二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1734350025138.jpg-(70502 B)
70502 B24/12/16(月)20:53:45No.1263366619+ 21:55頃消えます
「おっはよー!」
 MSデッキから降り立ったアグネスは、シンとルナマリアの肩に手を置きながら一方的に挨拶する。
「お、おはよう……」
 シンとルナマリアはおずおずと挨拶をする。
 『ファウンデーションの変』後、アグネスは自分はあくまで『キラへの攻撃はラクスの命令に従っただけ』『ファウンデーションに従っていたのはラクスが人質に取られていたため』と主張し、ちゃっかり無罪を勝ち取っていた。コンパス側としても活動凍結中に勝手に動いた関係上あまり深くは追求出来ず、彼女の道義的責任は有耶無耶となった。
「随分元気そうね? まあ、アンタが引きずって無いなら私はもうそれでいいけど……」
 ルナマリアはアグネスの面の皮の厚さと切り替えの早さに軽く引きつつ、そう言うところを逆に羨ましくも思わなくはなかった。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/12/16(月)20:53:58No.1263366746+
「いい女は過去をくよくよ引きずらないのよ! ……まあでも、まさかヤマト隊長があんな女誑しだとは思わなかったわ。万年童貞みたいな顔して人は見かけによらないものねー」
 シンも人の事を言えた義理か、とは思ったが流石に言う気は起きなかった。
「でもヤマト隊長はもういいわ! これからは『アスラン・ザラ』狙いで行くわよ!」
「「あはは……」」
 正直隊長以上に無理筋だよなあと思いつつ、特に指摘する気も起きなかったので、シンとルナマリアは愛想笑いをしてお茶を濁す。
「……青春だねえ」
 後方からそれを見ていたヒルダは感慨深げに笑みを浮かべた。
224/12/16(月)20:54:10No.1263366843+
「エックシッ!」
「どうした、風邪か?」
「いや、誰かに何か噂されたような……」
「ギャグとしては古典的過ぎますよ、それ」
 アスランのくしゃみに、カガリとメイリンはそれぞれツッコむ。
「まあそれより、ラミアス艦長とフラガ一佐の結婚式の件だが……」
「結構急ピッチで話を進めますね」
「子供はキラ達に先を越されたから式は先に挙げたいそうだ。あとラミアス艦長としても出来れば30になる前に……という事らしい」
「ああー……」
 メイリンは納得したように頷く。
324/12/16(月)20:54:27No.1263366973+
「ま、我が軍の英雄たっての希望だ。出来れば叶えてやりたいさ」
「そうだな……」
「まあでも、それだけ一緒に居たい人が居るのは素晴らしい事ですよ」
「全くだな、イザークの奴など今も独り身だと言うのに」
「えっ、ジュール中佐ホモだって聞きましたけど違うんですか?」
「そうなんですか!?」
 メイリンの発言に、脇に控えていたトーヤが意外そうな顔をする。
「……分かってて聞くお前も大概だな」
 カガリが呆れ混じりにメイリンを睨みつける。
「えへへ」
424/12/16(月)20:54:46No.1263367120+
「エクシッ」
「あら、風邪?」
「いや、何か気に入らない噂話をしている奴が居る気がします」
 イザークは自宅で母エザリアとお茶菓子を摘んでいた。
「大方独り身で居ることへの嫌味でしょう。だからさっさと身を固めなさいと……」
「ですから母上……」
「ああそうだ、貴方の部下だって言うシホさん! あの娘今度うちに連れてきなさいよ! て言うかあの娘が居たからお見合いの話断ってたんでしょ! 私には分かるわ!」
「母上。」
「それにディアッカくんも最近ナチュラルの彼女とより戻したそうじゃない! それにアスランくんもヤマト隊長も……」
「母上!! ……まあ、はやる気持ちも分からなくはないですが、向こうの気持ちというのもありますし……何より、子供ができるかも分からないのに」
524/12/16(月)20:55:01No.1263367254+
「あら、そんな事? いいわよ、別に」
「へっ?」
 イザークは思わず気の抜けた声を出す。
「そりゃあ、孫の顔が見たくないかと言われれば見たいけれど……私はまず貴方に幸せになって欲しいのよ。先の事なんか誰にも分からないんだから」
「母上……」
「ね! ね! だからさ!」
「母上! …………まあ、考えておきます」
624/12/16(月)20:55:15No.1263367354+
「ックション!」
『どうしたのよ、風邪?』
「ああ、かもしれん」
「ちょっと止めてよね。コーディネイターが引く風邪なんて移されたらたまんないわ」
「それはライン超えだよミリィ……」
 オーブ・アカツキ島の海岸沿い。そこにある慰霊碑に向かって四人の若者が歩いている。
 オーブ軍服に身を包んだミリアリア・ハウとサイ・アーガイル、スーツを着たディアッカ・エルスマンとカズイ・バスカークだった。
「でも意外だね。いきなりオーブに墓参りに来たいだなんて」
「ま、今回の事件もあって色々思うところもあってな」
 ディアッカは何処か悠々と告げる。
「……ミリィが心配で会いに来ただけじゃないかな」
 カズイがサイにボソリとささやく。
「そうだとしても仕方ないだろ。あんな事があったばかりだしな」
724/12/16(月)20:55:27No.1263367462+
 慰霊碑の前に着くと、代表してディアッカが花を添える。しばらく碑を見つめた後、唐突に三人に問いかける。
「なあ、トールってどんな奴だったんだ?」
「……いい奴だったよ。俺達なんかよりずっとずっと」
 内容に少し面食らいつつも、サイは自分の思う通りに答えた。
「そうか……戦争はいい奴から死ぬ。それはどこも同じってこったな」
 遠いものを見るような目をするディアッカを見て、軽率な発言をした事をカズイは少し反省した。
「そう言えば、この慰霊碑の花ってずっとキラが面倒見てたよな。今は誰が世話してるんだ?」
 サイは、素朴な疑問をカズイに向ける。
「去年まではキラが定期的に世話してたらしいけど、コンパスに行ってからはフレイがたまに帰ってきて見てるってさ」
「……そうか」
 カズイの答えに、サイはどこか感慨深げに笑みを浮かべた。
824/12/16(月)20:55:40No.1263367564+
「クチュン!」
「あら、風邪でしょうか?」
「……かもね。気を付けないと」
 フレイは、鼻を軽くすすりながらラクスに告げる。ラクスは、フレイの姿を横目に見る。フレイはあれから、再び髪を伸ばし始めていた。どういう心境の変化かは分からないし心を読む気も無いが、彼女が自分を少しでも許せるようになったのなら、それは喜ばしいことだと思う。
 ――キラとフレイとラクスは、カリダとハルマへ正式に結婚することについて報告をしに来ていた。籍の方はカガリが何とかしてくれると言っていたので特に憂いはないが、式や披露宴を子供が生まれる前にするか生まれた後にするか、と言った些事の相談のつもりだった。
 しかしそんな事が吹き飛ぶくらい、カリダの変化はキラにショックを与えた。
924/12/16(月)20:56:02No.1263367758+
「あの、母さん。それは……」
 キラはカリダの腹部に目を向ける。……彼女のお腹は、そこだけがぽっこり膨らんでいた。ハルマを見ると、やや苦笑気味に笑っている。
「ええ、今ちょうど四ヶ月よ」
「いや、そうじゃなくて……」
「別にいいじゃない。貴方も成人してお嫁さんも出来たんだから、私だって……」
「いやでも、その歳で初産は流石に……」
「何よ、母体に不安があるから人工子宮でも使えってこと?」
「……冗談でもそう言うの止めてくれる?」
 わちゃわちゃと騒ぐヤマト親子を見ながら、フレイはラクスに語りかける。
「なんだか、今後も騒がしくなりそうね」
「うふふっ、そうですわね」
 そう言うと、二人は顔を見合わせてくすくすと笑いあった。

〈完〉
1024/12/16(月)20:56:30No.1263368012そうだねx1
どうもお久しぶりですキラフレ「」です
今回が怪文書最終回となります
最初は勢いで書き始めたのにいつの間にかここまで来てしまって正直自分でもびっくりしてます
最初は今時フレイ生存!?などとも自分で思ったりもしたんですが何だかんだ書いてて楽しかったです
フレイは良くも悪くも感情表現が素直なので凄く動かしやすいキャラと言うのは発見でしたね
ただ書いてて思ったのはここまで魅力的なキャラクターなのでやはり公式で生存IFはやって欲しいですね
今話題のガンダムの新作も宇宙世紀IFらしいですし種もフレイ生存バージョンとかやりませんかねやりませんよねすいません
ではここまでお付き合いいただきありがとうございました
1124/12/16(月)20:57:58No.1263368679+
今までの話です
https://www.pixiv.net/novel/series/11861256
では、重ね重ねここまでありがとうございました
1224/12/16(月)21:10:56No.1263375321+
お疲れ様でした
1324/12/16(月)21:13:01No.1263376387そうだねx1
リンク見たらなっが……
1424/12/16(月)21:20:54No.1263380346+
お疲れ様
1524/12/16(月)21:27:00No.1263383240+
監督はIF展開系はスパロボとか外部に投げるタイプだから…


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