DX3rdチュートリアルシナリオ2nd「For whom The Overds fight」 書いた人:「」2 概要:最短7シーン、最長10シーン。サクサクと進みながら初プレイの人に短時間でゲームの雰囲気を味わってもらおう的なシナリオ第二弾    シリアス気味ですが初GMの練習用にもどうぞ その他:シナリオの改変は自由に行ってくれてOK =================================================================================================================================== †プリプレイ† 1.使用するルルブ 下記のいずれか ・基本ルルブ1または1&2のみ ・基本ルルブ1&2及び上級 ・基本ルルブ1&2、上級及び参加者全員が所有しているサプリメント 2.レギュレーション ・使用経験値は145点(初期作成+15点) ・PCはいずれもUGN所属の支部長、エージェント、チルドレンまたはUGNイリーガル 3.ステージ  通常/S県S市 4.クイックスタート ・PC1/紅蓮の刃(基本2/60p) ・PC2/夢の護り手(基本2/58p) ・PC3/至高を見る者(基本2/62p) ・PC4/虚空の輝き(基本2/68p) ・PC5/紫電の使者(基本2/64p) †ストーリー†  UGN・S県支部長"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗は組織の古株であったが、近頃、UGNの存在意義に強い疑念を抱いていた。 そうした折、コードウェル博士がFHの一員となって帰還したことで密かにFHと内通。スパイとしてUGN内部の情報を流し始める。 相良の部下であったUGNチルドレン・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理は、相良がスパイである事実を知ってしまいS県支部を出奔。 証拠を携えてUGN日本支部に向かおうとするも、その前に事態を察した相良によってS県の山中へと追いやられてしまう。 そして相良は自身に疑いの眼差しが向くのを避けるため、彼女がFHのスパイであると断定してPC達に始末させようとする。 PC達が相良の裏切りの事実を知り、彼の襲撃から永澤を守り切ればシナリオは終了となる。 †セッショントレーラー† 日常を守るもの、それを壊そうとするもの 人々の笑顔の裏では終わりの見えない戦いの日々が繰り返される 今日の友が明日の敵となり、今日の敵が明日の友となる混迷の時代 人と怪物の境界線上でオーヴァード達は揺れ動く 流された血は誰のためか 流された涙は誰のためか 変わりゆく世界の中で彼らは何を思うのか ダブルクロス The 3rd Edition『For whom The Overds fight』 ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉 †ハンドアウト† 1.全PC共通(UGN支部長、UGNエージェント、UGNチルドレン、その他UGNイリーガルの場合) 【ロイス:"ネーム・オブ・ローズ"ローザ・バスカヴィル 推奨感情:P 信頼/N 隔意】 【または:"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗      推奨勘定:P 尊敬/N 猜疑心】 異端査問官との異名を持つローザ・バスカヴィルから与えられた指令は裏切者の処分であった。 とあるFHセルを壊滅させた際、UGN・S県支部内から情報・資料が流されていたことが発覚した。 S県支部長によると、スパイ疑惑を受けて逃亡したのは支部内でも優秀なチルドレンであったという。 しかし、キミ達は直感的に違和感のようなものを感じ取っていた。 2.特殊(UGNチルドレン専用特殊ハンドアウト) 【ロイス:"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理         推奨感情:P 懐旧/N 疎外感】 "彼女"は君と同じチルドレン訓練施設"ホーム"で訓練を受けた同期のUGNチルドレンだ。 純粋なまでにUGNの理想を奉じ、危険も厭わない彼女は、訓練終了後にS県支部に配属されていた。 それから数年が経った現在、キミはある任務で否応なしに彼女を思い出すことになる。 それは、FHへのスパイと断定された彼女を裏切者として処分しろ、といったものであった。 NPC:"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗 UGN・S県支部長。古参メンバーの1人で部下からの信頼も厚く、長年に渡り組織をまとめ上げてきた。 NPC:"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理 UGN・S県支部で活動していたチルドレン。FHのスパイ疑惑を持たれており逃亡している。 =================================================================================================================================== †オープニングフェイズ† オープニングフェイズでは指定されたPCしか登場できない シーン1:裏切者(ダブルクロス)を追え(特殊ハンドアウト以外のPC) [解説]  PC達がミッションを受けるシーン。  ローザ・バスカヴィルによってUGN・S県支部に集められたPC達は、ローザと相良勇斗から状況説明を受ける。 [描写]  キミ達が到着する頃にはS県支部のミーティングルームには既に緊迫した空気が漂っていた。  テーブルの中央にはローザ・バスカヴィルが、その隣にUGN・S県支部長"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗が侍っている。  キミ達が促されて席に着くと、ローザは時間が惜しいとばかりに口を開いた。 [セリフ] ・ローザ・バスカヴィル  「緊急の案件だ。単刀直入に言えば、ここS県支部に『裏切者』がいた」  「先日、UGN日本支部の直属部隊があるFHセルを壊滅させた際、UGN・S県支部内から情報・資料が流されていたことが発覚した」  「『裏切者』を探し出し処分する。それが今回の任務だ」 ・"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗  「先行して調査を進めたところ、スパイと断定して間違いないのは、"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理だ。支部内でも優秀なチルドレンだったのだが」  「支部長室の端末を調べたところ、奴の端末から不正にネットワークに潜入し、支部長室の端末を操作していた痕跡が残されていたのだ」  「裏切者は逃走しているが、現在、S県の山中に追い詰めている。本来であれば身内の恥は身内で雪ぐべきなのだが……」 ・ローザ・バスカヴィル  「"面子"といったものには興味がない。事態を早急に解決するために、ここに出てきているのだぞ」 ・"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗  「……」  「事態を早急に解決しなくてはならないのはその通りだ。一刻も早くあの女を始末してもらいたい」 ・ローザ・バスカヴィル  「お前達も状況は理解できたな?必要な情報や物資があれば日本支部直属のチームからサポートを行わせる」  「健闘を祈るぞ」 [結末]  PC達は任務に取り掛かる。 シーン2:彼女の矜持(特殊ハンドアウトのPC) [解説]  回想シーンとなる。特殊導入を選択したPCが"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理について思い出す。  PCとNPCの関係性を深めたいなら、彼女と約束を交わす描写(例:どちらかがジャーム化したら必ず止めに行く)を入れてもよい。 [描写]  "白鴉"(ヤタガラス)永澤真理は、キミと同じチルドレン訓練施設"ホーム"で訓練を受けた同期のUGNチルドレンだ。  思いがけぬところで彼女の名前を見たキミは、否応なしにあの日の出来事を思い出していた。  それは、チルドレン候補の1人がジャームと化した日。そして、キミと彼女がかつての友達を殺した日。   [セリフ] ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「ハァ、ハァ……(PC名)、なんとか倒せたようね」(ジャームの死体を前にして) ・チルドレン候補1  「力を使うとこうなってしまうのか……もしかして、お、俺達もいずれはジャームに……?」 ・チルドレン候補2  「嫌だ!散々戦わされた挙句、怪物になって殺される未来なんて!」 ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「うろたえるなッ!!!」  「いい?(PC名)と私がこうしていなければ今頃死体になっていたのは貴方達だったのよ」  「ジャームは誰かが止めなくてはならない。だけど普通の人にはできないから私達が対処するのよ」  「人間以上の力を持ち、時に人間の脅威となり得るオーヴァードは、今はまだ恐れられるだけだと思うわ」  「でも、いつか普通の人もオーヴァードも共存できる日が来るはずよ」  「だから私達は戦わなくてはならないのよ。未来のために、ね」 [描写]  訓練終了の日、S県支部への配属を伝えられた彼女は子供の様に喜んでいた。  そんな彼女がFHのスパイとして疑われているとは、にわかに信じがたい。  真実を確かめるため、キミはS県へと急いだ。 [結末]  PCは"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理を追ってS県へと向かう。 †ミドルフェイズ† シーン3:備えあれば憂いなし [解説]  山中へと向かう前に情報収集と調達を行うシーン。登場したPCはシーンに1回、情報収集判定か調達判定を行える。 [描写]  件の山中は自然が丸々残されている通信できないエリアになるという。  キミ達は事前に情報の収集と物資の調達を行うことにした。 †情報収集† ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理について<情報:UGN>7/12  <情報:UGN>7  S県支部で活動していた優秀なチルドレン。シンドロームはエンジェルハイロウ/サラマンダーのクロスブリード。  思想、任務に対する態度、功績のいずれも問題がなく、スパイ疑惑がかけられていることに戸惑っている同僚も多い。  オーヴァードと言えど生きていくためには水が必要なため、川や湖の周辺を中心に捜索が行われている。  <情報:UGN>12  S県支部での調査結果のとおり、彼女が支部長室の端末に不正にアクセスしたのは間違いない。  ただ、アクセスされたファイルの内容はFHセル内部で発見されたデータとは直接関係のないものであり、  ローザと内偵を進めているチームは別に真犯人がいる可能性を考えている模様。 ・"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗について<情報:UGN>8/10  <情報:UGN>8  S県支部長。古参メンバーの1人で長年に渡り組織をまとめ上げてきた。シンドロームはブラム=ストーカー/オルクスのクロスブリード。  自ら先陣に立つ指揮官で部下からの信頼も厚いが、反面、非常に頑固な一面もあり、しばしばUGN上層部とも衝突している。  近頃は特にその傾向が酷くなっている様子だが、これについてあるメンバーは「任務に次ぐ任務で精神的に疲れているのではないか」と推測している。  <情報:UGN10>  数日前、"鮮血の番犬"(ケルベロス)と"白鴉"(ヤタガラス)が支部長室内で激しく口論をしていたようだ。  ただ、その理由・内容ともに不明である。"白鴉"(ヤタガラス)が姿を消したのはその直後になる。 ・S県山中について<情報:噂話>6/9  <情報:噂話>6  "白鴉"(ヤタガラス)が追い詰められている山中には県道が1本通っているだけで、峠を2箇所抑えてしまえば脱出はできない。  山中の移動は徒歩で獣道を進むしかない。  <情報:噂話>9  猟師達の話では、ここ数日、山中では大型の野犬が出没している。幸い、これまでのところ被害者はいない。 [結末]  必要な情報を集め終えたら山中へと向かう。 †固定イベント† シーン4:隠れる鴉と吠える犬 [解説]  "白鴉"(ヤタガラス)永澤真理を追って山中を捜索するシーン。  もしシーン3で『"鮮血の番犬"相良勇斗について<情報:UGN>10』の情報を入手していれば、山中を捜索する前にローザからの指示が追加される(後述)。  永澤真理の居場所を見つけるには<知覚>で難易度12(あるいはで難易度15)の判定に成功しなくてはならない。誰かが成功するまでシーンを繰り返す。  もしシーン3で『"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理について<情報:UGN>7』の情報を入手していれば、難易度は-2される。  登場したPCはシーンに1回、<知覚>または判定を行える。 [描写]  キミ達は県道を通りS県の山中へと入る。自然豊かで野生生物が多いためだろうか?時折、犬の遠吠えが響く。ここから先は通信ができないエリアになる。  (シーン3で『"鮮血の番犬"相良勇斗について<情報:UGN>10』の情報を入手していれば以下の描写とセリフを追加)  → 山道へと一歩踏み出そうとしたその時、ローザから(PCのうち1人)に通信が入った。  → [セリフ]  → ・ローザ・バスカヴィル  → 「ギリギリのタイミングだったな。お前に一つ頼みたいことがある」  → 「この事件には少々不可解なところがある。"鮮血の番犬"(ケルベロス)は"白鴉"(ヤタガラス)を疑っているが、他の可能性も否定できない」  → 「"白鴉"(ヤタガラス)を見つけたらまずは問い正せ。疑わしいと判断したならそのまま処理してくれて構わん」  → 「だが、そうではないと感じたなら保護して連れてきてくれ。真の裏切者を探さなくてはならんのでな」  → 「頼んだぞ」  捜索は骨が折れそうだができない仕事ではない。根気強く痕跡を探していけばいずれ彼女の元へと辿り着けるはずだ。  (判定に成功した後)  キミ達は獣道の途中で人の足跡と何かと争ったような痕跡を見つけた。足跡を追って行くと使われていない水車小屋に辿り着く。  ふと、背後に1匹の黒い犬がいてキミ達をじっと見ているのに気がついた。黒い犬はキミ達が視線を向けると、逃げるように去っていく。  (シーン3で『S県山中について<情報:噂話>9』の情報を入手していれば次の1説を追加)  → 猟師達が話していた"野犬"はおそらくあの犬のことだろう。しかし、"野犬"と考えるには大型で健康状態が良すぎるようにも思える。 [結末]  PC達は水車小屋へと向かう。 シーン5:真実はどちらに [解説]  "白鴉"(ヤタガラス)と対面して真相を知るシーン。彼女はPC達を警戒しているが"鮮血の番犬"(ケルベロス)の部下でないとわかると真相を話す。 [描写]  水車小屋へと近づこうとすると、凍りつくような殺気を感じる。《ワーディング》が展開されたようだ。  そして雑木林の中から人影がゆっくりと姿を現す。 [セリフ] ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「動かないで。いくら、"鮮血の番犬"(ケルベロス)の部下でも手荒な真似はしたくないわ」   (特殊ハンドアウトを選んだPCがいる場合)「(PC名)、久しぶりと言いたいところだけど貴方も一緒よ」  「貴方達にUGNの正義を信じる気持ちがあるのなら……ここは見逃して。私はどうしても行かなくちゃならないの」  「……それとも"裏切者"は信用できないかしら?」   (ローザ・バスカヴィルからの任務と話す)「よかった!本当の裏切者を告発する証拠はここに揃ってるわ、私を日本支部まで連れて行ってくれないかしら?」   (裏切者について尋ねる)「"鮮血の番犬"(ケルベロス)よ。あの男はコードウェル博士と繋がってるわ。博士がFHに寝返ってからあの男も寝返っていたようね」   「この写真を見て」(十数枚の写真には相沢がかつてのコードウェル博士が親しそうに映っている。そして、今のコードウェル博士とも一緒に映っている)   (どうしてわかった?)「匿名の提報があったの。悪い冗談だと思っていたけど、調べるうちに確信へと変わっていったわ。あの男、間違いなく"クロ"よ」   「裏切りの理由はわからないけど、かなり前からUGNに対して不満を持っていたようね。このあたりは直接本人に白状させるしかないわね」   (それから?)「あの日、私はあの男に罪が明るみになる前に自首するよう薦めたわ。今ならまだ引き返せる、"リヴァイアサン"なら命までは奪わないかもしれないと」   (続きを促す)「でも、ダメだった。逆に私が裏切者として追われる身よ。証拠を携えて日本支部まで行こうとしたけど、罠に嵌ってここに追いやられてしまったの」 [描写]  その時、周囲から犬の遠吠えが聞こえてくる。 [セリフ] ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「"鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者に嗅ぎつけられたようね。おそらく私達をまとめて消すつもりだわ」 [結末]  PC達は"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理を連れてその場を離れる。 シーン6:ドッグレース [解説]  "鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者に襲撃されるミドル戦闘シーン。 [描写]  キミ達は水車小屋を離れ県道へと向かって駆け出す。しかし、1時間も経たないうちに黒い犬の群れがキミ達の背後から迫る。 [戦闘] 初期配置 (PC達)-10m-("鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者2体)-10m-("鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者1体) ◆エネミーデータ  "鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者  シンドローム:ブラム=ストーカー  肉体:8 感覚:8  精神:8  社会:8 HP:40 行動値:24 攻撃力:8 ガード値:3 装甲:0 戦闘移動:29m  侵蝕率:150%(ダイス+4個,エフェクトレベル+1)  使用エフェクト(侵蝕率ボーナス適用済み) 《かりそめの剣士》4、《紅の刃》5、《蝕む赤》2、《不死者の恩寵》2、《力の法則》2  コンボ:  ▼かみつき(《かりそめの剣士》)   タイミング:メジャーアクション 技能:白兵 ダイス:16 クリティカル値:10 難易度:対決 対象:単体 射程:至近 攻撃力:+8 解説:《かりそめの剣士》による単体攻撃。 ▼ブラッディブレス(《紅の刃》+《蝕む赤》) タイミング:メジャーアクション 技能:RC  ダイス:12 クリティカル値:10 難易度:対決 対象:単体 射程:視界 攻撃力:+6   解説:《紅の刃》+《蝕む赤》による単体攻撃。命中すると邪毒LV2を受ける。  "鮮血の番犬"(ケルベロス)の1体は、1ラウンドに1回、《力の法則》を使用する。  また、クリンナッププロセスでは《不死者の恩寵》を使用し、HPを2D10+8回復する。  バランス調整:  ・PCの人数が少ない場合は従者の数を減らして調整する。   [結末]  戦闘を終えたらシーンを終了する。"白鴉"(ヤタガラス)は人数分の応急手当キットと解毒剤を持っており、戦闘終了後にHPを回復できる。 †クライマックスフェイズ† シーン7:誰がために戦う [解説]  "鮮血の番犬"(ケルベロス)との決着をつけるシーン。 [描写]  キミ達は県道へと辿り着いた。ここまで来れば後は峠を抜けてすべてを報告するだけだ。  だが、その行く手を阻むように"鮮血の番犬"(ケルベロス)とFHのエージェント達が立ちはだかった。 [セリフ] ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「"鮮血の番犬"(ケルベロス)……!!」 ・"鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗  「勘のいいガキは嫌いだよ。"白鴉"(ヤタガラス)、そして、お前達もだ」  「俺は長年S県支部を引っ張ってきた。数多くの任務を成功させ、数多くの敵を屠ってきた。だが、その代償はあまりに高くついた」  「俺の侵蝕率はとうに限界を超えている。データを改竄して誤魔化してはきたが、それも難しくなってきた。遅かれ早かれUGNは"ジャーム"として俺を始末しようとするだろう」  「であれば、俺が生きる道は1つしかない。幸い、コードウェル博士とは旧知の仲だ。寝返りを提案したら快く承諾してくれたぞ」  「いずれお前達も俺のようになる日が来る。UGNが主導する世界では殺されるだけだ。俺達は一体何のために、誰のために戦っていたのかよく考えてみることだ」  「その女を連れてFHに下れ。優れたオーヴァードならばFHは歓迎する。たとえ人間性が残ってようがそうでなかろうが等しく、な」   (拒否する)「馬鹿め。ならば貴様らの掲げる児戯にも等しい理想とやらに殉じるがいい!」(ワーディングを展開する。衝動判定を行う。難易度は12) ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「FHのエージェントは私に任せて!貴方達は"鮮血の番犬"(ケルベロス)を!!」   (特殊ハンドアウトを選んだPCがいる場合)「(PC名)、絶対に生きて帰るわよ。あんなのに負けたら許さないから」 [戦闘] 初期配置 (PC達)-5m-("鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者2体)-5m-("鮮血の番犬"(ケルベロス)の従者1体)-5m-("鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗) ◆BOSSデータ  "鮮血の番犬"(ケルベロス)相良勇斗  シンドローム:ブラム=ストーカー/オルクス  肉体:3 <運転:四輪>2 感覚:5 <知覚>3  精神:8 4、<意志>3  社会:4 <情報:UGN>2、<調達>4  HP:104 行動値:18 装甲:10  侵蝕率:150%(ダイス+4個,エフェクトレベル+1)  取得エフェクト(侵蝕率ボーナス適用済み) 《紅の刃》5、《蝕む赤》2、《不死者の恩寵》2、《血の宴》4、《ブラッドバーン》3、《始祖の血統》3、《不死不滅》3  《力の法則》2、《隆起する台地》3、《領域の盾》3、《領域の守護者》1、《復讐の領域》1  《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》3、《加速する刻》2、《状態復元》1、《生命増強》2  従者のためのエフェクト  《赤色の従者》5、《声なき者ども》3、《赤河の従僕》5、《ライフブラッド》1、《愚者の軍団》3、《かりそめの剣士》5、《愚者の兵装》1     コンボ: ▼トリプルブレス(《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》+《紅の刃》+《蝕む赤》+《ブラッドバーン》+《始祖の血統》+《血の宴》) タイミング:メジャーアクション 技能:RC ダイス:15(18) クリティカル値:7 難易度:対決 対象:範囲(選択) 射程:視界 攻撃力:+17   解説:《紅の刃》+《蝕む赤》のコンボを《ブラッドバーン》、《始祖の血統》、《血の宴》で強化した範囲攻撃。命中した者に邪毒LV2を与える。      シナリオ4回まで使用できる。コンボ使用後、HPを8点失う。  ▼Eロイス(導入する場合)   《堕落の誘い》、《さらなる絶望》、《血の焦がれ》(PCが十分に強い場合)  戦闘プラン:  "鮮血の番犬"(ケルベロス)は「コンボ:トリプルブレス」で、従者は「コンボ:ブラッディブレス」で全員に満遍なく邪毒をバラ撒く。  その後、"鮮血の番犬"(ケルベロス)は範囲攻撃を中心に、従者は単体攻撃を中心に倒せそうなPCを優先して攻撃する。  1ラウンドに1回使える《力の法則》は主に従者の攻撃が命中した時に使用する。《隆起する台地》は範囲攻撃に対して使用する。  "鮮血の番犬"(ケルベロス)が一度に30点以上のダメージを受けた場合、《復讐の領域》を使って受けたダメージと同じダメージを反射する。  PC側の火力が高く、一度の攻撃で40点オーバーのダメージを与えるPCがいる場合、"鮮血の番犬"(ケルベロス)は従者の1体を《領域の盾》で盾に使う。  クリンナッププロセスでは、"鮮血の番犬"(ケルベロス)は《不死者の恩寵》によりHPを2D10+【肉体】点回復する。  また、"鮮血の番犬"(ケルベロス)のHPが0になった時、1度だけ《不死不滅》を使いHP30で復活する。    バランス調整:  ・PCの人数が少ない場合は従者の数を減らす。PCの数=従者の数にする。  ・PCの火力が高い(一撃の期待値が平均50以上)場合は《生命増強》のレベルを3まで上げる(HPは134になる)。  ・PCの火力が高く上級ルールを採用する時は《さらなる絶望》で従者を自身の近くに呼び出して盾に使う。 [結末]  "鮮血の番犬"(ケルベロス)を倒したら戦闘は終了となる。同じタイミングで"白鴉"(ヤタガラス)もFHエージェントを片付けている。  エンディングフェイズへ。 †エンディングフェイズ†  バックトラックを行ってエンディングフェイズに移る。バックトラックの結果やPCの設定にあわせて演出すること。 シーン8:帰還(特殊ハンドアウト以外のPC) [解説]  S県支部に戻ったキミ達がローザ・バスカヴィルに報告を行う。真の裏切者が処分され、"白鴉"(ヤタガラス)の名誉が回復される。 [描写]  キミ達は無事に帰還し、ローザ・バスカヴィルに事後報告を行っている。  UGN古参メンバーによる裏切りに支部には動揺が走ったが、"リヴァイアサン"が直々に事後処理に乗り出し、今では落ち着きを取り戻しつつある。 [セリフ] ・ローザ・バスカヴィル  「報告は聞かせてもらった。無事『裏切者』を処分したようだな」  「上層部も古参の裏切りに半信半疑だったが、"白鴉"(ヤタガラス)から提出されたデータで確信が持てたようだ。調査の手法には問題があったが不問としよう」   ("鮮血の番犬"(ケルベロス)裏切りに気づいていたのか?)「"白鴉"(ヤタガラス)でないという線は考えていた。ただ、奴と明らかにしたのはお前達の功績だ」  「コードウェルの影響力は想像以上に強い。第二の"鮮血の番犬"(ケルベロス)を生まぬよう、組織の引き締めを図っていかねばならんな」  「これからもよろしく頼むぞ」   (特殊導入を選んだPCがいる場合)「ところで、(PC名)と"白鴉"(ヤタガラス)の姿が見えないようだが……」 [結末]  PC達は新たな任務につくためS県支部を後にしてシーンエンド。 シーン9:二人のガーディアン(特殊ハンドアウトのPC) [解説]  特殊ハンドアウトのPCが新たな任務に赴く前に"白鴉"(ヤタガラス)と会話を交わすシーン。 [描写]  キミは"白鴉"(ヤタガラス)はタワーマンションの屋上から街を見下ろしている。  東の方角からゆっくりと日が昇り街を徐々に明るく照らしていく。 [セリフ] ・"白鴉"(ヤタガラス)永澤真理  「(PC名)、今回は本当に助かったわ。あのまま山の中で誰にも信じてもらえないまま殺されるんじゃないかと思うと、怖くてたまらなった」  「ひどい目には遭ったけど、私の信念は揺らがないわ。たとえ顔も名前も知らなくても、私は人々の笑顔のために戦うの」  「それに……もう一つ、人々のためじゃなく……もっと個人的な……う、ううん、な、何でもないの……」  「ま、お互い頑張りましょ。今は苦しい時期だけどいつかはきっと……」  「……明けない夜は、ないのだから」  [結末]  特殊ハンドアウトPCが彼女の言葉に反応したらシーンエンド。 シーン10:最後のクエリー [解説]  マスターシーンによるエンディング。"白鴉"(ヤタガラス)に匿名で情報を送っていたコードウェル博士が独白する。余興のようなシーンであり削ってもよい  [描写]  セントラルドグマの一室。アルフレッド・J・コードウェル博士はマスターレイスの1人から送られたレポートに目を通していた。  一読した後、彼は心の底から落胆したように嘆息する。 [セリフ] ・"反逆の聖人"(イスカリオテ)アルフレッド・J・コードウェル  「やはり、あの男は相応しくなかったか……」  「生存本能。それは種が自らを保全する意味ではなくてはならぬものだ。しかし、本能に振り回されるだけであれば獣と変わらぬ」  「"鮮血の番犬"(ケルベロス)よ。お前はかつて抱いていた理想を失い、ただ生に固執するだけの獣に成り下がっていたのだ」  「自ら未来を描き、切り開いてゆく意志を持たぬ者は、旧き時代と共に淘汰される。遅かれ早かれお前の破滅は避けられなかっただろう」  「旧知の間柄ゆえ、私の思想を理解していると思っていたのだが……残念だ」 [描写]  コードウェル博士は立ち上がり、巨大なモニターに映し出された世界地図を眺めながら呟く。 [セリフ] ・"反逆の聖人"(イスカリオテ)アルフレッド・J・コードウェル  「オーヴァードは戦う。新しき世界のため、叶えたい望みを実現するために」  「人知れず抗い続ける者達よ、これから生まれ来る新しき者達よ」  「……お前達は誰のために戦う?」 [結末]  コードウェル博士が独白を終えたらシーンエンド。 †アフタープレイ†  エンディングが終了したらアフタープレイを行うこと。本シナリオの「シナリオの目的を達成した」は5点である。 ===================================================================================================================================