「お、おおおおおおおおお茶をももももももも持ってきましたたたたたたた」 「はぐむんお、おおおおお落ち着いてててて」 彼女たちは宮尾時雨と安積はぐむ、あちしからスカウトしたメイドの新人です …もっとも、緊張しているためかよくへましますがね 「二人とも、落ち着いてください…ね?」 「ひゃい!?」 はぐむが糸音の声に驚き、糸音の服にお茶がかかってしまった 「あわわわわわわわわわわ!?」 「はぐむん、ままだ大丈夫なはずだからららら」 すっかりパニックになってしまった二人 「大丈夫ですよこのくらい」 そう言いながら糸音は変身する 「い、いいいいいい」 「ごめんなさい!ごめんなさい!!」 何もする気ないのだが、変身した糸音を見て許しを請いだす時雨と糸におびえだすはぐむ 「……何もしませんよ、貴方達はまだ新人なんですしね」 「…糸で操ったり、夜中に呼び出して酷いことしたりしないんですか…?」 「しませんよ…よほど酷いメイドではなければ…ね?時雨さん」 「あ、ああああああ!!」 新人の中でも家事などか下手な時雨を見ながらそんな事を言う糸音 顔が蒼くなる時雨 「時雨ちゃんには…酷いこと、しないでください!」 「はぐむん…」 時雨をかばうように前に立つはぐむ、その顔は恐怖しているが…時雨のためなら立ち向かえるようだ 「…いえ、酷いことはしませんよ……ちょっとお勉強してもらうだけですが…」 「勉強って言って糸入れるんだ…」 「ぼく…終わったんだ」 全く話を聞かない二人を相手にハァ…、と思わずため息が出る糸音 (新人研修はしたはずなんですがねぇ…糸でも入れましょうか) そう考えながら二人の顔を眺める 「…まぁ、良いでしょう」 眼鏡を光らせながら、糸音は変身したまま椅子に座る 「人には得手不得手がありますし、これから学んでいけばいいですよ」 「…はぐむん、ボクこいつキライだ」 「時雨ちゃん、一応ご主人様だからね?」 …この二人案外ふてぶてしいのではと思いながら 「まぁ嫌ってくれても構いませんよ……酷過ぎたら糸で調教するだけですからね」 そう言って二人に仕事をさせる糸音 まぁ、はぐむの方は多少メイドの仕事が出来てるし、時雨はやり方が分からないだけですね (…一番の問題は、緊張しすぎてる事ですね) 「わぁぁああ!?」「時雨ちゃーん!!」 躓いてこけてお皿を割っている時雨とはぐむを見ながら糸音はそう思うのだった