バームクーヘンとは木のケーキという意味である、何層にも重なった生地の断面を樹木の年輪に例えた命名とされる。
ケーキで出来た木、そんな童話のような愉快さはデジタルワールドにおいて現実となった。
枝の先にはバームクーヘンがいくつもぶらさがり、枝と幹もぺろりと剥がして食べられるバームクーヘンの木の誕生である。
「うめぇ、でももう胃に来てる」
「その脆さでなんで一個丸ごと行ったよ、しかも水無し」
丁度小腹が空いていた男達は胡乱な菓子樹木に困惑しながら、即席の茶会で腹を満たす事を決めた。
一番大人しいようでこういう時真っ先に動く映塚黒白は自分の胃の許容量を見誤り、手にした分厚いバームクーヘンを食べる速度が目に見えて落ちている。
奇抜なようで地に足の着いたジャッジメンターは呆れながら、葡萄のように固まっていた小粒のバームクーヘンを口に運ぶ。
「小さく切って茶と一緒に食えって言ったのに何してんだてめぇらはよ」
「お茶っていうかホットミルクだけどね」
菓子樹木から離れ、ソーラーモンの熱を利用しミルクを沸かしていた先原マイトとハイコマンドラモンが帰還した。

ソーラーモンは黒白の、ハイコマンドラモンはジャッジメンターのパートナーであるが、熱源役と少なくはない食器の運搬役としてマイトに同行していた。
「お前体調と食い方合ってねえんだよ考え無しのガキか、ミルクはもうちょい冷ましてから飲め」
「わりと食い方やんちゃだよな黒白、ナイフくれ俺が切るから」
マイトが悪態をつきながら食器を広げ、沸かしたての熱さを忠告しながらそれぞれのカップに注ぎ、ナイフを受け取ったジャッジメンターは慣れた手つきでバームクーヘンを切り分けていく。
黒白は言われた通りミルクの温度が下がるのを待ちながら、皿にバームクーヘンを置き相方に差し出した。
「反省してまーす、ソーラーモン残り食べてミルク有りでもキツい」
「屋外コンロという大役を果たした当機への報酬が食べ残しとは極めて納得し難い、もぎたてフレッシュな方を所望する」
食べ残しを無視したソーラーモンは自分の分を確保しに菓子樹木へと飛んだ。
丁度良い大きさのバームクーヘンが成っている太い枝に飛ぶ、その目に枝の上で元から丸い腹を更に丸く膨らませ幹にもたれる見慣れた姿が飛び込んできた。

「……なにをしているツカイモン」
「あっソーラーモンだやっほー、えっとね最初は楽しかったんだけど食べ過ぎたのと飽きてこんな感じ」
先原マイトのパートナーであるツカイモン、この奇妙な木に夢中になり、枝とバームクーヘンの間に姿を消していた彼である。
かじられ削れた幹に背を預け、ゲップをしながら答えるその姿。
自身の中で呆れという感情の精度が上昇した事を確認しながら、ソーラーモンはハイコマンドラモンに通信を送る。
(ソーラーモンよりハイコマンドラモンへ緊急連絡、これよりツカイモンを投下する、所定の位置で待機されたし)
(えっ？待って待って何があったの)
唐突な連絡に戸惑う相手を無視し、ソーラーモンは体に備わった両の歯車で器用にツカイモンを持ち上げた。
「先に帰れツカイモン、ミルクの用意も出来ている」
「ミルク？なんか飲みたかったからうれしー！ソーラーモンは行かないの？」
「当機は当機の食べる分を確保する、ではさらばだ、下手にもがくなよ」
「えっ？」
ツカイモンが意味を理解するより先に歯車がその体から離れ、普段より重くなり小さな羽では飛べなくなった体は悲鳴と共に地へと落ちていった。

発端
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夏祭りの進捗止まっててごめんなさぁい！

何が意欲を立てるかわからんもんだなあ
マイト公式さんの書く黒白は年相応で好きよありがとう…

ジャッジ君出してくれてありがと〜

気の置けない男友達感あってこいつら好きなんだ

デジタルワールドにありそうな胡乱な木
アトラーカブテリモン様の森にもあるんだろうな

マイクロビキニの木に比べたら食べ物なだけまとも

デジモンたちも仲良くてわむ

メンター組すき
大人になってもわちゃわちゃしててほしい

男子高校生みたいな集まりだけどジャッジメンター君だけ成人してるんだよな…

お許しが出たぜ…
ツカイモンのデジヴァイス盗難(元から自分の)書き直し含めたリメイクもしたいし頑張る

パートナー達も絡ませたいから考える箇所多いけど書いてて楽しいですこのチーム

>男子高校生みたいな集まりだけどジャッジメンター君だけ成人してるんだよな…
20代なんて大人の顔してるけど中味は男子高校生みたいなもんだぞ

30代になったけど未だにデジモンでキャッキャしてるぞ

やめな！

せっかくだしなんか解説しとこうか…
マイトがジャッジメンター樫戸さんに敬語使わなかったり年上扱いしないのは素顔も出さずに他人に危険な仕事をさせる男って第一印象から単純に態度悪めだった
感情は割とすぐに改善するけど惰性に加えて上下関係や年長者なのを意識させると上の者の責務とか考え出して面倒臭そうなのもあり今の感じに

ジャッジメンターは面倒見がいいタイプだからな…