結果次第にバ群に埋もれていった君は
そのまま後半も加速できないまま惨敗…
残念だったね
けどその事で君が頭を下げる必要は無いんだよ
何故なら単純に今の君のフィジカルが不足しているだけだ
自覚はあるんだろう？
少なくともこうして自らの敗北に向き直って
俺の所に来てくれたのに既にその一端がある
悔しかったろうね。何しろ地方にいた時の君のセオリーが通じない
トレセン学園の来るまでの君の勝ち筋は
差しウマとして中盤に後方グループの先頭に立ち
位置取りから前方のウマ娘達の動きから差し切る戦法だ
いや、知っているよ
俺達中央のトレーナーは皆気になるウマ娘の調査に余念は無いからね
前回はじめましてって言ってた？そうだね、会うのはだが

不貞腐れないの。つまる所君の動き方は
後方グループの先頭に陣取れるだけの動きとキープが可能だから出来る事だ
実力が匹敵、いや格上の相手ばかりとなると
バ群に埋もれない為に速度を維持する必要があり
結果ジワジワとスタミナを削られて一貫の終わりという訳だ
そうだね。俺の作戦を試す否かに関わらず負けは決まっていた
驚いたりしない辺りその可能性も考えてたんだろう
聡い子だな、君は
確かに僕は君にすべき助言は用意している
ただ実際にやるべき事は残念ながら物凄くシンプルだ
耐えて、鍛える。ただそれだけだ
顔を見てれば分かるよ。曲げる気なんざサラサラ無いんだろう
今の走り方が好きなんだろ？分かるよ

だったらやるしかない。回りも努力している
だから自分もトレーニングして、身体を作って積み上げるしかない
一度に大きく踏み出すのは無理だ。壊れるだけだから
歩幅はそのまま一段ずつ、けれど段の一個一個の高さを人より積み上げる
気が遠くなるような話かもしれないが
ここのトレーナー達はバカじゃない
君の走りと信念を理解してくれる奴が必ず現れる
分かるさ。俺が気づいたんだから
さ、折角だからちょっと外へ出て走ってみよう

…良し、今日はこんな所だな
すぐに結果はでないかもしれない。担当は見つからないかもしれない
そんな時はまたおいで。少しの時間だけど助けてあげられる
うん？そうかい？いやまあこういう所だからな
それでも一生懸命に見えるならそうだな…
ほら、もう冬だから空が星で奇麗なモンだろ
この煌めくような星々が君達なら俺達トレーナーは添え星だ
付かず離れず側を回って時に助けに回る日陰者だ
好きなのさ。そういうのが
自分達より輝いている存在をすぐ側で見れるなんで贅沢だろ？
そんな訳だから待ってるよ。良かったら二人でまたココアでも飲もう

彼がそんな風に笑ってたのを呆れ半分で苦笑したのを覚えている
結局私にはしっかりトレーナーが見つかって
物凄く時間はかかったけどそれまで「熱血」さんは時折相談に乗ってくれて
担当が見つかったのに自分の事の様に大声で喜んでくれた
ま、その後は掲示板に収まるのがやっとだったけど…
それでも自分の好きな走りを出来たのは良かった事だと思う
私の担当も彼に劣らずの熱血漢で情熱的な人で
一緒に苦楽を共にに走り抜ける事ができた
けどそんな人、そうそうすんなり見つかる訳ではない
陰で「熱血」さんが私にあった人を探し回ってくれていた
そう知ったのは自分が学園を卒業してからの話だった

そう。ホストクラブトレセンのキャスト
彼等は添え星だ。地球に置ける月の様な存在だ
ウマ娘には美しい表面を見せ凹凸のある背後をけして見せる事はない
その輝きで時には魅了し引き付ける
だが身近である様に見えて彼等は水面の月でもあるから
手を伸ばせそうな所にあるようで消して手中に収める事は出来ない…
「熱血」さんも結局自分の星を追って花屋になってしまったし
おっきい身体にエプロン似合ってないですよ
そう花を買いに行ったら笑っていたのを覚えている

それでもあの施設は有用だ
手に入らない物への渇望は人を強くする。ウマ娘も例外ではない
何かに足りない者へと一時の充足を与えておいて、奪う
それを知っているか居ないかではやはり走りが違うのだ
今でも私が在籍していた頃と同じく
未だあの頃から上位は「折り紙」「一流」「樫の杖」等が占めている
担当持ちのトレーナーは受け持った生徒と共に学園を去る事も多いが
彼等が作り上げて来たものは未だに形として残っている
それが何よりの有用性を証明しているのだろう

『学園ＯＧの私が改めてホストクラブトレセンに突入しドハマリした件』
より抜粋

>『学園ＯＧの私が改めてホストクラブトレセンに突入しドハマリした件』
>より抜粋
猫

>>『学園ＯＧの私が改めてホストクラブトレセンに突入しドハマリした件』
>>より抜粋
>猫
……了承ッ！

おい最後

星降る石畳を踏んで君はゆく
１歩半だけ先を、怒ったように忙しなく
もろびとこぞる市場の中をその細い脚で縫うように淀みなく騒ぐ人波をかきわけて。
店先は光で満ちて、きらめく品々は眩しく鮮やかだ。
甘いホットチョコレートの湯気に、シナモンの香りが乗って夜を温めている。
この冬の日の喧騒の中でその小さな肩を見失わずに済んでいるのは、
間違いなく君自身のおかげだった
「何してんの、はぐれないでよ」
振り向いて、ぶっきらぼうに君は言う。頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。
ただ１歩半だけ先を、それ以上決して引き離さないように、細心の注意を払いながら君はゆく。
時折、ちらちらと振り返る視線に、気づかないふりをして後を追う。
気づいたことがわかったらその途端にこの聖なる１歩半がぐんと伸びて消えてしまうからだ。
聖夜の月明りを受けて君はゆく。１歩半だけ先を、誰よりも優しく慎重に。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ホストクラブ「トレセン」　熱血

ところで一流さんは何年やられてるので？

ただのホス狂いになってる…

道に迷った後輩に枠譲ってあげなよ…

おいOG

いい話だなと思ったのに最後

OG…というか外部の者も利用できるのかここ