肉体があり、精神が活動している以上、生命体にとって生理現象とは決して切り離せないものだ。どうしたってお腹はすくし、いつかは必ず眠くなる。そして、それは性欲であっても例外ではない。 (みんな、眠っただろうか) 全身を覆う黒いコートを纏った男性。ドクターはモーテルの薄い壁越しに聞き耳を立てる。当然、彼の聴力をもってしてはとなりの部屋の詳細な様子をうかがうことなどできない。 しかし、少なくとも、あの少女の楽しそうな声は聞こえないことは分かった。 (・・・・・・よし) ひとまずの安全を確認して、ドクターはベッドにおっかなびっくりと腰掛けた。彼らの身体能力は、ドクターの想像を遙かに超えるものだ。うっかりと音を立ててしまったら・・・・・・慎重になるに越したことはなかった。 「・・・ふぅ」 安堵の息を吐き、そして彼は意を決して、自らのズボンのファスナーを下ろした。 そう、性欲である。性欲とは生物にとって、非常に強い欲求だ。それはドクターにとっても例外ではない。生命活動を続ける以上、どうしたって溜まるものは溜まるのだ。 強い使命感も、目的意識も、それそのものを覆すことは難しい。 (・・・アーミヤには見せられないな、こういうのは) ズボンからでてきた逸物は、すでに反り返っていた。大きいのか小さいのかは分からないし、比較するつもりもないが・・・ともかく、ドクターはそれに指を這わせた。 「く・・・」 自慰行為を手伝うものはない。自分がいた時代であれば、そういったものには事欠かなかったが、日々を生きることすら困難なこの世界においてはそういった娯楽は少ない。もちろん、探せばあるのだろうが、あの少女――アーミヤ――を連れ立っている状況では、そんなものに意識を向けることは、それそのものが躊躇われる行為だった。 「・・・ふっ」 だから、自ずと想像で補うことになる。ぼんやりと脳裏に女性の裸身を浮かべ、ドクターは逸物を擦り上げる。それは、誰ともつかない ものだし、ドクターも特定の人物を挙げることはよしとしなかった。 「は、はぁっ・・・」 想像が性欲を補強し、男根の強度が増していく。ままならなかった時期がながかったせいだろうか、ドクターはいつしかその自慰行為に理性を預けていく。 「う、くぅう・・・」 だからだろうか、つとめて特定の人物を思い浮かべないようにしていた想像は、やがて1人の人物の像を結んだ。それは、最近ともに度をしている一人の女性であった。 種族はコータスというらしい。銀色の髪の上には、立派な兎の耳がある。そして、快活な女性だった。 女性の身でありながら――それをいうのであれば、ほとんどの人物がそうなのだが――男の自分よりも強い力を持ち、ハンマーを振り回して障害を取り除く。そして、彼女は、魅力的な肢体を備えた人物でもあった。 「さ、ベージっ」 その女性のコードネームを、知らずの内に口にする。黒い作業服に覆われた豊満な裸身を想像してしまう。知らずうちにペニスを擦り上げる手の速度は、だんだんと早まっていく。 「んっ・・・くっ!」 ペニスの先端から、粘度の高い液体が溢れ出す。それが潤滑剤になり、男の肉幹をしごく速度をさらに高める。想像を重ねてはいけない、そう思いながらもドクターの本能は止まらなかった。座っていた体を寝そべらせ、刺激をあたえることに意識を集中させていく。 「うっ、うぅぅうっ! はぁっ!」 ついに、射精する。勢いよく飛び出した白濁の精液が、その男根の先端にべっとりと付着する。 ドクドクと脈打ちながら、その白濁液が尿道から溢れ出てくるのを、ドクターはただ見ていることしかできなかった。 「はぁ、はぁ・・・」 全身から力が抜けていく。あれだけ溜まっていた熱が放出され、思考がクリアになっていく。それと同時に、やってしまった。という後悔が脳裏を支配しはじめる。 (なんて――ことを) 魅力的な女性であることは間違いないとはいえ、共に旅をする仲間なのだ。冷静になった思考に、先ほどまでの行為を責め立てられ、ドクターは煩悶する。 しかし、それと同時に、そうやってこのままでいられないのも事実であった。 「・・・片付けるか」 ドクターは体を起こそうとした。もちろん、精液でべっとりと濡れた逸物と下半身を拭き取るためである。 布などを用意してなかったことに後悔しつつ、起き上がろうとベッドに手をつく――そのときだった。 「あ、あはは・・・」 苦笑いのような、照れ笑いのような声が、部屋の入り口から聞こえ、ドクターの全身は固まった。聞きなじんだ声――ここ数ヶ月、なんども聞いた声。 「・・・ご、ごめんね?苦しそうな声が聞こえたから、つい」 ――サベージが、そこに立っていた。 ドクターの血の気が引く。いったいいつから見られていたのだ・・・!? 「サベージ・・・!?」 「ああっ、声を上げちゃだめだよ・・・!」 アーミヤちゃんが起きちゃう――サベージのその言葉に、ドクターは続く悲鳴を飲み込む。 「と、とりあえず入る・・・ね?」 そしてサベージはというと、立ち去ることなく、部屋の中に入ってきた。 部屋を開けっぱなしはよくないという判断だろうか。後ろ手に、ドアが閉められる。パタン、という音の後、訪れたのは――沈黙であった。 「ア、アーミヤには・・・」 「大丈夫、たぶん聞こえてないよ・・・私は、お手洗いに起きてただけだから・・・」 ようやく絞り出した疑問に、サベージは緊張した声音を隠さずに、しかしはっきりと応える。 あの少女には聞かれていない・・・ドクターの胸中にその安堵が生まれると共に、彼の心は申し訳なさでいっぱいになっていた。 「すまない・・・」 「な、何が?」 「君を・・・蔑ろにしたわけではないんだ・・・」 慮るなら、あの少女よりも、目の前の女性の方が先だ。今まさに、自分の醜い性欲をみせつけてしまった相手なのだし、ましてや自慰行為の対象にしてしまったのだから――。 ドクターはフードの中でうなだれ、身を縮める。 「あ、んー・・・・・・」 意図を察して、サベージは頬をかく。うつむいているドクターにはうかがい知れないことだが、その顔はうっすらと朱がさしている。 「だ、大丈夫だよ。ドクターだって男の人だもんね。うん」 指を胸の前で重ね合わせ、サベージはなおも続ける。 「気にしないでよ・・・!だれだってそういう気分にはなるし、なんなら私だってそういうことはあるんだから・・・!」 そして言い切ってから、自ら発した言葉の意味に気付き、赤くなってうつむく。気まずい沈黙――しかし、さっきとは少し違う沈黙が降りて、両者は押し黙った。 「あ、あのね・・・ドクター?」 やがて、沈黙を破ったのはサベージのほうであった。子供に言い聞かせるようにしゃがみ込み、ドクターの顔を覗き込もうとする。フードが作り出す暗闇にかくされて、その表情はうかがえなかったが、ともかくサベージは意を決して、こう言った。 「・・・して、あげようか?」 「っ!?」 驚いたのは、ドクターの方であった。顔を上げ、視線がサベージと合う。 彼女の顔は真っ赤であり、混乱しているのが目に取れてわかった。 「ほ、ほらっ!気付かなかった私も悪かったというか?よくよく考えれば私とアーミヤちゃん2人とドクター1人で、男の人はドクターだけだし、こういう旅だと発散できないって事あるでしょう? それなら私がしてあげれば、ドクターもこっそりしなくていいんじゃないかなってそう思って――」 「だ、だが――」 混乱しているのはお互い様だが、それはあまりにもなし崩しすぎる。 そもそもサベージは知るよしもないが、3人旅ではなく4人旅だ、男女の比率で言うと、男はさらに少ない。そんなことを思いながら、ドクターは慌てて、混乱するサベージを押しとどめようとする。 「う、うるさーいっ」 しかし、言葉はこの場において無力であった。真っ赤を通り越して、もはやトマトのようになったサベージは、勢いのままにドクターをベッドに押し倒す。 「うごっ」 したたかに後頭部をベッドにうちつけ、ドクターがうめき声を漏らす。この大地の人間の膂力にドクターは逆立ちしても勝てない。 それはこれまでの旅で思い知ったことであるが、自分に向けられることで、あらためてその凄まじさにくらくらとしてしまう。 「わ、わたしだって恥ずかしいけどっ」 サベージがドクターを見下ろす。長い銀髪がさらりとこぼれ、横顔を覆い隠す。 「な、名前を呼ばれてまでされたら――っ、っ」 一息にいいきろうとして、言いよどむ。先ほどの光景がリフレインしてきたのだろう。 羞恥で言葉が紡げず、サベージはドクター押し倒したまま、何かを言おうと、口をパクパクさせる。 「・・・っ」 その狼狽によって、ドクターは事ここに至ってしまっては、拒絶することはかえって彼女を傷つけてしまうのだと判断する 。それはまったくもって冷静な思考ではなかったかもしれない。自分が生きてきた時代の倫理感に照らし合わせればあまりにも衝動的で、後戻りできない行為ではあった。 おそらくそれはこの時代においても変わりなく、サベージも同様に思っていることだろう。 しかし、ドクターもまた、こぼれる髪から香るほのかな花の香りと、服の隙間から漂う雌の匂いに、普段の思考を奪われていた。 「・・・すまない、サベージ」 ドクターは手をのばし、頬をなでる。サベージがびくりと体を震わせる。自分の手など、彼女たちにとっては取るに足らないモノなのに。 しかしその当たり前の反応に、どこか心地よさを感じる自分がいることをドクターは自覚した。 「・・・たのめるか」 そうして、口にする。後戻りはできないが、どうしようもしがたい。お互いの火照った体を鎮めるにはもはやこうするしかないのだ。 「・・・うん」 ☆ 「・・・はじめてだから、痛いなら言ってね」 サベージはそういって、床に座り込み、見上げながら、ベッドに腰掛けているドクターのペニスを握った。 「あ、ああ・・・」 そう要求したのではなく、自然とそういうことになった。 劣情を抱えていたとしても、さすがに本番をすることは躊躇われたか、あるいはせめてドクターの自慰行為を手伝うという建前を保つためか、理由はお互いにもわからなかった。 ともかく、示し合わせるでもなく、二人はそういう合意に至った。 「・・・ん、じゃあ・・・」 サベージはそう言いながら、ドクターのペニスに指を這わせる。ハンマーを握り、障害を打ち砕くそれであっても、その指は滑らかで、自分の意志とは関係なく男性器に絡みつくそれに、ドクターは思わずうめき声を漏らす。 「くっ・・・」 「あ・・・いい、かな?」 反応を伺いながら、サベージはゆっくりと指を動かす。ぎこちないものの、どうすればいいかはわかっているようで、それはつまり彼女がそういう知識を有しているということでもあった。 その事実に、ドクターのなかにある罪悪感が薄れる。 「・・・ん、硬くなってきた・・・?」 ペニスはすでに精液とカウパーで濡れており、サベージが指をうごかすと、にちゃにちゃと音を立てる。そして、一擦り毎に硬度が増していき、屹立していくのが、一目で分かってしまう。 「う、わ・・・これ、気持ちいいんだよね?」 サベージの声がうわずる。しかし、緊張はほぐれてきたのか、興味深そうにペニスを握り締めながら、指の動きを早める。 動きが少しずつ大胆になり、竿の中腹のみを擦っていた指が、だんだんと竿全体を擦り上げるようになっていく。 「く、は・・・」 敏感な亀頭部分を擦られ、ドクターは思わず喉を鳴らす。先ほどとは違う反応に、サベージの兎耳がぴくりと反応する。 「ここ・・・?」 「う、ぁっ」 その敏感な亀頭をサベージの指が撫で上げると、ドクターの腰が跳ね上がる。 強い快楽を得ている証拠を見せつけられ、その様子に、サベージの中に好奇心が芽生える――このまましたら、どうなってしまうのだろう・・・? もちろん知識では分かっているが、実際に見てみたいという気持ちがむくむくとわき上がってくる。 「ここ、だねっ」 そうして、サベージは亀頭を手のひらで包むようにして撫で上げる。 「あ、ああっ!」 そしてまた腰を跳ね上げさせられ、ドクターは快楽に悶絶する。 びくびくと男性器が脈打つが、ドクターの反応に集中しているサベージはそれに気付かないまま、男性器への愛撫を続ける。 「あっ! くぅううっ!」 今度はカリ首を指の腹で撫で上げながら竿を擦る。まるで精巣の中の精子を絞りだすように、ペニスが脈動を繰り返す。 「はぁ! はぁっ! うぐっ!」 「すご・・・ここ、こうするだけでこうなっちゃうんだね・・・っ」 サベージの手が止まることはない。そのたびに男の身体が跳ねて反応するのがおかしくて仕方ないようだった。 呼吸の音と悶絶の声に混じって、にちゃにちゃと粘度の高い音が響く。 「サ、サベージッ・・・!」 限界が近づいているのだろう。ドクターは歯を食いしばりながらサベージの名前を呼ぶ。その呼びかけに、サベージも頷く。 「いいよ、ドクター・・・出してっ!」 サベージの手に力がこもる。ペニスが強く握られ、その刺激にドクターはついに限界を迎える。 「うあぁッ!!」 ――ドビュッ! ドクドクドクドクッ! 「ひゃっ!?」 精液が尿道を駆け上り、先端から飛び出す。それはサベージの指の隙間を突き抜け、放物線を描くと、彼女の顔へと飛沫となって飛んだ。 「っ!」 驚きの声。しかし、脈動するペニスは、次々と精液を吐き出す。それは、サベージの顔のみならず、髪や服にもふりかかっていく。 「あ、熱っ・・・!」 たっぷり10秒かけて、射精は続いた。ようやくそれが収まると、精液まみれになったサベージがそこにはいた。 「は、はぁ・・・あっ、うあ」 肩で息をつきながら、ドクターはそれを見下ろす。マーキングのようにかけられた精液に、サベージは困惑しているようだった。 「すごっ・・・こんなにいっぱい・・・」 感嘆の声を漏らしつつ、その白濁液を指ですくい取って、まじまじと見下ろす。 「これはすごい量だね・・・こんなにいっぱい出たの?」 指についた精液を観察し終えると、サベージはその指を口元へと運ぶ。 「う、あむっ・・・」 「サ、サベージ・・・!?」 じゅる、と啜る音が響いた。ドクターが呆気に取られる中、サベージは口内で精液を飲み込んでいく。 「・・・くさいし、にがいね」 ごくん。と嚥下する喉音が響き、サベージは顔をしかめた後に、そう述べた。しかし、その顔は上気しており、声はとろけている。 「でも、なんでだろうね・・・ちょっと興奮しちゃうような?」 サベージはそう言いながら、その手を自分の服のボタンにへと伸ばす。そして、ゆっくりとそれを外しはじめた。 「は、ぁ・・・ねぇ、ドクター・・・」 ドクターは何もいうことができない。露わになっていく白い肌に興奮をおさえきれない。 先ほど大量に射精したばかりの逸物は、すでにその硬度を取り戻しており、反り返っていた。 「私・・・もっ」 ボタンがはずされ、タイトな服に押さえつけられていた乳房がぶるんっ!と勢いよく飛び出す。そして尚もそれを押さえつける下着をずらすと、今度は重力にしたがって、こぼれ落ちた乳房が跳ねた。 「興奮、してるの・・・っ」 荒い吐息混じりにそう告げると、サベージは立ち上がり、タイトスカートを脱ぎながら、ベッドに寄りかかる。安普請のベッドが大きな音をたてるが、二人には関係がなかった。 サベージはドクターに跨がる。ストッキングに覆われた秘所は、さらにその奥にある下着越しであっても濡れそぼっていることが見て取れた。 「はぁ、はぁ・・・はぁっ、はぁっ――。」 くちくちと、水音が響く。サベージがその秘所を、ドクターのペニスの先端に擦り付けているのだ。 「いいよ、ね?」 劣情をたたえた視線に見下ろされ、ドクターは頷くほか無かった。 「んっ・・・!」 下着に覆われた秘所をペニスにあてがい、サベージは腰を揺らす。濡れたショーツはそれだけでずらされて、まだ男性を経験したことのない女性器がストッキングごしにあらわになる。 「ドク・・・ターッ♥」 そして、腰が下ろされる。屹立したそれは、その硬度をもってストッキングを押し上げ、そしてサベージの下半身の力と自重をもって――。 「あぁっ・・・!?♥」 ぶ、つんっ!とストッキングを破り、サベージの膣内にへと侵入したのであった。 「ん゛っ!?♥ ふぐっ♥ ん゛ぅぅうううううぅうっ♥」 サベージの体が大きく揺れる。下腹部を貫く感覚に悶え、身体をよじると、豊満な乳房が大きく跳ねる。 「んぐっ♥ ん゛ぅぅっ♥ はぁっ! はぁっ♥ はぁ♥」 痛みはあるのだろう。しかし、それでもなお彼女は腰を下ろしたまま、ドクターの逸物を飲み込もうとしている。 「サベージっ!?」 痛がってるのではないかというドクターの心配はよそに、サベージは荒い呼吸をしながらも、自らの手でペニスを掴む。そして、その根元まで咥え込むために、さらに腰を沈めたのだった。 「う、あぁあっ!?」 ペニスが膣肉を押し分けていく感覚。その締め付けでドクターは思わず腰を震わせるが、それでもなお彼女は腰を落としてくる。 「んっぐぅううっ♥ はぁっ! はぁっ!♥ んぐっ!?」 ついに根元までペニスが納まり、サベージとドクターは密着した。 「はぁーっ♥ はぁっ! はぁっ♥」 そしてそのまま、息を荒げるサベージの姿がある。その瞳は潤んでおり、肌には汗が浮かんでいた。 「はぁっ♥ はぁっ♥ こ、れっ♥ すごっ♥」 呼吸の合間合間に、そんな声が漏れ聞こえてくる。 「うぐっ!?」 サベージが身体を揺すると、そのたびに男根に絡みつく膣肉たちが動き、刺激が与えられる。そして膣内のペニスが震え、その刺激がサベージをさらに法悦へと押しやる。 「あっ♥ あぁっ!♥」 そうして腰を揺らしはじめた彼女は、やがてそれに夢中になったのか、腰を上下に振りはじめたのだった。 「はっ♥ あぁんっ!♥」 ずりゅん!ずちゅっ!じゅぷん! 腰を振りながら、サベージの豊満な乳房が上下にゆさゆさと揺れる。尻肉がドクターの腰に打ち付けられ、ぱんぱんと肉のぶつかる音が部屋に響く。 「あぁっ♥ はぁっ!♥」 「さ、サベージッ…!」 そして、与えられる刺激に耐えきれず、ドクターもついに腰を振り始めてしまう。 「あんっ!? ひぅぅううんっ!?♥」 自分の意志とは関係なく突き上げられる感触に、サベージの上半身が仰け反る。膣が強く締まり、ペニスをしごく水音が激しくなっていく。 「あぁっ!♥ はぁっ!♥ あぁんっ!♥」 抽送するごとに互いの身体が熱くなっていくのが分かる。大量の汗をかきながらも、 二人の腰使いは止まらなかった。 そればかりか一層激しくなっていき、お互いが、お互いを果てさせようと必死になっている。 「くぅっ!?♥ あぁんっ!♥」 「サベージ…も、もうっ!」 ドクターが腰を掴む。サベージの身体がびくんっ!とふるえて、膣がドクターのペニスの根本を締め上げる。 「く、あ!」 「や…サベージ、じゃなくてっ……っ」 コータスの女性が、熱に浮かされたように懇願する。その間も腰は円を描くように動き続けている。結合部はすでに泡立ち、愛液と精液とでぐちゃぐちゃになっていた。 「名前で、呼んでっ…♥」 「シャーロット…ってよんでっ…♥♥」 そう名乗った女性の顔はもう蕩けきっており、理性などどこにもないようだった。 「シャーロット…!」 そしてドクターも、劣情に促されるままにサベージ――シャーロットの名前を呼ぶ。腰を強く掴み、突き上げる。 偶然にも、その動きがシャーロットの腰を打ち付ける動きと重なる。 ご、ちゅっ!♥ 「あぁあああんっ!?♥」 ペニスの先端が子宮口に叩きつけられ、その衝撃にシャーロットが絶叫する。その瞬間、シャーロットは絶頂した。膣がぎゅうううっ!と締まり、ペニスを扱き上げ―― 「くあっ!でるッ!!」 ――そしてドクターもまた、腰を打ち付けながら射精したのだった。 どぷっ! どくどくどくっ!びゅくっ!びゅるるるぅっ!! 子宮口に押し付けられた亀頭から、弾けるように精液が飛び出す。子宮内へと流し込まれる精液を、シャーロットは身を震わせながら受け入れさせられる。 「あぁああああっ…!♥ あぁぁあああああ――――っ…!♥」 がくがくがくっ!とシャーロットの全身が震える。膣内が蠢き、精液を絞りだす。 どくっ、どくどくっ…。 ペニスが脈動を繰り返し、子宮に精液を送り込む。 「あっ…♥ あっ…♥ あぁぁあああ…っ…!♥♥」 射精の快感が過ぎ去った後でも、シャーロットの膣はまだ痙攣しているようだった。足を大きく広げたまま、がくっ、がくと震えている。 「はぁっ…♥ はぁっ…♥ あぁっ…♥」 やがて、シャーロットは糸が切れたようにドクターへと倒れ込んだ。荒い呼吸のまま、ぎゅっと抱きついてくる。豊満な乳房が潰れて、その柔らかな感触を伝えてくる。 「はぁ…はぁ…っ、あ……」 そうして、息が落ち着いてくると、シャーロットは思い至ったように、顔を上げた。 「あなたの…」 「ん……?」 「あなたの、顔見るの…忘れちゃったね」 シャーロットは、そういってはにかむ。 ドクターもまた、その言葉に苦笑すると、自らのフードに手をかけたのだった。 ☆ しばらく抱き合っていたものの、アーミヤを一人にするわけには行かないということになった。 それから二人は着衣を整え、そそくさとお互いの部屋に――具体的にはサベージがアーミヤの部屋に――戻ることになった。 幸い、子ウサギちゃんは、珍しく良く寝入ってっており、二人は安堵の息を漏らしたあと、部屋の前で別れることになった。 「あの、ドクター?」 「なんだい?」 「名前の方は、あまり…呼ばないでね?は、恥ずかしいから」 「…ああ」 サベージのほうから求めてきた上に、あれだけ繋がり合って今更という気もするのだが、ドクターはそれは言わないことにした。 君子危うきに近寄らずだ、ドクターは賢人であった。 ――そうして、朝を迎える。 「…おはよう、ドクター」 「ああ、おはよう…サベージ」 モーテルをでてから顔を合わせ、ドクターとサベージは少しばかりぎこちなく、挨拶を交わす。 「ドクター?サベージお姉さん?なにかあったんですか?」 アーミヤがその様子を見上げて首を傾げ、二人は慌てて取り繕う。アーミヤも追求する気はないようで、話題はすぐに今日の朝食に移り変わる。 サベージとアーミヤ、二人のコータスの和気あいあいとした会話を聞きながら、ドクターが微笑んでいると、不意に背後に気配があった。 「――アスカロン?」 「ドクター、1つだけ忠告しておいてやる」 バベルから、ひっそりとついてきた旅の道連れ――アスカロンはそういって、二人には聞こえないようにドクターに告げる。 「二人きりになるなら、ひと言言え――寝かしつけるのは、得意じゃないんだ」 「……!?」 思わず振り返る。しかし、その時にはすでにアスカロンは忽然と消えていた。 「ドクター?」 「どうかしたんですか?」 あとに残されたのは突然後ろを振り向いた挙動不審のドクター。 サベージとアーミヤから首を傾げられ、ドクターは苦笑いをしながら、正面を向くのであった。