二人の子供は元気いっぱいです。覚えたてのあんよで走り回っては転んで、泣いて、お母さんの元へ帰って来る。その繰り返しです
「まるで宇宙探査船みたいだね」とマチュ、我が子の元気っぷりにわらっています。子が衛星だとしたらお母さんは惑星です
お母さんの周辺をグルグル回るのが幼児というわけです。
今日もニャアンの下の子（妹ニャアン）と玩具をしゃぶってみてり。玩具の取り合いをしてみたり、一緒にあそんでみたり忙しいです。
玩具はニャアンの上の子（姉ニャアン）のお下がりより、マチュ持参の玩具が結構多いようです。オーガニックに生きたいマチュは木の玩具をよくもってきます。
そんな二人の子を見ながらニャアンはコップに注いだ牛乳をマチュに渡します。
マチュがグイッと飲んだ所で話が始まります
「ねぇマチュ…今度児童会館で『集まり』があるんだけど？行ってみない？」
「『集まり』なにそれ？」
会館での『集まり』、確実に町内会関係の会合なんて絶対いいイメージありません…もしくは宗教の勧誘かどちらかです

「ニャアンは…神様とかに目覚めちゃった人?」マチュ訝しみます
「いや…そういうのじゃなくて、子育て支援センターの『集まり』だよマチュ、赤ちゃんが他の赤ちゃんと触れ合う機会を作る場所なんだよ。ママさん達の交流にもなる」
「へー…そういうの、ウチの子にはまだ早いかなーまだ1歳だし！」
「早いって事はないよマチュ」
ニャアンは訂正します。
「マチュは保育園…通わせるんでしょ？いつか」
「うん、仕事あるからね！少なくとも月1で預けるかな」
マチュとシュウジはアトリエ「(有)イトウ工房」を営んでおります。営業日は毎月第三水曜日のみ。代表はシュウジ、マチュは専務という事で経理と営業担当
「早い内に他の子に馴れさせないと…人見知りになっちゃうよ、他の子と接する訓練だと思って」
「訓練か…考えてもいなかったなニャアン達といっしょに遊んでるし」
「将来、学校に上がったら他の子とも接する訳だし行ってもみよう」

ニャアンは積極的でした。経験者だからこそ、わかる事なのかもしれません。
第一子の時にはマチュやシュウジ、エグザべくんがサポートしてましたが、みな育児経験ゼロの素人でした。
ニャアンも日頃からマチュに先輩ママ達に助けられたと話していました。
「じゃあ行くかな！仲良くできるかなぁ〜？」
マチュ我が子を抱きしめます
「ふれあい、ふれあいが大事だから」
ニャアンも同じく我が子を抱えます。人妻達の午前はこうして過ぎていきます。
お昼はニャアンの家で昨日の残りのキーマカレーを食べたそうな
シュウジの存在は忘れられていました。イトウ工房ではハラペコムシがお腹をすかせていたという

―――当日、児童会館には団地じゅうの赤子が集まってました。その数10人
ママさん達の数も10数人、パパさんも何人かいました。シュウジもこっそり参加していました
同じ団地に住んでいるママさんだけでこれだけの数ですからジオン公共団地がいかにマンモス団地かがわかります
「はじめまして」「はじめまして」とにかく全員はじめましてです。みな中庭で合った際に会釈する程度の仲でした
「はいみなさーん、こんにちは！」「こんにちわー」「今日は参加していただきありがとうございます―――」
子育て支援センターのコモりんが音頭を取ります。「ママさんふれあい会」通称ママさん回が始まります。

「あらニャアンさん…」「お久しぶりです」コモりんとニャアンが邂逅してしまいました、一瞬緊張感が走ります。ニュータイプ特有の電流流れます
「二人目…ですね」「はい」「元気な赤ちゃんですね！」「はい…」会話は手短に終わりました。ニュータイプの修羅場は回避されました。

クッションタイルが敷き詰められた会場で、みな車座になって助産師兼保健師コモりんのお話を聞きます。
おかあさんに抱かれた1歳児達がはじめて見る顔にビビりながらも接触を図ろうとしています。無関心といわんばかりにお母さんに甘えてる子もいます
お話の内容はこのふれあい会の意義と1歳児保育の注意点、相談窓口の案内などでした。
注意点はみな同じで「包丁棚に南京錠をかける」のはママさん達の共通認識でした

お話が終わったらママさん達のふれあい会です。マチュの子もニャアン（妹）も未知である相手に興味津々です。ですが。
「――みんな、怖かった。自分以外の存在に怖かったんだ。」シュウジは後にそう語ります
10人の乳幼児。みんなギャン泣きでお母さんの元へダッシュで戻ります。
「最初はこういうものですから、回を重ねて仲良くなっていくんですよ」とコモりん
「大丈夫かしら…」と不安になるママさん達に「一人目もこんな調子だったわ」と先輩ママ達がアドバイス。その中にニャアンもいました
マチュの子だけ元気でした。我存ぜぬといった感じで玩具で遊んでました
「大丈夫かなあの子…」「たぶんこれがあの子の強みなんだとガンダムが言っている」とおとうさんシュウジはおかあさんマチュを元気づけます。
こうしてUC.0090年度第一回「ジオンママさんふれあい回」は終わりました。

「どうだったマチュ？」ニャアンは我が子を抱きながら聞きます。人工照明の夕陽が長い影を作っていました。
「なんか…みんないろいろ考えているんだなって」マチュは両手を後頭部に組みながら堪えます。シュウちゃんはチビマチュを肩車していました
「なんかさ…聞こえちゃうじゃん「みんなの考えてる事」」マチュは頭をコツコツと二回叩きます。ニュータイプの感性である事をニャアンは悟ります。
「わたしってなんか有名人なんだなーって変な意味で思ったりして？」マチュはママさん達の裏の顔がわかってしまいました。
（（アマテ・ユズリハ…あの指名手配の？！））（（ジークアクスのパイロット））そういう感覚がマチュにひしひしと伝わります10人全てではありません、一部の人のひややかな目線だけです。ニュータイプの感性がビンビンと感じてしまいます。感じすぎてしまう故に悲しき新人類が、ここにいました。

「うん、みんな裏ではいろんな事をいう、わたしも上の子の時ひどい言葉を耳にしたよ…」
ニャアンも同じ経験をしたそうです。新米ママかつ十字勲章持ちの英雄ニャアンに対してママさん達は本当に優しかったです。なんでも教えてくれました。
やさしいママさん達の中には裏では「かわいそうな人」「下賤の身」という醜聞でニャアンの事を呼んでいる事をニャアン自身知っているのです
ニャアンは時折、泣き虫になりますが。他人の同情を買うのだけは大嫌いな気質でした。他人の同情を買う人生なんて送ってないという自負があります。

「でも…あの人達は裏でそう思っていても表には絶対ださない。普通に接してくれるいいママさん達だから信頼してあげてマチュ」
「そうだね、感謝しないとね」
「人の声が聞こえすぎる…それは悲しい事かもしれないね」シュウジが言います
「そうだね、でもそんな事でめげちゃダメだね、この子達の為にも」
「そうだよ。そうじゃないとニュータイプなんてやってらんないよね！」
マチュもなんだか前向きです
「人類が皆ニュータイプになったら、それはそれで大変そうだね」シュウジは他人事のように言ってます
とにかく家路に向かう三人。おうちには上の子とエグザべくんが待っているのだから
マチュとニャアンの育児計画はいったいどうなってしまうのでしょうね
たのしみです

以上がニャアンマチュ母子概念の全容です。母子ともに健やかに育って欲しいですね
ボクはニャアンとマチュがおかあさんになって一緒に我が子と散歩にいったり保育園の送り迎えをしたりするやさしい二次創作を書いていきたいです
もちろんエグザべくんとニャアンの「愛についての話」も書いてくよ、よろしくね
次回のジークアクスの内容次第でまだ語り足りない所があるので、続きはまた後日。

ああ
また後日な

見ない内にマチュがお母さんになってる

人間のイヤな所も見えてしまうのがニュータイプの悲しき所…

あいつ

ニャアンの住んでいる団地は5000戸単位のマンモス団地です
一年戦後のベビーブームにあやかりママさんがたくさんいます
ママ友に困らないとニャアンが言っています

ニャアン達が棲む団地の傍には児童会館があります絵本の品揃えが豊富でニャアン母子もマチュ母子もよく我が子と通っています。
団地には小学校が隣接しています
団地の子だけで小学校が埋まるほど大きい団地なのです

ニャン文章も長いな

児童会館には児童が遊べる体育館ははもちろん乳幼児も受け入れられる「赤ちゃんスペース」があります
ご家庭では置き場所にこまるため購入をためらわれる「大型絵本」が複数所蔵されており
マチュの身体くらいある「はらぺこあおむし」の大型本はチビマチュ（マチュの子供）とマチュのお気に入りです
シュウジが読み聞かせしてくれます
マチュもチビマチュもうっとりです

あいつ

すごいな

はらぺこあおむし
ハラヘリムシ
どこか似てますね

「絵本なんてタブレットでいいのでは？」という現実主義者エグザべくんがいますが
ニャアンは紙でできた絵本を読み聞かせます
「絵本も漫画も普通の本も紙で読むべきだと…わたしは思う」
その言葉にはニャアンの信念が籠もっていました
今でもあの日イズマコロニーの自室に飾ってあった漫画達は
なんとか買う直しニャアンの部屋に再び飾られています

>幼稚園バスが迎えにくる団地の入口まで約800km。けっこうな散歩です
>約800km
これ結構で済ませていい距離かなぁ？！

800kmなんてエレカーですぐだよ

片道800km…約1年にも及ぶ壮大な『散歩』がここに始まろうとしていた。

>これ結構で済ませていい距離かなぁ？！
団地は無限の大きさを秘めています
マンモス団地なのです

おかしい…コロニーの直径は6.4kmだってマチュが言ってたのに

>注意点はみな同じで「包丁棚に南京錠をかける」のはママさん達の共通認識でした
南京錠？

ハイハイする赤ちゃんはそこらじゅうの棚という棚開けまくるから
包丁もベロベロ舐める危険性があるって
ファンタスティックフォーのゴームズが言ってた

マチュは自宅保育に拘りそう
あまり保育園とか行かせなさそう

マチュは育児にそこまで拘りはないよ
けど子供にはできるだけ地球に存在する自然な物を味わって欲しいという願いがあるよ
粉ミルクが使わないですっごい高いけどヤギの乳を赤ちゃんに与えたりするよ
もしくはおっぱいの出のいいニャアンのおっぱい吸わせたりするよ
マチュのおっぱいの出は…悪いんだ多分

ニャアン怪文書もずいぶん遠くへ行ってしまったなぁ

>けど子供にはできるだけ地球に存在する自然な物を味わって欲しいという願いがあるよ
>粉ミルクが使わないですっごい高いけどヤギの乳を赤ちゃんに与えたりするよ
マチュ自然派ママ概念

>マチュ自然派ママ概念
オーガニックな力！

マチュの身体ぐらいある大型本は147cmぐらいの大きさはあるんだ
デカいな…

「オーガニック！そうオーガニック的な何かなの！」
マチュママは力説します。ここに自然派ママ、アマテ・イトウが誕生します
赤ちゃんには地球産の高いオートミールを与えます、牛乳も地球産です
「自然と化学を両立してこその人類だと思うよマチュ」
「アイスクリームおいしいね」
と添加物まみれのアイスをシュウジは舐めます
「マチュはいらないの？」
「…いる💢」
自然派ママは数秒で崩壊しました
赤ちゃんも普通に溶けたアイスを含んで喜んでましたとさ

>マチュの身体ぐらいある大型本は147cmぐらいの大きさはあるんだ
>デカいな…
マチュの身長は盛りすぎたけど「はらぺこあおむし」の大型本は1メートル以上あるよ
あとマジで重いよ
親御さんと一緒に読みましょうね

「豚汁って、なんですか？」
「ポーク入りのベジタブルスープだよマチュ」

よかった…極端な偏食思考に落ちいるマチュなんていなかったんだ
「毒抜き」とか言い出すマチュなんて見たくないもんな

「毒抜き」とはいいませんがニャアンは「デトックス」はします
ようは汗を書いて毒素を出すのです
ヨガを1時間かけてゆっくりと行います
タイツが汗でグショグショになるほど体力を使う。それがヨガなのです
マチュも一緒にやりますが。あの柔らかい身体でもニャアンの本格ヨガには悲鳴をあげるといいます

そんなニャアンにヨガを教えたのはキシリア様だという

ニャアンは腹筋すごいから運動しているんだよ
マチュは…なんかこうやわらかい感じ