二次元裏@ふたば

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334762 B24/12/22(日)00:11:49No.1264952620+ 02:15頃消えます
うちの子のわからせの続きです
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うちの子
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お借りした方々
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/12/22(日)00:12:06No.1264952724+
「やあ、うちの娘が迷惑をかけたね。代わりに謝るよ、すまない。ああ、ここで戦うつもりはないよ。ほら……木行次席から差し入れだよ。僕を普通の五行戦闘員だと勘違いしたみたいだ。察するに彼が、君がここにいる理由のひとつかな?……そんな怖い顔で睨まないでくれよ。しかし君には驚いたよ。あの水龍将軍ですら分離・解除できなかった盗聴プラグインを一瞬で無効化するとはね。海津君の評価が甘かったみたいだ。そしてそこの君……仮にも忍者である一華を無傷で捕縛するとはね。五行幹部でもない人間にこれほどの者がいるとは……僕が思っている以上にFE社は手強いようだ。どうやら……君たちを潰す時は全力でやらないと勝ち目はなさそうだな。それじゃ失礼するよ。残念だが次に会うときは殺し合いだね。カードスラッシュ、ショートカット!」
224/12/22(日)00:12:20No.1264952795+
意識下の空間で、よく似た少女が相対する。
「……あ、やっと終わった?よくあれだけつまらない映画のストックがあったものね?」
やや年長そうな少女が言う。
「あんたのおかげで酷い目に遭ったわよ!映像作品だからか変な情報が添付されなかっただけマシだけど!」
年少そうな少女が食って掛かる。
「あら、気づいてないのわたし?」
「……何がよ?」
「6代目、もうあなたにデータ転送してないわよ。」
「………………え?」気づいていなかったことに気づき、一瞬呆ける。
「そういうところよ……ホント。あなたムカつくわねえ!」急に年長な少女が激昂する。
「ちょっと素質のある『目』だからって!6代目の力を使いたい放題に使って!」
言われた少女がビクッと一歩後ずさる。
「何の悲しみも!辛い体験も!一つとして背負わないで!力だけ与えられて!」
思い当たる節があるのか、年少の少女の顔が歪む。
「挙げ句その力を我が物顔で振るって!何様のつもりなのかしら!!」
324/12/22(日)00:12:33No.1264952866+
「えっ、でも……」
「やっぱりあなたには過ぎた力なのよ、魔女の力も、忍者の力も。」
その言葉と同時に紫髪で赤い服の少女――の姿をしたデジモンが現れる。
「やっちゃって、6代目?」その言葉に少女型のデジモンが右手を突き出す。
『バンド・グリーム』淡い紫の光が年少の少女に叩きつけられる。
「あああああっ!!」
「今よ!イチカっち!」突然現れた全身赤の魔女の姿のデジモンが割り込んできた。
それは年長の少女と少女型デジモンを組み伏せ、そして叫ぶ。
「データリンクはアチシが遮断する!イチカっちは逃げな!」
「ネーバルウィッチモン!」少女が呼びかけると同時に
424/12/22(日)00:12:45No.1264952958+
「おい、一華!しっかりしろ、起きてくれ、一華!大変だ!」一華が気がつくと、蔵之助が彼女の顔を覗き込んでいた。
「ゴースモンが消えたんだ!わかるか、いち……か?」しかし一華の様子がなにかおかしいことに蔵之助は気付いた。
「……一華、僕のことは見えてるかい?」
「…………なんか、ぼんやり、してる」おそらくまだ意識が朦朧としているのだろう、滑舌がいつも以上におぼつかない。
しかしその一言だけで、蔵之助は彼女に尋常ではない事態が起きていることに気づいた。
たとえどんな状況であったとしても、本来の一華の『目』であれば、目の前の人物がぼんやりみえるなどということはありえないのだ。
「……とりあえず家に帰ろう。」
524/12/22(日)00:12:59No.1264953028+
数時間後、平和島の名張家のダイニング。
そこでは家族全員とそのパートナーデジモン、そしてロトスモンが集合していた。
一華にとっては実に七ヶ月ぶりの我が家である。
しかしそこに久々の家族が揃ったという喜びの様子は微塵もない。
「両目の視力は0.1以下、重度の弱視です。」報告するエンジュの声が重い。
「各フィジカルの数値、走力、筋力、反射速度、その全てが10歳女子の平均をやや上回る程度……に、なっています。」
食堂の空気が決定的に重くなる。忍者であればありえない数値だ。
「……ゴースモンが消えたことと、関係があるのかい、一華?」蔵之助が口を開く。
「…………封印特化型の6代目エンシェントウィッチモンの、アルカナウィッチモンの仕業、で間違いない、の。」
答える一華の声にはまるで力が感じられない。
「その結果がこれか。」蔵之助は食卓の上に何かを置く。
それは一華のディーアークだった。ただしそれは輝きを失い、全体がつや消しの灰白色に染まっている。
「何をしても一切の反応がない、ということだったね?」
624/12/22(日)00:13:12No.1264953109+
「……多分、5代目……ネーバルウィッチモンが、わたしとエンシェントウィッチモンの間のリンクを遮断したんだと、思う。」
淡々と、極力感情を抑え込むような声を出す。
「わたしを、アルカナウィッチモンから守るために……。」
「あと……これはまだ解析途中での中間レポートですが遺伝子構造に変化などは全く見られません。」
こちらも気力を振り絞るようにして、エンジュが報告を続ける。
「体重や身長などは成長期なので比較できませんが、おそらく肉体に対する改変などはされていないようです。」
「現実改変による喪失ではなく、何らかのギミックによる『封印』というわけか……。」蔵之助の眉間に皺が寄る。
「さて、そうなると確認しておきたいことがあるんだが……エンジュ、あれを流してくれ。」
「わかりました蔵之助さん。」エンジュは手早く操作してテレビモニターに動画を映し出した。
724/12/22(日)00:13:28No.1264953199+
「ごめんちょっと……やっぱりきついわね。」茜が真っ青な顔をしている。
「……えっと一華、どう、だったかな?」同様に真っ青な顔をして蔵之助が問いかける。
「私はさすがにちょっと恥ずかしいかな。」頬を染めるエンジュ。
今しがた流された動画は、侘助とエンジュが自分たちの『行為』を撮影したものだ。
近親者の忍者にとっては重大な精神ダメージを齎す物である。しかし……
「へぇー、こんなふうにしてるんだ……参考になる……」
弱視状態のため、手元のタブレットに顔を近づけながら見ている一華。
その表情に精神的苦痛を受けている様子は全く見られない。
「……今わたし何を!?」自分の様子に今更気がついたようだ。
「プロテクトも機能してない、か……」蔵之助の言葉にエンジュ以外の表情が更に重く沈んでいく。
「確認しよう。一華、赤瀬満咲姫について今はどう思う?」
「世界一の天才美少女。」即答する一華に蔵之助がずっこける。
「訊き方が悪かったな。赤瀬満咲姫を『主』にしたい気持ちはまだ少しでも残っているかい?」
824/12/22(日)00:13:41No.1264953269+
「…………?…………!!」少し考え込んだ後、愕然とした表情で頬に両手を当てる一華。
「……無いん、だね?」蔵之助の問いに、静かに、そして悲しそうに頷く。
「…………さて、ここからが本題だ、一華。」蔵之助がまっすぐに一華を見る。
その白髪が黒くなっていく。『オートコンタミネーション』が発動しているのだ。
一華のこれから言う言葉が、本心からのものかを確認するために。
「穂村拝君のことを、どう思っているんだい?」
「わたしは……拝くんのことを……拝くんのことが……」
そこで目を閉じて自問する。その場の全員の視線が集中する。
その視線を掴むかのように、彼女の右手がぎゅっと握られる。
「わたしは、拝くんのことを守りたい!拝くんを助けたい、幸せにしたい!」
ほぼ全員の顔にようやく明るさが戻る、ただ一人、蔵之助を除いて。
「君は前に言っていたよね、穂村拝君の子供を産みたい、家族を作ってあげたいって。」
何が言いたいのか、茜以外の全員が諮りかねて黙っている。
「もし忍者の能力と一緒に受胎能力まで失っているとしたら、同じことがまだ言えるかい?」
924/12/22(日)00:13:56No.1264953355+
「あなた!」茜が立ち上がる。看過できない言い種だと思ったのだろう。
一華のほうはその可能性を告げられてハッとした顔をして、それから俯いた。
しかし蔵之助は茜を一瞥しただけで再び視線を一華に戻す。
「…………言えない、言えま、せん。」俯いたまま一華は言う。
「……でも、」そして、再び顔を上に上げる。
「それでも、わたしは、拝くんといっしょにいたい!」目尻から涙滴が飛ぶ。
「たとえ拝くんの子供が産めなくても!拝くんを守る力がなくなっても!それでも!」
握られた両の拳が食卓を叩く。
「忍者の本能とか主とかどうでもいい!わたしが!拝くんの!家族になりたい!」
その自身の言葉でせき止めていたものが決壊したのだろう。そのまま一華は食卓に突っ伏し、嗚咽をあげ始めた。
「ううっ……拝くん……会いたいよぉ……うっぐ……」
1024/12/22(日)00:14:11No.1264953445+
「……じゃあ決まりだな。」蔵之助が嘆息しながら言う。
「そうね。」茜が言いながら立ち上がる。
「全く拝のやつも薄情だよなぁ。」続いて侘助が立ち上がる。
「しょうがないでしょ、穂村くんには穂村くんの事情があったんだから。」ノートPCを閉じながらエンジュがその言葉を窘める。
「えっ……?」涙に濡れた顔が皆を見回す。
「穂村殿のいる世界を探そうと言うのですよ、姫様。」レナモンが手を差し伸べる。
「他ならぬお嬢の願いやもんなぁ。」腰に手を当ててホークモンが言う。
「ま、それがお前ェサンの見つけた道だってことなんだろ?」ブシアグモンが不敵に笑う。
「大丈夫です、家族が力を合わせればきっとそれぐらい造作もない、なのです。」その背後からキウイモンが言う。
「…………!」ロトスモンの声は小さくてよく聞こえないが、励ましてくれているのは間違いなかった。
「ありがとう……みんな!」差し出されたレナモンの手を、一華の右手が掴んで立ち上がった。
「さて、そうなると誰が一華に同行するかだけど……おや?」蔵之助のスマホが着信して振動していた。
「こんな時に何の用だい全く……もしもし?」
1124/12/22(日)00:14:48No.1264953658そうだねx1
続きはtxtからどうぞ

間違いとか解釈違いとかあったら
ごめんなさぁぁあい!!
1224/12/22(日)00:29:52No.1264958466そうだねx2
(なんか想像してたよりアクロバットな展開になってきたな…しかし誰なんだ謎の穂村家の人…)
1324/12/22(日)00:31:56No.1264959038+
割と思いもよらぬ方向に話が飛ぶよね忍者怪文書…
1424/12/22(日)01:24:50No.1264972843+
多分あまり関係ありませんが作業中のBGMがだいたいスパロボMXでしたなんででしょうね?


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