「はーなーしーなーさーいーですわ!」 「貴方を野放しにしたら悪戯に魔法を使うでしょう」 金と黒の二人の少女が言い争っている。 一人は金髪で長身であるデルフィン。もう一人は紫がかった銀髪で少し小柄なネロである。 「いつもいっつも堅苦しすぎますわ」 「単にそちらが自由すぎるのです。ここは人間の世界少しは自制を…」 「昔っから説教臭すぎますわ!」 出自は同じ騎士団所属であったが互いが互いの性格ゆえに昔からどうも反りが合わないところがあって二人はいつも喧嘩をしていた。 互いに着眼点が見えないのかそろそろこれは不毛だなあと感じていた二人だがここで折れるのは双方のプライドが許さない。 先に動いたのはデルフィンのほうだった。 「仕方ありませんね…」 「えっ…ちょっ…!」 デルフィンは自身の口を少し開き手を発光させて術を仕込むとネロの角を片手で抑えつつ組み敷く。 ネロは豊満な胸のわりには小柄なのでデルフィンの顎下くらいに頭が来るくらいだ。なので密着した今の状態では上目遣いを使ってるような形となった。 「何をなさいますの…!?」 「昔やってた仕置きです」 「まっ!?…私達今は人げ…んっ」 突如としてデルフィンはネロに口を入れると、口を閉じぬように舌をねじ込む。 ネロの小さな舌がデルフィンの舌に絡め取られて強引にかき混ぜられてなんとも言えない感触である。 「ちゅ…っ…んっ…」 「あっ…ぅん…ゃめ…ひゃっ…」 快か不快かと言われば快な気持ちがネロに突き抜ける。 こんなのクリーチャーの時には無かった感覚なのに…。 荒ぶる快楽にと流されないように必死にネロは我慢をする。 「んっ……はい、これでイタズラに使えないようにと封印施しましたよ」 「……もうどうにでもなれですわ…」 少しドヤ顔気味のデルフィンに対して膝から崩れ落ちたネロは涙目になって顔を真っ赤(これは空気を吸えなかったため。断じて)に放心しながら恨み節を呟く。 いつもこれはマイペースなのだ。長い付き合いになってしまった自分が恨めしい。 「さて、私は戻りますので次こそは大人しくしてくださいね」 デルフィンは満足気にして部屋を出ていく。 小うるさいのは去ったが忌々しい封印が邪魔だ。 とりあえずこの封印をなんとかすることを決心したネロは封印解除前にある一件を片付けようと机に手をかけて立ち上がる。 さて、遺憾ながらも触ればネチョっとしてるのがわかるほど蜜で重くなっているこの下着をどうするべきかを。