ただいまさやか！そうか届いたか！
って……アイエッまさかの紙媒体！？

ある意味流石というか…そういう雰囲気が好きな子だからなぁ？
どれどれ…

（開けてみると脚本の最新版が一冊の物にまとまっている！）

わ…ちゃんと本になってるわよ「」っしー！
こないだはぐむ先輩に渡してたのは紙束をホッチキスで留めただけのだったけども

>（開けてみると脚本の最新版が一冊の物にまとまっている！）
ちゃんと本の形になってる…（表紙をめくってみる成人男性）

ついにできたか…決定稿！
きっとキャストのみんなにも届いているだろう！

そう言えば「」っしーもお話上がったって言ってたもんね？
しかも今週の土日でしょ？あたしこれから覚えられるかなぁ？

キャストの皆に……はっ！？
そうすると…これって人魚姫やるあたしの分…ってコト！？

>そう言えば「」っしーもお話上がったって言ってたもんね？
>しかも今週の土日でしょ？あたしこれから覚えられるかなぁ？
さやか（肩に手をＰＯＮと置く「」）
…成せば成る！

ああ、これは俺に向けたものだからね？
さやかの台本はこっちだ（薄い冊子のようなものがある）

うっ…やるしか無い…ってことかぁ〜！
ですよね〜！

ｳﾞｧｷﾞﾅ！？

『「」監督へ
　脚本上がりました
　海香先生との協議でサンタにサプライズを追加したよ。』　　

>ああ、これは俺に向けたものだからね？
>さやかの台本はこっちだ（薄い冊子のようなものがある）
んんー？（受け取る）…な、なんかあからさまにあたしのは薄いようなー…？
「」っしーのはそんなガッツリ本なのにあたしの分は単行本の特典くらいの厚さしかないんですけど！

俺のこれは劇全体を収めてるやつだから…ううむ
脚本担当として持っているべきだと言うことだろう

さやか…思いだしてくれ
アンデルセンの原作では悲劇のヒロインだった人魚姫ではあるが
この劇ではあくまでもゲスト…！

>「」っしーのはそんなガッツリ本なのにあたしの分は単行本の特典くらいの厚さしかないんですけど！
まあほら、セリフの量に左右されるからな？みんなもきっとそんなものだと思うぞ

うう…そっかぁ、あたしの出番はこの脚本の分だけってことか〜…！（くっ…）

いいか！その分気合を入れるんだ
ゲストで台詞数が少ないからといって手を抜いたら駄目だぞ？

それにしてもサンタにサプライズってどういう事かしらねぇ？

うーむ…ギリギリで修正が入ったような気もするし
ちょっとその辺は俺にも届いていないんだよな？

そっか…そうだよね？「」っしー
逆に考えるなら自分の出番で全力出せればＯＫってことだもんね

それに今から大量のセリフを覚えるのをお前は望んでたというのか？んんっ？！

>いいか！その分気合を入れるんだ
>ゲストで台詞数が少ないからといって手を抜いたら駄目だぞ？
おっけー！（ぐっ！）
そういえば由貴先輩もこないだ言ってたっけ…子供って鋭いからそういうのすぐわかっちゃうって

>それに今から大量のセリフを覚えるのをお前は望んでたというのか？んんっ？！
えっ…と…それは…（たじったじっ）

おそらく一番プレッシャーを感じているだろう子は他ならぬはぐむちゃんだろう
なぜならあの子は主役！

ﾋﾟﾛﾛﾛ!（早速はぐむから電話がかかってくる）

台詞の全部を暗記する必要は無いぞー？読み込みと役作りはもちろん大事だけども
これは人形劇だからな…

ありゃ？はぐむさんからだよ
もしかしてとんでもない量のセリフ覚えろとかいう奴だったとか？

『12時で魔法が解けるサンタクロースって何ですか？！しかも正体がシンデレラって！！』

なんかすごい展開なのだ？！はぐむさんしっかり！！

なぬ！？随分とまあ凄い設定にしてきたな…

『あわわわわ…！！まさかの正体が…！』

記憶喪失になった娘が自分が何者かもわからず…
サンタのお爺さんに助けられてお手伝い…か
始まりと終わりを大分変えてくれたなあの先生方は！

ええーっと他の人のところには影響がないって感じ？
〆の部分までは一緒みたいな

マジか…マジか！
マジなのか…？！（自分用のホンのページをラストまでめくる「」！）

（12時の鐘と共にサンタの魔法が解けるシンデレラ…そして彼女を探していた王子が現れる！）

これは予想外だったのだ…
白雪姫へのプレゼントが王子さまって事かぁ〜

『あわわ…まさかガラスの靴を落とした階段で王子様を撒いたあと盛大に転んだ拍子に記憶喪失になってたなんて〜！』

>『あわわ…まさかガラスの靴を落とした階段で王子様を撒いたあと盛大に転んだ拍子に記憶喪失になってたなんて〜！』
Ｏｈ……なんたるドジっ子！！
でもそこが良い！

『ちょっと混乱して頭ｸﾞﾙｸﾞﾙです〜！』

そっかー…あたし達にとってのソウルジェムみたいなもんだよね？
おとぎ話の主人公のアイテムってさ

深呼吸するのよはぐむ先輩！（電話越しに呼びかけるさやか！）
ほら！ヒッヒッフッフー！ヒッヒッフッフー！

>そっかー…あたし達にとってのソウルジェムみたいなもんだよね？
>おとぎ話の主人公のアイテムってさ
ある意味魂のようなものだからな…キーアイテムというか逸話というかそういうものは
それが奪われたときにアイデンティティを失う…

>深呼吸するのよはぐむ先輩！（電話越しに呼びかけるさやか！）
>ほら！ヒッヒッフッフー！ヒッヒッフッフー！
『ええっ！それだと赤ちゃん産むときのやつでしょさやかちゃ〜ん？！』
『そうだとしても微妙に違ってる気がするよ…！』

『灰色のサンタに変更だなんて不思議だと思ってたんですよー！てっきり未熟者感を出すつもりかと』

『あうう〜…まさかのシンデレラ役！？私…どう受け止めれば…！？』
>ある意味魂のようなものだからな…キーアイテムというか逸話というかそういうものは
>それが奪われたときにアイデンティティを失う…
『っ……』（「」の言葉を受けて電話越しに息を呑む…）

『あ…そっか…ガラスの靴が無いシンデレラは、誰でも無い女の子…』

>『あ…そっか…ガラスの靴が無いシンデレラは、誰でも無い女の子…』
まぁ確かにシンデレラって…魔法にかかってからが本番みたいなところはあるけども〜…！

『うぅ……』（はぐむの声が沈む…受話器越しに急降下していくのがわかる彼女の自己肯定感！）
『私なんかじゃ誰でも無い女の子にしかなれない…ってことなのかな…？』

『が…がんばります！これは…絶対に譲れないと思いますから！』

>『うぅ……』（はぐむの声が沈む…受話器越しに急降下していくのがわかる彼女の自己肯定感！）
>『私なんかじゃ誰でも無い女の子にしかなれない…ってことなのかな…？』
あわわわわ…そ、そうじゃないですってばはぐむ先輩！
うーみんとねむちゃんはそんなディスるみたいなメッセージ込めませんってば！

そうか…！君の初の舞台でもあるが…気負わずに！

確かに魔法の加護の無いシンデレラは…誰でも無いモブめいた存在かもしれん
でもきっと、誰でも無いからこそ何にでもなれちまうんだ！
…ってことをあの大先生方は言いたいんだって俺は思う！

『…誰でも無いからこそ』
『何にでもなれる…』

『私…仕上げてみせますから…！きっとこれは私にとってもチャンスだと思うから！』

（電話口で決意を固めるはぐむ！）

これはあたしも負けていられませんな〜？それにおとぎ話ではあたしがトップバッターだよー！

その意気やヨシ！君に期待しているぞ！

『あの…夜分遅く失礼しましたっ！ちょっとは落ち着いてきたかもです…それじゃぁ！』

>その意気やヨシ！君に期待しているぞ！
『はいっ！！……それと、「」さん…』
『この劇、ですけど…最後の通しリハーサルを録画するんですよね？』
『ユニオンの動画ページにアーカイブにして置いてもらえる、って…』

左様…あくまでも魔法少女限定みたいな感じだけどね？
流出不可だ！

『あはは、ちょっと恥ずかしいけど…だからこそ』
『見てくれる人たちがいるからこそ、踏ん張らないといけませんよね…！』

『時雨ちゃんもロボットの方で頑張ってくれてるし』
『藍家さんたちも噂を聞いて、ぜひ見たい…って言ってくれてるんです』
『……うう、自分で言っててあれですがあらためてプレッシャーが…！』

（電話越しのはぐむの声がまたもや沈む…高校生でさやかたちよりお姉さんだが彼女も本質は陰の者なのである）

堂々巡りになってるときは休むのが一番だ！今日は無理に練習せずに早く寝るんだぞ！

とりあえず、声の収録はもう明日から始めるつもりだよ
放課後、時間が取れた子から桜ゲートであすなろの御崎邸に集合だ！
…もし不安なら見学に来ると良い、他の子の芝居がはぐむちゃんの参考になるかもしれない

>堂々巡りになってるときは休むのが一番だ！今日は無理に練習せずに早く寝るんだぞ！
『はい、はいっ…あわわ〜…！』
>…もし不安なら見学に来ると良い、他の子の芝居がはぐむちゃんの参考になるかもしれない
『あっ……そ、そうしますっ！ぜひ！』

『わ…わかりました…ええっと…お、おやすみなさいっ！』

（就寝の挨拶と共に切れる電話…相当テンパっていたようだ）

ああ、おやすみ……ううむ
さてどうしたものか…（天井を仰ぐ「」…）

はぐむさん…結構緊張してたけども
いきなり本番近くなってこんな大役を任されるんだもん
そりゃーそうよねぇ？

しっかしめちゃめちゃ衝撃のエンディングになったもんよねー…ねむちゃんのやつ〜！
特大のサプライズ仕掛けてくれちゃったじゃないのさ！

しかしこの発想は俺からは出てこなかったなぁ？
誰かの口添え…いやまさかな？

>はぐむさん…結構緊張してたけども
>いきなり本番近くなってこんな大役を任されるんだもん
>そりゃーそうよねぇ？
俺もあの子はテンパりやすい性分だとは聞いてたつもりだったが！
自分の役である見習いサンタの正体を知って、頭の中グチャグチャにならないと良いが…

＜こんばんは「」さん、美樹さん？
（えんがわにスイと現れるマミ！）

>しかしこの発想は俺からは出てこなかったなぁ？
>誰かの口添え…いやまさかな？
んー……なーんかひっかかるのよねぇ？（腕組み思案のさやかである）
はぐむ先輩がシンデレラに憧れてたって話、あたしたちが最初に聞いたのって
確か、大東団地で脚本を渡したときだったわよね…？

ともかく俺としてもサプライズだよ…幸い導入と締めをしっかりすればその間は変更なしときた！
そういうところはあの二人に感謝だな？

あれ？マミさん？今日はシフトでしたっけ？ってそんな事より！
色々決まりましたよ劇が！

そう…ついに大詰めなのね！
しかも安積さんが主役なのよね…！（微笑むマミである）

…フェントホープの黒羽根の中では、安積さんはとりわけ地味だったけれど
この劇を通じてこれから羽ばたくということなのよね！安積さんは…！

マミさんなら彼女の事を俺たちより知ってそうだな…あの子はどんな子なんです？

フェントホープ？…あっ！マミさんってあのホーリーだった頃は
教官さんといっしょに羽根の子たちに戦い方教えたりしてたんでしたっけ…！

美樹さん…！
ホーリーだった頃とか言わないで欲しいのだけれど…！

>マミさんなら彼女の事を俺たちより知ってそうだな…あの子はどんな子なんです？
私よりも神楽さんや遊狩さんの方が詳しくはあるけれど…そうね
ちょっぴり臆病で、自分に自信が持てないところはあるけれど
…でも、とっても優しい子だと思うわよ「」さん

そう言えばホーリーの季節…！

安積さんの魔法は『魔女への特効』だもの、魔女が相手ならちゃんと戦える
だけど、安積さんが自分に自信が持てない一番の理由は…彼女曰く
…『ドジだから』

もしかして…それって思いこんじゃってるんじゃないですかねー？
だってあんなにきれいなお人形や衣装作れるんでしょ？
ダメダメな人にはできませんって！

「」さん、失礼しますね？（ちょこんと縁側に腰掛けるマミ）
安積さんはね、マルチタスクというか…一度に複数のことを処理するのが得意じゃ無い
魔女への攻撃をあてられれば、それは確かに強力なダメージを与えられるけれど
初見殺しが多い魔女の攻撃を捌くのは苦手で…相性が良い相手と悪い相手にとても左右されてしまうのよ

ふむ…決してロースペックな子ではないにせよ
調子が出せるかは環境に左右されがちってことか…

>そう言えばホーリーの季節…！
……「」さん？もしかして…期待してます？（じとー…）

なんか職人気質？みたいなのはあるかもですよねー？
あたしびっくりしたもん…お試しだけで人形あっという間に作っちゃったし！

>……「」さん？もしかして…期待してます？（じとー…）
少しくらいはいいんじゃないですかね…（迂闊な「」が口を滑らせた）

>もしかして…それって思いこんじゃってるんじゃないですかねー？
>だってあんなにきれいなお人形や衣装作れるんでしょ？
>ダメダメな人にはできませんって！
…くすっ♪私も美樹さんと同じ意見よ！（むんっ！）
私ね、安積さんはきっと“褒められると伸びるタイプ”だと思うのよ
黒羽根時代でもよく『ドジして演劇部の先輩によく怒られちゃう…バカにされちゃう』って溢していたもの

>>……「」さん？もしかして…期待してます？（じとー…）
>少しくらいはいいんじゃないですかね…（迂闊な「」が口を滑らせた）
バカはどっちなのだー！！！（さやチョップ）

>黒羽根時代でもよく『ドジして演劇部の先輩によく怒られちゃう…バカにされちゃう』って溢していたもの
あ…そっか、そういえば（はっとするさやか）
時雨もはぐむ先輩も…みんなからバカにされないために魔法少女至上主義を掲げたって言ってたっけ

グワーッ！？

ねぇ「」さん…この劇が完成するまでなるべく安積さんについていてあげてもらえないかしら？
直接ディレクションをしてあげて…できるだけ褒めて伸ばしてあげて欲しいのよ

前が見えねェ…（さやチョップで凹んだ顔のままフラつく「」！コワイ！）
>ねぇ「」さん…この劇が完成するまでなるべく安積さんについていてあげてもらえないかしら？
>直接ディレクションをしてあげて…できるだけ褒めて伸ばしてあげて欲しいのよ
ほ、褒めて伸ばすか…俺に出来るだろうか…

「」っしーは時々叱らないと伸びないもんねー？ええっ？（ｼｭｯｼｭｯ…素振りチョップ）

も・ち・ろ・ん！（ｽﾞｲｯ！たゆんっ❤）
…褒め殺しだけではいけないわよ！褒めるべきところはきちっと褒めて
直すべきところはちゃんと教えてあげるの…難しいことじゃないわ「」さん

ｸﾞﾑｰｯ……！
なんか…会社の新人教育に実際近いような…！

そう！まさにそれよ「」さん！新人教育！
…私もこれまで美樹さんや鹿目さんに戦い方を教えてきたし
むしろ「」さんの方もお仕事で経験あるんじゃないかしら？

（えんがわに腰掛けた体勢から四つん這いになったマミの顔の良い顔が迫る！近い！なんか良い香り！）

確か「」っしーは…『監督』だったよねー？
（ねむの手紙を見せる）

あーなるほどー？
「」っしーも会社だと後輩いるもんね？

>むしろ「」さんの方もお仕事で経験あるんじゃないかしら？
まぁ、多少は……つってもあんまり尊敬された感じはしなかったし
なんなら俺を追い抜いていった後輩も…居て……（どよん…）

>なんなら俺を追い抜いていった後輩も…居て……（どよん…）
「」さん……大丈夫よ！
魔法少女界隈ではね？弟子に追い抜かれることはむしろ良いことなんだから！
安心して背中を任せられる仲間として成長した…ってことだもの

かこが今／俺の人生を／収穫に来た

>確か「」っしーは…『監督』だったよねー？
>（ねむの手紙を見せる）
ぐぬぬ…！それはほら、ごあいさつ程度の奴で！

どうせリハまであたし達やるんだし？
つぎはぎで色んな子が来る中であの子はぶっ通しなんだもんね

>確か「」っしーは…『監督』だったよねー？
>（ねむの手紙を見せる）
か……監督…！（ねむレターを突きつけられる形の成人男性である）

ｸﾞﾇｰｯ…後輩に追い抜かれようと関係無い…むしろ鼻を高くするべき…！
俺は監督…舞台に立つ役者の子たちを後方ベガ立ち鼻高監督ムーブで送り出さねばならない…！

そうね…でも監督さんを応援もしなくてはいけないわよ美樹さん

もしも「」さんが迷っているなら…そうね（くすっ…♪）
柊さんに頼んで、ウワサを貸してもらうって手もあるわよ？
ウワサに取り憑いてもらっていっそあなたもホーリーになれば
心は晴れやかになって…もう何も怖くない…フッフフフ…♪

>そうね…でも監督さんを応援もしなくてはいけないわよ美樹さん
いえーす…！（ｸﾞｯ！）
もしも「」っしーが潰れそうってんならその時こそあたしが支えないとですよね…！

>柊さんに頼んで、ウワサを貸してもらうって手もあるわよ？
ま…マミさん…？（たじっ…）
>ウワサに取り憑いてもらっていっそあなたもホーリーになれば
>心は晴れやかになって…もう何も怖くない…フッフフフ…♪
ｱｲｴｴｴｴ……つ、連れホーリーはちょっと…！

主演の安積さん、監督の「」さん…そして人魚姫役にして監督補佐の美樹さん
その三人のチームワークが大事よ！

あたしが…監督補佐！

（自分用の薄いホンを握りしめるさやか…ホンの薄さとは裏腹に一気にデカい役割を仰せつかったのを今、自覚したのである）

監督か……なんか緊張してきたぞ俺
プロのやちよさん相手に演技指導とかしちまうのかー！