オーブの地下は不思議の塊、なんて話がある。 冗談でも何でもなくオーブの地下にはフリーダムやアカツキやエクリプスが眠っている、やばいものの隠し場所は地下が、オーブの暗黙の了解になっていた。 「で、お前は僕をここに呼び出して何の用なのさ」 「失礼だな、お前が美少女二人と旅するのに必要な馬を用意してやるってのに」 「」は知り合いのボンボンに拉致され、オーブの地下に来ていた。 ここはボンボンの実家が保有する潜水艦…ザフト侵攻時に撃沈した奴の残骸をかき集めて作った…へとつながる隠し通路であった。 「僕には不要だよ」 「でもよ、ムラサメは国外に出せないし、お前のアストレイは有名だしさ」 ムラサメはジャンク屋に回収された機体もあるが、多くはオーブが買い戻したのであまり市場に出回ってない。 かといって「」の愛機は知名度がありすぎて目立つ、あと燃費も悪い。 「だから優しい俺様がお前のために足を擁してやるのさ」 「余計なお世話だよ、それにMSを持ち出すような旅にはならないよ」 「まぁまぁ、見るだけ見て行けよ」 潜水艦へと移り、格納庫へと向かう。 そこに鎮座していた機体は、ちょっとあれな機体だった。 「なにこれ?」 「ネブラブリッツノワール、結構金がかかったんだぞ」 鎮座していたのは、ブリッツガンダムに見たことのないストライカーを装備した機体であった。 「本体のネブラブリッツはロゴス崩壊で流れてきた機体で、一部装備がミナ様の機体と同じになってる、バッテリー回りはモルゲンレーテが弄ってた」 「そうか、背中のは?」 「ノワールストライカーってやつで、IWSPの改良品だ、オーブ沖でマーシャンと戦ったファントムペインの機体が使ってたやつを回収して、モルゲンレーテが直したのさ」 そんな説明をされても、「」は使うつもりがなかったのでどうでもよかった。 「ミラージュコロイドが使えるし、機体色はダークブルーにしてあるぞ」 「そっ、まぁ必要ならつかうよ」 「ちゃんと連絡入れろよ、運ぶのも時間がかかるんだからな」 「」はそれだけ言うと、乗るつもりはないので振り返ることもなかった。 その数日後、受け取っておけばよかった思うのだが、それは別の話。