・三角純(みすみすみ) 保有能力:「魔の三角海域(バミューダ)」水面に望む範囲の三角形のエリアを見出し、そのエリアへ侵入したものから浮力及び揚力を奪って水底へ沈める 冒険当時のパートナー:サイケモン→グルルモン→アンティラモン→ホーリードラモン かつてデジタルワールドとイグドラシルの危機を救った旅をしたらしい。 今は神出鬼没な渾沌的存在「アンコちゃん」からデジタルワールドに出入りする子供たちを守るために 「アンコちゃん対策部」としてかつての仲間たちと活動しアンコちゃんの情報を集めている。 純がうまれた後しばらく母親はシンママをしており当時父親は息子の誕生を知らなかった。 母から父への想いが強く、父方の性を強く意識した名前を息子に付けたが、 その後しばらくして両親はめでたく結ばれたためダジャレのような名前になってしまった。 父親は異世界から転移して来た元勇者、母親はその異世界へ召喚されて異世界を冒険して帰ってきた経緯を持つが現在の純自身の生活には関係がない。 そんな息子は勇者的な力は無いが「水面に望む範囲の三角形のエリアを見出し、そのエリアへ侵入したものから浮力及び揚力を奪う」という複雑な特殊能力を秘 めており、純は「魔の三角海域(バミューダと読む)」と名付けた。 在学校は特殊な治安の悪さで有名なのだが、彼の日常において暗黒水泳部との喧嘩の際にしかその能力が発揮されることはほとんどなく、そんな場面でも能力を全力で出力したことはなかった。 ある日のこと、暗黒水泳部が彼らのプールにて風紀委員と衝突している現場に遭遇。 どちらの陣営にも好ましい感情を持たない純は相乗的に高まる衝動からバミューダを初めて全力発動、そして「物体を水底へ落とす能力」だと思い込んでいた力の本質を初めて知ることとなった。 なんと彼が見出した三角形のエリアが突如「立体的なブロックノイズ」としか表現できない現象を伴ってその場の生徒たちからも認識できるほど現実にまばゆく発光を始めたのだ。 「なんとなく嫌な気がした」と暗黒水泳部はその発光エリアから間一髪で逃げ出したのだが事態を把握できていないままエリア内に取り残された風紀委員の生徒たちは光の中へ堕ちたのだ。 もちろんプールの底などにはいない、海面の光の中へ落ちたとしか表現できない現象を純は確かに見た。 しかし、次の瞬間には風紀委員メンバーは光の中から飛び出して……何者かに打ち上げられたかのように宙を舞って帰ってきた。 「バケモノだ!」 宙を舞う風紀委員の一人がそう叫ぶと光から溢れるブロックノイズが急激に増加、溢れ出すというよりもまるで噴火のようだ。 吹き荒れるブロックノイズの中から現れたのは浅黒い巨大な蛸入道と人間と変わらないサイズで槍を持つの異形の軍団。 その軍団をみて半魚人だと誰かが叫ぶ。 純が能力の全力発動を実行してからこの間1分足らずである。 あまりの出来事に純自身も呆気に取られていたが力を停止させなければとやっと気が付く。 「バミューダが消えない!?」 彼の認識としてはバミューダは水面へエリアを漠然と発生消滅させるものだったが、実際に彼が行っていたのは異世界への扉の生成とその開閉なのだ。 異物としてバケモノがその扉を跨いでいるために閉じることが不可能であることに気が付くには、冷静さも自身の能力への理解度も圧倒的に足りていない。 蛸入道のバケモノはその全貌を見せんとバミューダから徐々に這い出して来るし、蛸入道とバミューダの隙間からは半魚人のバケモノが我先にと飛び出し暗黒水泳部員と戦闘が始まっていた。 さすがは暗黒水泳部である、初めて見る半魚人のバケモノ相手に水中で難なく応戦し、またプールから這い出た風紀委員たちもプールサイドから暗黒水泳部員を援護している。 しかし肝心の巨大な蛸入道はどうだろうか、おそらくあれの腕の一本でもバミューダから抜け出してしまえば生徒たちは一凪ぎで一掃されてしまう。 もうダメなのか、純が諦めかけたその時突然蛸入道は上空からの衝撃波を受けてバミューダの光へと落とされた。 「へえ、これが俺の次の使命か!」 純の後ろから自信に満ちた覇気のある声が突き抜ける。 「君が俺を導いてくれるんだな!」 背後に立つ声の主は恐らく純に語り掛けているが再び呆気にとられ咄嗟には声がでない。 「さあ俺たちの新しい門出の第一歩だ!」 ――こいつは…なにを言っているんだ? 次の瞬間、声の主は純を片手で抱き抱える。 「え、俺…達!?たちって俺!?」 気が付けばバミューダの光の真上だ。 「解除!能力解除!!魔の海域よ静まあっあーーーーーっ!」 あの時、冒険が進化した。