やあ オレみたいだな。 やあ よろしく。一緒に がんばろうな。 いい大人が 八つ当たりとはな。 見苦しいぜ ガレムソン。 抽選の結果が 望ましくなかったからといって 子供に あたるなんて みっともないぜ。 パートナーが誰であろうと 闘士なら 全力で戦うのみ……だろ? よお 相棒。 このコ あんたの知り合いだったんだな。 この通り お嬢ちゃんは 無傷だ。 何事もなくて よかったよ。 それじゃ 子供たちが ハラをすかせて 待ってるんで これで失礼するよ。 明日から始まる武闘会 絶対に優勝しような! そうそう! 明日の試合前には 宿屋まで迎えにいくから ちゃんと寝て しっかり 体調をととのえるんだぜ! おはよう 〇〇! 今日は 予選試合だ! さっそく 闘技場に行こうぜ! ほお ガレムソンか。 この間の一件といい つくづく お前とは 縁が あるようだ。 やるじゃないか 〇〇! 思った以上の強さだな! あそこまで戦えるとは 思わなかったぞ! 次の試合が 始まったみたいだな。 ああ そうだな……。 あんたと組めたのは ラッキーだったぜ。 おかげで 今回も 優勝できそうだ。 それじゃ オレは これで失礼するぜ。 孤児院で 子供たちが待ってるんでな。 おおっ!? なんだ あんただったのか。 悪いヤツに つきまとわれてるかと思ったぜ。 最近 行方不明事件とかあって ぶっそうだろ? ちょっと ピリピリしてたんだ。 おどろかせて すまなかったな。 まあ 立ち話もなんだし 中に入ってくれ。 お前たち いい子にしてたか。 この人は 大事な お客さんだからな。 ジャマしないで いい子にしてるんだぞ。 ここは オレが生まれ育った孤児院でな。 武闘会で かせいだ 賞金をやりくりして なんとか やっているんだ。 オレは 武闘会で勝って 勝って 勝ち続けて……賞金を かせがないといけない。 あいつらの笑顔が オレのすべてだからな。 まあ ウデの立つあんたが いることだし 今回も 優勝は 間違いないだろう。 ははは! 頼りにしてるぞ 相棒! ありゃあ……。もう こんな時間か。 すまん すまん。 すっかり 話し込んじまったな。 ところで 〇〇。 お前 オレに 用があって来たんじゃ…… 今 オレの部屋のほうで 物音がしたような……。 間違いない! オレの部屋に 誰か いやがる! くそっ! 賊に入られたか! 賊めっ! オレの大事な孤児院に 盗みに入るとは いい度胸してやがる! 大会が終わったら とっちめてやるからな! とにかく 今は 明日の試合に集中しよう。 ……そうだ 〇〇。今日は遅いし うちに 泊まっていったらどうだ? 明日の朝になったら 起こしてやるよ。 決勝トーナメントに そなえて ゆっくり 身体を 休めておくとしよう。 起きろ……起きろ 〇〇! 今日から 本戦だぞ! よーし 起きたな! さっそく 闘技場に向かおうぜ! 〇〇。色香に 惑わされるなよ。 決勝トーナメントまで 勝ちあがった相手だ。 本気で いくぞ。 おっ? なんだ 〇〇。 今度の対戦相手は お前の知り合いなのか? やれやれ にぎやかな人たちだな……。 ふっ 無論だ。手など抜かないさ。 ハンフリーは 小さいビンを取りだすと 中身を 一気に飲み干した! ああ 気にしないでくれ。 試合前に こいつを飲むと 調子がいいんだ。 さあ 行くぞ! 〇〇! オレも 格闘家のはしくれだ。 こいつらの強さを ひしひしと感じるぜ……。 〇〇。気を抜くなよ。 ハンフリーは 小さいビンを取りだすと 中身を 一気に飲み干した! さあ 〇〇! 勝てば 優勝だ! 全力で いくぞ! スキあり!! どこ見てんだ! 試合中だぜ! お嬢さん! 〇〇! 今だ! やったな 〇〇! ついに 優勝したぞ! 今回は どの対戦相手も 手強かった。 もし お前が いなかったら 優勝することは できなかっただろう。 優勝賞品は 虹色の枝という貴重な物らしい。 売れば 結構な金に なるだろうからな そいつを ふたりで山分けしよ…… うっ……………!! アラクラトロさま! 新しい獲物を 連れてきました! はっ! そうか……。オレの部屋に侵入したのは あんたらだったのか……。 勝ち進んで 金を手に入れるためには 強者のエキスが 必要だったんだ。 孤児院を守るためなら なんだってするぜ。 すまない! この秘密を 知られたからには お前たちを 生かしておくワケにはいかん! くそっ……。こんな時に……。 ふふ……。情けないな。 これも 魔物のチカラに頼った報いか……。 仕方なかったんだ……。 オレのような 三流闘士の かせぎでは 子供たちを養うことが できなかった……。 ここは 孤児院の真下に当たる場所でな。 ある日 金が底をつき アタマを悩ませていると アラクラトロの声が 聞こえてきたんだ。 チカラが 欲しくないか……? 欲しかったら 我のもとに来いと……。 仮面武闘会で 賞金を かせぐために オレは チカラを 手に入れることにした。 ヤツの道具になる道を 選んだ……。 ろくでもない契約なのは わかっていた。 だけど オレの育った場所……孤児院と 子供たちを守るためには こうするしか……。 すまない……。本当に すまなかった……。 ちょっと 待ってくれ!! 本来 表彰式ってのは 場が あったまってる時に やるものだ。 お客さんも これじゃ 盛り上がらない。 そこで 提案だが…… 〇〇! 優勝賞品をかけて エキシビジョンマッチを やろうぜ! どちらが上か 白黒つけようじゃないか! これで もう 後には引けなくなったな。 なーんてな……。 もう オレは エキスなんかには頼らない。 正々堂々 勝負するとしよう。 行くぞ 〇〇! 勝っても負けても 恨みっこなしだぜ! お見事……。エキスを飲まなかったら オレの実力なんて こんなもんだ。 観客のみんなも わかっただろう。 チャンピオンという名誉を 受け取れるほど オレは 実力もなければ 立派な人間でもない。 賞品は お前が受け取るほうが ふさわしい。 お前たちのおかげで 格闘家としての良心を 取り戻せたような気がする。 気づかせてくれて ありがとな……