「ここがLINK_VRAINS……!すげぇ……!いや、感動に浸ってるヒマじゃないな。静香達の待ち 合わせ場所に急がないと───静香……静香かぁ……」 『どうした?』 「いや……静香は大丈夫かなって。俺と同じくらいこういうのに疎いだろ、アイツ。初めて目に映る モンばっかだし慌ててなけりゃいいけど」 『彼女ひとりなら確かに不安だが、土岐すなおや広江ちはるも同行している。しっかりと時女静香 をフォローしてくれるだろう』 「ま、そうだな。あの2人がいるなら大丈夫か……って、そういや不霊夢。ちかがいる場所ってここ ら辺で合ってるよな?」 『ああ。見ろ、Soulburner。あの噴水の前に佇んでいるアバターが彼女だ』 「お、噂をすればなんとやらってヤツだな。おーい、ち────ムグッ!い、いきなりなにすんだ よ!?」 「……今なんて言おうとしたの?Soulburner」 「え?いや、名前を────」 「はぁ〜……このネットには不特定多数の人達が集まっているんだよ!?中には悪い人だってい るし、そんな場所で個人情報をペラペラと喋ったりしたら変なことに利用されたり最悪犯罪に巻き 込まれる可能性もあるの!だから不用意な発言はダメ。わかった?」 「お、おう。わかったよ……リーフブルー……」 「うん。わかったならよし。さあ、3人との待ち合わせ場所に急ぎましょう?」 「そうだな……その前に、さ。ちょっといいか?」 「……?どうしたの?」 「……大丈夫か?」 「え?」 「俺達と一緒に神浜についてきてくれたけど……辛くないか?」 「……それを言うならSoulburnerだって同じでしょ?」 「俺がここにいたのは10年近く前だけど、リーフブルーは1年前までいたんだろ?だから嫌な思い 出がすぐ浮かんじまうんじゃないかって……」 「……そうだね。確かに辛くないって言ったら嘘になっちゃう」 「…………」 「でも、ね。私が神浜に戻ろうって思ったのは、あなたのお陰なんだよ?」 「……俺?」 「私以上に辛い想いをしたあなたがトラウマを受け入れて前を向こうと頑張ってる。私だけ踏み止 まっていたらダメでしょ?」 「……ちか」 「私に前を進む勇気をくれてありがとう。Soulburner」 「────こっちこそ……ありがとな」 『顔が赤いぞ、Soulburner。これが俗に言う照れていると言う現象か?』 「お前はいつも一言余計だっての!」