二次元裏@ふたば

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327229 B25/04/18(金)01:07:47No.1303341144そうだねx9 08:05頃消えます
人間に成れず、神を名乗るようになってからも、相変わらずその身は人のまま。
動けば腹が減り、疲れれば眠くなり、眠れば夢も見る。
祥子はここ最近は眠るのが億劫であった。夢見が良くないのだ。過去が己を苛むように悪夢ばかりが襲い来る。
運命に抗う為に見捨てた親と家。最愛の幼馴染の数奇な人格。自らの手で終わらせた尊き居場所。見間違えた太陽と月。誰も彼もが選択を誤った祥子を恨みがましく詰るのだ。祥子自身、それが己の自罰意識から出ているものだと理解している。だが、それでも耐え難い痛みを伴っていた。
神であっても人の身で、今日も眠らなければならない。
「さきちゃん、もう寝るの?」
「ええ、少し疲れまして」
そんな事は無い。出来れば眠りたくはない。だがこの同居人に気を遣わせるのも嫌で早々に眠る振りをするだけだった。そんな日に限って太陽は嘲笑う。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/04/18(金)01:08:07No.1303341220そうだねx2
幼き日より一度も顔を合わせた事が無い太陽は、今どのように成長しているのか見当もつかず、あの当時のまま姿を現す。
天真爛漫な太陽は、現在の祥子の手を取って、当時の記憶を巡るようにあちこちに出掛けていく。祥子に断る術はない。自らの夢であるのに祥子自身に主導権は存在していなかった。
「ここも、あそこも、こっちも、全部わたしとの思い出だったのに奪われちゃった。さきちゃんはどう思う?」
「こうやって一緒に遊んでいたのはわたしだったのにね」
「でもさきちゃんはわたしじゃなくて初音を選んだんでしょ」
太陽は祥子の手を引いたまま、奪われた自分について良く語っていた。それがこの子の本来の言動であるかは関係ない。全ては祥子の妄想に過ぎない。
思い出を侵食されていた。月の存在に全てを奪われた。その印象だけで作り上げた太陽に、在りし日の思い出を語られる。なぜ気付かなかったのかと言外に責められている気分にさせられる。これが今回の夢から与えられた罰なのだ。
225/04/18(金)01:08:24No.1303341272そうだねx3
「わたしと過ごした夏は楽しかった?」
太陽は首を傾げ、祥子を見上げて問い掛ける。得意げで自信に満ちた顔は太陽のもの。月とは大違いの、皆に愛されて育ってきた者の顔だった。
「え、ええ。とても、楽しかったですわ。初華と過ごした季節は私の中でも大切な思い出として残っていますもの」
祥子は絞り出すように答える。事実、楽しかったのだ。小さな世界だったとはいえ、知らない世界を沢山見せて貰ったのだから。それは今も祥子の胸に残っている。
神として忘却したとしても、消えない思い出だった。

「わたしのこと、見分けもつかなかったのにね」
やはり、夢の太陽は祥子の不義理を責め立てる為に居たのだ。
温かい日差しの中、日の光に照らされた幼い少女が鈴を転がすように笑っていた。
325/04/18(金)01:29:16No.1303345095そうだねx6
そして嫌いな珈琲の香りで目が覚める
425/04/18(金)01:34:04No.1303345820+
このういさきアプローチは新しい
525/04/18(金)01:35:18No.1303346002そうだねx1
祥子も本当の初華登場を恐れているのなんかいいね
625/04/18(金)01:36:46No.1303346191+
ふたりで背負うものが多すぎる
725/04/18(金)01:42:45No.1303347038+
今でもカブトムシのノートを抱えてるのがね...
825/04/18(金)01:46:17No.1303347498そうだねx1
月に居場所を奪われる太陽…皆既月蝕…
925/04/18(金)01:48:18No.1303347763+
シリーズ続編なんて無ければ怯えることもなかったことだろう…
1025/04/18(金)01:53:15No.1303348378+
>ええ。とても、楽しかったですわ。初華と過ごした季節は私の中でも大切な思い出として残っていますもの
祥ちゃん大好き💛
1125/04/18(金)01:59:40No.1303349132+
初音がさっさと抱かないから
1225/04/18(金)06:01:20No.1303360971+
いまや祥子も共犯者
1325/04/18(金)06:37:29No.1303362532+
祥子と初音の安息は遠い


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