10000字ちょっと!
もう少し短くしたかったけどついやっちゃった……
1125/09/25(木)12:17:59No.1356604425+
こっから二度目の冒険となるのか……
1225/09/25(木)12:25:46No.1356606843+
働いても紋章へのあたりが結局強い!
1325/09/25(木)12:50:46No.1356615221+
やりたいことのために自分をすり減らすなよ!か
復讐勢には時々聞かせたい
1425/09/25(木)12:57:49No.1356617482+
人生は楽しんでナンボだからな
苦しむのが楽しいなら仕方ないが…
1525/09/25(木)13:03:32No.1356619164+
これは更に苦しいのなんて目に見えてるんだからちゃんと食え!そして寝ろよ!って話でもある
1625/09/25(木)13:08:42No.1356620536+
ここから程々に苦しめつつまぁ全部悪いことではなかった旅にしていきたいぜ
1725/09/25(木)13:20:13No.1356623555そうだねx2
敵デジモンも魅力的な立ち回りしてていいね…
1825/09/25(木)13:26:09No.1356625062+
紛れもなく敵なんだけど流儀やらはちゃんと持ってる敵もいいよね
1925/09/25(木)13:30:01No.1356626077+
死に損ないと殺し損ないいいよね
2025/09/25(木)13:34:31No.1356627148+
そろそろ落ちるね見てくれた人ありがとう
ここから先はノープランだ!


1758768750314.jpg fu5629062.txt