「はぁ…何やってるんだろう僕…」 「ワミさんだって…化け物には変わりないじゃないですか…!」 甦咲 京(ソノザキ ケイ) 男・26歳 とあるIT企業に勤める男。日々激務に心身をすり減らしている。 パートナーのラミアモンとは4年前に出会った時からガッツリ肉体関係にある。 大学時代はバンドをやっており、担当楽器はドラムだった。 とある果実のマークの多国籍テクノロジー企業の製品の大ファンであり、スマートフォンは毎年買い替えるし、その企業の製品で身の回りを固めているタイプ。 デジヴァイスの類は所持していないが、ラミアモンは彼のスマホやPC、スマートウォッチに勝手に出入りしている。 うっすらとデジモンに嫌悪感を抱いているため、パートナーであるラミアモンにも棘のある態度を取ることがある。 その場合、大抵は夜にお仕置きとして搾り取られている。 「うちはワミ。よろしゅうな〜」 「お兄さん、ほんまにかわええお人♡」 「化ケ物やなんてひどいわぁ…ちゃあんと、お仕置きせなあきまへんなぁ…♡」 ラミアモン 京のパートナーデジモン。ワミという個体名を名乗る。 デジタルワールド・シャンバラ出身で、そのデータの影響でエセ京都弁を喋る。いけずとかよく言うが、意味はあまり理解していない。 通常ラミアモンは毒の扱いに長けるが、彼女の場合、折り畳んだ傘で敵をぶん殴る、自らの長い身体を活かした締め上げ、全身をバネのように使った頭突きなどの戦法を得意とする。 要するに脳筋ラミアモン。 持っている傘は『ダイジャノメ』と呼ばれる特別あつらえの逸品で、ゲンシ大陸に住まう腕のいい鍛治師によるものであるという。 自分より弱々しい者が性癖で、相手に絡みつくのが好きなプレイ。 4年前に彼と一夜を共にしてから、半ば強引にパートナーをやっている。 「恐ろしきこと、蛇の如く。捷きこと、また蛇の如く。我が名は蟒蛇のメルヴァモン。」 『デジ忍法 電獣蛇身変』を使用することでメルヴァモンに進化が可能だが、長時間の維持はできない。 まだ京の前で進化したことはないため、彼はそれを知らない。 彼女が進化するメルヴァモンは一般の個体と比べ胸部が小さい。 ─────────────── 歳の離れた妹がテイマーであった為にデジモンの存在は比較的身近であったものの、彼自身にパートナーが現れることは無く、 未知の怪物と愛情を育む妹に恐怖と軽蔑の情すら抱いていた。 そんな彼に転機が訪れたのは、大学4年生の秋だった。 当時所属していたバンドサークルの新入生に告白され交際していた彼だったが、手酷く振られてしまい、 傷心の余り泥酔するまで居酒屋をハシゴした挙句、町中で眠り始めようとしていた。 「かあいそうやわぁ…心がキズ付いたお人の香り…。お兄さんの事、うちが癒してあげましょか?」 そう声をかけてきた女性と、彼は酒の勢いで一夜を共にした。 翌朝。 「ば…ば…化け物!!!?!?」 彼の隣に寝ていた女性は人間ではなく、デジモンだった。 「イヤやわぁ化ケ物やなんて。昨日はうちのこと、あんな情熱的に愛してくれはったのに。」 ラミアモンはそう言い、彼に体を巻き付ける。 「セキニン、取ってくれはりますよね?」 こうして、彼はテイマーとなったのだ。