二次元裏@ふたば

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124130 B25/09/08(月)00:24:15 ID:VE29ZZ.UNo.1351086462そうだねx1 03:15頃消えます
シャリタツは可哀想な方が可愛いし抜ける
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/09/08(月)00:24:42 ID:VE29ZZ.UNo.1351086602+
「ラッシャァー!! ラッシャァァーー!!!」

計量器に乗せたシャリタツが騒いでいた。
このシャリタツはトレーナーが友人から譲り受けたもので

「ヘイラッシャを捕獲したついでに捕獲したからやる」

と半ば強引にボールごと渡されたモノだ。
計量器に載せていたのは技を“固くなる”以外忘れさせて興味本位で色々と採寸してるトコロであったからだ。

反った姿のオス、特性は司令塔、性格は冷静、全長31.5cm・体重8.2kgの平均サイズ、身体に傷はなく肌はつややかな健康体。

以上からこのシャリタツは過酷な湖でも上手く生き抜いてきた個体だったはずと推測した。

しかし俺はこのまま飼育する気はなかった。
225/09/08(月)00:25:04 ID:VE29ZZ.UNo.1351086732+
採寸中は

「ヤダァァーー!!!」
「ニガシテェェーー!!!」
「メシィィーー!!!」
「ラッシャアァーー!!!!」

等の叫びが絶えずうるさいったらありゃしなかった。
それにこのトレーナーは自身の実力はまだまだ足りないと思い込んでおり、そんな状態で賃貸住宅の小さな部屋で30センチ8キロの人間不信で図々しい悪賢い生き物と共同生活するのは何をしでかすのか分かったものではないと不安でいっぱいだった。

トレーナーはシャリタツの採寸が一通り終了したのでそれの尻尾を持ち、スマホロトムを出し技を“跳ねる”だけに変更した。

「ハナシテェ!! ハナシテェ!!!」

そして大きめの圧力鍋を用意して中にナッペの雪解け水をひたひたに張り、シャリタツを中に入れて蓋を閉めギッチリとロックした。
325/09/08(月)00:25:29 ID:VE29ZZ.UNo.1351086855+
「………シ………テ!」

ドンドンと微かに音が聞こえたが圧力鍋は分厚い。非力なシャリタツが発する音は小さかった。
台所に鍋を持って行きコンロの上に乗せて火を着けた。ドンドンとした音が心なしか大きくなった気がした。

ズジィィィィィ!!!
プピィィィィィ!!!

しばらくして圧力鍋からシャリタツと鍋の叫びが張り合ってる音が聞こえてきた。シャリタツはドラゴン・水タイプ、炎と水には滅法強い。だからこそ超高圧の中で100度を優に越える圧力鍋の中で煮込む方法を思いついて実行したのだ。

一時間後、コンロの火を止めてロックを解除し蓋を取った。

「………………シ…………ィ…………」

中にはほんのり赤みがかった白色になったシャリタツが黒目を濁らせてだれていた。ひたひたに張った水は殆ど無くなっていたので芯まで煮えたのだなと思えた。
425/09/08(月)00:25:51 ID:VE29ZZ.UNo.1351086958+
ある程度お湯が冷めてきてからビニール袋越しにシャリタツを持ち上げた。非常に弱々しいが脈はある、しかし少しでも衝撃を与えると身体はホロホロに崩れてしまう状態であることが確認できた。

そして新しく購入した冷蔵庫の下側の冷凍室を引き開け、
その中の一部屋“フリーズドライルーム”の蓋を開いた。
そこに持ってたシャリタツを押し入れて手早くルームの蓋と冷凍室を閉めてルーム起動のスイッチを押した。

これは“フリーズドライ”を解析・応用して開発された技術で生物の身体の水分を素早く芯まで凍らせる部屋だ。
シャリタツのタイプはドラゴン・水、“フリーズドライ”は4倍弱点なので非常に効果テキメンだ。
もはや生気を根こそぎ鍋の中に落としたシャリタツはただ静かにルームの中に寝かしつけられた。
トレーナーは採寸中にうるさい騒ぎ声を聞き続けた疲れもあってついグッスリと昼寝した。

約3時間後、トレーナーは昼寝から覚めて冷凍室を引き開けルームの蓋を開いた。
525/09/08(月)00:26:09No.1351087033そうだねx7
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寿司を自分の金で食べたことなさそう
625/09/08(月)00:26:34 ID:VE29ZZ.UNo.1351087190+
「………………………………」

ルームの中に幽閉されていたシャリタツはすっかりカチンコチンに眠らされていた。
軽く叩いてしっかり芯まで冷凍されていることを確認して
恐らく精神も冷凍されて深い深い眠りについているはずだとトレーナーは想定した。

そのカチンコチンなシャリタツの尻尾をビニール袋越しに掴み冷凍室から取り出すと

それを思いきり床に叩きつけた。

当然芯までカチンコチンなシャリタツはバラバラに砕け散り容易く原型を失った。
更にバラバラになったそれらをビニールを敷きスリッパ越しに細かく踏み潰し丁寧に粉々にした。
すっかり粉々になったそれらをついでに部屋の埃ごとホウキとチリトリで余すことなく回収した。

続いてトレーナーはキッチンからミキサーを取り出した。ミキサーに付いた全ての刃は丹念にしっかりと研ぎ込まれていた。
725/09/08(月)00:27:17 ID:VE29ZZ.UNo.1351087410+
トレーナーはその中に
・チリトリの中の埃の混じったバラバラのシャリタツ
・元気の欠片を砕いて作った粉末
・使う機会が無いまじめミント数枚
・鍋の中の残ったお湯
・今朝方シビルドンを絞って取り出した胃液
を順番にミキサーに投入した。

トレーナーはふとあることを思い立ち、ズボンとパンツを脱いでミキサーの上に尻を構えた。そして力を込めて尻の穴から立派な大便をミキサーの中に排泄した。これは以前からシャリタツの姿形はどことなく健康的な大便に似てるなと思っていた事と丁度トイレが近くなった事とで急遽思い立って実行したものだ。
シビルドンの胃液は思った以上に強烈で直ぐに大便の臭いはかき消えた。

全てを入れ終わり蓋をしてスイッチをカチッと押した。研ぎ込まれた刃がスピードを徐々に上げながら回り始めた。
それに合わせてミキサーの中身が暴れ散らしながら派手に混ざり出した。
固形物は水と胃液の混合液に徐々に溶け込んでいき茶色いドロドロな液になっていった。
825/09/08(月)00:27:48 ID:VE29ZZ.UNo.1351087577+
そういえば約20時間前に食べたものは沢山の寿司だった。トレーナーはこのシャリタツは遂に本物の寿司と一つになれた事になにか運命めいたものを感じて少し嬉しくなった。

数分後ミキサーの中にはドロドロの茶色めのペーストが出来上がっていた。
胃液を入れているせいで微かに焼けるような音が聞こえ煙も上がっているペーストをボウルに入れ、美味しい水と棒でミキサーに残ったペーストも全て流し取りそれらもボウルに余さず入れた。
ペーストを入れて暫く様子を見ていると粉末の効果でペーストが淡く光り始めた。
トレーナーはそれを確認して元気の欠片の粉末を準備して待機した。

しばらくしてボウルの中のペーストに変化が訪れ始めた。
淡く光り続けるペーストはゆっくりゆっくりと動き始めて形を変えていった。色も少しずつ茶色から橙色に変わってきていた。
それは時間をかけて少しずつ元々のポケモンの形、すなわちシャリタツの形になっていった。
しかし胃液の消化によってペーストの体積はだいぶ小さくなっていた為にそれは相当小ぶりなサイズだった。
925/09/08(月)00:28:09 ID:VE29ZZ.UNo.1351087689+
約1時間後、粉末の効果が切れかけたのか光が薄れ始めた。
ペーストは形が大まかに纏まり固まりかけてる段階で色は茶色が抜けていたが完成まではまだまだだったので残った粉末を少しかけた。
すると消えかけていた淡い光が輝きを取り戻した。
トレーナーは安心して再び昼寝をした。

約3時間後、トレーナーはゆっくりと目を覚ました。
ペーストの変化は完了して姿形や色合いはすっかりシャリタツのそった姿の身体そのものに変化していた。
眠っているそれは稚魚みたいな大きさで肌もあまり輝いていなかった。
トレーナーはシャリタツに触れ脈があるか確かめた。弱々しいがそれは確かにあった。
サイズに合った布を掛け優しく身体を温めた。

「……キュー……?」
ボウルの中でシャリタツがゆっくりと目を覚まし可愛らしく鳴いた。シャリタツが無事生まれ変わりが完了したことにトレーナーは喜びを噛み締めた。
1025/09/08(月)00:28:13No.1351087714そうだねx2
料理人なのに包丁使ってみじん切りとかじゃなくてすぐミキサー取り出すのギャグだろ
1125/09/08(月)00:28:46 ID:VE29ZZ.UNo.1351087893+
「スシー !」

その後トレーナーはシャリタツとある程度共に生活した。シャリタツは最初こそ弱々しかったものの日が経つにつれ徐々に元気になっていった。

反った姿のオス(生殖能力なし)、特性はなし、性格は真面目、全長10.5cm・体重1.8kgの平均サイズ、身体に傷はないが肌艶はほんのりの虚弱体質。

ミキサーに入れたミントによって性格は真面目に変化して、強烈なシビルドンの胃液で肉体の大部分が消化され体積はすこぶる小さくなった。
身体がペースト状という生物とは呼べない状態で胃液を大量に浴びた為、本来取り除く事が難しい“司令塔”含む特性は完全消失しヘイラッシャとの繋がりは完全に絶たれた。
その代わり急遽投入して刷り込んだ大便の効果か排泄主のトレーナーにはとても懐くようになった。
そして煮込み・冷凍・バラバラ・埃と大便の毒・胃液の酸により以前の記憶は完全に消失、賢さの低下・生殖能力の喪失・活力控えめの虚弱体質になった。

「ヌシ―! アソボ! アソボ!」
計量器に乗せたシャリタツが愛らしく楽しそうにこちらに鳴いてきた。
これならシャリタツと楽しい生活を送れそうだとつい微笑んでしまった。
1225/09/08(月)00:29:19 ID:VE29ZZ.UNo.1351088077+
イタズラ
1325/09/08(月)00:29:50 ID:VE29ZZ.UNo.1351088226+
「…?!…う、けほっ!」

疲れ切った仕事が終わり、やっと帰宅して自宅の扉を開けた途端、思わず目を瞑って咳込んでしまうほどの強い異臭が飛び出した。
なんだなんだ!?と、大慌てで靴も脱がず鼻をつまみながら中に押し入って電気を点けると

「…オ、オレスシ―! ……イテッ」

部屋の真ん中で焦ったように目を逸らしながら慌てて擬態を披露する、が、直ぐに転けて失敗する《たれた》シャリタツの姿と、床中に取っ散らかっった化粧品、コスメ類の数々

「はぁ?」
「オ、オレシラヌー…」

異臭の原因はこの現状を見ただけでわかる
留守中にシャリタツが仕舞っていた香水を馬鹿みたいに振り撒いたのだ
このままではどうしようもない、シャリタツを1度無視し、素早い動きでベランダと玄関を全開にし、キッチン風呂トイレの換気扇も最大にする
1425/09/08(月)00:29:50No.1351088228そうだねx3
たぬき粘着しても反応が無いからってやる事変わらねえんだなあ
1525/09/08(月)00:30:06 ID:VE29ZZ.UNo.1351088307+
「おえー」

ベランダに出て漸く止めてた息を大きく吸い直す。
くさい。
ベランダに出ていても部屋に充満している匂いが半端なものではないことが分かる程に臭い

「…信じられない」

この春にパルデアの企業へ就職して社会人の仲間入りを果たしたばかり、冬の間に越してきてまだ間もない憧れの一人暮らし。
狭いながらも貯金を叩いて揃えたお気に入り家具に囲まれた居心地の良いはずのワンルームが、一瞬でシャリタツにめちゃくちゃにされた

引越ししてすぐの頃《ようこそ、パルデアへ》と、キッチン家電を買った時に新生活特典で送られてきてきたシャリタツの稚魚
1625/09/08(月)00:30:17No.1351088366そうだねx1
webpかぁ
1725/09/08(月)00:30:31No.1351088447そうだねx1
グロ板あるのにここでやる意味ある?
1825/09/08(月)00:30:31 ID:VE29ZZ.UNo.1351088455+
コンパクトな発泡スチロールの中からコチラを涙目で見上げて

「ズ、タベナイデェ…ア…ヤダ、オレ…オイシクナイィ…ヒグゥ……」

と、人間の言葉を吐き、パルデア出身ではない私は、喋るポケモンに目を見開いて絶句した
その後、ロトムで調べたり街を歩く内にこれはそういう食材なのだと知ったが、最初はクリーチャーみたいな気味の悪さにとてもじゃないが食べる気にはなれなかった

そのまま手持ちポケモンでは無いにしる、ペットのような扱いで一緒に暮らしていく内に何となく食べ時を失って数ヶ月
もう、シャリタツの大きさは街でよく見かける大人のものに迫るほど大きく育った、のだが

「ス―…シ―…」
ベランダに避難している私を気にしながら、この期に及んでまだ知らぬ存ぜぬでやり過ごそうと鼻歌を唄くシャリタツの声

むしろ何故やり過ごせると思うんだろうか、人間と比べるならまだ3歳児の子供の方が賢いと断言出来るる、このシャリタツは何か知的障害でもあるのかもしれない
1925/09/08(月)00:31:19 ID:VE29ZZ.UNo.1351088703+
5分程経って家の中にに戻ってみるが、まだ匂いは充満したままで消える気配がない

「…最悪」
「シャリ」
暗いトーンで今の気持ちを吐き出すと、そっぽを向いて未だに知らぬフリを続けながらも、何かいたたまれなそうにするシャリタツ
それに対して、腹の底からドス黒いタールのようなものが湧き上がってくる気持ちを自覚しながら部屋中にちゃっちゃと消臭剤をばら撒いていく

「…シャリタツ」
「オレシラナイ!」
最後にシャリタツに向き直ると、目を大きく開けて打ち返すようにしら切ってきたが、そんな事をよく言えたものだ

「知らない? お前が1番臭いのに?」
「スッ! スシ!クサクナイ!」
本当に臭いのだ、もう時間が経って匂いにも鼻が慣れてきたのに未だシャリタツの近くは臭う
匂いの元凶そのものになってしまっているというのに、シャリタツの嗅覚はとっくの昔に馬鹿になってしまったのだろう、自覚がないようでギョッと驚いた顔をして焦り出す
2025/09/08(月)00:31:42No.1351088827そうだねx3
令和の世にゆ虐のノリを!?
2125/09/08(月)00:31:49 ID:VE29ZZ.UNo.1351088865+
「…うっざ!」
「!!、ア〜、ヌ〜シィ? キュ〜ウ?」
私の怒気を隠さない声に、ようやくシャリタツは誤魔化しが効かない事が分かったのか、慌てて立ち上がって瞳をキュルンと開き、両ヒレの先を喉袋の前に揃えて、コテン…と顔を傾げた所謂"おねだりポーズ"を取って、甘えた声で媚び諂った

今まで暇な時にロトムを弄って眺めていたSNSの動画を散々一緒に見ていたこのシャリタツは人間のポーズを色々と覚えてしまった
色々なポージングのシャリタツ動画はパルデアでは一定の需要があるらしく、ネットに上げると無駄に地域人気が高いので私も良くシャリタツを褒めていたが、今だけは絶対駄目だった

「イダイッ!!」

熱された油に水を入れられたかのような爆発的な衝動に身を任せ、シャリタツに向かって飾っていたオブジェを投げ付ける

「ズ、ズ、ズジイィ〜!?ナンデ、ナンデェ〜!」
頭に直撃して床に倒れたシャリタツは、一瞬だけ信じられないものを見たかのような目で見上げてきた後、みるみる眼に涙を溜めてすぐにワンワン泣き出した
2225/09/08(月)00:32:04 ID:VE29ZZ.UNo.1351088931+
「…つ」

そんなシャリタツを普段なら間違いなく慰め自分のした事にハッとしてすぐに謝って手当をした筈だ、けど、今は何故かそんな気分にはならない
寧ろ泣き喚くシャリタツにイライラが止まらない、なんで食材如きが私の部屋で好き勝手しているんだろう

至極当たり前な事に今更気付いてこれまでの自分の行動を後悔する、今回の件と今までコイツに食わせていた分をシャリタツ自身に払わせないとこの怒りが収まる気がしない

「ナ、ナニ?!ハナシテ!ヌシ?!」

シャリタツの尾ヒレを掴みあげてそのままトイレに引き摺っていくと、バタバタと両ヒレを振り回しながら抗議の声を上げるがそんなものを聞くことはもう無い

「…!!ヌシ、ゴメンナサイ!オレ…!」

一切反応しない私を見て、このままだと不味いと判断したのか、急に手のひらを返して上擦った声で謝罪を口にしたがもう遅い
2325/09/08(月)00:32:35 ID:VE29ZZ.UNo.1351089084+
「ブジャ!!」

トイレの便器にシャリタツを放り込んでフタを閉めて上に座る

「!!!ヤダ!ココヤダ!キタナイッ!!ヤダヤダッ!ダシテ!ダシテヌシッ!!ゴメンナサイ!!」
トイレが何をする場所なのか分かっているシャリタツは、耳を塞ぎたくなるような金切り声を出しながら中の水とバチャバチャ暴れている
便器から出ようと必死で上蓋をペチペチ叩きながら懇願するシャリタツのべそ泣き顔を想像すると、ほんの少しだけ気分が晴れる

「「…」
「…エッ!?ヤ!ヤダヤダヤダ!!!ヤダァ!!」

出来心でそのまま流しのレバーを動かすと、掴まれる所の無い便器内でシャリタツは水の流れに負けているのだろう、声から絶妙に回転しているのが伝わってくる

「ブエッ…ペッ…ヌシ!!ゴメンナザイ!!」
トイレの水を飲んでしまったのか懸命に口から水を吐いたであろう後に、今日1番の大声での謝罪
2425/09/08(月)00:33:03 ID:VE29ZZ.UNo.1351089232+
「声を上げれば許されるとでも思ってるの?」

そう言ってもう一度レバーを引いた

「ヤァ〜〜〜!!!ゴベンダザイ〜!!」
再びシャリタツの声が回り出す
このシャリタツが元野生の天然物なのか養殖なのかは分からないが、雑魚の内うちにに来てからはろくに泳ぐことも無く、ワンルーム内でゴロゴロ食っちゃ寝生活、トイレの水流にすら逆らえない堕落っぷりに呆れてものも言えない

「…ゥ…………ィ…」
「……………?」
いきなり声が遠くなったのを不思議に思い、立ち上がって便座の蓋を開ける
と、なんとシャリタツが便器の窪みに嵌っていた

普段は排泄物が吸い込まれていく穴がシャリタツの顔になっている
そんなクソコラのような絵面が笑いのツボに入ってしまい、私は不覚にも膝から崩れ落ちた
2525/09/08(月)00:33:29 ID:VE29ZZ.UNo.1351089369+
最近のヌシは巣を留守にする事が増えた
それも朝起きて出掛けてから夜、外が暗くなるまで帰ってこない
前までは、起きたら一緒にメシを食べて、フカフカの寝床でのんびりしたり、小さくなったヒトやポケモン、色んなものが浮かび上がっては音が流れるスシより小さな四角を眺めて笑い合ったりしていたのに

「…ヌ〜、キョウモ オシゴト…?」

「そうだよ」

朝、けたたましく朝を知らせる音にムニャムニャとヒレで目を擦りながら起き上がるとヌシはもう隣におらず、部屋を慌しく動き回っていた

目尻を下げて、首を傾げて、こうして質問をすると可愛いのだと“スマホ”に教えてもらったポーズで聞いたのに、ヌシはスシに一瞥もくれずバタバタと部屋中を歩き回っている

「……オレ、サミシイ!」
「もー!仕方ないでしょ!仕事なんだから」
毎日こうしてスシがお願いしてても必ず”シゴト”を優先するヌシ
2625/09/08(月)00:33:57 ID:VE29ZZ.UNo.1351089502+
そんなに”シゴト”は素晴らしいものなんだろうか、数日前にオスシも連れて行ってとお願いした時も1つ返事で却下された

(”シゴト”はスシと一緒にいるより楽しい?)

そんなゾッとする考えが、ふと頭を過すぎった瞬間にブワッと目頭が熱くなる
込み上げる寂しさや悔しさで泣いてしまいそうになるのを息を止めて何とか堪えていると

「はいじゃあエサ置いとくから!いってきます!」
「アッ、ヌシ!」

結局、ヌシは朝1度もスシと目を合わないまま巣を出ていってしまった
バタン!と、音を立てて重たく堅牢な玄関の扉は無慈悲にもヌシとヌシの間にある壁に見えてきてしまう

「…ヌシ……」
一貫きりになってしまったスシは、涙が落ちないようにと持ち上げていた頭を静かに下ろすと1滴の雫が床に垂れた
2725/09/08(月)00:34:23 ID:VE29ZZ.UNo.1351089610+
「…メシ」
暫く立ち尽くした後、腹の虫に従って踵をかえす、重いヒレ取りでヌシが置いていってくれたメシの元に近寄り、もじゃもじゃと咀嚼する

「…マズ」
静まり返った部屋にスシの咀嚼音だけが響いている
いつもと食べているメシは同じモノの筈なのに、何故か一貫きりで食べるメシは味がない
ただ、作業的に口に放り込んでは奥に流し込んでいくだけ質素なもの
ヌシと楽しくお話しながら食べている時とは違いが大きすぎて、シャリタツは今食べているコレをメシとすら呼びたくはなかった

「ヌシ…オレ、サミシイ……グスッ…ウ〜ヒック、ズッ」

いつの間にか溢れ出ていた涙がボロボロとメシの上に落ちていく、ひきつけを起こして上手くメシが飲み込めず、ヨダレと一緒にその場の床に垂らす
涙、鼻水、咀嚼途中のエサ混じりのヨダレ
1度決壊してしまったものを止める術はなくシャリタツは顔から出る全てをダラダラと流し、すっかり汚くなってしまった床と顔面を構うこと無くその場で孤独と不安に大声で咽び泣いた
2825/09/08(月)00:35:32 ID:VE29ZZ.UNo.1351089930+
「ムニャ……ヌシ?」
いつの間にかけ泣き疲れて寝てしまっていた。意識と共に身体を起き上がらせるが、相変わらずヌシは居ない
窓から差し込む光が夜までにはまだまだ時間がある事を教えてくれ、シャリタツは再びため息をついた

すると、首の辺りに僅かな違和感……ヌッ?そっとヒレで”シャリ”を確認すると涎や鼻水など、寝る前に散々垂らしたものが乾いて不潔の結晶となり所々に張り付いていた

「シャリ!!」
シャリタツは大慌て、己のアイデンティティそのものを汚してしまうなんたる不覚!
すぐ様大きく飛び跳ねてヌシの布団に上がり、シャリ布団に擦り付けて汚れを拭う。少しだけ膨らまさせて丁寧に、そして丹念に汚れを布団に移していく

「フフン!オレノシャリキレ〜♫」
身から出た”シャリ”の汚れをしっかり布団に押し付けたシャリタツは立ちながら両ヒレを腰にあてて自慢気に背を反らす

「ヌ〜?スコシ、カピカピ…?」
しかし”シャリ”を膨らませた時の伸びに違和感を感じ、ヒレでぷにぷにと押してみると潤いが少ない。布団の方を見てみると、拭くのに使った部分が代わりにしっかりと濡れている
2925/09/08(月)00:35:55 ID:VE29ZZ.UNo.1351090049+
「ム!オノレ オフトン!」
自分で拭いた際に布団に水を取られたと怒り、ヒレでペシペシと布団を叩く

「フン!オレヤサシースシ、キョウハコレデユルス!」
寂しく惨めな一貫芝居にひと通り満足したのか、顔を上げたシャリタツは”シャリ”を潤わせる為に布団から降りようとして、ふと机の上に散らばるヌシのコスメ達に目が合った

「…ヌ、ソウイエバ…ヌシ…」

以前、お風呂上がりにヌシがやたら顔に塗っている水が気になって質問した事がある
この魔法のミズを塗ると肌がプルプルになるのだと笑って言われても良く分からずに首を傾げたら、お裾分けだと”シャリ”にも魔法の水やクリームを丁寧に塗ってくれた
翌日の朝、信じられないほど”シャリ”がモチモチのフカフカに変わっていて驚いた
そのまま寝起きのヌシにねだり込み、何とかお散歩に連れていって貰った

美しいシャリで街を往く、あの時の誇らしさはこれからどんな事があっても一生忘れないだろう!
3025/09/08(月)00:36:03No.1351090080そうだねx1
>スレッドを立てた人によって削除されました
>寿司を自分の金で食べたことなさそう
これだけ消しててダメだった
3125/09/08(月)00:36:08 ID:VE29ZZ.UNo.1351090117+
「ヌヌー?…ドレ?」

シャリタツには人間の道具の違いが分からない
同じような硬い殻に入っている道具達、小さい物をヒレで持ち上げて振ってみたりしてもオミズが出てくることはない

透明なケースの中にキラキラとした色が入っていたりする物もあり目を奪われるが、どう頑張っても中身の出し方が分からない

「ム〜!!ヤクタタズ!!!」

どうしても捻って開ける容器や引っ張るキャップなど、コスメ用品は魚のヒレで開けられない物が多い
シャリタツは癇癪を起こしてコスメを激しく床に叩き落とし、次々と新しい物を出しては開け方が分からず周りに投げ捨てていく
そんな事を続けている間ようやくシャリタツに扱えるモノが出てきてしまった
3225/09/08(月)00:36:28No.1351090208そうだねx1
>ID:VE29ZZ.U
3325/09/08(月)00:36:47 ID:VE29ZZ.UNo.1351090316+
「…コレ?」
香水瓶である
シャリタツが持つ小瓶の中には色付きの水が入っており、上の噴出口の反対に空気を押し出す袋が付いているものだった

「コレ オミズ ハイッテル!デロ!オミズ!!」
やっと魔法のお水を見つけられたと勘違いしたシャリタツはヒレで容器を所構わず叩きまくり、見事にプッシュボタンを押して頭から香水を浴びた

「〜ンッ、コノオミズ、ヘンナニオイ…」
シャリタツも思わず咄嗟にヒレで鼻を抑え、そのままパタパタとうちわのようにして匂いを払おうとする、が

「…シャリ、イイニオイ?」
香水の噴霧は”シャリ”には少しだけしか掛からなかったのか、これくらいなら良い匂いな気がする、何より

「イイニオイノシャリ…オシャレスシ…!」
よくよく嗅いでみればこの充満する匂いも寿司にはオシャレな気がしてきた!と、シャリタツは一転、ワクワクと嬉しそうに”シャリ”を膨らませて自身で抱きしめる
3425/09/08(月)00:37:16 ID:VE29ZZ.UNo.1351090463+
それはとんでもない愚かな勘違いでしかないのだが、香水一撃を頭から至近距離で撒かれれば人間の鼻でもおかしくなるのだから、シャリタツなんてまともでいられる筈もない

「…マダ、シャリ、カピカピ…」

霧をひと浴びしたくらいで乾いた”シャリ”は潤わない、そもそも”シャリ”に保水する為に揮発性の高いアルコールなんかを掛けているのだから…

しめしめといったニヤケ顔のシャリタツは、そう心の中で言い訳を並べていきながら自身の”シャリ”にどんどん香水を吹き掛けていった

「オレ…!オシャレスシ〜!」

空になった香水瓶を投げ捨ててから、下手糞な擬態を失敗しながらそう高らかに宣言したシャリタツの顔は自慢気で溢れる達成感に満ち溢れている。
3525/09/08(月)00:37:28 ID:VE29ZZ.UNo.1351090519+
が、その下、小瓶とは言えたっぷり入っていた水量の香水のほぼ全てを含んだ”シャリ”はタプタプと潤っていて、筆舌に尽くし難い激臭を発していた

「スシシシッ!オシャレスシ、ヌシヨロコブ〜!」

(シゴトから帰ってきた時に、こんなにオシャレなスシが待っていたらヌシはどれだけ嬉しいだろうか…!)
(余りのスシのオシャレさに他の人間にも自慢したくなって、そのままお散歩に連れて行かれてしまうかもしれない!)
(もしそうなったら、まだ上手く出来ないけど擬態のポーズをしっかりキメて……!)

シャリタツは頭の中に次々と都合のいい想像をしては胸を躍らせる
満面の笑みで膨らませた”シャリ”を両ヒレで抱え、身体を左右に揺らしてはこの後に来ると信じて疑わない未来妄想に耽る

「ヌシ〜♡ハヤク カエッテキテ〜♫」
3625/09/08(月)00:37:54 ID:VE29ZZ.UNo.1351090653+
「…?!…う、けほっ!」
「…オ、オレスシー!……イテッ」

扉が開く音と共に大好きなヌシの声、部屋の明かりが点いたのと同時に、とっておきの擬態を披露して迎えようと考えていたシャリタツはその通りに実行したのだが

「はぁ?」
次に出てきたヌシの声には期待していた感激の色味は無く、怒りと失望の混じったものだった

「オ、オレシラヌー…」
その声にシャリタツは思わず怯み、シラを切ってしまった
(知らないと言ってしまったらこんなに苦労してお洒落したのを褒めて貰えない!!)
咄嗟に出た嘘をどう言い訳しようか考えている内にヌシはあっという間にベランダに行ってしまった

「ス−…シー…」
戻ってきて貰えないかと鼻歌を吹いてみるがヌシからの反応は無く、気まずい時間がしばらく続いてから戻って来たヌシの顔は見たことも無いくらい恐ろしい形相だった
3725/09/08(月)00:38:25 ID:VE29ZZ.UNo.1351090815+
「…最悪」
「シャリ」
初めて見るヌシの怒り顔、初めて聞くヌシのとても低い声があまりに恐くて、とてもじゃないが真正面から向き合えない!
顔を逸らし冷や汗を垂らす、冷静に考えたらスシは机の上のものを散らかしたままだった

「…シャリタツ」
「オレシラナイ!」
怒ったヌシに顔を合わされた瞬間、ヌシが怒った理由は部屋を散らかした事とか、そういう事じゃないことがわかった
恐ろしい、恐ろしい、ヌシはスシの記憶も朧気な産まれたばかりの時の記憶にある醜い人間と同じ顔をしていた
シャリタツは出荷時のトラウマがゾワッと蘇り反射的にまた嘘を吐いてしまう

「知らない?お前が一番臭いのに?」
「ヌッ!スシ!クサクナイ!」
当たり前だ、コレが良いと思って”シャリ”に沢山吹き掛けたんだから!!
3825/09/08(月)00:39:07 ID:VE29ZZ.UNo.1351091029+
「…うっざ!」
(このままだとヌシが他の醜い人間と同じ醜い生き物になってしまう…!)
そう思ったシャリタツは、何とかスシの可愛さでヌシを元の優しいヌシに戻すためにヌシと一緒に勉強した可愛いポーズをキメる事にした

「!!ア〜、ヌシィ?キュ〜ウ?」
急いで立ち上がって瞳をキュルンと開き、両ヒレの先を喉袋の前に揃えて、コテン…と顔を傾げる所謂”おねだりポーズ”を取って、甘えた声で呼び掛ける

「イダイッ!!」
けれどヌシから返って来たものはいつもと違い鈍い痛みだった

ヌシは更に顔を歪めて飾っていたオキモノをあろうことか可愛いスシに向かって投げ付けてきたのだ

「ズ、ズ、ズジィ〜!?ナンデ、ナンデェ〜!」
ヌシが醜い人間になってしまった!
どうして、朝まではこんな事をするヌシじゃなかったのに…そう思うと、目から勝手に涙が溢れ出してしまう
3925/09/08(月)00:39:30 ID:VE29ZZ.UNo.1351091162+
(スシがいつまでも立派な擬態が出来ないから?)
(シゴトに行ってスシと遊べなかったから?)
(スシの可愛さが足りなかったから?)

どれもしっくり来ない理由が浮かんでは消えていく、止まらない涙をヒレで懸命に拭っていると身体がいきなり逆さまになった

「ナ、ナニ?!ハナシテ!、ヌシ?!」

ヌシに痛いほどの力で掴まれているぷりっぷりで可愛いスシのアンヨ、今までされた事がなかった運び方…
ズルズルと引き摺られる度に床に擦れる背ビレが痛い
怖いーー!

「…!!、ヌシ、ゴメンナサイ!オレ…!」

何を言ってもヌシは反応しない、元の優しいヌシに戻ってくれるならいくらでも謝ろうと思って目を開けた瞬間
4025/09/08(月)00:39:39No.1351091199そうだねx3
飼い主からの愛情喪失して酷い間に合う展開が多いのはやっぱ親に見捨てられたら飢えるって共通認識から来る恐怖を共感する人が多いからなのか
4125/09/08(月)00:39:59 ID:VE29ZZ.UNo.1351091316+
「ブジャ!!」
突然水の中に放り込まれた。慌てて水から頭を出すと特徴的な匂いが鼻を掠める、キッチンや洗面台、お風呂からは決してしない匂い…つまりこの水はトイレの……シャリタツはゾッとして叫ぶ

「!!!ヤダ!!ココヤダ!キタナイッ!!ヤダヤダッ!ダシテ!ダシテヌシッ!!ゴメンナサイ!!」

トイレが何をする場所なのか良く分かっている、ヌシを含め、何より折角オシャレした”シャリ”が汚物入れの水に浸かるなんてたまったものじゃない!!

シャリタツ自身でも驚くような声を出し、便器から出ようと一心不乱に天井のフタを叩く
今この瞬間でさえ、全身が汚水に浸かっているかと思うと気が触れてしまいそうだった

「…」
「…エッ!?ヤ!ヤダヤダヤダ!!ヤダァ!!」
目元が痛くなるほど涙を流して謝っていたら、突然水に流れが生まれて振り向く
便器内の水は一瞬の内に渦を生み出し、壁からも一斉に水が流され、シャリタツは思いっきり滑ってしまう
4225/09/08(月)00:40:27 ID:VE29ZZ.UNo.1351091478+
「ス?!スシッ?!!」

慌てて顔を上げて周りを見渡すも、ツルツルとした便器に掴めるような所は無い
ヒレを精一杯バタつかせるもあえなくそのままぐるぐると勢いを増す流れに呑まれる

「ブエッ…ペッ…ヌシ!!ゴメンナザイ!!」

ヌシにヤメテと言おうとしたのに、思いっきりトイレの水を飲んでしまったシャリタツは目を見開き即座に口の中のものを吐き出し、発狂気味で謝ったが

「声を上げれば許されるとでも思ってるの?」
ヌシは先程から変わる事のない低い声でそう言うと、もう一度トイレから渦潮が始まる音がした

「ヤァ〜〜〜〜〜!!!ゴベンナザイ〜!!」
再び便器内の水が渦を巻く
精一杯泳いでも全く逆らう事の出来ない流れに、シャリタツはとうとう尾ヒレから勢い良く奥穴に飲み込まれ、ズボッ!という音と共に水の流れが止まった
4325/09/08(月)00:41:21No.1351091771そうだねx3
完全にゆ虐じゃん
こんなに互換性あったのか
4425/09/08(月)00:41:32 ID:VE29ZZ.UNo.1351091837+
「…ウ………イ…」

身体の半分以上がハマり込んでしまって自力で穴から抜け出せない、上向きの頭まで完全に溜まり水の中に潜ってしまった
精一杯助けを求めて声を上げる度にトイレの水が口の中に入ってくる

「…………………」

パッと視界が明るくなる
(ヌシがやっと許してフタを開けてくれた!)
そう思い、本当はトイレの水の中で目なんて決して開けたくなかったが、主を見上げるために目を開けた

「………ッ」

シャリタツの目に映ったものは、生まれて間もない頃に愛しい母親をいたぶって殺した人間と同じ笑い方で笑うヌシの顔だった
4525/09/08(月)00:41:48 ID:VE29ZZ.UNo.1351091913+
あれから結局トイレに手を突っ込んでまで穴に嵌ったシャリタツを助けてやる気には到底ならず、部屋に戻って被害を確認する事にした

ブランド品の香水は案の定全て使い切られており、その他にも仕舞っていたはずのコスメ用品が床に散りばめられていた
粉物のパレット等は落ちた衝撃で固めた粉類が砕けてしまったのか、もう使えそうにない

部屋の隅の餌入れ付近はどういう訳かゲロが乾いたかのような有様で、あろう事か布団にも汚れとシャリタツの細かいウロコがキラキラとしていた
明日が休みなので不幸中の幸いだが、被害は割と甚大だ

ざっと見積もっても被害は4万程、後は今までのシャリタツの餌と生活費合わせておおよそ10万近く

シャリタツなんてパルデアでは食材としてパック詰めされコンビニにすら売っているような有り触れた生き物だ
それを使って10万円も稼げるだろうか?
動画配信だってすぐバズる訳じゃない、それに少しでも早くあのシャリタツとおさらばしたいのだ
4625/09/08(月)00:42:19 ID:VE29ZZ.UNo.1351092084+
「う〜ん」

【シャリタツで稼ぐ すぐ】

そんな方法あったら皆するだろうし…と、希望薄めでもとりあえず安易にロトムの検索機能に頼った
「え?!」
すると、予想に反して夥しいヒット数。スクロールしてみてみると

「……その発想はなかったわ…」
風俗店、しかもシャリタツ専門のものばかり
他地方出身の身には異常としか思えないが、パルデアでは普通の性癖なのかもしれないと思わせる数々のサイトに、思わず生唾を飲む

その内の1つ《グループ最大手!!どんなヌシでもヘイラッシャイ!!》と書かれたサイトを開くと、のっけから扇情的なポーズで頬を染めるシャリタツの写真、それに媚びやかなフォントで
【オレノ モチモチ ノシャリ♪モミタイ〜?】
と、書かれていた
4725/09/08(月)00:42:38No.1351092187そうだねx3
まだやってたんだコイツ
4825/09/08(月)00:42:56No.1351092291そうだねx4
なんだろうこのSSのシャリタツはみいちゃんを思い出すというか…
4925/09/08(月)00:44:08 ID:VE29ZZ.UNo.1351092649+
「…うわ」

頭を抱えながら、スクロールすると
新鮮初物!!完全洗浄!!調教自由!!NG一切無し!!ノースキンOK!!
等の圧が凄い文字が次々と見えてくる

写真のシャリタツは頬を染め上げていたり、中には絶望で泣き喚いているもの、うちの個体のように何も知らず媚びるような可愛いポーズを取っているものなど確かにバラエティ豊富に見える

「…買取とかは、してないのかな?」
見れども見れどもボタンに書かれている文字は
♡ご予約♡ご指名♡ばかり
コンビニでも冷凍品が売ってるくらいにはいくらでも替えの利く生き物だからそもそも買取してないんだろうか、と諦めかけていたところで1番下に

《貴方の可愛いシャリタツを貸して下さい》
と書かれたボタンが見えた途端、条件反射でそのボタンを押していた。申し込みのメールフォームにありのままの相談を書いて送ると、夜遅いにも拘らず1時間もしない内に折り返しの電話が掛かってきた
5025/09/08(月)00:44:26 ID:VE29ZZ.UNo.1351092751+
チチ……チチチチ…
朝を知らせる小鳥ポケモンたちの声が小窓から聞こえ、シャリタツは水中で薄らと目を覚ます
結局昨晩はトイレに嵌ったまま放置されたシャリタツは、その後何時間も泣き謝り続けたがヌシが戻ってくることは無かった

泣き腫らした顔でゆっくりと上を見上げるとすっかり朝の日差しが窓から降り注いでいた
あれからヌシは助けに来てくれなかったのかと分かると、また目元が熱くなる

(スシ、見捨てられた…?)

最悪の想像が頭を過って押し出された新しいシャリタツの涙が、いずれ流されるトイレの水と混ざった

「シャリタツ!起きてる?」
「!?」

おセンチに浸っていた空気を叩いて退かすようにバン!と勢いよく扉が開いたかと思うと、一晩中焦がれていたヌシがそこに立っていた
5125/09/08(月)00:44:46 ID:VE29ZZ.UNo.1351092850+
しっかりと掃除用のゴム手袋を装着したヌシは、目を輝かせたシャリタツが返事するより先にその頭を掴んで引っ張る

「イタタタタ!!ヌシ!イタイッ!!」
「我慢して!今そこから出すから!」
元々シャリタツ専用の穴だったんじゃないかと思うくらいに便器の穴にしっかりフィットしていて中々外れない
顔を挟んでしまうんじゃないかと思うような力で掴んで全力で引っ張ると、掴まれているシャリタツの方も相当痛いのだろう、途端に濁った声が上がる、が、シャリタツ自身も

(ヌシが可愛いスシを助ける為に頑張ってくれている!)
と都合よく思い込み、健気に痛みを我慢する

やがて、キュッポーン!!!と栓が抜ける大きな音と共にシャリタツが穴から抜けた
力の反動で思わずその場に尻もちをつき、宙を舞ったシャリタツは床に落ちた瞬間、反射的に水揚げされた魚のようにビチビチビチ!!と勢い良く跳ねる

「わ!ちょっ動かないで!」
「ヌシ!?」
5225/09/08(月)00:45:10 ID:VE29ZZ.UNo.1351092956+
悲鳴じみたヌシの声に驚いたシャリタツはビクッとして跳ねるのを止める
しかしもう手遅れ、勢い良く跳ねられた時にはもうトイレの床中に溜め水をばら撒かれていて、穏便に済ましたかったのが失敗したことに思わずため息混じりで

「……身体洗おうか」
「スシィ〜〜!スシ!スシッ!」

それでもシャリタツからすれば感激に値した様子、キラキラとした表情でヒレを前で合わせてコクコク!と何度も激しく頷いた

風呂場に移り、シャリタツにシャワーで優しく水を掛けてやると、待ってましたと言わんばかりに降り注ぐ水に自ら頭を寄せて被りに行った

「アァ…♪キレイナ オミズ…スシャシャ♪」

シャワーの当たる箇所の床で次々とポーズを変えてはクネクネピチピチと踊り、喜んで水浴びするシャリタツを今はもう可愛いとは思えない
5325/09/08(月)00:45:27 ID:VE29ZZ.UNo.1351093035+
前までは可愛いと思ってた筈なのに、今は塩を掛けたヌメラやカラナクシを見ている気分になる
正直言ってかなり気持ち悪い

「……」
「シャリ?!ア、ヌシ!キュウ〜♡」

けれどこの後シャリタツには仕事をしてもらう都合上、綺麗に洗ってやらねばならない
ゴム手袋のままで掴むと一瞬身体を強ばらせたが、そのままスポンジで擦ると洗われているのだと解ったようで心底嬉しそうな声で鳴いた

「スシャシャ♪クスグッタイ〜///」
「ア!スッ、シャリィ〜ン♡」
「シャリ モットシテ!モット〜!」

客仕事をしてもらう以上、トイレはじめ昨日の香水の匂いも取らなければならない
めんどくさいが丁寧に洗っていると、普段より手を掛けられているのに気付いているシャリタツがいつも以上に嬉々として調子に乗っている
5425/09/08(月)00:45:50 ID:VE29ZZ.UNo.1351093179+
「”シャリ”ぶくーってして」
「スシ!プク〜♪」

匂いの元凶の”シャリ”を洗おうとしただけなのだが、シャリタツは要求が通ったと勘違いしたのか、目を一際輝かせたドヤ顔で両ヒレを腰に当てて自慢気に”シャリ”を膨らませる

「…………」
「スシィ〜〜♪オミズ タポタポ〜♪…アッヌシ!ツヨクシチャ、メッ!!」

膨らんだ”シャリ”にシャワーノズルを直に添わせ、所謂スポンジを洗う時と同じ要領で水を入れ替えては手で握って水気を絞るを繰り返す
すると”シャリ”を握る力が強すぎると文句を吐きながらヒレで手をぺちぺちと叩いてくるシャリタツ

「……………えい!」
「ブエッ!ヌー!ヌ〜シィ!?スシシッ!」

昨日と同じように暴力を浴びせてしまいそうな衝動を誤魔化すように、シャワーの水をひょいっと顔に掛けてやると、シャリタツは嘘せながらも嬉しそうに笑った
5525/09/08(月)00:46:30 ID:VE29ZZ.UNo.1351093396+
風呂上がりに身体を拭いてやるとそれも大層嬉しそうで、尾ビレをまるで犬ポケモンのように激しくピチピチと振って見せてくる
それに加えて次は、尾ビレを身体に沿って丸め、器用に両ヒレで抱き締めて上目遣いを駆使しながらハートの部分だけをピコピコ!とコチラに振る

「ヌ〜シ! ホラ!ハートフリフリ〜♡」

笑顔で可愛いと言われるのを待っているこのシャリタツは、私が前に『"たれた姿"の尾ビレはピンクのハートで他のシャリタツより可愛い』って言ったことをしっかり覚えている

それ以来、何か少しでも嬉しい事があると、直ぐに尾ビレを振ってアピールしてくるようになってしまった
その延長線なのか"たれた姿"なのに"そった姿"のポーズみたいに身体を反りあげてまで尾ビレを振ってくることもある
これを風俗店でやればさぞかし客が取れるだろうに

「…ヌシ? ス〜シ、カ・ワ・イ・イ?」
無視を決めいていると、いつまでもお望みの『可愛い』が貰えないことに不服そうなシャリタツが、両ヒレを頬に当てて首を傾げて圧を掛けてくる
5625/09/08(月)00:46:47 ID:VE29ZZ.UNo.1351093467+
「…実はシャリタツにはその可愛さで是非"シゴト"をして貰いたいんだ」
「! オシゴト? …ス、スル!! スシオシゴトスル〜!!」
「そ、そう? 助かるよ」

思っていたより食い気味に前向きな返事をしてきたことに少し驚きつつ、シャリタツの気が変わらない内に昨晩の電話で聞いたシャリタツ用のマニュアルの説明を続けた
お金が無い、その為には働かなくてはメシが食えない、このままじゃいつかシャリタツを捨てなくてはいけなくなる
でも私もずっと一緒に居たい、だから可愛くて人気者なシャリタツにも働くのを手伝って欲しい…!

教わった通りにこんな内容を切実そうな演技混じりで伝えていく、と
「…!! ヌシ〜! オレガンバル! ハタラク〜!」
本当に乗り気になった
最初聞いた時はそんなテンプレに騙されるヤツがいるのか?と呆れ気味に思ったのだが、流石シャリタツ専門店のマニュアル、効果は覿面なようだ

「ヌシアンシンシテ! オレカワイイスシダカラ ヨユーヨユー♪」
5725/09/08(月)00:47:20 ID:VE29ZZ.UNo.1351093614+
目の前のシャリタツは疑うなんて発想がそもそも無いかのように得意気に擬態ポーズを披露して、また転けた
(擬態も出来ないシャリタツが本当に商品になるのだろうか…?)

不安はあれど、シャリタツの了承も得たので契約先に連絡する
すると、直ぐに『迎えを向かわせます』との返信の通知が鳴った

迎えを待つ間に少しでも商品価値を上げておこうと思い、シャリタツを持ち上げて机の上に載せる

「? ナニ―?」
「オシゴト頑張ってくれるシャリタツを更に可愛くしようと思って」
「!!」

そう言って保湿剤を取り出すとシャリタツの目が今日1番嬉しそうに輝く、これも前に1度塗ってから味をしめてしまったせいで毎度毎度しつこく強請られていた

塗っても塗らなくても人間の目からは特に差がないように思えるのだが、シャリタツ的には全然違うらしい
5825/09/08(月)00:48:01 ID:VE29ZZ.UNo.1351093790+
「ハヤク!ハヤクッ!」
「待っててね…」

両ヒレでガッツポーズしながら、クイッと"シャリ"を前に出して塗られるのを急かすシャリタツ

「アッ、ア〜♡キモチ〜♪」

保湿剤を塗るとシャリタツは大きな瞳をトロンとさせて気持ちよさそうに脱力するので、そのまま仰向けに寝かせたポーズに変えてクリームも塗り付けていく

「コレデ、オレノシャリ モチモチ〜♡」
「あ、本当だ、塗った後だと確かにモチモチかも」

シャリタツは触って欲しそうに顎を突き出し、"シャリ"を差し出してくるので、指でプニュ!と摘むと独特の弾力感が伝わってきた

シャリタツもその言葉に、より満足したのかすっかり光悦に浸った顔で自身の"シャリ"をヒレでもみもみと弄り続ける
5925/09/08(月)00:48:34 ID:VE29ZZ.UNo.1351093965+
「クワァ〜〜♪」
「!」

突然ベランダから大きな鳴き声がして振り向くと《オージャグループ》と書かれた名札を下げたドンカラスがぺこりと笑顔で一礼してきた
「ナニッ?!」

ビクついて不安げに身体を起こすシャリタツを他所に慌ててベランダの戸を開く
「早かったね〜! お迎えありがとう」
「ガァ〜♪」
ドンカラスにお礼を言うと持ち前の帽子のような頭をクイッと上げてウインクしてくれながら、鉤爪で掴んでいたバスケットを渡してくれた

バスケットの中にはフワフワなクッションと《この中にシャリタツを入れて下さい》と書かれているメモ紙
「すぐ入れるね!」
読んだメモ紙を取り、ドンカラスにそう言うとこれまたニコッと笑顔を返してくれる
6025/09/08(月)00:49:07 ID:VE29ZZ.UNo.1351094119+
「シャリタツ! オシゴトのお迎えが来たよ!」
「エ?! アレ…?!」
「…? そうだけど?」

怖がって身体を震わせるシャリタツに伝えると、何か想像と違ったのか驚愕といった表情で目を白黒させてきた
「ア、アレ、トリ…」
「あぁ、シャリタツをオシゴト先まで運んでくれるんだよ、食べられる訳じゃないから安心して」
そういえば鳥ポケモンはシャリタツの天敵だって何かで見た気がする

怖がって腕に縋ってこようとするシャリタツを上手く躱して持ち上げバスケットの中に入れる

「じゃあ、よろしくお願いします」
「エ?! ヌシハ!?」
ドンカラスにそう言うと、シャリタツが訳が分からないという顔で大声を上げた
こっちだって逆に何故そこでそう言われるのか分からない
6125/09/08(月)00:49:40 ID:VE29ZZ.UNo.1351094282+
「ヌシモオシゴト! オレダケ?!」
「あぁ…」
ヒレをパタパタつかせて疑問を身体で表現するシャリタツ、何でそう思うのか全く分からないが、どうやら私と一緒に仕事が出来ると思い違いしていたようだ
もちろんこういう時用に、言い包める為の例文も昨晩のうちにきちんと教わっていた

「…だってこれはシャリタツにしか出来ないオシゴトだもの」
「私の仕事も人間にしか出来ないシゴトなの、一緒に頑張ろうね」
パタパタと振っていたヒレをそっと握って優しくそう言えば、シャリタツは目尻を落としながら泣き、数秒後にゆっくり…コクリと頷いた

そして、ドンカラスとシャリタツ入りバスケットが空高く上がっていくのを見送りながらぼりぼりと痒い所を掻きつつポツリと呟く
「…掃除して風呂入ろっと」


おわり
6225/09/08(月)00:50:33No.1351094567そうだねx2
えっ風俗店の描写無いの?
ゴミじゃん
6325/09/08(月)00:51:18No.1351094766そうだねx2
>ID:VE29ZZ.U[50]
キモ…
6425/09/08(月)00:51:54No.1351094959そうだねx2
>えっ風俗店の描写無いの?
>ゴミじゃん
コピペするしか能が無いキチガイにそんなもん書けるわけないじゃん
6525/09/08(月)00:55:52No.1351096077+
>ぼりぼりと痒い所を掻きつつポツリと呟く
ダメだった
頭とか尻で良いだろ


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