一:「2025夏祭りinアリーナにお越しの皆様、こんばんわー!女装大会審査員の名張一華ちゃんでーす!みんなー!盛り上がってるかーい!」 セ:「実況兼アシスタントで呼ばれましタ、AngryTanukiGaming所属、Boudiccaことチェ・セヨンでス!よろシクお願いしマス!」 一:「さて、今回のわたしの審査基準についてですが……この世界で一番美しい人間はミサキせんぱい、一番美しいデジモンは芦原ドウモンのおばさま、カッコいい存在は拝くんであることは宇宙の常識としてご存知のことと思います!が!」 セ:「はじめテ聞いタ……」 一:「なのでそれ以外の存在がどれだけ見た目を美しく飾り立てようが至高の領域には届きません!そこでわたしは外見の美しさで審査することをしません!」 セ:「ヘエ?女装大会なのニ?見た目で審査しないなら何で審査するノ?」 一:「はい、それはですね、選手のみなさんの女装に対するスタンス、心構えです!」 セ:「心構え……デスか?」 一:「そうです!女装の真髄は本人の精神性にあると言ってもいいです。女装してもなお心の漢が燃え盛る人、女装で以て己を高め点に至る人、雌堕ちの果てに底なし沼へと沈み腐る人……そのどれもが審査し評価すべき有り様です!」 セ:「そうナンですカ?」 一:「故にわたしは見た目はあまり重視いたしません!誇り高く女装するものは須く尊いのです!ただし……」 セ:「ただシ?」 一:「あまりにも手抜きな女装は大きく減点します。女装としての最低限のドレスコードとエチケットは守ってください、ね?」 セ:「なるホドわかりマシタ!それでは早速エントリー順に見て行きまショウ!」 650:龍ヶ崎焚竜→4点 セ:「サテまず最初は龍ヶ崎焚竜くン!ズイブン小っちゃくてカワイイですネ!」 一:「見た目は可愛いけど中身はどうかしら、ね?……あらやだウチの制服じゃない。ちょっとユリカ!これ着せたのあなたでしょ!……まあともかくぱっと見ちっちゃなロリメイドだけど表情がダメね。恥じらいも開き直りも感じられない、心底めんどくさいな―、っていう女装者の無関心さが出てるわ。ただのスカート穿かされただけの女装に価値は無いわ。4点!」 セ:「厳しいネー。」 621:戰場騎士→8点 セ:「続いては戰場騎士くン!オオー、コレもいいですネー!ピナフォアとレースアップブーツに……ケープではなく男物のコートとは面白イ組み合わせデスね!」 一:「ほほうこれは……ガーターも装備してるのはとても素晴らしいですね。そしてこの表情!開き直ってると見せかけてこれは無知シチュ入ってるってやつですね!男子高校生でその表情はなかなかにレアだけど好感度高いわ!……えっそのままの格好で出店巡り?ますます素晴らしい!意味もわからず女装して笑顔になってる男子高校生から取れる栄養は貴重オブ貴重!8点です!」 セ:「意外と点数高いデスネ。」 一:「実際貴重なのよ、あからさまな媚びではなく、フリークス故の狂喜でもない、ナチュラルな笑顔の女装っていうのは。」 セ:「ソウなんですカ?」 一:「まだ性自認が希薄な幼少期ならともかく十代半ばを超えてるとまず見られないわ。でも、戰場さんの現状を考えると、素直に喜んでいいものではないかも知れないわね。」 セ:「ア……そう、デスネ。」 556:オアシス団員NJ-786号→採点不可・0点 一:「これ無理ゲグボふぉおあぁ!」 セ:「ダ、ダイジョブですカ?」 一:「実の息子の女装姿とか何の拷問よ!実兄の女装は仕事と割り切って耐えれたけどこれどう見てもプライベートじゃない!これもユリカの仕業なんでしょ!」 セ:「エ?息子?」 一:「しかも拝くんに似てるから余計にダメージでかい!わたしはつらい!耐えられない!死んでくれアルカナウィッチモン!」 セ:(しばらく宇宙タヌキ顔の後、我に返る)「ア、赤い浴衣にコレは……椿の花でスね?照れてるのか顔が耳まで赤くなってマスね。コレはコレでカワイイと思いマスね。」 一:「あんた……わたしの息子に手ぇ出そうってんじゃないわよね?」 セ:「ハ!?ナ、ナニ言ってるんデスかワタシにはマサヒロくンが……じゃなくテ!」 一:「…………ああ、なるほど、そういうコト、ね?(ニヤニヤ)」 セ:「???」 87:映塚黒白ケータイ→3点 セ:「続いてはデジモンの方のエントリーですネ!……映塚黒白……モン、じゃないデス?」 一:「セヨンちゃん、その人は人間よ。色々あってガラケーになっちゃった、どうしようもない人よ。」 セ:「どうしヨウもなイ、ですカ?」 一:「ええ、わたしの女友達をニ人も泣かせてる、ほんとうに仕方ない人よ。」 セ:「そんなスケコマシなんデスカ、このガラケーのヒト。」 一:「そうなの。で、そんな姿で女装?って思ったけど……こう来るのね?」 セ:「ただセルラーフォンがスクミズ着てるダケにしか見えナイですケド……」 一:「まあやるかやらないかで言えばそういうコトやっちゃう人よね、映塚さんは。自分の需要をわかってないのかそれともわかっててわざとなのか……」 セ:「まぁデモ、ユニークでミンナを笑わせてクれるカラ、ワタシは割と好きデスよ?」 一:「そうね、それはそうなのよ……。女装ファンダメンタリストたるわたしからすると言語道断モノではあるんだけど、その心意気に免じてちょっとだけ点数あげましょう。3点!」 セ:「そんなテストで名前書いテルかラ0点にはしナイみたいナ言い方……。」 277:祭後終→7点 セ:「サテ次は……結構なイケメンでスネ。チョット背が低いノモ女装大会ではアドバンテージにナリマスかネ?」 一:「外見はあまり考慮しないって言ったでしょ?……ですが男性としては背が低いことで体格にあったコスを用意できるのはいいことです。」 セ:「これハ何かの制服でショウか?」 一:「ああこれはブー……ゲホゲホッ、某国に存在が噂されてる秘密組織の制服……をイメージした、コスプレですね!」 セ:「ヘェ……そうなんデスカ。知らナカったデス。」 一:「あのダメおねーさん何やってるのよ……ええと、キリッとした成人男性がビシッとした制服を着こなしてるのは他の参加者にない魅力です。スラッと背筋を伸ばした姿勢で凛々しさもアップしてたいへんカッコいい女装となっています。」 セ:「デモなんか表情がオカしくナイでスカ?」 一:「まあ大体事情が察せられるというか無理も無いって感じよね……。理不尽な目に遭って遠い目をしてるネコのような表情ですが、それでも姿勢は崩れていないあたり、普段の鍛え方が見え隠れしています。これもまた、女装で浮かぶ男らしさといったところですね。」 セ:「それデハ採点をお願いしマス!」 一:「7点です!本人が不本意そうな表情をしているのはどんな事情があれど減点対象です。恥じらい成分が多ければ加点対象なのですが、残念ながらそういう雰囲気は感じられません。しかし衣装と本人とのマッチングは評価すべきポイントです。正直チドリさんにこんな点数をあげるのは癪ですが、審査員として公正な審査を行う義務がわたしにはあります。」 セ:「……何かワタシの知らナイ事情がアリそうデスガ、聞かナイ方がよさソウでスネ?」 31:鉄塚クロウ→6点 セ:「次の参加者ハ……ズイぶん逞しイ人が出て来まシタ!」 一:「ある意味懐かしいテンプレのような女装が出てきました。ウィッグ・ベタな厚化粧・胸パッドという平成を飛び越えて昭和の域に届きそうなストロングスタイルです。」 セ:「あっデモこの人ツケマしてマスよ?」 一:「よく気づきましたねセヨンちゃん。その点でこの女装は一味違うものになっています。化粧越しでもわかるほどに羞恥で紅潮した顔とあいまって大変な嗜虐心を唆る逸品となっています。逞しい男子の恥ずかしがる顔は最高の甘露とされています。いいですね!」 セ:「コレはマダ『雌堕ち』ジャないンデスよネ?」 一:「はい、まだですね。鉄塚選手はこの路線ですとややハードでマニア受けする雌堕ちがマッチすると思われます。ですが本人にはその意識が無いようですね。」 セ:「ハハァ……それデ、今回の得点ハ?」 一:「6点です。非常に女装に不向きな人が挑戦し、ここまで持ってきたことは称賛に値します。点数こそ6点ですが、この女装には点数に出せない価値があります。鉄塚選手は誇りに思ってください。」 355:アカリちゃん→10点 一:「疵痕とは、美しさを損なうものでしょうか?……もし、それでもまだ美しさを保っているのならば、疵痕はむしろ、美しさを引き立てるのではないでしょうか?」 セ:「イキナリ何ですカ?」 一:「素材は完璧……メイクもバッチシ……衣装はエクセレント……しかし顔の疵はそのまま。この女装にはただならぬ美学を感じます。」 セ:「美学……デスカ?」 一:「ええ……見た目の美しさは作れるというスタンスのわたしとしては、正直認め難いです。しかし、その美学に対して敬意を払わなければ、審査員として公正でも公平でもない、とわたしは考えます。」 セ:「ツマリ?」 一:「おめでとうございます、あなたが最初の10点満点です。」 447:落利流礼ロロ→10点 一:「パーフェクトよウォルター。」 セ:「イキナリ何ですカ。ウォルターじゃナクてセヨンです。」 一:「見なさいあの元気かつコケティッシュな笑顔を!あれは心の底から女装を楽しんでいる、そういう顔よッ!そう……『男の子なのに女の格好してる』じゃあないッ!『僕は男の子です』『だから女装をします』と本気で言っている顔よッ!」 セ:「そこマデ……」 一:「下着まで抜かりなく女装しているのがその証拠!それでいてあの子の目には雄を感じる……無知シチュだとか雌堕ちだとか、そんな安直なもんじゃあない、もっと素晴らしいものの断片を味わっているッ!」 セ:「スミマセンちょっとヨク分かんナイのデもう少し具体的ニ……」 一:「いいでしょう。このロロ選手は自身がかわいい存在であることを自覚しています。そして、そのかわいさを最大限に引き出す手段が女装であることも理解しています。その一方で、彼の性自認は紛れもなく男性です。普通なら女装には躊躇するものです。」 セ:「ソレはそうデスネ。」 一:「しかし!彼は全く躊躇うことなく女装しています。己を高めるためなら猪突猛進、これが男らしい、いえ、漢と呼ばずしてなんと呼ぶのか!」 セ:(力説に若干引いている) 一:「彼こそ男の中の男の娘、いえ、『漢の娘』です!あれこそが真に男らしい女装、最も男らしい行為としての女装に他なりません!パーフェクト、10点です!!」 セ:「オオ……立て続けに10点満点が出ましタ!」 一:「今回は10点が満点であるため10点をつけました。しかしこの女装には10点では収まらない価値と魂が宿っています。今回5点以下だった参加選手の皆さんは、是非ロロ選手を手本として今後に励んでください。」 843:天満鳴弦→8点 セ:「今度ハ……ニッポンのロックダマシーを感じさセル女装が来まシタ!」 一:「セーラー服にスパッツアンド縞パンとは実に平成を感じさせるネオクラシカルな選択ですね。夏らしく、一切隠すことなく男を、雄の肉体を魅せつける漢気女装です。」 セ:「ココまデ男であるコトを隠さナイのハ珍しいデスね?」 一:「思春期入りたてのオスと大人が隠し味程度に混ざった太ももが実に眩しいです。女装者の照れのない表情もいいですね。これはガチな方々からよくない目で見られます。」 セ:「ワタシはこうイウ方向の女装は割ト好みデスね。」 一:「このような女らしさをまったく目指さない女装は人によって好き嫌いが真っ二つに割れます。しかしわたしは今回自分の好みは無視して公正な審査をすると決めています。8点です!」 セ:「理由を聞いテモいいデスカ?」 一:「三味線や高下駄が統一感を乱しているからです。そのミスマッチを好む人もいるでしょうが、あえて減点対象としました。もう少しギャルっぽい下駄やデコった楽器ならば満点を狙えたかも知れません。」 21:日野勇太→9点 セ:「サテこちらモ男子高校生ですネ、ヒノ・ユータさん……カジュアルなファッションはコノ大会でハ逆に珍しいデスネ。」 一:「ふんわり赤毛が拝くんを思い出させてちょっとしんみりしちゃう……むむっ!これはすごいですよセヨンちゃん!」 セ:「ナ、何がデスか?」 一:「わたしの眼り、わたしの情報によると!この人は彼女さんの下着を着用しています!」 セ:「エッ……それハ確かニ。……ン?デモ女性下着を着けテル参加者は他にもタクサンいまスよ?」 一:「チッチッチ……わかってないわねセヨンちゃん。これはね、マーキングなのよ。」 セ:「マーキング、ですカ?」 一:「直接肌が接する……それも局部に密着する部位に自分の匂いのついたものを着せる、それ即ち自分の匂いを付けることでこの男の所有者であると泥棒猫を威嚇する、まさにマーキングなのよ!」 セ:「ソ……ソレは凄い独占欲ですネ。というコトはこのユータさんは彼女サンのペットみたいなモノなんデスカ?」 一:「そう思うでしょ?でもそれは早計なのよ。野生動物のマーキングというのは、縄張りに対しても行われるのよ?」 セ:「……ツマリどういうコトでス?」 一:「その場合、彼女さんにとってこの人は居場所であり、安らげる場であり、帰るべきねぐらだということよ。たとえて言うなら母の胸のようなものね。」 セ:「……オモニの胸、デスか?」 一:「もしかしたら彼女さんは心のなかではこの人にバブ味を感じてオギャってたりするかもしれない、ってことね。」 セ:「そ……ソンナことマデわかるんデスカ?」 一:「さあ?あくまでわたしの勝手な想像よ。でも女装者と彼女さんのただならぬ関係が垣間見えるのは確かよ。」 セ:「ハァ……」 一:「惜しむらくは女装者の側に女装に対するポジティブかつアグレッシブな意識が薄いということね。『恥ずかしいけどキミのために頑張って女装したよ!褒めて褒めて!』というスタンスなら完璧だったわね。」 セ:「やっぱりペットじゃないデスカ?」 一:「愛玩犬と見せかけて番犬かもしれないわよ。犬はどんなにかわいいワンコでも肉食獣なことを忘れてはダメよ。」 セ:「ソレは……ソウなんデスけど。」 一:「というわけで9点です、惜しかったですね!」 819:日矢見大蛇→10点 セ:「次はオロチくンでスネ……これレベル高くないデス?」 一:「ええ……このような才能が隠れていたことに正直驚きを隠せません。服装自体はオーソドックスなピナフォア……いわゆるエプロンドレスですがこの場合はメイド服と言ったほうがいいでしょう。」 セ:「ガーターとストッキングが見えてマスネ……と言うコトは?」 一:「下着も……でしょうね。しかし何より重要なのはアピールポーズと表情です!ウインクして舌を出し、ちらりとスカートをめくってみせる挑発的な態度と表情!これはもう完全に煽ってます!Catch Me If You Can!です!!」 セ:「ワタシが男だっタラ引っかカッテしまいソウでス。」 一:「Trapの先に在る雌堕ちも、非常に多彩なパターンに対応できると見ました。わからせ、快楽墜ち、逆転襲い受け……どれもこなせる十年に一人の逸材です。」 セ:「そこマデ……」 一:「素質、表情、その活かし方、そして心構え、どれをとっても最高の雄メスガキです。10点満点を差し上げざるを得ません!」 688:マヒロ→9点 一:「さて、女装において今だ決着を見ぬ重要な命題……『下着は男物か女物か』というクエスチョンにコミットするアンサー、それがパンツレスです。」 セ:「それノーパンっテ言うんジャないんデスか?」 一:「地方によってはそうとも言うわね。さて!このマヒロ君ですが、包帯服はエロコスとしては夏よりもむしろハロウィンで見かけるジャンルですね。わたしも以前ハロウィンで…………ウッ……思い……出せない……キリ……キリエ……」 セ:「ア、アノ……ダイジョブですカ?」 一:「失礼、少し取り乱しました。この子は包帯の下にどうやら下着をつけていないようです。これは実にポイントたか……ホウタイノシタノーパン……ノーブラ……ウッ頭が。」 セ:「ホントにダイジョウブなんデス?」 一:「ダイジョウブデス!(食い気味に)……もう一つポイントが高いのはこの涙目で怯えてるような表情です!全国の肉食獣なお兄さんお姉さん!ここにおいしそうな獲物がいますよー!」 セ:「イチカさンも肉食獣の一匹ですヨネ?」 一:「この怯え顔と意外性のコンビネーションをわたしは評価しましょう。9点です!これは衣装チョイスしたプロデューサーへの評価を含みます。」 257:梅揃アラシ セ:「コチラはオーソッドクスに浴衣姿でのエントリーでス!白地に梅花と……地毛デスか?」 一:「爽やかさと自信を湛えた王子様スマイルに比較的シンプルながらも清楚さや高潔さを併せ持つ柄の浴衣。素材の魅力を最大限に活かした素晴らしい構成ですね。」 セ:「女装なノに王子様感がスゴいデスね。コレは夢女子マッシグラーでスネ。」 一:「イケメン女子の風格を漂わせる女装というのは一見アンビバレンツですが実現すればこのように強力な破壊力を発揮します。ただ……」 セ:「タダ?何か不満がアルのデスか?」 一:「半ば難癖に近いのですが、最小限の要素で最大限の効果を発揮しているために、逆に必殺技足り得る強烈かつ個性的なセールスポイントに欠けます。」 セ:「コレだけ完成度高いナラそんなモノは不要じゃナイデスか?」 一:「その考えも理解できます。なので評価は9点としますが、これは限りなく10点満点に近い9点だと思っていただいて結構です。髪飾りや巾着など、もっと小物を意識すると文句なしだったでしょう。神は細部に宿ります。」 おまけ 雑談スレ1339097848の1754097164845.pngに対する審査講評→2点 一:「表情!表情がよく見えません!これは致命的な減点対象です!そして単にビキニを着ている格好だけで女装と言い張るその蛮行!露出度の高さは女装の審査において何のアドバンテージにもなりません!これでは女装に対する意気込みや心構えが全く見えず、単なる変態でしかありません!2点です!」 セ:「その2点はドコかラ……?」 一:「ちゃんと局部と乳首を隠しているのと、ウィッグをつけているので2点です。どっちか欠けてたら1点でした。」