二次元裏@ふたば

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133747 B25/03/30(日)23:41:54No.1297589674+ 01:06頃消えます
シービーが帰ってこない。
時計の針はもう10時を回っているのだが、夕方に少し出てくると言ったまま戻らずに時間が経った。
とはいえ彼女が気まぐれなのはいつものことで、帰りが遅くなったり思いもかけない寄り道をするのはむしろ日常と言えた。出会ったばかりのころからしてそうだったのだから、成人を迎えている今の彼女に対して、今更そのような些末なことであれこれ気を揉むことはない。
だから、今自分が抱いている感情は心配などという立派なものではなく、ただ単に好いた相手が自分を放って何処かに行ってしまったのが寂しい、という子供じみた感傷だった。

がちゃり、という玄関の開く音は、幾重にも扉を経ているはずなのにはっきりと聞こえた。自分がウマ娘なら、きっとその両耳は鋭敏に動いたことだろう。
思わず駆け出しそうになるが、一方的に待たされた立場で素直に駆け寄るのもなんだか悔しくて、玄関に辿り着くときには努めて落ち着いた歩調を保った。
「ただいまー♪」
だが、いつも以上に陽気な声の彼女は、そんなことは知らないと言わんばかりに微笑みながらしなだれかかってきた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/03/30(日)23:42:22No.1297589827+
とろりと蕩けた瞳に、赤く染まった頬。いつも通りの外の風の匂いに、ほんのりと甘い酒の香りが混じっていた。
「呑んできたのか?」
「うん。はじめはちょっと散歩するだけのつもりだったんだけど、久しぶりにシリウスに会ってさ。
いきなり誘った仕返しかな。けっこう呑まされちゃった」
そう言いながらも彼女の話しぶりは上機嫌そのもので、きっと最後はむしろ彼女が呑ませる側だったのだろうな、となんとなく想像した。
そんなことを考えている間にも、靴を脱いだ彼女はすっかり自分ひとりで立つ気さえなくして、肩に寄りかかる重みがどんどん増してゆく。
「そんなに呑んだのか?立てそうか」
「あははっ。大丈夫だよ。
こうしてるときみは優しくしてくれるって、知ってるだけだから」
「…」
いつも通りの快活さに、いつもよりずっと輪をかけた悪戯っぽさと甘えたがりが混ざり合う。
酔った彼女は、ひとことで言えば危険なほど可愛らしい獣だった。
225/03/30(日)23:42:43No.1297589951+
決まりごとにとらわれずにやりたいことを思いつくままに行動に移すという性格は、そのままどころかむしろ強くなって。
「汗かいちゃった」
「…脱ぐなら脱衣所でやってくれよ」
けれど、思わせぶりに微笑みながら目の前で服を脱いで肌を見せるなどということは、平生の彼女からは考えもつかない。言えば何でも受け入れてしまいそうな今の彼女の、現役のころと変わらない引き締まった腰と腹がたくし上げたシャツから覗いているというのは、見た目以上に目に毒だった。
「そうだね。シャワーも浴びたいし。
…一緒に入る?」
けらけらと笑っていたかと思えば、深く落ち着いた表情と声音で、本気になったようにそう口にしてくる、その仕草も。

覗き込むように彼女の顔が近づいてくると、どれだけ誤魔化しても心の中を直接見透かされてしまっているような気分になる。
「…からかうんじゃない」
絞り出すように投げかけたその言葉に、彼女は何も言わずに微笑んだまま、脱衣所にスキップしていった。
あの誘いが冗談なのか本気なのか、結局わからないまま。
325/03/30(日)23:43:16No.1297590133+
「ふふふっ」
シャワーから上がったばかりの彼女は、ほんのりと温かくいい匂いがした。その匂いをつけたいのかこちらの匂いを嗅ぎたいのかは知らないが、その熱を分け合うように胸板に頭をすりすりと擦り付けて甘えてくるのは相変わらず目にも身体にも毒だった。
いつも彼女の佇まいはどこか猫を思わせるものがあるが、今日は些かマタタビが強すぎたのかもしれない。
「あんまり悪戯するとおやつ抜きだぞ」
「にゃーん」
頭を撫でつけて猫を叱るようにからかい返してみても、彼女は嬉しそうに鳴きながら返すばかりでちっとも動じてくれない。
結局、いつまでたってもどんな姿になっても、自分は彼女に敵わないのだ。それを悔しいと思うと同時にほんの少しだけ嬉しくなるのが、なんだか不思議だった。
425/03/30(日)23:43:58No.1297590376+
「きみはお酒、好き?」
唐突にそう訊かれた。
元々は好きでも嫌いでもなかったが、最近は目に楽しい酒や変わり種の酒を随分呑んでいる気がする。
どうしてそうなったかと言えば、彼女の冒険に付き合うようになったからだが。
「…昔はそんなに興味なかったんだけどな。
意外と好きかも。今は」
それを聞いた彼女が、胸に埋めていた顔をゆっくりと上げた。
新しい悪戯を思いついたときの、悩ましくも可愛らしい顔だった。
「アタシも好きだよ。
きみのこと、すごく可愛く見えるから」
525/03/30(日)23:44:11No.1297590474+
柔らかい感触が、下から唇にそっと触れて、離れる。彼女の熱が唇から伝わって、頬と胸がどうしようもなく熱った。
「…呑みすぎ」
「うん。
だから、いいよ。きみもお酒のせいにして」
確かに、魔法の飲み物かもしれない。大胆に甘えたくなっても、どれだけ愛しても、酒の悪戯にしていいなら。
今日だけは、彼女に酔って、好きなだけ溺れてみようかな。
625/03/30(日)23:44:46No.1297590706+
トレーナーが帰ってこない。
アタシと違って、彼は出かけるときにきちんと行き先と帰る時間を言う。そういうわけで、彼がトレーナー同士の飲み会に行っているのも知っていた。
だから、今のアタシの頭を占めているのは心配なんかじゃなくて、彼にかまってほしいというわがままだったのだ。

そんなアタシが玄関の鍵の開く音を聞き逃すはずもなく、彼が居間に入ってくるより先に、アタシは彼を出迎えに駆け出していた。
「ただいま…」
頬を少し赤らめた彼は、今の姿を恥じらうように、蕩けた瞳にニヒルな笑みを浮かべていた。
「おつかれ。けっこう呑んだね」
「うん…ちょっと張り切りすぎたかも」
彼の言う通り、少し呑みすぎているのだろう。身体を支えるためとはいえ、アタシが彼を抱きしめても、照れるどころか素直に身を預けてくるのだから。
725/03/30(日)23:45:22No.1297590965+
ああ、困ったな。酔った相手を手籠めにする趣味なんてないのに。
「…シービー」
「ん?」
「ありがとう…
…大好き」
素直な今のきみが、ひどく可愛く思えて仕方ない。
「…ふふ。
うん。知ってる」
どんな姿になっても、その言葉だけは必ず伝えてくれるきみに、今すぐ応えてあげたくなる。
「わかってるよ、ちゃんと」
だってアタシも、酔うとそのことばっかり考えてしまうんだもの。
825/03/30(日)23:45:37No.1297591037+
この間アタシが酔って帰ってきたとき、アタシと違ってきみは随分優しく振る舞ってくれたよね。
確かに、あのときはいつもじゃ考えられないくらい大胆なことも言った。
でも、全部本気だったんだよ。
いつもよりずっと、きみのことが愛おしく思えて仕方なかったんだ。

アタシに気を遣ってくれるきみの優しさは痛いくらい伝わってきたし、それはそれでうれしかった。
でも、アタシはきみみたいないい子じゃない。きみが優しさを忘れてしまうくらい、きみに愛されてみたいって思うこともあるんだよ。
それに、ちょっと迂闊なんじゃないかな。
「ん…!
…ん…」
ちょっと酔っただけで、いきなりキスされてもこんなに簡単に受け入れちゃうなんて。
925/03/30(日)23:45:53No.1297591168+
送り狼は自分になんて目もくれないって、きみは思っているんでしょう。
でも、きみのことが大好物な狼は、きみの家の中にいるんだよ。
「お風呂沸かしてあるからさ。一緒に入ろっか。
背中流してあげるから」

おいしく食べてあげないと、わからないのかな。
きみはこんなに、素敵なひとなんだってことが。
1025/03/30(日)23:46:52No.1297591625そうだねx2
おわり
酔いどれCBととろとろになりながら愛し合いたいだけの人生だった
1125/03/30(日)23:49:35No.1297592727+
お酒のつまみに食べられちゃうんだ…
1225/03/30(日)23:52:05No.1297593737+
酔ったシービーはいつもの倍くらい甘えん坊でわがままになるしやりたいようにさせてあげないと拗ねる
1325/03/30(日)23:53:57No.1297594513+
シービーは潰れないけどわかりやすい酔い方すると思う
1425/03/30(日)23:56:12No.1297595431+
ふたり一緒に酔ったらすごくすごいことになりそう
誰の邪魔も入らない宅飲みだったらなおさら
1525/03/30(日)23:58:05No.1297596157+
普段は立派な大人のくせにちょっと酔ったらすぐかわいく好き好きって言って誘惑してくるわるいトレーナーはわからせないとね…
1625/03/31(月)00:02:06No.1297597679+
我に返ったらうれしそうなシービーと湯船の中でしっとり抱き合ってるんだ…
1725/03/31(月)00:07:17No.1297599457+
このトレーナーは記憶残らないタイプかな
1825/03/31(月)00:07:35No.1297599576+
朝やたらつやつやしてるCBに二日酔いの介抱されたい
1925/03/31(月)00:11:22No.1297600851+
>このトレーナーは記憶残らないタイプかな
全部覚えてて翌朝ベッドの中で恥ずかしくて丸くなってるタイプだと個人的にうれしい
でも記憶飛んでるけどシービーは忘れさせてなんてくれなくてじゃあ思い出させてあげるって押し倒されるのもいい
2025/03/31(月)00:11:27No.1297600888+
サポカでトレーナー酔いつぶれてたなそう言えば
2125/03/31(月)00:17:49No.1297602920+
縛り付けるのは嫌だからトレーナーが呑みに行くのは止めないんだよね
でも一杯呑むごとに一回見える場所にキスマーク付けられる
2225/03/31(月)00:22:18No.1297604411+
2325/03/31(月)00:33:52No.1297608474+
>https://img.2chan.net/b/res/1297576426.htm
>リアルタイムにカプが生えてくる!
史実種付けネタ関連はそこまでウケは微妙なところはある

ウマ娘で何の絡みもないのにカップリング扱いされてもな

適当にハーレムに放り込んでるだけやん

性欲まみれでどこがカップリングなんだよと思うわ

他が駄種牡馬ばかりだからね
キタサンブラック様のハーレムにしてもらえるウマ娘は幸せものだ

公式のトレーナーとの関係無視してキタサンブラック男扱いしてんるだもんな
百合癌さんはすごいよ


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