秋も深まり最近は俄に寒くなってまいりました　そしてこの時期は色づいた葉も落ちてゆっくりと冬に向かっていく少し物寂しい季節でもあります
しかしながら同時にこの時期は暑がりで寒がりのタキオンが今日は温かいものがいいねぇとかストーブは早めに出したまえとか言いながら何かとモルモットくんに甘える季節でもあると思います　本日はそんなタキオンが長い秋の夜をモルモットくんとどのように過ごすのかについて焦点を当てていきたいと思います

さてこう寒いとタキオンのものぐさぶりにはますます磨きがかかってごはんを食べたあとはソファーの上で毛布にくるまって動かないまま「りんごが食べたいねぇ」などと手を出すことさえせずにモルモットくんに甘いものを食べさせてもらいながら毛布の中に入れた本を読む悠々自適の生活を送ってるわけですね
そんなタキオンをしょうがないなぁと言いながらどこか楽しそうに甘やかすモルモットくんなんですが流石に寝るときは「そこで寝たら風邪引くよ」って毛布から出るように促すんですよね
しかしタキオンは全く毛布から出る気配がなくて「どうしても寝かせたいというならこのまま運んでもらおう」と何故か偉そうに言うので仕方なくモルモットくんは毛布にくるんだままのタキオンを抱っこして寝室まで連れて行くんですよね

廊下に出て客室に行こうとするモルモットくんですがタキオンは「きみの部屋はあっちだろう？」と何故そこに行こうとしているのか分からないと言いたげな声音で方向転換を指示するんですよね
モルモットくんはモルモットくんでどうして自分の部屋に誘導したがるのかわからないといった顔なのですがタキオンは「冷え切った布団に私をひとりで寝かせるつもりかい？きみのベッドのほうが広いのだから、そこで寝かせてもらうよ」とごくごく当たり前のように湯たんぽ代わりにモルモットくんと一緒に寝ると言い出すわけです
こうしてタキオンはモルモットくんの布団の中に滑り込んでくるわけですがそんな強引なタキオンにモルモットくんはちょっぴり困惑しながらも少しだけ嬉しそうだといいなと思います

こうして同じ寝床に入ったふたりですが暖まる手段を確保したタキオンはご機嫌で「しかし凄まじい寒さだね、明日の実験は新陳代謝の向上に関する新薬にしてみようか？効きすぎるとネズミのように30分に1度は食事をしなければならなくなるが、まあ問題あるまい！」といつもみたいな邪悪な笑顔を浮かべながらテンション高めに喋るんですよね
でもモルモットくんは全然動じなくて「それはやだな。せっかくタキオンといっしょなら、ごはんは味わって食べたいよ」って優しく微笑んでタキオンの手を握るんですよね
それでタキオンもすっかり毒気を抜かれてしまって「…ふん」と鼻を鳴らしたきりモルモットくんの手をきゅっと握り返して何も言わなくなっちゃうんですよね
ほんとは二人とももっとくっつきたいし抱きしめたいのにタキオンもモルモットくんも妙なところで意地っぱりで自分から言い出したら負けな気がして（実際にタキオンはウザめの絡み方をしてくるわけですが）結局は手を繋いだところから進まずにふたりともその場は寝ちゃうのではないかなと考えております

そこから暫く経ってタキオンは目を覚ますんですがモルモットくんは眠ったままで眠い目を擦るとタキオンの目の前にはこっちを向いたモルモットくんの寝顔があるんですよね
そんな寝顔を見ていると意外と幼くて可愛い顔立ちのモルモットくんがすうすうと寝息を立てながらも繋いだ手は離さないことにやけに満足感を覚えたり空いた方の手でモルモットくんの頬を撫でながら可愛らしい顔をしておいて私を見つめる瞳の色があれだけ狂っているのはきみの永遠の謎かもしれないねなどとらしくもない感傷に浸ったりと自分の中でモルモットくんがどれだけ大きな存在になっているかを噛み締めるタキオンはとても綺麗だと思います
しかしながらモルモットくんが寝返りを打って手が離れたり顔が見えなくなるとその分ひどくぶーたれてしまう子供っぽさは相変わらずだとなおいいなとも思うわけですね
そうしてむすっとした顔のままモルモットくんを後ろから抱きしめて滑り込ませた手がもう一度繋がると漸く満足そうに眠るタキオンをずっと見ていたいんですよね

一方で今度はモルモットくんが目を覚ますとタキオンが背中からぎゅっと抱きついてきてることに気づくわけですね
目を閉じてすやすやと寝息を立てながら手を握ってあげるとちょっと嬉しそうに微笑むタキオンの寝顔はたまらなく可愛らしくてモルモットくんが振り向いてタキオンを抱きしめ返すまでにはそう時間はかからないと思います
そうやって起きてる間には素直になれなかったふたりが結局お互いが恋しくて抱き合って寝ちゃうというのは大変心温まる光景であると思います

翌朝ふたりはほぼ同時に目を覚ますんですが起きたらまだちょっぴり素直になれないのは相変わらずでタキオンが「そんなに私が恋しかったのかい？」と挑発するように言うとモルモットくんも「タキオンから抱きついてきたんでしょ」と譲らないんですよね
そうやってどっちが先に根負けしたかでしょうもない争いをするふたりなんですけどその間もお互いを抱きしめる手は離さずにいるしちょっぴり寒いと言い争うのをやめてお互いのぬくもりを感じ合うようにくっついちゃうんですよね
「…朝ごはんどうしよう」ってモルモットくんが気怠げに言うと「…まだ必要ないよ」ってタキオンが返して相変わらず素直じゃない言い方でもっとこうしていたいって伝えたあとに布団の中でずっと何も言わずに抱き合っている光景は実に可愛らしいものであると思います
何が言いたいかと言うとお互いのことが大好きでしょうがないのに変なところで子供っぽくて好きって言えないタキオンとモルモットくんがもう離れたくないって言いたいのに言えないまま不器用な大きすぎる愛情を噛み締めて抱き合っているところをずっと見ていたいんですよね

私の発表は以上です
では蓄光に戻ります

しっかり蓄えてまた放出しろ

見ていたいんですよね
まで見た

寝てるタキオンは普段があんなんな分美少女度が倍以上に高まるとされている

もっとくっつきたいのに言い出すと負けた気がしてモルモットくんの掌を指でいじるしかできないタキオンからしか得られない栄養素がある

いつもと匂いが違ったり寝癖が整ってたりしてカフェに察されてほしい

モルモットくんが寝言で「タキオン…」って名前を呼んだだけで耳がついぴんと立っちゃうタキオン

まるでモルモット君がタキオンのこと大好きみたいじゃん

モルモット君がタキオンのこと大好きじゃないわけないじゃないですか

お腹が空いてきて「ごはん…」って言い出すくせにモルモットくんがベッドから出ようとしたら引っ張ってくるタキオン
結局モルモットくんにくっついてキッチンまで言って味見させてもらううちに目が覚めてきてうるさくなるタキオン

わがままが過ぎて毛布にくるまれたまま簀巻きにされておやつを取り上げられるみのむしタキオンもいいし仲直りに一晩中抱き合って次の日の朝も甘えてくるねぼすけタキオンもいい