炭「」雪の子供とFFするカナヲ怪文書 竈門炭治郎が亡くなった 妻と息子、そしてこれまでに一緒に戦ってきた仲間に囲まれて炭治郎は幸せそうな顔でゆるりと目を閉じた その後直ぐに後を追うように竈門「」雪も亡くなった 冬の寒い日だったその名に冠する雪の降る日に彼女は1人残してしまう息子炭雪を友であるカナヲに託し世を去った どちらも満二十五歳、まだ若く周りに慕われ明るい夫婦は無惨との死闘で発現させた痣の代償を支払い共に空へと旅立った 残された五歳の炭雪は生前から夫婦と仲の良かったカナヲに託され蝶屋敷で育てられている 我妻夫婦や他の隊士達も顔を出しては年々濃くなっていく両親の面影を見てはやれ目元が似ているやら口元が似ていると言って懐かしがっている カナヲは炭治郎と「」雪2人にとても感謝していた 裏と表の選択肢しかなかったカナヲにどちらも根気よく話しかけ、時には拳を奮ってきたがカナヲとの対話を諦めず遂にはカナヲの感情を蘇らせてくれた恩人だ その恩にカナヲは報いたかった だから、忘形見のあの子の事は良く見ていた 庭を駆け回る姿も、木から落ちたのに笑っている姿も、悪戯をしてアオイに叱られている姿も、2人が居ない寂しさで泣いている姿も、年々2人に似てきている姿も その全てを見て、励まし時には叱り一緒に笑って一緒に泣いてカナヲは出来る限りの時間をかけて炭雪に寄り添った 母のように、姉のように、もしかしたら恋人の様にもカナヲは炭雪を慈しみ愛情を注いだ ……それがいけなかったのかもしれない 炭雪の十五歳の誕生日 カナヲは炭雪と花火を見に来ていた 夏に生まれた炭雪は毎年花火と共に歳を取る 15回目の花火を二人で見上げる 何時もなら花火祭りに善逸や善逸に連れられた禰豆子ちゃん、他の蝶屋敷の子達と来るのだが今年は炭雪がどうしてもと言うので二人で花火を見に行くことになった 打ち上がる花火を横目にカナヲはチラリと炭雪を盗み見る 花火に横顔が照らされ少しだけブレて見え炭雪の顔が炭治郎の様にも「」雪の様にも見えてしまう カナヲはまだ二人のことを忘れられなかった 優しく太陽の様だった炭治郎 美しく月の様だった「」雪 その面影を炭雪に一番求めていたのはカナヲだった 祭りも終盤になって来たのか大きな花火が上がり出す 炭雪は意を決してカナヲへと話し出した 「カナヲさん、今日はありがとうございました俺の我儘に付き合ってくれて」 「ううん、いいよこのくらい。いつもそうだけど炭雪はもう少し我儘でも良いくらいだよ」 「なら、もう一つだけ我儘を言っても良いかな」 「なぁに?」 普段は全く我儘なんて言わない炭雪が甘えてくれているみたいで嬉しいとカナヲは花が咲いた様に笑う その笑顔に見惚れ、たまらず炭雪はカナヲ抱きしめたそのままの勢いで今までウチに秘めていた思いを告げる 「俺、貴女の事が好きです」 「好き…なんです」 遠くでなる花火の音に掻き消えるような か細い声で炭雪は俯きながら顔を真っ赤にしている 時が止まったみたいに体が動かない 抱きしめられ仄かに感じる二人の気配と同時に言い様のない不安がカナヲを包み込む いいのかな?このまま抱きしめ返しても?炭雪の思いを受けっても良いのかな? それはあの2人への裏切りになるんじゃないの? 私は…私はどうしたいの? 炭雪の事は確かに好きだけどこの感情は家族へと向ける好意の筈 そうグルグルとドツボに嵌る程考え込んでいた事がバレたのか 困惑するカナヲを見て炭雪は笑って一歩後ろへ離れる いつも通りの快活な顔で話し続ける 「俺諦めないから!カナヲさんが何時も俺じゃなくて父さんと母さんの面影を見ているのは知ってました!でも俺が諦めが悪いのもカナヲさんは知ってますよね?まぁこれも父さんと母さん譲りだけど!」 「いつか絶対に父さんや母さんよりカナヲさんに  俺を…竈門炭雪を好きになって貰います!」 「だから、それまで待っててカナヲさん」 フッと笑って帰ろうと手を差し伸べてくるその手をカナヲは確りと握り返す 炭治郎でも「」雪でもない炭雪の顔を見た時にはカナヲの心はもう決まっていたのかも知れない  「ねぇ…炭雪私の答えも聞いてくれるかな?」 いつの間にか抜かれた背丈やがっしりとした体はもう炭雪は守られるだけの子供じゃないんだとカナヲに教えてくれる ならちゃんと1人の大人として彼に向き合わなければならない   カナヲはもう昔のカナヲじゃないコインが無くたって自分の意見を言えるようになった 確りと前を向いて、炭雪を見て口を動かす "           " 炭雪はその一言だけで十分だと笑顔でカナヲの手を引いて皆の待つ蝶屋敷へと歩き出した 終わり 昨日の「」上の炭「」雪の息子とカナヲFFが衝撃的すぎて怪文書書いてしまったよ 書いている途中カナヲこんなのだっけとか息子について捏造しすぎて大丈夫かなとか考えてた 長めの文章書くの久しぶりだから変なとこあっても許して