（これまでのあらすじ：違法賭博を行うぴるすあり。一報を受けたホワイトパロットは賭場へと単身乗り込むも、胴元ニンジャぴるす「ポーカーフェイス」の話術により無謀なるデュエルの場へ引きずり出されてしまう）

（続き：最終戦を前に点差はそうなく、どうにか逆転可能な範囲。だが不自然なほどに一進一退の接戦を繰り返す点数に、平静を失わぬポーカーフェイス。……恐らくは掌の上。ホワイトパロットは起死回生の一手を導き出せぬまま、最終戦へと突入する……）

【ゴー・フォー・ブローク】

「このクレイン・アンド・パインでスリーフラッシュ。さらにコイコイ・ダブルアップなんですけお」ポーカーフェイスが表情を変えずに宣言する。「くっ……！」ホワイトパロットは呻き、モミジの札を手札から捨てた。山札から一枚引き、緊張しながら裏返す。「桜か……」合う札は場にも手札にも無し。

　光札を取られた今、点差で逆転を狙える唯一の手は月・花見・サケの複合上がりのみ。それを狙う他に無い。幸いにも月とボンズ、菊とサケは既に手札にある。残るは桜にカーテンだが……場に桜の札が出ている現状は非常に不味い。

「モミジとシカ、貰いなんですけお」「……！」ホワイトパロットは息を飲む。ポーカーフェイスの元には既にバタフライの札もある。……まさか光札のみならずイノシシ・シカ・バタフライの三聖獣までも狙い、完膚なきまでに叩き潰すつもりか！

　この賭けで負ければコウライヤの名誉に大きな傷が残る。ぴるす相手に大敗ともなれば、社内のぴるす達からのソンケイや畏れにすら影響が出るだろう。要するに……ぴるす如きにナメられてしまう。それだけは避けなければなるまい。

　そもそも、既に点差がある以上コイコイ・ダブルアップをせずに勝負すればポーカーフェイスの勝ちは確定であったのだ。それをリスクを負ってまでこちらを潰しにくるとは……やはり、奴は何らかの必勝法を持っているに違いあるまい。

　ホワイトパロットは手札から垂れ下がる藤を捨て山札を引く。「これは……！」……ハギとイノシシ！危険札！揃えられる札は手元にも場にも無し！場に出すしかない！「なるほど……」ポーカーフェイスは無表情で顎を撫で……ヤナギの札を捨てた。ホワイトパロットは心中で安堵の息を吐いた。

　……だが。「おや、これはツイてるんですけお」山札からポーカーフェイスが引いた札は、ヤナギの下で傘を差す平安貴族。……光札。「これでフォーフラッシュ・ウィズ・レインなんですけお」捨てたばかりのヤナギ札と合わせ拾う。「バカな……！？」ホワイトパロットは目を見開いた。

　捨て札と山札が合致することはそう珍しいことではない。だが、ここまで都合良く……。「ふむ、もう少し狙いたいんですけお」ポーカーフェイスはわざとらしく悩む素振りを見せ、口を開いた。「コイコイ・ダブルアップ」

　能面じみた無表情の向こう側に、邪悪なる笑みが見えた。明らかにこちらをいたぶり愉しんでいる。必勝法が破られるはずがないと油断している。……いや、自信か。実際、ホワイトパロットは未だに手の内を見抜けていない。……残りの手札は三枚。泣いても笑ってもあと三順で全ては終わる。

　ホワイトパロットは悩み、そして菊とサケの札を場に出した。残る手札は月とボンズ、そして桜。場の桜を拾えば桜にカーテンが出ても取れぬ。そして月とボンズは光札であり、ポーカーフェイスに拾われれば最大得点のファイブフラッシュとなってしまう。……危険だ。

　ホワイトパロットは目を閉じて山札から一枚引き、そっと札を裏返した。これが菊、あるいは桜にカーテンであれば首の皮一枚繋がる。運命の分かれ路だ。祈るようにゆっくりと目を開けると……それはホワイトパロットの今後を暗示するような、一面が赤と黒で塗られた不気味な札であった。

「……」視界がぐらりと歪み、声も出せぬ。……敗北が確定した。赤黒い札を見つめながらホワイトパロットは停止した。「……どうしたんですけお？早くその札で拾うなり場に捨てるなりしてくだち」ポーカーフェイスの抑揚の無い声に隠しきれぬ愉悦が混ざる。

　もはや打てる手は無し。後はポーカーフェイスがこれ以上役を揃えず勝負が流れることを祈り、被害をできる限り少なくすることしかない。呆然と長考していたホワイトパロットは、ゆっくりと札を出した。ポーカーフェイスが無表情の奥で嗤う。……圧倒的な点差での勝利は揺るぎ無い。

　ホワイトパロットが出した札は……紫の花とその上を舞う白い鸚鵡であった。「は……？」ポーカーフェイスが間抜けな声を上げる。「桐とホワイトパロット。890点。これにて逆転、全ては終わりだ」「バカな……！？そもそもそんな札も役も存在しないんですけお！」ポーカーフェイスの表情が初めて焦りへと変わった。

「あるではないか、ここに」ポーカーフェイスを鋭い表情で睨み付け、場の札を指差す。「ふざけ……」「イヤーッ！」瞬間！ホワイトパロットは札を手に取り投げた！「ケオーッ！？」投げられた札はポーカーフェイスの眉間へと突き刺さる！

「文句があるのならよく見たまえ。確かにそこにあるだろう？……君のイカサマと同じようにな」「けっ……けおおお……！」ホワイトパロットが椅子から立ち上がり、ポーカーフェイスは悲鳴を上げながら後ずさる。その表情は恐怖に染まっていた。

「ジツの力で札を偽装する……まさかそんな姑息な、くだらぬ事をするニンジャがいるとは思いもしなかったよポーカーフェイス君」つかつかと、決断的な殺意を滲ませながらホワイトパロットが迫る。「……ケオーッ！」意を決したポーカーフェイスはチョップを構え跳ぶ！

「イヨーッ！」……一瞬の交錯。「ケオアバーッ！」ポーカーフェイスの首がテーブルの上へと落ち、仰向けに倒れた首無し死体が爆発四散した。「サヨナラ！」……彼の額に刺さる札は、赤黒の不気味な絵柄へと戻っていた。

　ホワイトパロットはテーブルに背を向ける。……空気に呑まれかけるとは情けない限り。イカサマを疑うことができず、そもそも勝負に乗せられた時点で何かがおかしかった。最後にどうにか平静を取り戻すことができなければ今頃……。……危うく破滅の寸前まで至っていた。

　ポーカーフェイス、矮小で卑劣だが、その話術は確かに油断ならぬぴるすであった。カス札であろうとも点となる路は存在するのだ。……ぴるすもまた然り。ホワイトパロットは手元で扇めいて広げたカキツバタ、藤、牡丹の三枚の札に火を着けると賭場の隅へと投げ捨てた。

　札に灯った火が床に敷かれた赤い絨毯へと引火し、賭場は煙と炎に包まれ始める。「ケオーッ！？」「た……助けてくだち！折角勝ったのに……！」逃げ遅れた、欲にまみれた博徒ぴるす達の悲鳴を背に、ホワイトパロットは賭場を後にした。

【ゴー・フォー・ブローク】終

このスレを書いた「」の精神衛生が心配だ。家族と話し合っているだろうか。樅の木は飾り付けたろうか。シチューとか食べなさい。今一度、思い返して欲しい。

イブの夜は名も無きぴるすにも炎の温もりを与える優しさがカブキスレイヤー＝サンにもあった

いや…ぴるすますキャンドルか？

割と冗談抜きでヤバイ級に久しぶりに見たな
カブキスレイヤー＝サン･･･

◆歌◆カブキ名鑑#139【ポーカーフェイス】◆舞◆
違法ハナフダ賭博場を取り仕切る胴元のニンジャぴるす。カラテは不得手だが、巧みな弁舌でハナフダ勝負へと持ち込み、ゲン・ジツによるカード偽装イカサマによって相手を破滅させる。

クリスマスにピルスをスレイしてとくてんは100倍だ
わかるかこの算数が？エエッ？！

聖なる夜
キリストは復活しぴるすは死ぬ

親愛なる読者の皆さんにお伝えします。クリッスマスーンーは終割を迎えました。苦しまなくて済みます。よって、ぴるすを無駄に痛めつけずに済みます。帰っパ

どうかよい子の読者の皆さんは興味を惹かれても友達に対してぴるすにするような真似はしないで欲しい
してもいいのはぴるすが相手の時だけなのだ

歌舞伎スレイヤー久しぶりに見た

ワンダホー！

◆note更新な◆
https://note.com/546890/n/n69b722a83b1c?sub_rt=share_b
◆非常に長い◆

クリスマスとニンジャスレイヤーの関係は言わずもがな、ナイフの行方が放送されたのもクリスマス寸前と縁のある日である

>◆非常に長い◆
彼は狂っていた。

>◆note更新な◆
スレ「」＝サン
早速フォローさせていただきました！ユウジョウ！

>　札に灯った火が床に敷かれた赤い絨毯へと引火し、賭場は煙と炎に包まれ始める。「ケオーッ！？」「た……助けてくだち！折角勝ったのに……！」逃げ遅れた、欲にまみれた博徒ぴるす達の悲鳴を背に、ホワイトパロットは賭場を後にした。
無慈悲な巻き添え！

>一面が赤と黒で塗られた不気味な札
花札の話題で頻出の謎めいた柳札だ

赤い月「インガオホー」

TRPG出た頃からやってんだなあ
狂人では？

ホワイトパロット＝サンがここまで苦戦してるのポープ以来では！？