「さっきの騒ぎ、無事に済んで何よりだったな」 「そうだね。あ、でも……鈴鹿さんは大丈夫かな?とてもハラハラしてたみたいだけど……」 「ああ、何ていうか……色々苦労してそうだよな。あの人……」 「あ、あはは……」 「いっその事僕が出てた方が良かったかな?ああいうヤツらの対応は地元で慣れてるし」 「だ……ダメだよ尊くん!警察沙汰になっちゃう!」 『ちかの言う通りだぞ、尊。暴力で解決するなど前時代的な判断だ』 「いや決闘で収めるに決まってるだろ……ちかも不霊夢も僕を何だと思ってるんだよ?」 「……不登校気味の元不良少年?」 「ぐ……言っとくけど、そんな警察沙汰とかで爺ちゃん達に迷惑掛けるような真似はしてないから な!?」 『不登校気味の時点で迷惑を掛けているのではないか?』 「うぐぐっ……!相変わらず痛いトコロつくなお前は」 『私は優秀な思考回路を持つAIだからな。キミより頭の回転は速いのさ』 「一言余計だっての……それより!なあ、ちか」 「?」 「あー……その、さ。爺ちゃん達に選ぶプレゼントを一緒に考えてくれてありがとうな。助かった よ」 「いいよ、お礼なんて。私も尊くんのお爺さん達にはお世話になってたし、そんなの当然だよ」 「いや、それ以外にも色々世話になりっぱなしと言うか……なんていうか……だから────」 『ハァ〜……要するに、だ。ちか、尊はキミに日頃の感謝の証として渡したい物があるらしい』 「えっ?」 「バッ、おま!なんでばらすんだよ……!?」 『このままでは日が暮れると判断したからだ。それにクリスマスが近いこの時期だからこそ感謝の 言葉を伝えやすいと言っていたのは誰だ?他でもないキミだろう、尊』 「ぐっ……!」 『お膳立てはしてやったぞ、後は勇気を見せろ。SoulBurner』 「…………」 「……尊くん?」 「あーもう、カッコつかないじゃないかよ……ちか」 「は、はい……!」 「感謝の証のクリスマスプレゼント、受け取ってほしい」 「う、受け取りました……その、開けても?」 「どうぞ」 「これって、森の聖獣のモンスター達がプリントされたマグカップ……?」 「……好きだろ、このモンスター達。たまに使ってるの見てたし。だから喜ぶと思ったんだよ」 「…………」 「────ちか?ちょ、何で泣いてんだよ!?い、嫌だったのか……?」 「ううん……違う、違うの。すごく嬉しくて……!ありがとう、尊くん……っ」 「と、とりあえず泣きやんでくれよ。なっ?」 『フッ……こちらもまたお騒がせな二人組だな』