夜明けからわずか数刻。森の中にひっそりと佇む、古めかしくも荘厳なる城。その玄関口に、サキは立っていた。手には山盛りの木苺を携えて。大きくて分厚い扉は彼女が叩くよりも先に開き、中から長躯の怪物がぬっと現れた。このスレは古いので、もうすぐ消えます。
「何故帰らなかった。早く帰れと言ったはずだ」
怪物の表情は複雑だった。読み取れるのは不可解、呆れ、怒り、反省。そして、一抹の、喜びだろうか?
「あら、わたくしは元々、この森にイチゴを採りに来たんですのよ。採らないことには帰れませんわ」
「では何故ここに戻った」
「この綺麗な赤色を見て、貴女にも食べていただこうと思ったの。昨夜いただいたけれど、ここの食事には彩りが足りませんもの」
サキの言い様に、怪物は唖然とした。なんという大胆な娘だろうか。しかしこれが彼女の本性である。ここにいるのは、村一番のじゃじゃ馬なのだ。
「ね、朝はまだでしょう?一緒にいただきましょうよ。こんなに摘んできたのよ」
「いや、ぼ、僕は」
「ほぉら、失礼しますわよ」
サキはそう言うと、怪物の脇をすり抜けて城内に押し入った。怪物はぽかんと立っているばかりで、止めはしなかった。
… | 125/04/08(火)20:46:29No.1300345324そうだねx52人で座るには、城の食卓は少し大きかった。だからサキは椅子を寄せて、怪物のすぐ隣に座った。巨躯の怪物と、小柄な村娘が並んで、木苺を啄んでいる姿は、不釣り合いで滑稽だった。 |
… | 225/04/08(火)20:46:56No.1300345518そうだねx3「珈琲…?」 |
… | 325/04/08(火)20:47:22No.1300345694そうだねx3「う、うわわ!」 |
… | 425/04/08(火)20:47:52No.1300345910そうだねx2「Aver様、いなくなりましたわよ」 |
… | 525/04/08(火)21:07:44No.1300354536+Aver様が身長高い概念好き |
… | 625/04/08(火)21:28:35No.1300363259+>Aver様が身長高い概念好き |
… | 725/04/08(火)21:30:03No.1300363890+>「いや、ぼ、僕は」 |
… | 825/04/08(火)21:33:12No.1300365138そうだねx1これは真実だね… |
… | 925/04/08(火)21:49:20No.1300371665そうだねx1巧妙に本編とリンクさせやがって… |
… | 1025/04/08(火)21:51:53No.1300372679+いいお話だね💛 |