二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1729425262587.png-(1363931 B)
1363931 B24/10/20(日)20:54:22No.1244908842そうだねx1 21:55頃消えます
朝に見たスレ画が凄い良くてはじめて怪文書を書きました
ただ書きながら盛り上がりすぎて文字数は5000を超えた上に麻雀SSなんて初めてなので読みにくいところはあると思いますが御笑覧いただければ幸いです

ちなみに本文中で牌は以下の略語で記しています
萬子 一二三〜
索子 123〜
筒子 ①②③
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/10/20(日)20:55:16No.1244909311+
「カン!」
「これもカンだ!」
「く…流石に早いな…!もう自分の手の中だけでカンを2回も………!」
「流石は“リーチ使い”のエリゼという所か……この国じゃ面前で三槓子をアガれるのはあいつだけだからな…」
「………………」
「よし来た!カン!!」
「な!?もう三槓子を完成させた!?」
「おい!誰か明槓できる奴はいないのか!?」
「ダメだ!ポンが限界だ、カンして止められない……!」
「諦めなさい。こうなったエリゼを、止められる雀士は居ないわ」
「………………」
224/10/20(日)20:55:31No.1244909459+
「リーチ!!……ロン!」
『リーチ 一発 三槓子 三暗刻 カンドラ4 裏ドラ4 数え役満 48000』
「う…!?嘘だろ!!?そんなにドラが乗るのか!?」
「すげぇ……アレが裏ドラか……」
「噂には聞いてたが…生で見たのははじめてだぜ………」
「………………」
324/10/20(日)20:56:43No.1244910072+
なんなんだこの大味すぎる麻雀は
仲間内での徹マン後、プツリと意識を手放した俺は気がついたらこの世界に来ていた
外の風景と状況からなんとなく異世界に転移したことはわかり、兎に角食い扶持でも稼ごうと冒険者の酒場らしき場所に寄った俺が見たのが、先ほどのカンカン乱れ飛ぶバカ麻雀卓と、それに群がり興奮する荒くれども達だった。
424/10/20(日)20:57:01No.1244910243+
「ひ…ひぃ……!ダメだ、払える点棒がもう無い……」
「ならどうなるかは………わかってるよな?」
「やめてくれ!!俺はまだ死にたくねぇ!!」
「安心しろ、殺しはしねーよ。ただ最近私の魔雀ギルドの洗牌係が洗牌のしすぎで死んじまったからな。お前はこれから一生無給で洗牌をしてもらおうか。おい!こいつを連れて行け!!」
「い、嫌だ!!助けてくれ!!誰か!!誰かぁぁぁぁ!!!!!」
「諦めなさい。“魔雀”の敗者に選択権は無い。負けたものは良くて奴隷、悪ければ死よ。」
「ふっ、このエリゼ・テーパイ・ソークリーに零賭(レート)魔雀を挑んだ蛮勇は認めるがなぁ……それだけだ。ギルド長の地位が欲しけりゃ、せめてもう少し明槓を鍛えておけ」
「ギャハハハハ!!!!!」
「……………」
524/10/20(日)20:57:27No.1244910429+
……今ここで聞いた情報をまとめると、この世界のレート麻雀は、本当に全てを賭けているらしい。
負ければ死か、あるいは人権を失い。勝てば地位が手に入る。恐らく、金も莫大なモノを手に入れられるだろう。『ムダヅモ無き改革』以来に聞いたぞそんな世界。
「しかし…これで面子が欠けたぞ。おい誰か!私と零賭魔雀を打つ奴はいないのか?」
「無理無理、魔雀で国内トップのギルドのリーダーに上り詰めたエリゼと打つ奴なんてここらにゃもういないわよ」
「なんだと?つまらねぇな…ギルドの連中じゃ歯応え無いから、久しぶりにこの《カンドラ亭》に来たというのに……おいナーディア!お前は打た無ぇのか!」
「………興味ない。」
「……お前、まぁだ古文書ばかり読んでるのか。確かにお前が教えてくれたリーチは重宝してるが、本ばかり読んだって魔雀は強くならねぇぞ」
「……………」
「ふん、カンドラ亭も質が落ちたもんだね……」
624/10/20(日)20:57:48No.1244910585+
と、そこでエリゼと呼ばれる女……勝ち気そうな、デカパイ獣人の目がこちらに向いた。
「……お前、見たこと無い奴だな?どこから
来た?」
「え?俺?えっと……日本だけど……」
「ニホン?聞いたこと無い国だけど魔雀は分かるだろ?」
「この世界は魔雀が全て、勝てば地位も名誉も思いのままよ。もし、貴方が勝てば国内でも屈指の麻雀ギルドの長の地位が手に入る。他所者には美味しい話なんじゃない?半荘一局。受けるならそこに座りなさい。」
「……うーん」
……見た感じ、ルール自体は普通の麻雀だとは思う。なら、やっても良いかもしれない。
折角の異世界転移、今の自分には何もない。なら、挑戦はしなくちゃいけないだろう。
そう思い、俺は頷いた。群衆は沸き、エリゼはそうこなくちゃという風に笑うと、席に座るように促す。

「…………ニホン?」
その喧騒の外、ナーディアと呼ばれた陰気そうの少女だけは、突如現れた旅人から聞こえてきた言葉にひっかかりを覚えていた
724/10/20(日)20:58:34No.1244910971+
東一局 ドラ 7(七索) 

手牌
二二三33557⑤⑥⑦西白

東一局が始まる、自風は北だ。
手牌は良い、么九牌も少ないしドラもある。面前で少し頑張れば平和は狙えるし、ぱっぱと鳴いていけばタンドラ1くらいはすぐに作れるだろう。
そんなことを考えてると、上家が六索を捨てた。
少し迷うが、ドラ表で一枚消費されてるし、まずはリズムを作るためにアガることを優先する。
「チー……」
次の瞬間、バカにしたような笑いが群衆から沸き起こった。
「オイオイ!こいつバカじゃねぇか!?対子があるってのにそれを捨ててチーしやがった」
おいなんでこいつらは俺の手牌を喋ってるんだ?
824/10/20(日)20:58:56No.1244911159+
と、上家にいたエリゼの連れらしき角あり少女が嘲笑するかのようにしてきた
「一つ忠告してあげるわ旅人さん。もし、手牌に対子があればポンして加槓チャンスを狙う。それが魔雀の常識であり基本よ」
なんだその非常識極まりない基本は。雀魂の住人だってもう少し常識的な麻雀を打つぞ。

「シャール、あまり人の打ち方に口出すもんじゃねーぞ。」
「あぁすいません。つい…」
「だが、素人とは言え手加減はしないぜ?カン!」
エリゼが牌を倒す。俺が捨てた白をカンしたのだ。

…………白を明槓?????
924/10/20(日)20:59:15No.1244911337+
「白カン!流石のエリーゼといったところか……」
「これで三槓子に役牌もつく、満貫は楽勝だろうな…」
「いや、暗刻のままで良いんじゃ……」
思わず疑問が口をつく……が
「暗刻って……」
「は!本当に何も知らねぇんだな!カンしなきゃ、三槓子を作れねぇじゃねぇか!」
またもや野次馬共に広がる嘲笑の爆笑、やれやれと上家のシャールが、またもや俺に話しかける
「魔雀の定石は三槓子に決まってるじゃない。何?ニホンってのはそんなのもわからないド田舎なの?」
「シャール……くくく……だから口出すなって……ぷぷっ!」
今度はエリゼも我慢できなかったのか吹き出している。
麻雀の定石が三槓子、どこの異世界なのだろうかと過ぎり、そういや異世界だったなと思い直す。
エリゼがカンドラをめくる、ドラ表示牌は一萬、頭にするか刻子にするか迷っていた二萬にドラが乗る。どうやら、満貫手に仕上げられそうだ。
1024/10/20(日)20:59:53No.1244911651+
「ツモ、タンヤオ……」
『タンヤオ ドラ4 満貫 2000 4000』
牌を倒すと、雀卓が勝手に喋り始める。どうやら役を認識して勝手に点数計算してくれるらしい。ものすごい便利アイテムである。
「こいつ…本当に三槓子をつけずに上がりやがった……」
「タンヤオだけとは…ショボい上がりだな」
立ち見客共がヒソヒソと自分のあがり方に文句をつけてくるが、内容が内容なので気にもならない。
「アガりはしたが、定石を知らない魔雀ね。どうやら、相当に与し易い相手らしいわ。」
「だから、油断するなよシャール。何が起こるかわからないのが魔雀だろ?」
「ハッ……」
1124/10/20(日)21:00:40No.1244912035+
東場の間、打ちながらこの世界の麻雀を観察する。
どうやら三槓子が定石と全員が本気で思ってるらしい、上家も対面も下家も、カンカンカンカン鳴きまくってる。チーよりもポンが多く、それよりもカンの発声の方が多い滅茶苦茶な麻雀だった。その結果として東二局、東三局はどちらも四槓で流れた。誰かが三槓子をしそうなら、カンで流すのが基本戦略らしい。本当に滅茶苦茶だった。
場が再び動き出したのは東四局の事だった。親は自分、動かしたのは対面のエリゼだった。
1224/10/20(日)21:01:14No.1244912325+
「カン!も一つカン!」
七巡目、彼女は勢いよく手牌を倒し、嶺上牌を使ってもう一度カンをする。
「来たか…エリゼの暗槓……」
「世界広しと言えど、暗槓での三槓子をあの頻度で仕上げてくるのはエリゼだけだろうな…」
ギャラリーの言葉を聞きながら、どう躱すかを考える。この世界の麻雀はバカ麻雀だが、だからこそ手牌が仕上がると恐ろしい。暗刻で三槓子なら、三暗刻は確実につくから満貫は確定だし、四暗刻や四槓子という役満の可能性もある。そうでなくてもカンドラ裏ドラあわせて八枚のドラが出現するのだ。容易く倍満、三倍満まで膨れ上がっていくかもしれない。強く警戒しなければいけないだろう。
1324/10/20(日)21:01:52No.1244912644+
「カン!そしてこのまま…リーチ!!」
十二巡目、対面エリゼの三暗刻、三槓子確定リーチが放たれた。王牌で晒されてる四枚のドラは、彼女の手元に並ぶ三種十二牌のどれとも絡んでないが、裏もそうであるという希望的観測はできない。
「(こっちは張り合える手じゃないし、降りるに限るな。確定安牌はないが、中筋は幾つかあるし、これでなんとか躱すか……)」
そう考え、とりあえず中筋の五萬から切る、と………
「おいおい!とんだ素人だぜコイツ!!リーチされてるのに真ん中切りやがった!!」
「は?え?何って筋だなら切っただけだが……」
「スジだから…?スジってなんだよ!!知ってるかお前!ギャハハハハハハ!!!」
悪夢だろうか?筋を知らないのにどうやってリーチをかわしてるんだ?
そう思ってると、上家も下家も端っこを切っている。端っこなら当たりにくい、そういう薄い根拠のみでかわそうとしているのだ。
1424/10/20(日)21:02:16No.1244912856そうだねx6
まだやんの…?
なんかtxtじゃダメなん?
1524/10/20(日)21:02:30No.1244913002+
結局、エリゼのリーチは五巡後に俺の下家から飛び出した九筒へのロンにより成就した。
『リーチ 三暗刻 三槓子 裏ドラ4  16600』
「グワッ?!マジか、么九牌を切ったのに……」
「チッ!乗ったのは一つだけか…」
「だが、これであの素人からは逆転しました。このまま行きましょう!」
「しかし運が良いやつだな……真ん中ばかり切ってたのに全然当たりゃしなかった」
「なぁに、紛れさ紛れ」

「中筋…………両面待ちに対する、安牌………」
いつの間にかギャラリーの中に加わっていたナーディアが呟く。

「古文書にあった切り方を、どうして……?」
1624/10/20(日)21:03:39No.1244913640そうだねx14
あんまり長いのをレスでやられるとダレる…
1724/10/20(日)21:05:04No.1244914445そうだねx2
残りは以下にあります
fu4143191.txt
txtあげるの初めてですがこれで大丈夫なんでしょうか・・・
1824/10/20(日)21:05:56No.1244914944+
>雀魂の住人だってもう少し常識的な麻雀を打つぞ。
不服はなかった(ry
1924/10/20(日)21:06:54No.1244915542そうだねx5
1,2レスで終わらないときはtxtで上げた方がいいぜ!
2024/10/20(日)21:07:53No.1244916173+
端っこ捨てたら当たらないのは異世界の常識だったのか…
俺は異世界の住人…?
2124/10/20(日)21:19:44No.1244922610そうだねx2
読んだけど面白かったぜ!
2224/10/20(日)21:23:36No.1244924596+
変な意味抜きで面白かった
どっかまともなサイトに上げたほういいんじゃないか?
2324/10/20(日)21:26:16No.1244925823+
後ろで手牌を喋り出す連中を殺す呪文はないのかよ許せない…
2424/10/20(日)21:27:25No.1244926351そうだねx1
暗槓これだけ作れるのはこの世界異能ありそうで知識チートあっても怖いな...
2524/10/20(日)21:32:51No.1244928945そうだねx4
>変な意味抜きで面白かった
>どっかまともなサイトに上げたほういいんじゃないか?
ありがとうございます!imgのネタをお外に出すつもりは無いので上げる気はありません!
2624/10/20(日)21:33:26No.1244929233そうだねx1
面白かったよ
2724/10/20(日)21:40:04No.1244932179+
書き込みをした人によって削除されました
2824/10/20(日)21:41:18No.1244932695+
良かったけど異世界で指摘されると喰いタン無しだったりこの役ルールとしてあるのかな?って不安になるな
2924/10/20(日)21:41:44No.1244932895+
それとtxtで上げるようにとのアドバイスもありがとうございました
今度から怪文書を上げる時はtxtでアップします
3024/10/20(日)21:43:23No.1244933615+
カンにゃ!
3124/10/20(日)21:43:52No.1244933827そうだねx1
>良かったけど異世界で指摘されると喰いタン無しだったりこの役ルールとしてあるのかな?って不安になるな
そのあたりのルール確認も必要かなと考えましたがなろうやカクヨムで連載するものでも無いし長くなるので流しました
ただ「喰いタンアリか?」って聞く場面くらいなら入れられたかな…?というのは反省点です
3224/10/20(日)21:44:11No.1244933947+
こんなんチートや!
3324/10/20(日)21:46:53No.1244935056+
短くまとめるのも技術だよ
また頑張ってね
3424/10/20(日)21:49:38No.1244936329+
一応二話は槍槓使いの槍騎士が相手という構想はありますが三話以降の構想が無なので恐らく続きはありません
素晴らしいお題絵を描いた「」に感謝です


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