学生ならば本分として学業がある。大体50分程度、休憩は10分、人によってはつまらなくやる気も起きない時間だが今の虎子にとっては地獄に他ならない。 (くそっ…クソクソクソッ♡)  素知らぬ顔をしながら顔が赤くなっていないか気にしてしまう。風邪と間違われるわけにはいかない。そもそも病気などではない。 〇  先日、恭介が全力で、壊れるほどに抱くという宣言とは裏腹にその日何も無かった。代わりに今日は朝早くに呼び出しを貰った、いつもより早めに校舎に来て欲しいと頼まれアイス1個と引き換えにその望みを快諾した。  普段より静かな登校、いつもより静かな校舎、まだ生徒のいないがらんどうの建物の中を歩くとどこか不気味にも思える。指定は体育館側にある空き教室だ、渡り廊下に併設された階段を近側に下り廊下を右側に、少し進んでいくと左手側に行き止まりになった通路がある、その通路の奥に1つ人気のない部屋があった、もとは倉庫か何かだったらしいが何かの移設とともに使われることがなくなったらしい。 「本当にここなのか…?」  基本的に使われない教室には鍵が掛けられているのが普通だ、そうしておかないと不良などが勝手にたまり場にする可能性があるし警備の面でも良くはない。1回だけ入ったことはあるが、それは大掃除のためであり用事がなければ来ることもない。  意を決して手を掛ける、予想以上に軽い手ごたえで扉がスライド、開く。中の薄暗い空間が見えた、照明は付いていないが壁の上側にある窓から少しばかり日が差し込んでいる。  来客に気づいたのかすでにいた恭介が顔を上げた、虎子に気づくとよっこらせ、と若者らしさのかけらもない掛け声とともに立ち上がり向かってくる、中に入るように促すと内鍵をかけた。 「よく来てくれた」 「まあ恭介の頼みだし?」  手招きされたから近寄れば何かをカバンから取り出してくる。 「ん?なんだそれ」 「ハッカ油」  はっか?などと思わず間抜けな声が出た、物自体は知っている。塗るとすーすーするというものらしいという事だけだが。 「なんでそんなもん」  聞いてみるが、少しだけ口をつぐんでから意を決したように恭介が言う。 「脱げ」 「……??おう………??」 「聞こえたろう、僕は君に頼んだ、脱げって」 「……ここで………?」 「ここで」  急に顔が真っ赤になる。一気に体温が上がる、いきなり何を言っているのか、バカなんじゃないか?  気づけば服に手がかかっている。とっくに精神は服従済みだ、内心で疑問を感じようとも身体が従ってしまう。むしろ強い語気により背筋にゾクゾクとしたあまり痺れを感じた、酷いことをされるかもしれないという期待が心臓を高鳴らせる。 「ぬい……だぞ…?」♡」  校舎で全裸になるなど、ポルノビデオにあるシチュエーション、それもそうそうおきることでもない状況により強く疼きが起きた、望むならばすぐにでもセックスをしてもいいと思えるほどに股が熱くなってきている。 「ふむ…いつ見ても虎子の身体は綺麗だ」  嬉しそうに恭介がうなずきながら近寄ってくる。 「なんだよぉ…♡ふ、風紀委員様が悪い事するつもりか?♡」 「ああ、するぞ?」  舌なめずりとともに肯定された、まさか、と思った、授業をサボって今日1日セックスをここでするのか、誰かが通りかかるかもしれない廊下に近い、防音も全くないだろうこの部屋の中で。そのスリルを思えば確かにいろいろなものがぐちゃぐちゃになりそうだ。 「さて、まずは下ごしらえからだな」  しかし予想は裏切られる。 「は………?」 「なぜ君が驚く…昨日準備からと……いや、何をするか教えてないんだ、当然かな」 「い、いや、マジでなに、なんなの…?」 「ああ、簡単だ」  ハッカ油の入った瓶から何か別の容器に移し水で薄めて見せた、一度恭介は自分の肌に塗って何かを確かめて、再度油を追加して何かを調整している、数回ほどその工程を繰り返し満足したらしく、少し浸したハケを見せて、 「ちょっと手を出してくれ」  言われるままに手を差し出せばハッカ油を塗りつけて薄く延ばしてくる、刺激はあるか爽やかなものだ、確かつければ冷たく感じるというから確かにそんな気分になる。 「刺激はどうだ?」 「ん?まあ…それなり…か」 「ならばちょうどいいかな……では塗るぞ」 「は?今塗って…」 「乳首とクリにな」  一瞬とても間抜けな顔を浮かべたことを自分で理解する。そのうえで声を出さなかった自分をほめるべきだと思った。 「なっ………」 「さて、行くぞ」  拒もうと思いつつ手は後ろ側に、邪魔をしないように中腰になってしまう。  虎子の乳首とクリは雑魚だ。そうなるように恭介から徹底的に調教された、もとは堅物真面目鈍感童貞、ウブだった自分と性知識なんてどっこいだったはずなのに、あるいはその反動か今はおそらく鬼畜眼鏡に変貌していた。  もとより真面目な男が性行為にも直結している、どこからか仕入れた知識を生真面目に実行し言った結果虎子の身体の大半が調教済みだ。もとはささやかで乳首らしい大きさだったものが指でつまんで扱けるほどに大きくなり、包茎だったクリトリスも勃起が終わった時ですら鞘に入りきらず半分露出するほどに肥大してしまっている。  そんな性感帯と変貌した身体に刺激物を塗布される等想像しただけで大変なことになるのはわかるのに自ら身体を差し出してしまうのはもうパブロフの犬にも近い。  ゆっくりとハケが近づけば喉がなる、期待に胸が高鳴る。より身体を開発されて男のために肉が変えられることを想像するとマゾ心が疼いた、距離が0になる。 「~~~~~~~~~っ!?!??!っ!!!!???♡♡♡♡♡♡♡♡」  歯をくいしばって耐える。脳髄が焼き切れそうな快感が叩き込まれる。普段恭介からされている直接的な刺激とは種別の違う快感が目まぐるしくかき乱してくる。涙が出そうになった、脳が快感を処理しきれていない分が出そうになっている。  恭介は乳首とクリトリスに塗ると言っていた、今はまだ右乳首だけだから、あと2か所も残っている。怖くなる同時に期待する。好きな男に好きに扱われる甘い負けアクメに股が濡れそうになった。 「なかなかいい効果だ、なら、次だ」  言うと同時に左乳首ハケが来る、身体が跳ねた、すでにイキかけていた身体が絶頂を迎えている。鋭敏な感覚がより研ぎ澄まされてぬるく普通ならば何も感じない外気ですら快感になっていた。蕩けたまんこは入口がふやけて中から汁をぽたぽた垂らして床を汚していた。 「っ、くぅっ……っあぁ…はっ、ぅあぁ~~~~っ♡」 「大丈夫か?まあ大丈夫じゃなさそうだが手を緩めるつもりはないぞ」 「あ…ま、あぁ!?」  待て、という時間も貰えない。 「ほう、なかなか大きく育ったじゃないか……でももう少し大きい方がエッチだと思うぞ」  好き勝手言いながらハケでくすぐってくる。塗るよりも弄って遊ぶような動き、普通ならばちょっとむず痒い程度で終わるはずが今は鋭敏になった感覚により一気に増幅されていた、すでに乳首とクリの同時絶頂を何度も経験した身体はどこであっても性感帯を刺激する。今はクリトリスが刺激されたのに乳首が甘イキしてしまった。 しかし恭介は止まらない、イキ散らす姿を見て心底楽しそうにしてからここからが本番とばかりにしっかりとハケを塗り付けてきた、瞬間に起きるのは爆発だ。外部に露出する敏感な部分すべてに刺激が来れば後はイクほかが無かった。産まれたての獣などと生ぬるい痙攣とは違う、悶えるほどのに快感が身体を跳ね飛ばす。  足から力が抜けて、ほぼ膝立ちのままに震える。股からも力が抜けた、音を立てて尿が溢れる。 「おっと」  ハケはどこに行ったのか、備えていたとばかりに股間に布が押し当てらればすべてそれに吸い込まれた、そこまでやってようやく少しばかりの落ち着きが来る。むず痒い感覚は抑えられないが。 「こンのっ…ばかぁ…♡」  散々酷いことをされた以上の罵るくらいはしていいはずなのに、怒りは一切湧いてこなかった。一応言葉はバカ、などと言っているが声色は蕩けて、まかり間違い誰かに聞かれていても10人中9人は彼氏に甘えているだけと捉えるだろう。  それどころではない、恭介の、彼氏からの調教を愛と感じ取り身体が歓喜していた。愛した男の関心を全て独占している、眼鏡に隠れた意思の強い双眸も、愚直で生真面目な愛も、底の見えない変態性すらも、全部全部自分の物だ、私だけがこの欲望を受け止める権利がありそれは誰に渡されるものでもない。 「よしよし、よく頑張った」  優しく頭を撫でられる、本気で怒っていても絆されそうなのに怒っていない今これをされれば余計に感情が吹きあがる、やっぱ好き、超好き大好き愛してる♡横から見ればバカップル?もっとおぞましい何か?知らんな。 「ま、まあスケバン的にっ…こ、これくらい普通っ」 「待て誰かにこれをやられたのかっ!?」 「え、な、何言ってるの恭介君…?されたこと無いよっ!?」  思わず幼いころの口調に戻るほどの剣幕に、即座の否定を入れれば安心したかのように恭介は胸をなでおろした。 「そ、そうか…俺以外に虎子の身体をどうこうされていたなど…たとえ過去にあったことで合っても怒りでどうにかなりそうだ」  恭介の言葉に子宮が焼けそうになる。比喩かもしれないが少なくとも熱を持っているのは確かだ、恭介も自分を愛しているというのは重々理解している。しかしそれを知る術はなかなかない、もちろん言えば愛してると言ってくれる、態度で表してくれる、しかしふとした瞬間に漏れ出す独占欲は恭介の言葉に一切の裏が無くただただ虎子という女に染まっているという事実を教えてくれた。 「ホント、お前私の事大好きだなぁ」  からかうように言う。 「ああ、そのうえ愛してるぞ」 「……そ、そういうところだぞ」 「そうか、でも僕には僕の理屈がある、たとえなんと言われても僕は虎子を好きというのにためらいはない」 「~~~~~♡くそぉっ、私も大好きだからな!!」 「知ってる、でも言葉にされるとやっぱり嬉しいな」 「無敵かっ!?」  イカれ具合が激しいな、と思いつつそれが自分のせいで起こったことならばそれは愛おしい事だ。 「んで、あとは普通に服着ていいのかよ」  未だに乳首とクリトリスの奥底の神経が過敏になっている、布が触ればその拍子にイってしまいそうだが流石に校舎で全裸のままにはいかない。  いいぞ、という言葉で衣服をまとう。 「うぐっ…」  分かっていたがやはりこすれるだけでも意識がトびそうな刺激が来る。今日が休みで家ならもうとっくに盛っているのだろうと思った、乳首がつねられクリはつぶされすでに今の倍は体液塗れなのが容易に想像がつくし、泣きわめいても許してくれないまま絶頂地獄で愛されているはずだ。  しかし自分はこれからどうなるのだろうと虎子は思う。先日準備をすると言っていた、ならばこれだけではないのだろう。もっと意地悪で気持ちいい用意をしているはずだという直感があった。  とりあえず、と制服を着る。身体が落ち着かない。 「ふぅ…じゃあ恭介この後は――あ!?」  思わず声が出た、恭介が全裸になっていたからだ。 「んにゃっ!?お、おまっ、何してっ!?」 「ん?俺が虎子にだけとも言った記憶がないぞ」  堂々とした仁王立ちで答えてくる、真面目なのにどこか馬鹿らしい、しかしふざけているわけではない、訳の分からない塩梅で混ざった違和感の塊だった。  ほれ、とハケと容器が手渡される。 「え、正気…?」  何をバカなと言った表情で首を縦に振ってきた。 「当然だ、やりっぱなしはフェアじゃないだろう」  バカみたいな答えだが、バカみたいに生真面目な答えだ。 「ったく」  ひったくるようにハケと容器を受け取って構える。 「け、結構ヤバいからな!」 「そうか…あ、尻周りだけは今日はやめてくれよ」 「……いや、そこはやらんけど」 「ならいい、今日はワクワクしすぎて内部の洗浄を忘れてしまったんだ」 「……えっと…何で?」 「僕は虎子と気持ちよくなってると思っている」 「まあ、うん、なってるな」 「それは良かったよ…だけど、どうしても男女という差はある…性行為で言えば挿れる側と挿れられる側みたいに」 「それは…しょうがないんじゃないか?」 「ああ、身体の構造上ね…だけどそれだけを理由にしてしまうのはフェアじゃないだから…もし虎子が望むならば僕は君に尻を渡すつもりだ、もちろん同性愛者じゃないから誰かにされたこともない」 「恭介って真面目で勉強できるけど時々すっげぇバカだよな」 「結構だ、ただその時は拡張に付きあってもらうことになるが」 「………あ、うん、気が向いたらね」 「分かった」 「あ、朝から爆弾発言だぜ」 「そうだろうか?」 「ああすげぇな……ま、いいや、んじゃ………うん、そろそろ登校してくる奴もいるはずだし、行くぞ」  意を決し恭介の身体にハケをつける。 〇 (あいつぅっ……涼しい顔しやがってぇ……♡)  自分がされたようにしっかりと塗り付けた後、脂汗を流しつつも冷静な顔を保ったままの恭介を思い出し悪態をつく。しかし文句は言えない、あくまで向こうもフェアに平等にやることを徹底している以上。 (あ~~~…♡く、そぉっ……触りてぇ……けどぉ♡)  顔を真っ赤にしたままに時計をにらんだ、まだ朝の1時間しか終わっていない。今日の授業は後5時間もある、ハッカ油の持続時間は1~2時間程度、理屈で言えばもう1時間で効力は切れるがそれだけでは終わらないと予想していた。性感帯の芯に残った快楽は彼氏に絶頂させてもらわなければ絶対に解消できないはずだ。 もし恥も外聞も捨ててトイレの1室を占拠してオナニーをしたところで満足など到底できるはずがないし、そうなるように恭介は虎子の身体を弄り続けてきたし虎子ももう恭介からでなければ絶頂出来ないように意識して変わり続けた。 (もういいから早く授業終われっ……ほんとにぃっ♡)  集中力というものがすべて抜け落ちた1日はまだまだ長かった。 〇  昼休みより先はもう何をしたか覚えていなかった。脳みそがゆだったままに最後の2時間を過ごした気がする。放課後は掃除を適当に済ませると、恭介をひったくるように引きずり下校をする。  無理だった、セックスしなければもうやっていられない。  分かっていた、あるいは想像通り、ハッカ油の効果が終わった後も身体の内部で残り続けたムラムラは虎子の乳首やクリトリスの敏感な部分を介して性欲を刺激し続けた、まんこと子宮が結託して怒り「今日は絶対にセックスする!チンポぶち込ませてぐちゃぐちゃにさせて締めて搾ってびゅーびゅー精子奪う!」と腹の中で暴れていた。  恭介の家が共働きなのを知っている。恭介が大学進学を志望しているから費用の積み立ての為なのだと偶然夕飯を頂いたときに聞いた。とても偉い事だ、それに恭介は答えて勉強しなければならないだろう。  知らない、ムラムラさせたのが悪い、責任取らせる、以上。 「虎子、強引だな」  引きずられつつも一切の抵抗を見せていない恭介も、この後のことをすでに想定しているはずだ。  恭介の家に、部屋に着いた瞬間に我慢していたすべてがはじけ飛ぶ。一切の準備を放棄した、シーツ以外を汚さないために引くビニールも、いつも先にやっている講習ケアも、汗を流すために借りているシャワーも、何もかも忘れ、衣服を乱雑に脱ぎ棄てる。  痛いほどに乳首が、クリトリスが勃起している。まだ授乳器官になりえていない部位は男から虐められて快楽を作るだけのものとしてはれ上がっていた、早く触れつぶせぐちゃぐちゃにしろと自らをアピールしていた。太腿はマン汁が垂れて濡れている、ねばねばとした粘性の体液は女性器の保護という一面を一切かなぐり捨て彼氏のちんぽが入って生きた瞬間に咥えこみ、痛みも何も感じさせないで快楽を交換し合うためだけの天然ローションとしての目的だけの代物だ。 「はぁ………あぁ~…♡きょうすけぇ……♡早くしよ、セックスしよ♡おまんこズボズボして気持ちよくなろ、な♡」  媚びッ媚びの甘え声、彼氏専用ラブラブASMRを耳元で囁きながらぷにぷにとしたまんこの入口をちんぽの先にくっつけて緩く動かして挿入待ちの求愛行為。雌臭い汁を絡ませて大好きな彼氏受け入れ準備完了のサインをこれでもかと見せつける。 「ああ、分かってるとも」  恭介は言い、虎子をすっぽりと収めるように背後から抱き着いた。 〇 「んっ…♡なんだ、きょ、今日はバックか?♡いいな♡私の事発情期の猫みたいにしたから激しく使用って言うんだな♡」  くにっ………ふにゅっ♡ 「んっ…♡ぁ………ま、まんこじゃないの………?挿れないの………?」  くにっ………くにっ………くにっ………♡ 「ま…まあいつもいじくるところからだもんなっ…ルーティン?ってやつ?♡じゃあ、仕方ないっ…♡」  むにゅぅっ…むにぃっ♡ 「んっ…♡お、おっぱい…撫でられるのっ…好きだけどっ…お、お腹も?そ、そこっ…何もないけどっ…」  すりゅっ………ぐりゅっ……グニィ♡ 「ん…ぃっ!?あ…そ、そこっ…子宮っ……♡い、いつも中からだからっ……へ、変な感じがっ…♡」  すりゅっ………すりゅっ♡むにゅぅ~~~っ♡  くにっ……♡くにゅっ………ぐにぃっ♡  ぷにゅっ………むにゅぅっ♡ 「な、なあ……きょ、恭介……き、気のせいっ…?な、なんか今日っ……し、刺激よわいところばっかり♡ち、乳首の周りばっかりくすぐるしっ…♡まんこはっ……指入れないしクリつぶしてくれないしっ…♡子宮だってちんぽじゃなくてっ……外から指でぐにぃってするだけだしっ♡」  くにっ……むにっ♡ 「そっ…そうだよってぇっ♡ば、ばかぁっ♡が、がっこでっ……あ、あんなっ、されたんだからっ♡見てたでしょっ♡さっきっ!♡おまんこっ、どろどろになって恭介君がいっぱいほしいってっ♡頂戴っ♡ナカきてっ♡」  ぬちゅっ…くにゅっ♡ 「ぃっぅっ♡な、なんでぇっ♡だ、ダメって♡ずるぃっ♡言ったのにっ♡私の嫌がる事しないってっ♡なのにっ、イカせてくれにゃいぃっ♡」  むにゅぅっ…むにむにぃっ………とんっ♡とんっ♡ 「やらぁっ♡もぉ、お腹から子宮とんとんっ♡たりないよぉっ♡なんれぇっ♡い、じわるっ!♡いじわりゅぅっ♡」  ふわっ……くにぃっ……ぐにぃっ♡ 「あ、あぁっ♡らんでぇっ♡きょうすけっ、きょーすけくぅんっ♡」 〇  煮立たないようにしっかりと、雑味だけが抜けてうまみだけが残るのが下ごしらえのコツらしい。ならば手を抜くなど言語道断の行いだな、と恭介は結論付ける。少しばかりの罪悪感はスパイスに虎子が乱れ行くさまを見る。 「なんでぇ……イカせてくんねぇんだよぉっ♡」  すでに口調が壊れ始めていた、昔と今が入り交じる脳の混線具合が見て取れた。多少可哀想だ、だがダメだ、壊せと言ったのはそっちだろう?虎子。だから壊してあげよう。  手を伸ばす、性感帯は一切刺激しない。勿論自分の身体も性的な接触で臨戦態勢になっている。破裂しそうに勃起したイチモツを今すぐ虎子の中に収められたらどれだけ気持ちがイイだろうか。  しかし理性を総動員して恭介は抑えた。計画はしっかりとした準備の元に行わなければならない。1つのほころびがすべてを台無しにするからだ。 「なんでか」 「そうだよぉ」  懇願し哀願する彼女の頬に手を添える。残った手で刺激し続けることは忘れない。 「ポリネシアン・セックスだよ」 「ぁ………ぇ………?」 「スローセックスの一種らしい、僕もしっかり調べたわけじゃないが、やり方は少し調べたんだ…それをもとにすればこのやり方は本来の手順と違うわけだが」 「な、なに………?」 「本来性的接触…今やってるようなのは5日目の、セックス直前にやるようなことらしい…本当は互いの身体をじっくり観察したりただ抱き合って寝るだけなどらしいが……まあ、多分無理だろう?」 「む、むりぃ♡」 「分かってる…だから考えたんだ」 「何ぉ…」 「本来の4日かける部分を全部刺激で済ませようと」 「は………ぁ………?」 「大丈夫だ虎子、僕もかなり頑張るから一緒に次の休日まで………一緒に生殺しを楽しもうか」  笑いながらそんな風に言う。正直に白状するなら大分笑顔は無理したものだ。だが、まだ耐えられる、対照的に虎子の顔は絶望一色に染まっていた。その顔を見て少しだけ優しく笑った。5日目の、壊れ切った虎子を思って。  もしかして自分は結構サディスティックなのだろうか、未だに少しばかり残る理性でそんなことを想った。