「――おい、聞いてるのか、Λ（ラムダ）」
「……えっ？」

　少しぼうっとしてしまっていたのだろうか。呼び掛けてくる声は静かで、同時にどこか不機嫌そうだった。
　何度も通って、あるいは連れ込まれて、見慣れた秘密基地（カジノ）の中。ポーカーテーブルを挟んで向かいに座った勝負師――�X（ブイ）が、冷たさと怪訝さとを混ぜた視線を寄越していた。

「勝負の最中に考え事とは、随分と余裕そうだな？」

　呆れを滲ませたポーカーフェイスは健在でも、纏う雰囲気が少しだけ変わっているのはよく分かる。勝負を好むあまり、少しでも水を差されるのが我慢ならないらしい。
　「難儀な性分だねぇ」――そんな言葉は、注（さ）さずに飲み込んでおいた。わざわざ火に油を注す様な真似は誰だってしたくない。時に、それと分からずにしてしまう事はあるけれど。

「そんな事はないさ。特に、アンタが相手だとねぇ」

　短く応えて、配られた手札に視線を落とす。
　柔らかな光で照らされたポーカーテーブルは、芝生ほど青くはないけれど、剥き出しの地面ほど固くも寒くもない。裏向きの五枚のカードはただそこにあって、けれど誘う様に待っている……そんな風に思えた。
　そっとカードを手に取る。ダイヤのJ、クラブの J、スペードの4、クラブの3、ハートの2――既に揃っているJのワン・ペア。手堅くそれ以上を狙うか、ブタのリスクを背負ってストレートを狙うか。悩まされる手札だった。

「ベットは？」
「……最低ラインの五枚、だよ」

　機嫌を直した、いつも通りの余裕そうな声とアタシの声が静かに溶けていく。この空間は広すぎた――大して張ってもいないソレを響かせるのにも、二人きりで独占するのにも。
　薄暗さなんかは微塵も感じられず、かといって煩わしさもなく。勝負に集中できる様にきっちりと計算された……それでいて不自然さは無い、不思議な明るさで満たされた空間。多分、柔らかな光を灯す大きなシャンデリアが一つと、本来カジノにあるべきはずの喧しいスロットの類いが無いのが、その理由だった。
　「オレは相手との勝負を楽しみたいんだ。オレの運を試したいわけじゃない」――いつだったか、そんな風に溢していたのを思い出した。

「なら、オレはレイズだ。十枚まで吊り上げよう」
「うーん……一旦コールで様子見、かねぇ」
「どうぞ」
「交換は……二枚」

　二枚捨てて、配られた二枚を見る。ダイヤの4とハートの4――フルハウス。
　良い手だけれど、目の前の余裕たっぷりなコイツの鼻を明かせるかは怪しい。役通りにカードを整理して、テーブルに伏せる。

「オレは……一枚交換だな。ベットは変わらずか？」
「……コール」
「二枚交換、加えてコール……ふむ。なら、オレはレイズだ」
「チップは十五枚、か……」
「いいか？」
「いいよ。受けて立とうじゃないか」

「「Showdown!」」

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書いてて思ったけどいつになったらデュエマするんだこの勝負師…全然デュエマしねぇぞこいつ…！

おしゃれなお話だ…

ほのかちゃんという現地妻がいるのにさらに女を囲うとか見損なったぞ勝負師のお兄さん…
チームエグザイルとゲンムエンペラーとドキンダムGSとガリュディアスモモミーズガン積みします

>ほのかちゃんという現地妻がいるのにさらに女を囲うとか見損なったぞ勝負師のお兄さん…
正体がクリーチャーという地雷があるのもあって当人は恋だの愛だのは見て楽しむ専門なんですけどね…まあ女性とばっか絡んでるのでナンパ野郎と思われても仕方ないか…
>チームエグザイルとゲンムエンペラーとドキンダムGSとガリュディアスモモミーズガン積みします
RSFKにガンメタ貼るんじゃねえ殺すぞ

あいつRSFKの事になると