私の名前は恵萌花です。栄総合学園に通ってます。お友達はみんな優しくて大好きです。お父さ んお母さんも大好きです。あと、甘いお菓子とか、かわいいネコちゃんとか、弱いけど決闘も!大 好きなものがたくさんあります。 そんな私は今……変なおじさんに決闘のお願いをされています。 「いいでしょ?ネ、ネネッ!?」 「あ、あの……私……」 「おじさんはね、チミみたいなカワイイ女の子と決闘するのが大好きなんだよォ〜。だから決闘し ようよ!」 (だ、誰か助けてぇ……!) 「────ねぇ、そこのアンタ。何やってんの?」 「えっ……?」 「な、なんだねチミは!?」 「質問してるのは僕の方なんだけど?いいから答えなよ」 「お、おじさんはこのカワイイお嬢さんに決闘をお願いしているのだ!ち、チミみたいなおジャマモ ンスターは早くどっかに消えたまえ!」 「へぇ……奇遇だね。僕も今からそこの子に決闘を申し込むところだったんだ。それなのにとんだ 邪魔が入って困ってるんだよね」 「お……おじさんの事をおジャマモンスター扱いするのかね!?」 「あれぇ〜?別におじさんの事を指したつもりはなかったんだけど。なにか思い当たるフシでも あったのかな?」 「も、もうユルさん!このコとのランデブーをジャマするだけでなくおじさんの事を侮辱するなん て!イタい目にあわせてやる!」 「痛い目に遭うのはアンタの方だよ、おじさん!」 「スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴンでダイレクトアタック!」 「ぎょげっぱああああああ!」 「あーあ、つまんない相手だった。これならまだセレナと遊んでた方がよっぽどマシだ」 「あ、あの!助けて頂いてどうもありがとうございます!」 「あー、別にお礼なんてどうでもいいよ。それよりさぁ……キミ、魔法少女でしょ?」 「え……す、スゴい!何で知ってるんですか?」 「僕は天才だからそれくらいすぐに判別出来るのさ……ま、それはさておき。キミにお願いがある んだ。僕と決闘してくれないかな?」 「えっ、決闘ですか……?」 「そ。僕は今ワケあってこの神浜の魔法少女に決闘を挑んでるんだよね。キミも魔法少女なら受 けてくれたら嬉しいんだけど」 (なんで私と決闘したいのかよく分からないけど……助けて頂いたお礼をしなくちゃいけないし、 受けたほうがいいよね?) 「わ、わかりました!その決闘受けます!」 「じゃ、さっそく闘ろうか」 「は、はい!よろしくお願いしま……あ、あれ?」 「ん?どうしたのさ?」 「えーと、えーと……いつも持ち歩いてるデッキケースどこにいったのかな……?」 「はぁ〜?何してんの?」 「ご、ごめんなさい!すぐ見つけるので!もしかしたらカバンの中に入ってるのかな……?ない、 ない……あ、あああああ〜!?」 「うるさ……突然叫んでなに?」 「寝過ごして学校に遅刻しそうで慌ててたからお家に置き忘れちゃってたんだ……あ、あの!今 からお家に取りに帰るので少し待っててください!」 「……いや、もういいよ。なんかそういう気分じゃなくなった」 「え……えっ?」 「それとさぁ……キミなんか危なっかしいし一人で出歩かない方がいいと思うよ。それじゃ」 「決闘してあげられなくて悪いことしちゃったな……でも、いい人だったなぁ。危ないところを助けて くれたし!」 「また会えたらいいな。あ、名前聞きそびれちゃった……」